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Last Inferno  作者: 浅木彩芽
第1幕 5つの宝の鍵編
7/9

006 日々変わり行くが時の流れ

「そんなに急ぐ旅なの?」


俺たちはオハンを手に入れて無事エドロック村に帰ってきた。帰ってきた時の村の人達の反応は凄かった。中には泣き崩れる人も居たから余程この村の人達にとってはアーシェが大切だったのだろう。

それから一夜明けて急ぐ様にエドロック村を出た。今は山の山頂付近にあるエドロックの北西にあるルルガル峠を下って居る。山を降るなら朝方からの方が明るいうちに峠を出る事が出来る。しかし数日後でも良かったのではとやはり早々に出て行く事に疑問に思うのは俺もアーシェも思った事だった。


「…あの村には居られねぇってのは最初に会った時言った筈だ。」


「…それ、本当何なのよ。昔の事でしょう。」


明らかにアーシェは機嫌が悪いと言った顔になる。多分あの日程の言い争いにはならないだろうが。


「……昔だろうが何だろうが関係ねぇよ。」


「なんで、そんなに嫌なんだ?聞く限りでは故郷何だろう?」


「だから、嫌なんだ。解れ。」


そう言うとそそくさと歩調を早めるソルに小走りで俺とアーシェは追いかける事になる。

それからしばらく無言で歩く。ろくに次の目的地も言われていない。それを疑問に思うのは俺だけではなかったらしい。


「そう言えば何処に向かってるの?」


「オーディラスの首都だ。」


「アースショーチね。確かにこの村からは近い場所ね。」


「学園都市のか!」


「そうだ。あそこには昔から宝具ソフィアがある。」


「ソフィアって学園都市で最高位の魔導士に贈られる称号じゃないの?」


「ソフィアってのが所持者に選ぶのがそう言う奴らだからな。今なんてテメェらからすれば5宝なんざ飾りだろ?物の名前がすり替わったってソフィアを扱えない奴にゃあわかんねぇよ。アーシェのオハンもヴァヴェのダインスレフも扱えねぇ奴にゃただの飾りだ。」


確かに兄上もあの子もダインスレフに全く興味を示さないし、触ろうともしなかった。寧ろダインスレフも兄上達の前では無言で二人の時しか喋らない。ある時から常時持つ様になると飾りの剣だが怪我だけはするなと言われたのを覚えている。だから、ソルの前で普通に会話出来たのは驚いたし、アーシェの前で喋ったのも驚きだった。


