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スタンドの国

ぴょん「ここに強い妄想がいるはずだ」


ぽん「乗り物がいっぱい」


あの赤さびた鉄で出来た町はスタンドの国。

かつて乗り物の国の上にあったのですが、ソニックブームでほとんど崩れてマグマにのまれ。


ぽん「あらまあ」


現在はこの場所、スタンドの国と統合されました。

一つになったのです。


ぴょん「ひどいことしたんだな」セタップ


ぽん「僕のせいにされても困ります」


その時に出来たたくさんの溶岩石は、観光産業を盛り上げ、工業資源を潤沢にしました。

みんな、ぽんちゃんに感謝しています。


ぽん「そう!僕のおかげ!」ふふん!


ぴょん「調子いいんだな」


ぽん「絶好調だよ!」


高級車がー!バイクがー!ペリカンがー!


ぽん「到着」


ぴょん「どうして色々と吹き飛ばす」


ぽん「気にしないで」


店員「君たちはやく逃げるんだ!」あたふた


ぴょん「どうした」


店員「スタンド使いが現れた!」


ぽん「スタンド使い?」


彼のようなガソリンスタンドの店員ではなく、意思をもった二酸化炭素と戦う国家公務員のことです。


ぽん「ふーん」


その意思をもった二酸化炭素をスタンドと呼び、彼らは生き物の体に憑依して宿主を弱らせます。

対して彼らと戦う為に、スタンドを物に憑依させて戦う者達がスタンド使いです。


ぽん「すぴー……」すやすや


ぴょん「立ったまま寝てる!」びっくりぴょん!


ぽん「起きてるよ」


弟者「その話のお!スタンド使いがあ!この俺様ってわけよお!」ゴゴゴゴゴ!


ぽん「だれ」


店員「あいつはこの国で一番悪いスタンド使いだ。もうさよならだ……」


ぽん「そんなに悪い人なんだ」


弟者「見よう!これがあ!俺様のスタンドだあ!」ちょん


電気スタンドです。


弟者「証拠隠滅!」ぺかー


店員「やだあああ!」


電気スタンドの明かりに照らされた店員さんは、なんと、すっかり消えてしまいました。


ぽん「何言ってるの?」


弟者「そうさあ!誰も覚えちゃいないだろうなあ!俺様のスタンドはその名の通り、相手の存在、その証拠を全て消しちまうのさあ!ふははは!」


ぽん「よく分かんないけど、あなたさん、悪いことしたんだね!」


弟者「そうだ。俺様は今、俺様の愛車の中で灰皿をひっくり返しやがった馬鹿野郎な店員の存在を消してやったのさ!今!この場で!俺様がな!誰も覚えちゃいないだろうがなあ!ふははは!」


私は覚えています。


弟者「なんだ!どこからか声が聞こえるぞ!一体どこから……まさか姿の見えない……そうか貴様の見えないスタンドかあ!」ズギュウウウン!


ぽん「そう。僕のスタンドだよ」ふっ


違います。


弟者「まあいい。貴様を消してしまえば、姿が見えなかろうが関係ない」


ぽんちゃん逃げて!今日だけは逃げて!


弟者「証拠隠滅!」ぺかー


ぽん「…………」すっ


弟者「何いいい!あれはさっき俺様が八つ当たりでへし折った誰かのトラックの右サイドミラー!それを利用して俺様のスタンドの明かりを跳ね返しただとおおお!」ずざっ!


ぽん「あら、避けられた」ぽい


弟者「ふはっ!残念だったな!俺様の運動神経は十九才の男子平均レベルなのだあ!いようし!今度こそ貴様を……!」


ぽん「ふにゅうぴぃ……」すや…


弟者「寝ている!」ズギュアアア!


ぽん「すぅ……」すやすや


弟者「いや待て。奴は寝たふりをしているだけかも知れない。そうだ、あれは演技だ。寝ていると油断させてまんまと近づいたこの俺様に必殺の一撃を浴びせようというわけだな。ふははは!読めているぞお!この俺様には全てがなあ!」


こういうのを深読みといいます。


ぴょん「よし。今のうちに」そろー


弟者「なんだ貴様」ぎろ


ぴょん「!」


弟者「そうか。そういうことだったか!寝たふりはフェイク!俺様が奴に気を取られている隙に背後から貴様が攻撃をしようと、ふはっ、そういうことだったか!」


ぴょん「少しちがう」


弟者「だがしかーし!この俺様は気付いてしまった!」


ぴょん「あの」


弟者「貴様が仲間と連携してこの俺様を倒そうという策に俺様は気付いてしまったぞお!」ちかちかちかちかちかちか!


彼は凄まじい勢いで電気スタンドのスイッチのオンオフを繰り返し、ぴょんちゃんを威嚇します。


ぴょん「…………」ざざっ…


ぴょんちゃん、もしかして本当は恐いのでは……。


弟者「どうしたあ!足があ!指先があ!ツインテールがあ!全身が恐怖で怯え震えているぞお!この俺様が恐ろしいと魂が悲鳴を上げているぞお!」


ぴょん「恐くても、オレは……!」ぐっ!


