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 終7、出動! 越後の国の鍛冶ガール!!

思えばたったの数ヶ月の出来事であった。

三条マルシェのボランティアでまことと出会い、火花のイヤリングを貰ったことにより、栞菜そして姫子と山吉らと知り合う。

様々な出来事を経験して、今この場に立っている。咲良はそんなことを考えながら月夜となった空を見上げてみた。



「咲良、みんな揃ったわよ」


茜の言葉に振り返った咲良は、そこにこれまで重ねて来た道のりの意味を知る。


鍛冶ガールを筆頭に五柱神がその後ろを固め、弧を描くようにして長尾の軍勢がそれを囲んでいた。


「よし!」


ジャンヌダルクのような英雄顔でそう言った咲良は一心同体のように真後ろに佇んでいる影虎をチラッと見てから巌鉄斉に開戦の指揮を委ねた。


巌鉄斉は既に空の人となり、全軍が見渡せる距離にいて訓示のように大声を張り上げた。



「時きたり! 鍛冶ガールと五柱神はそれぞれの柱に向かい、その聖なる力をぶつけて参れ! 長尾の軍勢は各所にて、この行動を阻止せんとする輩を掃討せよ! 宿敵無縁はこの機に乗じて必ず何か仕掛けてくる! よいなっ! 抜かりなく!!」


巌鉄斉の裂帛(れっぱく)の気合いは一人ひとりに浸透し、まるで1つの生き物のように一枚岩となった。


「咲良よ、あとは任せた」


巌鉄斉はそう言うと意識を集中し次の行動に入った。



「咲良!」

「咲良さん!」

「しっかり頼むぜ!」

「咲っち!」


最後にまことが詰め寄り咲良の手を握ると、場違いな笑顔で、


「絶対阻止するわよ!」


と言った。

内に闘志を秘めた顔を作った咲良は深呼吸し、鍛冶ガールを集める。


「みんなっ! いっくよぉ!」

『おう!!!!』


目一杯息を吸い込んだ咲良は満月を見ながら拳を振り上げてこう叫んだ。


「鍛冶っガール! 出動!!」


その合図と共に鍛冶ガールらは己の力を開放し、五柱神は姿を変え、長尾軍は各所に散らばった。


『『はぁーーーー!!!!』』


「シャーーーーッ!!」

「コーーーーン、コンッ!」

「ヒヒィーーーン」

「むむむむむぅ」

「変化っ!!」



「行くよっ影虎!」

「おうよ!」


それぞれはパートナーと共に目的の地へと急行していく。夜空に舞う星々が霞んで見えなくなるほどの鮮やかなイルミネーションのように。


「頼んだぞ巫女達よ……行くぞ山吉隊、我に続けよっ」


山吉は希望の光に運命を託すようにそう言って、自身が守りを固める咲良と栞菜の柱の狭間へと馬を駆った。


咲良と茜の柱の間を守る手筈の四季彩もまた、


「巫女方、お頼み申します!」


と言って先陣を切り馬を走らせたのだが、


(??!)


突然、不気味な鼓動が全身を貫いた。


(なに!? このおぞましい憎悪に満ちた力は…………)


四季彩は腕にはめたままの漆黒の腕輪を見ると、禍々(まがまが)しい妖気が少しずつ自分を蝕んでいることに始めて気付いた。



「なんで!? どうして! 私は影虎様に救われ、改心したのに……もう二度と無縁の傀儡(かいらい)にはならないと誓ったのに…………」


心の動揺を打ち払うかのように前方を見据えた四季彩は、


「そんなわけない! 私は長尾の将! そんなわけないわ」


そう自分に言い聞かせるのであった。



5つの柱に火・水・雷・風・光の力を順番に注いでいく今回の作戦は開始された。

白龍・巌鉄は始まると同時に純白の龍へと変化し、その中心部、つまり黒龍・無縁が地の底にいる上空で、溜め込んできた神通力を駆使して叫んだ。


「いくぞっ! 天文投影の術っ!!」


目映い白い光は柱内全域を取り巻き、天高く登っていく。

令和の時代へと投写することによって、二つの時代を一つにし、より効率的に力を合わせる巌鉄斉の秘策であった。


「二つの時代が重なりあった時、想像を遥かに越えた力が発揮される! 無縁よ、そなたの負けじゃ」


巌鉄斉は必勝を確信したかのようにテレパシーのようなもので無縁にそう言った。



「フフフ、流石は巌鉄よな。しかし我も構えは二段三段とあることを知れ!」


無縁の混沌とした闇のオーラは柱群を囲み込むように(ほとばし)り、外界に数多の妖怪と魔族を召還した。


「我が眷属(けんぞく)どもよ、柱を占拠し、闇の力を示せっ!」


「これが巌鉄斉様が言わっしゃった()か……よしっ! 軒猿衆(のきざるしゅう)進軍! 妖魔の類いを光の中に入れるでないぞっ」


姫子の父にして軒猿衆の棟梁たる嵐蔵(らんぞう)は姫子と茜の柱の間を死守すべく激を飛ばした。



各々(おのおの)、目の前の()を蹴散らせぃ!」


山吉も今回ばかりは冷静さを内に納め、激しい戦国武将として戦闘に入った。


まことと栞菜の間を守る鬼・小島もまた阿修羅の如く先陣を切って妖怪、悪魔と交戦する。


「槍隊、突撃っ!! 突き抜けよ! 次! 弓隊! 連射!!」


巧みな用兵術で敵を寄せ付けない。


「他の隊も派手にやっておるぞ! 柿崎隊! 我に続けよ!!」


まことと姫子の間を守る柿崎は文字通り一騎当千の猛撃で守るどころかグイグイと妖怪や悪魔の類いを領内から遠ざけた。


「フフ。流石は音に聞こえし越後・長尾軍の勇猛さよ!」


天から一望する巌鉄斉は俄然有利な自軍に鼓舞されるかのように、さらに自身の力を投入していく。



そしていよいよ鍛冶ガールと五柱神の雌雄を決するが如き属性オーラの注入が始まらんとしていたのだった。




次回 終8、猫を被ってもその意志は曲げない! 姫子と白夜の愛のハーモニー






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