「ソルは5宝?ってのに詳しいよな。」


「そうね。ただの名の知れた5つの宝の名前って訳じゃないのね。」


「今生きる奴等はそう思ってそう扱ってるんだからそれが正しいって訳だ。まぁ、昔から象徴であるのは変わりねぇからな。」


「昔から変わらないって…傷アリ伝説には5宝については全く触れないのはそれより古いものって事なの!?」


歴史的な事になるとアーシェが反射的に問いかける。俺はそれに本当に昔の事が好きだなぁって思った。


「そのトンチンな伝説にゃあ、詳細は必要ねぇからな。それにそのトンチンが尾びれがつきまくって広まったお陰で5宝の伝説は端折られてなくなっただけだ。」


「もとはどんな語りがあったんだ?」


「それ、私も気になるわ。」


そう2人でソルを見つめる様に質問すると溜め息とともに顔を逸らされてボソリとソルは観念した様に呟いた。


「…魔王を殺す為の道具。」


「魔王?御伽噺のか?」


「この時代には勇者伝説ももうほぼ形をなくしたかんな。」


「勇者伝説ってアレでしょ。神具より選ばれし5人の仲間を集めて魔王倒すって言う…」


「あ!それなら俺も本で読んだ事ある。なんか色んな話があるよな。」


部屋に居た頃に数ある本にその話はあった。それはどれも勇者が魔王倒して世界を平和にする冒険譚だった。


「その物語に当たり前に出てくる神具が5宝の原型って訳だ。」


「え、ならそのよく昔からある勇者冒険譚って実話を元にって事なの?」


「多くは大きく改変されてるがな。大筋は実話だった。」


「なら、この世界は魔王がいなくなった平和な世界って事なのか?」


「平和、平和ねぇ。意識があるものは争うものだ。例え言葉が通じなくとも。平和なんぞ大きく見りゃない。魔王も勇者もただの押し付けられた可愛そうな生きモンだ。」


「…そうなのかもね。今までは繁栄期だったから戦争なんかは起こらなかったけど。いつの衰退期の歴史にも戦争は付き物だものね。それに魔物も活発になるもの。争いは絶えないわ。」


「そう言えれば魔物って全然合わないな。」


魔物の話を聞いてそう言えばと思った。


「そう言えばそうね。昨日も魔物に合わなかったし…今もそう言えば全然…」


「そりゃ、俺が魔物避けの術を使ってんからな。余程、バカな奴か。主辺りじゃなきゃ襲って来やしねぇよ。」


それはさも当たり前とばかりにソルは言った。そうすると疑問が生まれる。


「え、なら何で城の時はそれ使わなかったんだ?」


「あぁ、群には効き目が薄いからな。それに少し怖い目に合わせてお前を帰らせる口実になるかと切ってたしなぁ。」


「帰らせる気だったのか?」


「テメェがダインスレフなんか持ってなかったら外出たら早々に捨てる気だった。まぁ、帰ってくれるのが理想だったが。」


ソルがそう言うのだから本当なのだろう。俺を巻くぐらいどうとでも出来る。そしたら初めて外に出て1日もしないうちに俺は城の部屋に逆戻りだったのだろう。


「やっぱりソルは優しいな!何だかんだ言ってもダインスレフ持ってる何て知らなくっても助けて来れてたしな。」


「はぁ…さっさとルルガル峠を下ってヴァデス平野に出るぞ。」


それから魔物に会う事も無く無事にヴァデス平野に出られた。下山するにつれて寒さが増していく。


「だいぶ寒いな。」


「北上してるからな。」


「今は真冬じゃないからこっちには雪は無いだけで首都は万年雪に覆われているから。」


そこで今日は野宿をする事になった。俺にとっては初めての野宿だがソルがなんだかんだ空間から適当に道具をポンポンと取り出していくのをアーシェとともに見てるとあっという間に準備終えてソルは周りに結界を張ってボーゼンとするアーシェに飯作れと適当に調理器具と食材をほおりなげ適当座る。


「おい、疲れてるだろう。座っとけ。テメェは本当疲れたとか言わねぇな。」


「言う理由がない。言った所で足が痛いのは変わらないし…」


「あ?お前…靴脱げ。」


「なんでだ?」


「良いから。」


そう言われて俺は靴を脱げば靴下は靴擦れで血塗れになって居た。


「ったく。そう言うのは言え。言えば治癒魔導ぐらい使ってやんだかんな?」


そうため息を吐いたソルは魔導を展開させて僕の足を治癒する。


「ソルは治癒魔導も使えるのか?何でも出来んだな。」


「魔導にできねぇ事は時を遡ったり未来に行ったりする事だ。それが出来ねぇから先は判らねぇし死んだら会えねぇし、後悔も無くならねぇ。言っちまえばそれ以外は何だって出来る。永遠に永らえる事だってな。」


