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竜河の姫  作者: rusefarna
1章 人間界
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9話 副会長に会う

“ガッシャーン”

特進科に着いたはずの透力だが何かにぶつかったようだ


降りてみると生徒が3人。こんな朝から何をやっているのだろうか

よくよく見ると特進科化学会の3人が何かを組み立てているようだった


「やれやれまたお前達か…」ほとほと呆れながら、私は口にした


「と、とわ様?いつお戻りに?」


実はこの3人特進クラスに所属しているのだが、部活動として科学部を立ち上げたいそうなのだが人手不足でクラブとして成り立たず場所を与えて貰えないため、いつもこの場所で研究しているそうなのだ


というのは実は3ヶ月前までの話だそうなのだが…


この3人いつもこの場所で実験しているため、通行の邪魔であると先生に告白され仕方なく先生達が部屋を与えたのだとか

せっかく部屋を貰ったのに何故またここで実験しているのかと尋ねると


「いつもの癖でつい…それにこの時間ここの透力使う人ほとんど居ないです」


だそうだ。朝だから使う人居そうなのにな

一応、クラス棟は3棟に分かれており、それぞれに職員室もあり、朝に棟の移動をする者はほとんどいないそうだ


「あーせっかくの実験が…」と項垂れている3人

透力の着地場所で実験をしているなんてこうなって当然、自業自得だ



私はそのままそこを後にしてS科を目指した

“キーンコーン カーンコーン”

予鈴のベルだ


私は他の生徒に合わないように生徒会室に向かった


何故他の生徒を避けたかと言うと、白縫家の人間は理事長子息、子女としてこの学園ではかなり有名人だ

会うとかなり面倒なことになりかねない


生徒会は学年で優秀な成績を収めた上位数名が務めることになっている。

かく言う私も成績上位者、今日から生徒会として仕事をしていかなければならないというわけだ


特進や普通科と違ってS科の授業始まりはもう少し後だ、先に生徒会室に行って色々把握する時間くらいあるだろう


特進クラス7階へ上り生徒会室に入り、学園状況や仕事について確認する事にした


しばらくして、チャイムが鳴り響く


しまった、特進や普通科の一限が終わったようだ

つまりS科の一限の始まりのチャイムである

とわ、初日にして遅刻である


やってしまった、流石に授業中に入っていく勇気は無い。こうなったら次の授業までやり過ごすか


私は無心で生徒会の仕事を続けた

5分くらい経った頃だろうか

ガラガラと音がしていきなり生徒会のドアが開けられた

驚いて扉の方を見てみれば生徒会副会長高3S1の早見玲夜が立っていた


玲也はというと、まさかこの時間に人がいると思っていなかったらしく、こっちを見て呆然と立ち尽くしている

かく言う私も、人に会うと思っておらず呆然としてしまった

しばらく沈黙が続き、ようやく一言振り絞ったのは副会長の方だった


「いつ学校に来たんだ?」


「今朝だけど?」


砕けで喋っているのはお互い知り合いだからだ。小学校の頃から知っている。会うのは久々だが近所のお兄さん的な感覚だ


「今何してる?」


「私も今日から生徒会の一員だから仕事を把握しとこうと思って」


「俺も手伝う」


そこでようやく我に返った私は疑問に思った

今授業中よね?

声には出ていなかったが、顔に出ていたらしい

玲夜は私が何を思ったのか読んだように答えた


「俺のクラス今授業やってないから」


そんなはずない

私は透視能力で高3S1クラスを見た

1時間目は現代文をしているようで隣の人と何やら読み合いをしている

授業がつまらなくてまた抜け出して来たんだな

私は白々しい目で彼を見た


詳しく聞くと予想は的中で、つまらない授業を聞くより仕事をこなした方がよっぽど効率的だと抜けてきたそうな


全く呆れてものも言えない


「そういうお前こそ授業サボってるじゃねーか」

そうだった。私もだった。自分のことを棚に上げて人のことをとやかく言える立場じゃなかった


とはいえ、今日から学校の私と違い、玲夜は保健室に行く体で教室を抜けてきたらしく、このままサボりにさせる訳にも行かないので副会長を保健室へ強制連行した

なんで副会長と呼んだかって?

友人としてでは無く、副会長としての立場を考えてサボりは良くないと思ったからだ


私達は保健室に到着した

玲夜はちゃっかり生徒会の書類を持ってきている

保健室で仕事する気満々だ


「「失礼しまーす」」

ドアを開けたら中から白衣を着た先生がでてきた


「あらどうしたの?」

そう言った先生であったが、玲夜を見て「あらあら、玲夜さんまた来たのね」と頬に手を当てながら困った顔をしていた


どんだけ常連なんだ

生徒会副会長がこんなんでいいのか?と思ったのもつかの間、先生はようやく私の存在に気づいたようだ



「あらあら、今日はとわ様も一緒なのね、今回は言い訳できそうね〜」うふっと先生は少し笑った


先生…私に責任押し付けようとしてませんか?


結局2人ともサボりがバレて担任に怒られたのはまた後日のお話





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