第十二話 加茂井さんの助言
「どもー! 加茂井ですー!」
ハナちゃんと村の入り口に向かうと、ちょうど加茂井さんらしき人物がやってきた。
マウンテンバイクに乗っている。
「あや! へんなのがきたです!」
「ああ、あれは自転車っていう乗り物だよ」
「のりものです?」
「うん。まあ便利な乗り物なんだ」
ハナちゃんはマウンテンバイクというか、自転車を見てびっくりしている。
今までは発動機が付いた物しか見ていないから、人力で「自走」する乗り物は初めて見たわけだ。
ハナちゃんは加茂井さんより、自転車の方に興味津々になっている。
けど、ちょっと怖いのか俺の後ろに隠れてしまった。
そんな事をしているうちに、加茂井さんが到着した。
自転車を停めて、こちらに歩いてくる。
「あなたが加茂井さんですか」
「そうです。加茂井雪恵です。初めまして、大志さん」
「雪恵さんですか。初めまして。これからお世話になります」
村にやってきた加茂井さんは、高校生くらいの女の子だった。
ショートボブっていうのかな? そんな髪型をしている、今風の可愛らしい子だ。
……連絡がホラーだっただけにどんな人が来るかと思っていたら、すっごいまともな感じだ。
……よかった~。都市伝説系の人じゃ無くて、よかった~。
「タイシ、このひとだれです?」
ハナちゃんが好奇心いっぱいの目で、加茂井さんを見ている。
自転車から降りたので、もう怖がってはいないようだ。
俺の後ろに隠れていたけど、今はもう警戒もしていない様子で俺の隣に移動している。
ハナちゃんにも、加茂井さんを紹介しておこう。
「この方は――」
「きゃー! エルフの子供! かわいー!」
「あややや!」
ハナちゃんを見た加茂井さんが、おもむろにハナちゃんを抱き上げてほおずりほおずりしている。
ハナちゃんはなす術もなくほおずりされているけど、二人とも可愛いので何ともほのぼのとした感じだ。
「私は加茂井雪恵っていうの、ユキって呼んでね」
「あや~。わたしはハナハっていいますです。ハナってよんでね!」
「わかったわ! ハナちゃんね」
「あい~!」
いきなりのほおずりにびっくりしながらも、ハナちゃんきちんと自己紹介。偉いなあ。
まあ、とりあえず他の皆にも紹介して、その後細かい話でもしよう。
「では、集会場に皆を集めて、加茂井さんを紹介します」
「あ、よろしくおねがいします。それと、大志さんは年上ですので、敬語でなくていいですよ」
「それじゃお言葉にあまえて。集会場に行こう」
「いくです~」
加茂井さんから解放されたハナちゃんが、集会場まで先導してくれるようだ。
それじゃ、ハナちゃんの後に続きましょうかね。
――そしてその道すがら、俺は気づいてしまった。
加茂井さん……よく見ると影が無い。
俺とハナちゃんははっきりと地面に影が映っている。
でも、加茂井さんには……影が――無い。
――怖!
◇
加茂井さんに影が無いことは、気にしないことにした。
――考えてはいけない。そういう物なのだ。そうなのだ(逃避)。
それはそれとして、集会場に集まった皆で、それぞれ自己紹介をした。
「タイシさんとシロウさんがおっきいので、こっちのひとはみんなそうなのかとおもってました」
ヤナさんは俺と加茂井さんを見比べて、ふむふむといった感じだ。
初めて俺と親父以外の地球人、それも女性を見たからか、興味津々といった感じだ。
「この二人は、こっちでも大きい部類ですよ。大体エルフさん達くらいがこっちでも平均ですね」
「そうなんだ~」
「びじんさんなの」
「かみのけとめは、やっぱりくろいのね~」
「ちなみに、エルフってなんぞ?」
他のエルフ達も興味津々な様子で、加茂井さんと和気藹々と質疑応答をしている。
加茂井さんの優しげな雰囲気もあってか、すぐに打ち解けている。
こうしてみると、普通な感じの子なんだよな……。
「……なあ大志、俺この加茂井さん初めて見るんだけど。お婆ちゃんの方は知ってるけどさ」
「親父は何か知ってる?」
「いや、お婆ちゃんのほうしか知らん」
高橋さんと親父も、加茂井さんといったらお婆ちゃんの方みたいだ。
今日来てくれた、若い方は知らないようだ。
この辺りは、本人に聞いた方が早いだろう。
「それで加茂井さん、俺たちが知ってるあのお婆ちゃんとは、どういう関係なの?」
「そのまんま祖母ですよ。私は皆さんがご存じのあのお婆ちゃんの、孫ですね」
この辺も普通だ。あのお婆ちゃんの孫なんだね。