「へぇ、ソルはそれで永らえてるのか。」


「そうだな。望んじゃいねぇが。…もう痛いとこねぇか?」


そう言われて見ると足以外も手の傷や昨日の戦いでついたら傷までま無くなっていた。


「凄いな!全部直してくれたんだな!」


「ついでだ。」


ソルはそう言って俺の頭をポンと撫でて立ち上がった。


「何処に行くんだ?」


「外に馬鹿が溜まってる。まぁ、衰退期で先ず治安が悪化するのは北だ。暇潰しに一掃してくるから大人しくしてろ。」


どうやら盗賊がやって来たらしいけれど見渡しても誰もいない。だけどソルが結界の外に出るとぞろぞろと柄の悪い奴等が出てくる。どうやら、機会を伺っていたのだろう。


「ちょっ、囲まれてるじゃない!?」


せっせと料理を作っていたアーシェが囲まれて居るソルを見て慌て出す。


「暇潰しに一掃してくるから大人しくしてろって言われたぞ。だから、アーシェは食事の用意してればいいんじゃないかな?」


「あのねぇ…普通は驚くわよ。だって怖いし、心配でしょう?」


「心配…。そっか、危ないと思うのは心配なのか。」


そうしてる間にソルはどんどんと盗賊から武器関係を全て奪い壊して金を巻き上げ最後は転送魔導で何処かに飛ばしてしまった。戻って来たソルに何処に飛ばしたのかと聞けば知らねぇ。と一言。それにアーシェはエグい、心配損だったわ。と言った。

それから、アーシェの作った暖かな食事を済ませて見張りは立てなくとも結界が守るから爆睡しろと言われて全員で寝て本ではもっと疲れると書いてあったが緊張感はあまりない野宿の所為か、そんな事もなかった。

あれから魔物は襲って来なくとも盗賊には何度か襲われたが何だかんだでソルが軽く遇らうだけで何事もなく辺りは真っ白に風景は変わりゆき5日程ででアースショーチに辿り着いた。


「ここが学園都市国家の首都。」


「私も子供の頃お父様と一度来たきりだけどこの外の雪景色と街の中の雪がない姿以外まるで昔の面影がないわ。」


「そりゃそうだ。世界各国から魔導学者が揃い、それらから学びに来る子供はまた旅立ち新たな子供が学びに来る。この国ほど入れ替わりが激しく種族にこだわらない国はないな。まぁ、差別がないわけじゃないが。」


「そうなのか。けどなんで外はあんなに雪だらけなのに中はあったかいし雪もないんだな?」


「大規模魔導で街全体を温暖気温に保って雪は結界とは違げぇが転移との応用で遮断してんだよ。歩きぎわに見た雪の山は全部ここの雪だ。」


「へぇ、街に近づくにつれて雪の山が沢山有ったのはそう言う事なのか。」


「あなた、よくその説明だけであれがこの街の雪だってわかったわね。」


「だって、雪山の上だけ雪が降ってたし。不自然だったからな。」


ソルの説明を受けながら街を見渡せば色んな種族がいる。若い人も多いが老人なんかも多い。

街並みもロランの木材と石をメインに彫刻などであしらった物と違い金属や石がメインだ。それを魔導で造形したのだろうと言う複雑な作りの建物が多い。そして魔導具がそこかしこにあふれている。


「おやおや、これは久しいですな。フィン殿。」


「まだ生きてたか。」


「?誰だ。」


薄暗い路地に居た黒いローブの怪しげな男がソルにニヤニヤとした嫌な顔付きで親しげに声をかけて来た。しかし、フィンと呼ぶ辺り人違いではと思うがソルはそれに構わず答えた。


