1.はじめに
はじめに、まずはちょっとだけ、自己紹介とエッセイの主旨を書かせてください。
自分は小説というものを書き始めて……ええと、たぶん八か月?(2019年12月現在)の初心者です。なろうでのROM期間はゼロ。思いつきで書いた短編をこちらに登録して即投稿。その後はぽちぽち連載モノに取り組んでいます。
続けるというのは大事ですね。始めのうちは右も左もわかりませんでしたが、最近ようやく左くらいは掴みかけてきた気がします。左利きなので、掴むのは左からです。
よし、これでエッセイの掴みもばっちり(半分)。
といって初心者なので、勉強することはまだまだたくさんありますが!
このエッセイでは、そんな自分が小説を書くために勉強したこと、思ったことを書いていきます。書き方講座なんて偉そうなことはできません。勉強したいのはこっちですから。
◇◇◇◇
本題に入る前に、書かなければならないことがあります。
そもそも小説の書き方なんて学べるのか、ということです。
それでですね、話が飛んじゃってほんとうに申し訳ないのですが、『なろう小説は芸術ではない』というところから始めさせてください。
ほとんどのなろう小説は芸術ではありません。自分は『デザイン』に近いと思っています。
何の話をしているのって思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、まあまあそこはいいじゃないですか。自分のエッセイですから、自分が考えた順序で書いていくのです。
デザインと芸術の違い。なんなのでしょうか。ぐぐるといろいろ出てきますね(ソースなし!)。
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芸術
・自己の表現
・問題を提起し、問いを投げかける
・答えが複数あり、解釈される
・アートは才能である
デザイン
・他者の表現
・既にあるお題(クライアントの希望とか)に対する答えを提示する
・答えは一つであり、明確に理解される
・デザインは技術である
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……うんぬんかんぬん。
なろう小説、どっちが近いでしょうか。自分は後者のデザインの方だと思います。
もちろん、『なろう』の中には芸術と言っていい小説もたくさんありますね!自分が読ませていただいた中だと、純文学ジャンルとか、好みは別れるかもしれませんが『うつ病』だったり『障害』をテーマにされている方々の中に、キレッキレなお話を量産されている方がちらほら。すごいと思います!でも、少数派です。
(そしてこっち系の作品の削除率/作家様の退会率の高さにちょっと悲しくなります。がんばって続けて欲しいなんて、勝手なお願いですよね……)
大多数の『なろう小説』はデザインに近い。たとえ自分の楽しみのために書いていると言っても、殆どの作品はジャンルとかテンプレという『他者』あってこそですし、わかりやすさや読みやすさが大切なのは言わずもがな。
そしてクライアント(つまりは読み手。依頼しているわけではないですが)がいて、時にはフィードバックも貰い、報酬(ぶくま、ポイント評価、感想やレビュー)を頂くと嬉しい。そんなわけで、『なろう小説』はデザインに近い。
と、ここまで書いておいてなんなのですが、なろう小説が芸術的だろうとデザイン的だろうと、今のところはどっちでもいいです。自分にとって大事なのは、その書き方を学べるかどうかってところでした。
芸術にせよデザインにせよ、人間の活動です。その基礎は学ぶことができます。そのための学校や教室で。
オーケー。芸術もデザインも学べる。
んで?
じゃあ小説の書き方も学べるはずじゃん!
って、自分は思います。暴論ですか?話が飛びすぎ?論理的じゃない?
ええ、その通り。わかってます。まあいいじゃないですか。
でも実際、小説の書き方は学べるみたいですよ!
書き方講座というものは存在しますね。芸術やデザインの学校みたいに理論と実践のステップがカリキュラムの中で体系化されているのかは分かりませんが。きっとそこでは小説の書き方をみっちりしっかり学ぶことができるのでしょう。
つまりは小説の書き方は学ぶことができる!
でもどうやって?
学校とか講座に通うしかないのか!?はたまた、直接その道の師匠から意見を頂くしかないのか!?
これはなかなかに難しい問題ですね。
小説と芸術/デザインを比べた場合、学びの過程に大きな違いがあるように思います。
『小説の場合、基礎技術を身体に覚えこませるための反復練習ができない』
という点です。
これは学ぶ上で大きな問題です。芸術もデザインも、それからスポーツや学校の勉強も、基礎の反復練習は超重要です。繰り返し繰り返し、地味に同じことをして、身体に覚えこませる。これがないとお話になりません。
じゃあ小説における反復練習って、なんなんですかね!
写経?声に出して読みたい美しい文章を暗記するまで読み込む?
面倒くさいですねえ。もしかしたら十年後とかには自分も写経にハマっているかもしれませんが、少なくとも、今、小説のトレーニングのために写経をする気はさらっさらありません。
それで上達するという保証はないし、そもそも小説における『上達』ってよくわからない。
でも自分は、『しっかりとした』小説を書きたい。首尾一貫した、構成の綺麗な、ナイスな伏線のある物語を書きたいのです。できれば講座で学ぶことなく。
小説書き始めて一年にも満たない初心者が思いあがるなと、思いますか?
その通りです。自分もそう思います。
でもまあ、石の上にも三年と言いますしね。
これは、三年続ければ少しはモノになるかもと信じて、どうにかして小説の書き方を学んでいこうとする素人のエッセイです。