今回お婆ちゃんではなく孫が来たのは、何か理由があるんだろうか。
「それで今回加茂井さん……え~っとお婆ちゃんではなく君が来た理由とかあるのかな?」
「加茂井だとお婆ちゃんと混同しちゃいますので、ユキで良いですよ」
にっこりと愛称呼びを許可されてしまったけど、初対面の女の子をいきなり愛称呼びとか若干照れくさい。
……まあ、実際お婆ちゃんの方と区別しづらいので、ここもお言葉に甘えさせて貰おう。
「そう? それじゃ……ユキちゃんが派遣されたのに、何か理由があるのかな?」
「それがまあ……高専卒業してから、家でゴロゴロしていたら……」
「えっ! 高専出てるの!?」
「ええまあ。何とかこの春卒業できまして」
高専卒業なら二十歳くらいじゃないか。そう考えると、凄い童顔だな。
「……今童顔とか考えましたよね?」
「高校一年くらいにみえたかな?」
ジト目の追求がきたけど、正直に思ったことを言ってみた。
「ええまあ……はい、童顔デス」
ユキちゃんはちょっと落ち込んでしまった。
童顔なの、気にしてるようだ。
……まあ、あと十年したらそれが凄い武器になるわけだ。
気にすることも無いと思うけど……。
「まあそれで、家でゴロゴロしていたら――お婆ちゃんに『暇してるなら家の仕事を手伝えー!』ってカミナリを落とされまして……」
「なるほど」
「さもありなん」
「やくそくされた、けつまつ」
周りで聞いていたエルフ達も、納得の理由だった。
そして、ユキちゃんは肩身が狭いのかちっちゃくなっている。
……まあ、理由は分かった。
家の仕事の手伝いにかり出されたのね。
「そういうわけなら、遠慮せずにお仕事頼んじゃうけどいいかな?」
「ええもう! しっかりお仕事しますよ!」
やる気十分の様子で、鼻息荒く返事が返ってきた。
……まあ、頑張ってくれるなら良いかな。
家としても、加茂井さんに頼りっきりな部分もあるから、持ちつ持たれつで行こう。
◇
集会場での挨拶が終わって会合を解散した後、ユキちゃんに標本を渡す。
これを持って帰って貰って、成分分析をして貰うわけだ。
「それじゃ、これが各種標本になるかな。分析をお願いします」
「おねがいするです~」
「承りました……おっとと!」
ユキちゃんに標本の入ったジュラルミンケースを渡したけど、重かったのかよろめいている。
五キロも無いけど、女の子にはちょっと重かったか。
……あれ? 自転車で来たなら、どうやって持って帰るのだろうか。
「それ、どうやって持って帰るの?」
「……あ!」
しまった! みたいな顔をされても……。
しょうがない、家の車で送ってあげよう。
「なんなら、家の車で送るけど。貨物用ワゴンだから、自転車も積めるよ」
「……お願いします」
取りに来てくれるのか~とか思っていたけど、結局自分で渡しに行くのと同じ感じになってしまった。
まあ、それはそれで良いか。どのみち自分で渡すつもりだったし。
これで家から頼みたいことは頼んだけど、後はどうするんだろう。
「それじゃ家からの依頼は以上だけど、これからどうする? 送ってく?」
「いえ。村の運営にも力を貸しなさいって言われてまして」
「そこも手伝ってもらえるんだ。ありがたい」
「ちょくちょく顔を出すことになると思います」
お袋がまだまだ帰って来れないので、女手が不足していたんだよな。
凄い助かる。
「そりゃあ助かる。正直、男手しかなかったから色々と大雑把になっててさ」
「その辺りはお任せを。女子力あふれる村にしますよ!」
「……そこまでは望んでないから」
村中女子力あふれるキラキラデコをされても困る。
生活する上で、女性ならではの悩みとかを解決して行って欲しいわけで。
そこら辺は、俺や親父じゃちょっと無理だからね。
「タイシ、じょしりょくってなんです?」
「謎の力かな。世の中の女子が求めてやまないけど、空回りすると恐ろしい結果をもたらすんだよ」
「こわいです~!」
ハナちゃんにいい加減な知識を吹き込んでおく。
とはいえ、大体あってるはずだ。
世の中の女子力強化系の話を聞くと、大体空回っている。
ハナちゃんはそうならないよう、おもいっきり警戒して頂きたい。
「……まあ女子力は置いておいて。エルフの女性の方々が何か困ってないか、聞いて欲しいんだ。男には話しにくいこともあると思うから」
「分かりました。その分野ではお任せあれ」
それじゃ早速、その辺の聞き取り調査やら村を見回って、不足している物が無いか調べて貰おう。
ガイドはハナちゃんで良いかな?