「おやおや、何かの依頼中で?」


「いや、連れだ。…丁度良かった。情報売ってやるからソフィアの情報全て寄こせ。」


「ほぉ、貴方が連れを…ねぇ…。まぁ、良いでしょう。貴方の情報を最初に手に入れられるなら直ぐに資料と共にご用意致しましょう。…して、情報とは?」


「ここじゃ、あれだろ?」


「ひひっ、それもうそうだ。良い酒場が出来たんですよ。そこにご案内いたしましょう。」


そう言ってソルは付いて来いと言って怪しげな男について行く。


「ちょっと、如何にも怪しげなのについて行くの?」


「俺知ってる…情報屋って人達だろ?よく本の中で主人公に耳寄りな情報をくれる人達だ。」


「いや、現実的に考えてここは物語の世界じゃないわ…それに私達は喋らない方が良いわ。余計な事を言ってしまうと思うからね。」


こそっと後半は俺にしか聞こえない声で言う。アーシェは俺より外を知っているからきっと正しいのだろう。


「ひひっ、貴方に似つかわしくない賑やかなお連れさんで。」


「可愛い子供達だろ?」


ソルはニヤリと笑って男に圧をかけると男は失敬と一言言うだけで口を紡いだ。


「着きましたぜ。」


連れて来られたのはこじんまりとして路地裏の隠れ家といえそうなのに中は小綺麗な喫茶店と言ったところだろうか。男がウェイトレスに個室にと一言言うとアッサリと小部屋に通される。


「ほぉ、喫茶店の割にギルドでも噛んでるのかこの店。」


「フィン殿は流石ですなぁ。ご名答ですとも。ギルドの依頼打合せの為に個室を用意してくれてるんですよ。」


「情報屋にも打って付けと言うわけか。それにはサイレンサーとスコープキャンセラーの魔導壁か。随分な物を。」


「見ただけでお分かりとは流石ですな。」


そう言われて、見てもなんの変哲のないオシャレな部屋だと言うくらいにしか感じないなぁと思いアーシェにそうなのか?と尋ねると分かるわけないでしょと言われた。

そして、しばらくして怪しげな男は一度外に出てお茶の用意を頼み彼の部下らしき人に何か言伝を伝え戻ってきた。しばらくして頼んだお茶がくるとソルは話を切り出した。


「さて、今回俺が提示する情報は六花の情報だ。」


「…ほぉ、そりゃまた。六花のどなたで?」


「二人居る。六花 第3部隊銀花隊長 ピサリン 人間族。六花 第1部隊三白隊長 エルマリア 聖天族。だったな。」


「ほぉ、銀花の部隊は良く噂に聞きますよ。先行部隊でしたか?」


「らしいな。アイツは魔導銃の使い手だった。傲慢そうな奴だったか。まぁ、それに見合う腕前はあるのは確かだ。」


「その口ぶりだと一戦交えたのですね…。して、三白の隊長は聖天族とはこれは驚きですな。戦火での噂がない訳だ。」


「炎の聖天だった。奴はエンドレア王を酷く崇拝してるようだ。いや、六花の全ては恐らくエンドレア王を酷く崇拝してるだろう。俺からは以上だ。この情報は自由に捌けば良い。それ以上は報酬で六花の他のメンバーと北斗の情報も出さなくもない。」


「ほぉ、それはそれはヤル気に拍車が掛かりますな。ソフィアの情報を全てとなるとお時間を頂きたいですな。…明日にはしっかりと纏めて見せましょう。それに、貴方が連れを連れている情報も此処に滞在してると言う情報は我らにはそれだけで利益になる情報ですし。ソフィアの情報次第ではお支払いしてでも六花と北斗の情報は聞きたい。ひひっ。」


「…まぁ、情報次第だ。ソフィアに会える手段があるなら追加してやる心算だ。」


「承知致しました。ここで縄張りを張ってる以上その真髄見せて見せましょうぞ。」


それを聞くとソルは行くぞとその場を立ち上がり出て行く。それに続いて不安げにアーシェもでる。俺も出ようと思うと男に呼び止められる。


「少年、君は見たところエンドレアの騎士の様だが今回の六花の情報に関与してるのかね?」


「……情報はお金なんだろう?」


「ひひっ、成る程。フィン殿が連れてるだけあって賢い。正しくそうだ。呼び止めて済まなかった。」


その男は君悪く笑う。本の中の情報屋は最も気さくで胡散臭いとあった気がするなと思いながら、昔読んだ本にも似た場面があったなと思った。その物語では聞かれた騎士は答えてしまったけれど、その後に大変な事になり波乱の末に乗り越えはしたがと言ったところだった。引き止められた分慌てて追いかける。


