↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
20/55

幻想の国

もこ「うわあ……!」おててぱたぱた


ぴょん「宇宙きたー!」


もこ「きたー!」きゃっきゃっ!


今夜は宇宙へとやって来ました一行。

初めての宇宙に、もこちゃん大感激です。


ぽん「さ、お外行こう」


もこ「はあ!?」


ぽん「どうしたの?」くびかしげ


もこ「空気ないから死ぬっちや!そやろ!」


ぽん「空想科学てきとー」ぺかー


もこ「やあ、と、とと、待っちややや!」あたふた


ぽん「じたばたしないで、落ち着いて」すいすいー


もこ「助けてー!」ふわー


無重力によって、もこちゃんが遠くへ。


ぽん「だから、じたばたしないでって言ったのに」


ジェノピー「じっとして」きゃっち


もこ「うん」


もこちゃんの前に広がる星の海原。

その彩り鮮やかな光景は言葉では語れないものです。


もこ「すてき……」うっとり


ぽん「宇宙に来て良かった?」


もこ「うん!ありがとう!」にこっ!


ぴょん「二人とも、向こうから何か流れてくるぞ」セタップ


それは、ほしあられ。

どこか遠い世界から流れてくる生命の輝きといわれています。


ぴょん「きらきら」


もこ「きゅんきゅん!」


ぽん「お?」


遠くに見える星明かりのスポットライトに照らされたあの惑星は、幻想の国です。


ぽん「どんな国?」


この宇宙、星空圏を守護する目的で生まれた国です。

自分だけの星が作れますよ。


もこ「れりごー!」


でぃーぷ!いーん!ぱくとー!


もこ「到着!」うきうき


ぽん「今日はご機嫌だね」


もこ「そりゃそうやよ!」わくわく


いわし「こんばんわ」


もこ「こんばんは!」


ぴょん「こんばんは」


ぽん「パジャマでおじゃまっしゅ!」がおー!


いわし「にぼっしゅ!」ほしー!


ぽん「大丈夫?体カラカラだよ」


いわし「煮干しだから」


ぽん「社会に干されたの?」


意味も分からず、変な難しい言葉を使わないの。


いわし「そうだよ」


ぽん「ほら!合ってた!」


いわし「というのは、イワシタレジョークで、ここに来る途中でカラカラになったんだ」


ぴょん「何があったんですか」


いわし「それはね……」



おおよそ十六年ほど前のこと。

入道雲が美味しそうな晴れた日。


いわし「空を自由に飛びたいんだ」


トビウオ「私たちにも限界があるし、カタクチイワシの君には余計に無理だろうね」


いわし「何か手はないものか」


トビウオ「魚に手はないよ。諦めな」


いわし「今のはイワシタレジョークだ」


トビウオ「それ流行らないから。ウザイから」


いわし「はあ……飛びたい」


それから、いわしは頑張った。


いわし「えいっ!」ぴょん!


トビウオ「毎日頑張るなあ」


いわし「魚は出世するもの。世界を出ることが出来るんだ」


トビウオ「よく分からないよ」


いわし「イワシタレジョークだから気にしないで」


誰に気にされなくても、いわしは頑張った。


いわし「どうしたらイワシタレジョークが流行るんだ」むむー


トビウオ「とうとうエラが息詰まったのかな」


いわし「え?」


トビウオ「イワシタレジョークだよ」


いわし「トビウオくん!」


トビウオ「というか、頑張りどころが変わっていないかな」


いわし「限界を感じたんだ……」


トビウオ「私の滑空を見て元気出しなよ!」


アルバトロスディオメディア「らっきー」ぱく


友達を失っても、いわしは頑張った。


いわし「えいっ!」ぴょん!


季節が一巡りした折、ついに低空飛行をものとした。


いわし「それでも、まだまだ」すいー


いわしは考えた。


いわし「トビウオくん。そういえば女の子だったかも」ぽっ


いわしは思いついた。


いわし「クジラさん!」


クジラ「なに?」すごー


いわし「うわー!」ひゅーい


吸い込まれて冒険して、待ち望んだ潮吹きの時。


いわし「いっけー!」どひゅー!


いわしは世界を出た。


いわし「うおおおおお!」ひゅごごご!


雲を連れ、青から黒へと変わりゆく空を貫いた。


いわし「あっちいよおー!」ごおー!


