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ニュースの国

ぽん「はーーーあ、めんどー」ためいき


もこ「妄想の敵のおまたんが、ぴょんぴょんと離れたら、わざわざ妄想と会うこともなっちや」


ぽん「僕は自分で決めたの。ぴょんちゃんの側に最後までいるって」


もこ「へえ、それはどうして?」


ぽん「笑ってほしいから……かな!」きりっ!


もこ「ほんと、表情変わらんね」こちょこちょ


ぴょん「よせ」さっ


ぽん「妄想に嫌なことされたみたいだよ。だから謝って」


もこ「やだっち」ぷい


ぽん「悪いアイドル」じっ


もこ「おちが、なんかしたわけやなっち」


ぽん「でも」


ぴょん「もういいから。誰が悪いわけじゃない」セタップ


ぽん「そうなの?」


ぴょん「うん。逃げたオレが一番悪い」


ぽん「そろそろ何があったか話してよ」


ぴょん「ごめん。それはできない」


ぽん「そう……」


もこ「ナレーションさん。到着までどれくらい?」


もうすぐです。

陽気に輝くパラボラアンテナ群、あれがニュースの国です。


ぽん「なんかすごー」


きゃー!折れたー!放送できないよー!


ぽん「到着」


もこ「なんでいつもひどいことすんの?」じとー


ぽん「わかんない!」にこっ!


ジェノスピータンがパラボラアンテナを直している間に、三人は放送局へ。

ここは、ニュースを専門に扱うところ、ニュースバラエティーの本社です。


ノブタ「プロデューサーのノブタですが」


ぽん「ぽんちゃんですが」がおですが


ノブタ「さっそく中へ入ってほしいんですが」


もこ「あの、あなたが妄想さんですか?」


ノブタ「ええ。お前達には仕事をしてもらうつもりでお呼びしましたが何か?」眼鏡くいっ


ぽん「えー」


ぴょん「それでスッキリするならやろう」ひそ


ぽん「何のお仕事ですか?」


ノブタ「ニュース番組、まるっと一本ですが」


ぽん「やります!」うきうき


もこ「遊びやないんよ」じとー


ぽん「お仕事大好きです!」わくわく


ということでスタジオへ。


ノブタ「素人アイドルにはニュースキャスターを、団子頭にはマスコットコメンテーター、イナゴにはアシスタントをお願いしたいんですが」


ぴょん「イナゴ」


ぽん「団子頭」


もこ「素人アイドル!?はあ!?ちょっちいくらなんでもや!」


ノブタ「文句がおありですか?」ぎろ


もこ「ごめんなさい……」うるうる


ぽん「もこちゃん!大人が相手でも、はっきり言わなきゃ体にポイズンだよ!」


もこ「本当だからいい」ぽろぽろ


ぽん「泣ーかした!泣ーかした!いけないんだ!」おこだよ!


ノブタ「世の中は甘くないんですが!!」きっ!


ぽん「そそ、それでも頑張ってるんだから、優しくしなきゃダメですが!ほ、ほら、相手は女の子だからやっぱり」びくびく


ノブタ「黙ぶひひいいいん!!」ぷるるん!


ぽん「はい!」ひっ!


ノブタ「もこ。少しは自分のことに熱心になりなさい。お前がいくら母親になりたくてもなれないんですが?」眼鏡くいっ


もこ「うぅ……」ぽろぽろ


ノブタ「私は飛ばないただの豚ですが、お前の母親は、誰よりも高く飛べる鳥でした。何色にも染まらない特別な色の翼が美しかった」


もこ「え?」ぐすっ


ノブタ「私はこれでも応援しているんですが?」


もこ「お母さんのこと?」


ノブタ「お前なんですが」


もこ「本当!」


ノブタ「お母さんとは幼馴染みで、私は昔からのファンなんですが、現在はお前が一番です」


もこ「ありがとうございます!」にこっ!


ノブタ「くしゃくしゃ顔で出演は困るんですが」ハンカチどうぞ


もこ「今日はがんばります!」ぐしぐし


ぴょん「本当に妄想にとり付かれているのか……?」


見た目がオッコトヌシ様みたいな豚ですから、妄獣で間違いないと思います。


ぽん「何か臭うしね」ぐすっ


ぴょん「平気か?」


ぽん「泣いてないよ。臭いが、目にしみただけだから」ぐしぐし


もこ「やんよ!二人とも!」


ぽん「うん!」


ぴょん「おー」髪ぴこぴこ


そうして始まったニュース番組。

ノブタがプロデュースする特番、チョコっとニュース!


ぽん「ぽんぽん・チョコラティエです!」


もこ「アイマイ・もこです!」


ぽん「今日はアシスタントのぴょんちゃんも一緒に!」


もこ「楽しいニュースをお送りしたいと思います!」


ぴょん「へへっ」


カンペさん「顔が笑ってないよ」くねくね


ぽん「どんまい」かたぽん


もこ「しっ!始まってっちや!」


まずは、世界の最新ニュースからどうぞ。


もこ「昨日、午後三時頃。半年ほど前に何者かによって破壊された、カレーの国の神殿や聖域が完全復興いたしました」


ネーシャ「ぽんちゃん。もう怒ってないから、またカレーを食べにおいでね」


もこ「おまたん、なんしたっちや」じとー


ぽん「らいすぴー……」すやすや


カンペさん「起きて」くねくね


もこ「続きまして。先日、善の国より派遣された慈善団体が、世界各地で大規模な活動を始めました」


善玉菌「世界の笑顔の為、そして私達の姫様の為に。今こそ頑張り時なのです!」


もこ「ということで、様々な国でボランティア活動が盛んになっております」


カンペさん「速報だよ」くねくね


もこ「ここで速報です。悪の国のプロバスケットボールチーム、追い風ランナウェイ、が初の世界大会参加とのことです」


ぴょん「そんなまさか」


もこ「ここ最近、悪の国が新次元スポーツに熱心な国へと変わり、その変化に世界中が注目しているなかでのこの快挙。注目は、悪の国に革命の風が吹くことへの期待に変わりそうです」


