水銀
それは誰かがまた一人
呑まれてゆくもの
私の腕の中で
水銀が膨らむ
雨の色から赤黒く
水面に映る誰かの影
夢の中の恐怖は砂の味がした
日常に
穏やかなこの朝に
潜んでいる水銀
いくら日が経っても
いくら自分を理性で塗り潰しても
いくらその頃の記憶があやふやでも
あるものはある
他人の悪意…
嫌われることを恐れるな
怒鳴り声や批判を恐れるな
そうはいっても今の自分
一体何時になったら強くなれると
増殖した苛立ちは夏の雲のよう
また水銀の夜を呼ぶ
それは誰かがまた一人
呑まれてゆくもの
多分それは私で…
最近凄まじく暑いのと創作スタミナが切れてて辛いです。
皆さんもお気をつけて。