燃えた。


いわし「ここが……空の向こう」くたー


燃え尽きた。

そう諦めた時、いわしは救われた。



いわし「……そして。現在もこの国で暮らしているんだ」


ぽん「じゃこぴー……」すやすや


いわし「え?熟成してる?」


ぽん「起きて……熟成?」ぱちくり


いわし「今のはイワシタレジョ」


もこ「あーーーうっとっちい!」


ぴょん「あの。オレ達、星が作りたくてここへ来ました」


いわし「それなら早く言ってよ。さ、こっちだ」すいー


やたら遅い煮干しについて星の科学館へ。


いわし「教授ー!お客さーん!」


トビウオ「ようこそ。煮干しの科学館へ」


もこ「間違えてない?」ひそ


ぴょん「だろうな」ひそ


いわし「そう。トビウオくん、いや、トビウオちゃんは女の子だよ」


ぽん「そうじゃなくて。星が作りたいんですけど」


なのり「こっちなのり!」おいで


改めて星の科学館へ。


スター「ふっ。よくきたね」


ぽん「顔が星型だ」


もこ「こわ……」ぷるぷる


スター「ふっ。怖がらなくていい、これはマスクさ」ぽい


ぽん「ぷっちイケメンかも」ときとき


もこ「イケイケやっち」ときとき


スター「ふっ。君たち、気持ちは嬉しいけど、私は女だよ」


ぴょん「お綺麗ですね」


スター「ふっ。ありがとう」


ぽん「ふっ。さあ案内してもらおうか」


スター「ふっ。もちろんさ」


三人は館内で星の勉強をしながら、プラネタリウム館へとやって来ました。


スター「ふっ。星のこと、少しは分かってもらえたかい?」


もこ「ロマンティックやった」


ぽん「彦星と織姫の不倫問題が面白かったです」


ぴょん「まさか、ショックのあまりにブラックホールに身を投げてしまうなんて」


ぽん「彦星さん、さんざんだよね」


なのり「なのり」


ぽん「でも織姫さん、仕方ない不倫だったよね」


ぴょん「可哀想に。仕事をクビにされない為に、上司と無理やり恋愛だなんて」


なのり「彦星さんは、それでも、上司さんのことを許してあげて偉かったなのり」


ぽん「反省してたから」


ぴょん「それでも偉いよ。オレも見習いたい」


もこ「やめっち!やめっち!」おててぱたぱた


ぽん「どうしたの?」


もこ「ロマンティックがどっか行ったっち!台無しやっち!」


ぽん「そうだね。ごめんちゃい」ぺろ


もこ「もう!」ぷんぷくぷーい!


スター「ふっ。お嬢さん、どうか機嫌を直しておくれ。いよいよ星作りだからさ」


もこ「やったやった!」ぴょんぴょん!