「何だ、やっぱり、引き止められたか?」


店を出て直ぐの所に待っていたソルに開口一番にそう尋ねられる。それに正直にうんと答える。それにソルは予想通りだななんて言って歩き出す。


「まぁ、お前の事だから何も情報になる事も言ってねぇのは分かってけどな。」


「…不思議ね。貴方、ヴァヴェの事だいぶ信用してるのね。」


「ハッ、誰よりも信じられるぜぇ。」


そう言ってソルは俺の方を抱き寄せてニカッと笑う。


「んで、お前の事も同じくらい信じてる。俺が仲間にした以上死なせねぇ、裏切らせねぇってのは誓ってやる。脅されたり、何か人質に取られたら言え。必ず救ってやる。」


アーシェは顔を真っ赤にしてからかわないでとスタスタと歩調を早め始める。ソルはそれに若いねぇと言ってその後は逸れそうになる俺の手をいつのまにか引いてその日の宿を探した。

次の日宿の朝食を食べながら昨日と情報屋がやって来た。


「ひひ、こちら情報書類です。お確かめを…」


「それなりに早かったな。」


そう言って紙の束をパラパラとそのスピードで中身が確認できてるのかと言うスピードでソルは確認していく。


「今のソフィアはまだ学生院なのか。随分と若いな。こりゃ、会うのも簡単かもな。それに学生院見取り図と教員リスト、警備リスト。上出来だな。約束の追加報酬だ。ヴァヴェ。」


「俺が喋るのか?」


「俺は名前と顔は全員一致してるわけじゃねぇかんな。テメェは知ってんだろ?」


「え、兄上とあの子は彼らの事大事にしてるから良く自慢話しでは聞いてたよ。」


「なら、六花と北斗一人づつ言ってやれ。」


「んー六花の第6部隊の不香は統括メイド長アヤサキが隊長を務めてるんだ。フルネームがアヤサキ・ユーリストフォールと言うらしい。それと今世最期の忍とかだといっていた。」


「ほぉ…」


「北斗魔導部隊の中ではラクマシャータ・ネルウェー。γ(フェクダ)隊を率いてる。意識あるもの全てに幸せな死を与えられると聞いた。」


「なるほど、今まで謎だった噂の幾つがその情報で確かになりますよ…。ヒヒッこれは素晴らしい情報です。本当に。」


「それ以上は渡せない。こんだげしてやったんだ。この街で俺たちに部下を付けるな。俺がキレて制御の効かない転移魔導で何処かに飛ばさないとも限らない事を覚えておけ。」


「ヒヒッ、なんと恐ろしきかな。」


「もしも、連れに何かしようものなら何も保証は無いが。」


「……貴方が連れを護るなんて。コレは貴重な情報だ。それで手打ちにしましょうぞ。」


ソルはとても冷たい目を向け、チッと舌打ちをして失せろと言った。

それから、遅めの朝食を食べれば身支度をサッサと済ませてしまう。


「今日はなにするんだ?」


「取り敢えずソフィアに会いに行く。」


「簡単に会えるの?」


「今のソフィアは魔導に酷く興味があるらしく失伝魔導には目がないらしい。」


「ソルは沢山失伝魔導使えるもんな。」


「え…あ…そ、そうね。単体結界も転移魔導もどちらと失伝魔導ね。」


「まぁ、そんな所だ。手紙は朝飯の後に出したから届いてんだろ。」


「そんな早く届くものなのか?」


手紙と言うと伝書鳩が最速だがソルがそんな素振りはなかったし、郵便に渡して届くには早すぎる。


「知らねぇのにも無理はねぇ。普及もして無ければ今は解析中の遺産だかんな。」


「なんで、そんなもの貴方がある場所を知ってて使えるのかしら?」


「そりゃあ、買った情報からマシな手を選んだに過ぎないさ。使い方も知ってれば、送る方法もまだ有効だったからな。」


ソルは嘲笑いをしてそろそろ目的の場所だ。と一言言うと人気のすっかりとなくなった正門の前に1人の魔女が仁王立ちしている姿があった。


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