カンペさん「中継おっけい」くねくね


もこ「たった今、現地と中継が繋がった模様です。よろしくお願いします」


ぼん「はい。こちら現地のぼんぼん・チョコラティエです」


ぽん「お姉ちゃん!?」


ぼん「はーいお姉ちゃんですよ。追い風ランナウェイのキャプテンしてまーす」てをふりふり


ぴょん「え……どうして……」


ぼん「あ、ぴょんちゃん元気そうで何より!ああ!もこちゃーん!きゃあ!こっち見てキス顔してー!」


もこ「中継は以上です」真顔


ぽん「ここで、またまた速報です」く~


もこ「はあ?そんなの原稿のどこにも」


ぽん「僕のお腹が鳴りましたから」


ぴょん「オヤツの時間ですね」


もこ「はーーーあ?」


ぽん「ここで、ぽんちゃんのオヤツソク♪」うぃんく


もこ「いやいやニュースの時間やから」


カンペさん「疲れたから帰ります」くねくね


もこ「いま!?」


ノブタ「おいスタッフ達。さっさと用意してやりなさい。彼女達はお腹が空いているんですが?」


そうしてスタジオに運ばれてくる、飾りとかお菓子とかあれやこれや。


もこ「本日、スタジオに届きましたオヤツはこちら。ミントクッキーです!」じゃん!


ぽん「ぴょんちゃんの仕業だな!」


ぴょん「…………」ふい


ぽん「いじわる!」おこだよ!


もこ「さ、一口どうぞ」にやにや


ぴょん「バニラ生地だから、きっと大丈夫」


ぽん「やだ!」ぷい!


ぴょん「あの有名なパティシエ、モモルディカさんが作ったクッキーだよ」


ぽん「誰かしら!」ぷぷい!


もこ「んー!甘い香りのバニラの草原に、爽やかなミントの風が吹き抜けます!」


ぽん「うそつき!」


もこ「テレビでなんてこと言うの!」


ぽん「騙されないもん!」さくっ!


ぴょん「食べた」


もこ「お味はいかがですか?」にやにや


ぽん「ぷちうまなんですが」あらやだ


速報。

ミント嫌いのぽんちゃんがミントを食べて「ぷちうま」発言。


ぽん「ミントいいかも」さくさく


ぴょん「だろう」うんうん


ぽん「うまうま」さくさく


もこ「ちょっちは感想言いよ」


ぽん「いいと思います。ミントのようにほんのりとね!」どやあ!


なのり「さ、次のコーナーにいくなのり!」


ノブタ「ミントクッキーのお届け、ありがとう」


なのり「お天気情報もお届けするなのり!」


急いで隣のセットへ、ぱたとてとん。


なのり「晴れなのり!」


お天気コーナー終わり。


ぽん「次は?」


最新、国内ニュースです。


もこ「忙しい忙しい」


コマーシャルの合間に急げや、ぱたとてとん。


もこ「一昨日未明。指名手配犯ノブタが逃走……え」


ノブタ「逃げましたが何か?」眼鏡くいっ


ぽん「何したの?」


もこ「ノブタさんは志願したダイエットプログラムから逃げ出し、恐ろしい豚の姿へと変わりました。だってや」


おさわりまん「いたぞおっ!」


体調トレーナー「おまわりさん!捕まえてえん!」


おさわりまん「くそっ!生放送中じゃ出来ん!コマーシャルまでの辛抱だ!」


ぽん「ということで!」


ぴょん「あなたの身の回りの気になるわんこを教えて!」


二人で「突撃!隣のわんこちゃん!」ちゃーん!


もこ「そんなのどこにも書いてなっちや!」あせあせ


ノブタ「アドリブが出来ないでどぶひひいいいん!!」ぷるるん!


もこ「あ……ごめんなさい」


ぽん「どんまい」よしよし


もこ「やっぱ、おちはまだまだやね!そりゃあ、素人アイドルなんて言われても仕方ないやよ!」にこっ!


ぴょん「悲しみをくり返して、君はどこへ行く」なみだぬぐい


もこ「ぴょんぴょん?」ぐすっ


ぴょん「何度だって今日を迷ってもいい。それでも、明日を見つけ出せればそれでいいじゃないか」


もこ「おちの明日……」


なのり「晴れなのり!」


もこ「……ふふっ。まーったく訳分からんけど、なんか元気でたっち!ありがとう!」にこっ!


速報。

もこちゃんが元気を取り戻し、痔の手術に怯えていた、にんじんしりしり評論家の瀬田野永橋さん四十二歳が勇気を取り戻す。


ノブタ「よし、視聴率は鯉登りです。なので、このまま野外リポートに行ってほしいんですが」


おさわりまん「君を善の国へ連行する」ぐいっ


ノブタ「もこ。後は任せましたよ」ふっ


もこ「はい!任されました!」


ぴょん「ということで。みなさん、午後にまたお会いしましょう」


ぽん「リポートに?」ちら


もこ「れりーごーごーごー!」ぴょこん!

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