スター「さあ、このプラネタリウムに幻想的な星を飾ろうじゃないか!」


もこ「はあ?」真顔


スター「ふっ。どうしたのかな?」


もこ「偽物やん」真顔


スター「ふっ。たとえ幻想だとしても、いつか輝けば、それは本当の星になるのさ」


もこ「はあ?」


ぽん「夢のことだね!お姉ちゃんが星を夢に例えてた!」


スター「そう。そして、その例えはこの星生まれと言われているんだよベイベー」


もこ「いやいやでもでも」


スター「ふっ。ひとつ良いことを教えてあげよう」


もこ「なんよ」


スター「君達が今から描く星は、実際に行くことができる」


もこ「どゆこと」


スター「意識を飛ばせるのさ。そうして一度、自分の夢と向き合ってみるといい」


ぽん「楽しそう!はやく作ろう!」


もこ「まあ、行けるっち言うなら」


ぴょん「夢……か」


四十六分五十二秒後。


スター「ふっ。それぞれ短冊は書けたかな」


ぽん「うん!」


大きい短冊を長い笹に吊るして、これで準備万端です。


ぽん「みんな、どんな夢を書いたの。見せっこしよう!」


ぴょん「オレは喧嘩のない平和な世界」


ぽん「ふーん」


もこ「おちはもちろん、トップアイドル!」


ぽん「へえ」


なのり「のり!」


ぽん「そう」


もこ「おまたんは?」


ぽん「愛がいっぱいの!にこにこ空想世界です!」


もこ「ほーん」


スター「ふっ。みんな素晴らしいじゃないか、さあ、見上げてごらん」


四人が見上げると、室内が暗くなり、天井には煌めく星々が現れました。


ぼん「僕の名前だ!あれが僕の星?」


スター「ふっ。虹色で素敵だね」


もこ「おちのは、ミラーボール?」


ぽん「アイドルらしいかも」


もこ「そう?」


ぴょん「オレのは普通だ」


もこ「やね」


ぽん「あ、ひどいの見つけた」


なのり「どこなのり?」


ぽん「なのりちゃんの星」


なのり「どこなのり?」


海苔だから真っ黒で見えないのです。


ぽん「ね、ひどいでしょう」くすくす


なのり「のりしお……」しおしお…


もこ「ちょっち落ち込んだやない!謝っち!」


ぽん「ごめんなさい」ぺこ


なのり「いいなのり。海苔だから仕方ないなのり」


ぽん「僕は焼き海苔なら好きなんだけど」


なのり「そしたら燃くなのり!」


ぽん「え!?」


海苔の星が燃え盛り、このプラネタリウムに太陽が生まれました。


スター「ふっ。ありがたいよ」


ぴょん「一番目立っているじゃないか」


なのり「なのり!」のりのり!


スター「ふっ。それでは、さっそく君達の意識を、それぞれの星へと飛ばそう」


ぽん「みんな一緒に、みんなの星を周りたい」


スター「ふっ。それは素晴らしいアイディーアじゃないか」


なのり「まずは、なのりの星!」


ぽん「死んじゃいます」いやいや


なのり「あーそっかー」


スター「ふっ。さ、席について」


並んでリクライニング席についたら。


スター「目を閉じて、星に願いを」


贈ると、すやっーとなって、静かに意識が送られます。



ぽん「はっ!」


まずは、ぽんちゃんの世界です。

浴衣を着た一行を、河原の祭会場が活気よくお出迎え。


もこ「なんよここ!」びくっ!


ぴょん「これは、ささみ祭か」


なのり「のりのりなのり!」きらきら!


ササミ「次は、ささみ音頭だよー!」


ぽん「わーい!」とたとた!


真っ白な肌のささみ達とやぐらを囲んで、楽しくささみ音頭を踊りましょう。

太鼓は、ぴょんちゃんにお任せ。


ぽん「ささみ食べたら笑顔になってー!」よいよい


ササミ「ささみ食べたら元気でてー!」あよいしょ


なのり「ささみ食べたら嬉しくてー!」よいよい


ササミ「栄養はタンパク!味も淡泊!」手拍子


なのり「それーでもー!」よーい


ぽん「幸せは濃厚なのーよー!」さっさほいほい


もこ「なんよこれ。なんよこれ。なんよこれ」


ぽん「もこちゃんも踊ろう!」ぐいー


もこ「やだっち!恥ずかしい!」


ぽん「アイドルじゃない」


もこ「アイドルでも!」


ササミ達「じゃ、とっておきー」


もこちゃん、豪華な彩飾と装飾の御輿に乗せられササミ達に担がれる。


もこ「降ろして」


ぽん「いいなあ」


ササミ達「ささみ!ささみ!」えいさえいさ!


ぽん「ささみ!ささみ!」


ササミ達「ささみ!ささみ!」ほいさほいさ!


なのり「なのり!なのり!」


ササミストリートを抜けて、ササミ大社へ。


ぴょん「ようこそ。ササミ大社へ」


もこ「さっきからなんしてっちや。正気になりい」


さあ、巫女ぴょんによって、祭のメインイベントが行われます。


ぴょん「ぴよ、ぴよぴよ」ちこちこ


もこ「…………」


ぴょん「ぴよぴよ」ちこちこ


これは、雛鳥の舞。

命の巡りの始まりです。


ぴょん「とりー!とりー!」ぱたぱた


ぽん「いただきます」かしこまり


鳥ぴょんより御霊を頂いたぽんちゃんは、祭壇へと上がると、深々と感謝します。


ぽん「ありがとうの果物にござりまする」


なのり「いただきますなのり」


果物を頂いた鳥の神は、果物の種を敷地に撒きます。


ぽん「かしこみかしこみ」


種に清水をかけて。

これにて終わりです。


ぽん「ふう……」


ぴょん「お疲れ様」


ぽん「ぴょんちゃんもね」


なのり「お疲れ様です」ぺこ


もこ「はあ?」


ぽん「次はー、ぴょんちゃん!」


ということで、ぴょんちゃんの星へ。


ぴょん「今日も静かで爽やかね」


花に包まれた美しい街並みを眺めて、ぴょん姫はお城の窓辺で微笑みます。


ぽん「姫様」


おや。

そこへ、メイドぽんの登場です。


ぴょん「どうしました?」


ぽん「城下町にて、喧嘩がありました」


ぴょん「まあ。平和なこの国で喧嘩だなんて」


ぽん「連れて参れ!」


なのり「なのり!」


なのり兵に連れられ、もこ頭巾の登場です。


もこ「姫様。ご機嫌よう」ぺこ


ぴょん「ご機嫌よう、もこちゃん。喧嘩と聞きましたが、どうされましたか」


もこ「実は、なのりがしつっこくて」


ぴょん「あらまあ。原因は、君でしたの」


なのり「先輩のこと好きなのり」


もこ「だからって!いつでもどこでも現れて、うっとっちいやよ!」


ぴょん「まあまあ。可愛らしいことじゃないですか」


ぽん「そうだよ。愛されることはいいことだよ」


もこ「なのりみたいな、自由すぎる子は見ててイライラすっちや」ふん!


