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 終章2、何事も段取りが最も大事であることを知ることもまた段取りである!

 余裕を持って天文へとやって来たはずの鍛冶ガールらであったが、気が付けば決戦の日は三日後に迫っていた。


 話し合いの場を設ける間のほんの一時であったが、巌鉄斉は思わず溜め息をもらすほどに美しい少女達を見詰めた。

 誰にも言わなかったことではあるが、彼のイチオシは茜であった。

 余裕のある作務衣のはずが、ピチッとしているがゆえにスタイルの良さが際立ち、曲線が何とも言えず男心をくすぐった。


(その作務衣はピチピチで最高じゃ!)

 

 それはさておき。であるが。



 令和でも綿密な計画を練り、(きた)る日に備えたわけだが、天文でのそれは苛烈(かれつ)を極めていた。

 あくまでも令和は補助的役割であって、メインはこちら天文とゆうわけである。


 まことの緑組が五芒星を型どる点の頂点だとすると、その左下は姫子の青組、右下が栞菜の銀組。

 そして下方左側が咲良の赤組で、下方右側が茜の黄組となる。


 咲良と茜の間に三条城があり、天文部隊の集結の地とした。


 延々と続く細かな打ち合わせに当然の如く咲良は横たえ、何度もポカンと頭を叩かれた。


「いったいなぁ! なにすんのよっ」

「なにすんのよじゃないでしょうが! 気合いを入れなさい! 気合いを!」

「そうだぞ咲良! 肝心要のお前がそれじゃダメだろうが!」

「だ、だいたいの動きはわかってるもん!」



 もはやお決まりとなったこのやり取りを見て、やはりお決まりの通りまことがなだめる縮図が成り立っている。


「も・め・な・い! もめないのっ! あんた達はもう」

「今日もいつも通りね」

「そうですね」


 静かに傍観者側に回った栞菜と苦笑いの姫子。


「では各々方(おのおのがた)ぬかりなく!」


 どこかの大河ドラマで聞いたような台詞を吐いた巌鉄斉は見回りに出ると言って出掛けていき、とりあえずはしばしの休息という形となった。


 そこで咲良らはそれぞれパートナーと積もる話になったが、そわそわする四季彩を気にしてまことが話しかけたか。


「あ、あの。四季彩さんは一軍を率いるんですよね? 凄いですね」


 思わぬまことからの一言に躊躇(ためら)い真っ赤になって身をよじる四季彩に咲良はまるで昔からの友達のような語り口調で話に割って入った。



()()()()は大人っぽいけど何歳なの!?」

「かん、神ちゃん?!」

「そうそう! だって()()()は残念ながら先に一人居たわけだし、だったら神ちゃんでしょー」

「そうね。ただ単にかんなって呼ばれてもどっちだかわからないし、いんじゃない?」


 栞菜は一人目として威厳ある風情で同調した。


「けど四季彩なんて綺麗な名前だから私は四季彩さんって呼びたいわ」

「あっ! 茜さん、姫子もです! 綺麗なお名前ですよね」



 結局、咲良以外は四季彩と呼ぶことにし、呼ばれる度に軍隊の平のように背筋を伸ばして返事をする四季彩なのであった。


「そんなに緊張しないでよ! そっか、じゃあまことと栞菜と同い年ってことか。あたしは咲良って呼んでね」


 咲良は気兼ねなくそう言ったが、四季彩がそう呼べる日は来るのだろうかと、まことは内心思ったものだ。


「助さん、格さんと同様に皆様のお世話をさせて頂きます!」


 四季彩からしたら鍛冶ガールは救世主に見えるに違いない。


 いつか友達のように接することが出来るようになるよと咲良は笑って言うと、先ほどからブスッと膨れているパートナーを外に連れ出すのであった。



 次回 終3、パートナーと愛を語り合うか、はたまた断金の交わりか(前)



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