兄者「そこまでだ」


弟者「貴様……貴様はあ!」


兄者「おいおい。まさか忘れたわけじゃねえだろうな。この兄を」


弟者「覚えている……ああ覚えているぞ!憎たらしいほどになあ!貴様の鼻についている立派な毛が生えたその大きなホクロお!それこそが貴様が恨めしい双子の兄である確かな証い!」


兄者「ふんっ」ちょん


弟者「そのスタンドも忘れたことは一度もない」


ぴょん「あれは」


三脚のカメラスタンドです。


兄者「でっちあげ」


どこからかシャッター音が聞こえた後、消えた店員さんが現れました。


店員「あれ……私はいったい……」


弟者「そうだ、貴様のスタンドの能力はでっちあげ。俺様と真逆正反対の能力。やはり気に食わん!」


兄者「どうしてそうも他人を消したがる。ワガママはガキの頃にとっくに卒業したはずだぜ」


弟者「俺様はただ手に入れた力を使っているだけだ。日頃はきちんと二酸化炭素を消しているし、自然に優しい燃料で車を走らせてだっている。それのどこが気に食わんと貴様は言うのだあ!」


兄者「おいおい。気に食わないんじゃねえ。俺はお前を心配しているんだぜ」


弟者「ふははは!笑わせるう!」


兄者「笑うんじゃねえ!」ドオオオン!


弟者「はい」


兄者「いつか孤独になっちまうんだぞお!」グワワワッ!


弟者「構わん!俺様はたった一人になりたいのだ!世話を焼く両親も兄も必要ない!俺様があ!望むのはあ!勝者だけの世界だあ!!」


兄者「ひとつ教えてやる。俺はお前の実の兄じゃない」


弟者「何……!?」ゾゾッ!


兄者「俺は母さんがでっちあげて生まれた存在だ。俺は、俺はスタンドなんだ」


弟者「そんな……そんな話信じないぞお!」


兄者「兄としては偽物かも知れねえ。それでも、この心にたぎる想いだけはでっちあげじゃねえ!」ズギュウウウン!


弟者「ごめん」


ぴょん「独りは寂しい」


弟者「え?」


ぴょん「失わないように」くるり


ぽん「どうしたの?」


ぴょん「なんでもな……新しいスタンド!?」びっくりぴょん!


ぽん「それ驚いてるの?顔が変わってないよ」


ぴょんちゃんのツインテールが、ぴんっと立っています。

ツインテールに感情が表れるようです。


ぽん「へえ」


ぴょん「それよりも後ろ!」


あれはジェノスピータン改。

スワンボートフィナレティが変形したロボットで、危機を察知して駆けつけたのです。


ぽん「空想科学光線!」


ジェノピー「えい」びー


弟者「俺様のスタンドがあ!」ガガアン!


電気スタンド木っ端微塵になる。


ぽん「これでよし!」


なのり「なのり!」


問題はすでに解決していたんですよ。


ぽん「そうなの?ごめんちゃい」ぺろ


弟者「…………」がっくし


兄者「おいおい落ち込むことはねえ。これからは、俺がお前のスタンドだ」がしっ!


弟者「お兄ちゃん!」だきつき!


兄者「やれやれだぜ」


ぽん「よしよしだぜ」なでなで


ぴょん「?」


ぽん「僕がいるから一人ぼっちじゃないよ」


ぴょん「……うん」


はんぺん「しゃー!」すいー


ぽん「ちっちゃいサメさんだ!可愛いー!」


ぴょん「こいつは世渡りジョーズの、はんぺん。オレの昔からの友達なんだ」


ぽん「ふーん」つんつん


世渡りジョーズは情報収集に長けた、とっても賢い珍しい生き物です。

いい友達をもちましたね。


はんぺん「しゃしゃ」


ぴょん「強い妄想の情報だ」


ぽん「ここにはいないの?」


はんぺん「いにゃい」


ぽん「しゃべるんだ」あむ


ぴょん「食べるな!」


ぽん「味見だよ」


ぴょん「それでもよせ!」


ぽん「そう。はんぺんなのに」


サメです。はんぺんは名前です。


ぴょん「ありがとう。はんぺん」ちゅ


はんぺん「しゃー!」すいー


ぽん「どっか行っちゃったよ」


ぴょん「また会える。さあ、次の国へ向かおう」


キックボードがー!ローラースケートがー!ボブスレー!


ぴょん「しっちゃかめっちゃかだぞ」


店員「オーライオーライ!」


ぽん「いいって」


はんぺん「しゃーく!」どひゅー


ぴょん「あ!はんぺんが!ちょっと待て!」


ぽん「れりごー!」

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