なのり「なのりは、先輩にあこがれてノリノリなのり」


ぴょん「憧れ……。それは素晴らしいことです」


もこ「頼んでない!」ふん!


ぴょん「私も君に憧れますよ」


もこ「え?」


ぴょん「だって、みんなに愛されるアイドルだなんて。誰から見ても羨ましいことです」


もこ「そう」てれ


ぴょん「それに、君はいつも元気がよくて。きっと、なのりちゃんもそこが大好きなのでしょう」


なのり「なのり!」


ぽん「元気すぎてうるさいけど」


もこ「はあ!?」


ぴょん「こらこら。君はいつも人をからかってばかり、いけませんことよ」


ぽん「はーい」


ぴょん「もこちゃん。これからは仲良くお願いね」


もこ「でもや……」


ぴょん「あなたの方がお姉さんなんですから」ね?


もこ「わかりました」


こうして一件落着。

今日もまた、この国に一輪、平和の花が咲きました。


ぽん「次は、もこちゃんの星!」


巨大なドーム会場で、いよいよ初の世界ツアースタートです!


もこ「緊張する……」


楽屋でドキドキ、そこへノックがトントン。


もこ「はーい」


ぽん「やあ」ひょっこりぽん


もこ「帰ってくださーい」


ぽん「ひどいなー!」


もこ「なんしに来たんよ」じとー


ぽん「これでも僕は、もこちゃんのファンなんだから!」


もこ「そうなの」


ぽん「だからサインください」


もこ「やだ!」にこっ!


ぽん「ぷちひどー」


もこ「……なんや、懐かしいね」


ぽん「そうだね」


もこ「ふふっ」くすくす


ぽん「ひひっ」くすくす


もこ「来てくれてありがとう」


ぽん「うん!よろたのーれ!」


色とりどりの紙吹雪で、もこちゃんをお祝いです。


もこ「え!?どうやったん!?」


ぽん「魔法だよ」


もこ「魔法!?」


ぽん「うん。もこちゃんにも教えてあげる」


もこ「どうやっち!どうやっち!」おててぱたぱた


ぽん「喜び!楽しさ!嬉しさの気持ちを込めるのです!」


もこ「はあ?」


ぽん「て言っても、魔法使得草がないと魔法は使えないけどね」


もこ「ええーなんよそれ」


ぽん「僕はなくても使えるようになったけど!」どやあ!


もこ「すごー」ぱちぱち


ぽん「あ、でもでも。もこちゃんはアイドルだから、きっと使えると思うよ」


もこ「どういう意味よ」


ぽん「アイドルにしか使えない魔法があるんじゃないかな」きりっ


もこ「アイドルにしか使えない魔法……」


ぽん「んー、なんとなくだけど。テレビで見たもこちゃんを思い出して、そう思ったの」


もこ「テレビのおち……魔法……アイドル……笑顔!」はっ!


ぽん「それ飽きた」


もこ「はあ!?」


ぽん「みんなを笑顔にするアイドルでしょう。飽きた」


もこ「飽きたって……」じとー


ぽん「もこちゃんはどんなアイドルになりたいの?」


もこ「なりたいアイドル……んー」


ぴょん「そろそろお時間です」ぴょこ


もこ「マネージャー。プログラムを変更して」


ぴょん「急ですね。それで、どうしましょう」


さてさて。

ファンが心待ちにしたライブの始まりです。

特別な演出はなく、静かに舞台に立つもこちゃん。

その雰囲気に、ファンは息を飲みます。


もこ「アーイ!」


ファンの諸君「マーイ!」


みんなで「もこー!!」


ドームいっぱいに響く、愛の叫び。

それから沈黙を待って、もこちゃんは言います。


もこ「みなさん突然ですが。おちは、誰でもない、おちがなりたいアイドルを目指そうと思います」


ぽん「それってどんなアイドルですかー!」


もこ「それは……まだわかりません」


ファン諸君「また迷ってる。かわいいなー」ひそひそ


もこ「もう迷わん!そうなるために、もっともっと頑張っち!おちのこと、これからも応援してください!」


そこへ突然、舞台に飛び入ったなのりちゃん。

会場がざわつきます。


なのり「おかえりなのり!」


もこ「急になんよ」


なのり「いつか、そう言いたいなのり」


もこ「…………」


なのり「だからね。また、ノリノリになってください!」ぺこり!


もこ「……なのり」


もこちゃんが、なのりちゃんへマイクを向けてにっこり。


もこ「一緒に歌う?」


なのり「なのりー!」とびつき!


もこ「ちょっち!」おとと


沸き上がる会場。

二人の歩みを影から見守るぴょんちゃん。

二人の愛を感じて心が温まるぽんちゃん。


もこ「んん……」


その夢から遠ざかるように覚めてゆきます。



もこ「ふあ……」ねむー


スター「ふっ。おはよう」


もこ「ちょっち複雑な夢やった……」


スター「ふっ。それはどうしてかな」


ぽん「もこちゃんは素直じゃないからね」ねむねむ


もこ「おまたんは素直すぎやっち」


スター「ふっ。そう、夢はいつだって素直なものさ」


もこ「そや、おまたんの夢変やったよ」


ぽん「変てどこが!」おこだよ!


もこ「どっからどうみてもよ」


ぽん「あれは、みんなが楽しんでくれる、空想ササミーランドの企画だよ!本当はもっともっともーっとすごいんだから!」


もこ「へえ」


スター「ふっ。それより君達は気付いていたかな」


ぴょん「何にですか?」


スター「ふっ。君達は夢を共有したことで、想いを交わしていたことにさ」


ぽん「は?」


スター「ふっ。それはつまり、お互いを知り、今までよりも仲良し好良しってことさ」


もこ「仲良し好良しね」ぽふぽふ


なのり「んん……」むにゃむにゃ


もこ「起きい。朝やよ」


なのり「なのぴー……」すやすや


ぽん「もう少し寝かせてあげたら」


もこ「ん、そやね」


いわし「いい夢は見れた?」やあ


ぽん「ぷち」


いわし「君達の夢が叶うことを応援するよ」


ぽん「ありがとう」


もこ「夢なんて叶うわけない。どんだけ頑張ってもね」ふんっ


ぽん「でも、頑張る方が叶うと思うよ」


いわし「その通り。諦めて頑張らないより、少しでも頑張る方が気持ちいいものだ」


もこ「ないない」


ぽん「僕のお母さんはフラれても三千回アタックしてお父さんと結婚したし、お父さんは仕事を三千回クビになっても今もしっかり働いてるし。それにお姉ちゃんなんて、目から血が出るくらい勉強を頑張って難しい夢をひとつ叶えたんだよ。だから、頑張ることは大事で大切だと思うよ」


もこ「それでも、叶わん人もおっちや!」


ぽん「かもだけど……もーう!このひねくれうじうじ泣き虫の弱虫の屁こき虫!」


もこ「なんて!」おこやよ!


ぽん「それでも頑張ろうよ!テインさんがカッコつけて言ってたよ!えーと、うーんと、なんだっけ」


あまり変わらない地面だけ見てても楽しくない、色々な表情を見せてくれる空を見る方がずっと楽しい。


ぽん「ってね!」


もこ「テレビに出てるあの、もうだめーの歯が汚い人?」


ぽん「そうそう。最近、結婚式に呼ばれて」


もこ「どうでもいいっちやー!」


ぴょん「もこち」


もこ「なんよ」ぷんぷん!


ぴょん「君は十分頑張ってる。わかってるよ」


もこ「そう」


ぴょん「でも迷ってる。オレと同じだ」


もこ「…………」


ぴょん「ぽん太だって。こんなに能天気に見えるけど、オレ達と同じだ」


もこ「迷ってんの?」


ぽん「んー、ぷち。どうしたら困ったり悩んでる誰かさんと愛を分けっこできるかなーって考えたとき、ササミを一緒に食べるか、ミルクセーキを一緒に飲むかで迷っちゃう」


もこ「ほーん」じとー


トビウオ「美味しい煮干しラーメンなら用意できたよ。食堂で食べな」やあ


ぽん「え」


いわし「さ、行こう」


ぽん「ぷちありがた迷惑です」いやいや


もこ「いらん」すたすた


いわし「安心して。魚は入ってないから」


もこ「本当?」


トビウオ「うん。私たちからとれた出汁がメインだよ」


もこ「れりごー!」


おいしいよー!アルマゲ丼もあああーれー!いわしー!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。