「それじゃハナちゃん、ユキちゃんの案内を頼めるかな?」
「あい~! ユキ、あんないするです~」
「ハナちゃんが案内してくれるのね。かわい~!」
「ユキ、いくです~」
二人はキャッキャしながら、村巡りに行った。
もうすっかり仲良しさんだな。
女の子同士だから、色々男じゃ気づかない問題も気づくだろう。
この辺りはもう、お任せだ。
それじゃ俺は俺で、平原の人たちとちょっくら話をしよう。
彼らはお金を持っていないから、この村で過ごすのは不便だろうからね。
彼らの持ってきた交易品を買い取る等して、いくらかのお金を渡そう。
◇
平原の人はどこかなと探しにでたら、駄菓子屋に家族揃っていた。
なんだか、物欲しそうな顔で商品を見ている。
「皆さん、どうされました?」
「いや、なんだかすごいものがたくさんあるなって」
「これって、こうかんできないの~?」
「おかね? ってやつがひつようなんですよね?」
駄菓子屋兼雑貨屋に陳列されている商品に、興味津々のようだ。
だけどお金がないから、交換できなくてもじもじしているのかな?
ならちょうど良いな。
「皆さんの交易品を私が買い取って、お金と交換しようと思っているのですが」
「おお! よろしいのですか!?」
「もちろん。見せて頂けます?」
「どうぞどうぞ!」
三人そろって、どこからかは分からないけど、いろいろな物を取り出し始めた。
岩塩、工芸品、何かの植物を乾燥させた物、そして綺麗ななんかの石、等々。
沢山あるな。これは一財産だ。
しかし、物の値段が判断出来ない。塩一つとっても、いくらで引き取れば良いのかわかんないな……。
……食べ物系は子猫亭に丸投げしよう。あっちはプロだから市場適正価格とか分かるだろう。
その他の物品については、ユキちゃんにも見て貰おう。
市場価格を調べている間は無一文、と言うのもかわいそうだから、手付金としてある程度のお金を渡しておこう。
市場価格がわかったなら、その後手付金を引いた額で取引すれば良い。
「これらの価値を調べますので……さしあたっては塩を頂けますか?」
「どうぞどうぞ」
「ひとまず手付金で一万円ほどお渡ししますので、不足していたらまた払います」
「わかりました」
岩塩をひとかたまり分受け取って、手付金を渡す。
お金に関する説明は、ヤナさんに丸投げしておこう。
「お金の使い方は、ヤナさんが詳しいです。ヤナさんに聞いてみて下さい」
「これがおかねですか」
「きらきらしてる~」
「これはめずらしいわ」
硬貨を受け取った平原の人たちは、硬貨それ自体がめずらしいからかキャッキャしている。
「このお金で、お店にある物と交換できますので、よろしかったらどうぞ」
「わかりました」
「どれにしようか、まような~」
「ちなみにおすすめとかあります?」
お勧めか……。まあ、平原の方のライフスタイルからすると……。
やっぱり保存が利く食べ物だよな。
ラーメンが筆頭だけど、駄菓子でも飴玉とかはお勧めかな。
「あっちでも食べたラーメンや、この飴玉がおすすめですね」
「ラーメン! あるのですか!?」
「ええ。百円……このお金一枚で、ラーメン一食と交換できます」
「それはいいですね!」
「ラーメンあれば、たびのしょくじもらくちん~」
「あれはいいわ」
ラーメンが交換出来ると聞いて、大喜びの皆さんだ。
しかし、旅の食事も楽ちんと言っている割には、もうじゅるりとしている。
今食べたいだけなのでは……。
「このラーメンなら、ここで食べられますよ。お湯を沸かして提供もしているので」
「たべます!」
「これください~」
「わーい!」
やっぱり。
◇
「タイシ~。あんないおわったです~」
「あら、もんじゃ焼きがあるのですね」
平原の人たちとラーメンを食べたり、ついでにもんじゃ焼きもごちそうしたりと間食しまくっていると、ハナちゃんとユキちゃんがやってきた。
村の案内が終わったそうなので、ちょっくら話を聞こうか。
「二人ともお疲れ。お仕事の報酬としてもんじゃ焼きをごちそうするから、おいでませ」
「わーい! タイシありがとです~」
「それでは、私もごちそうになります」
歩き回ってお腹も減ってきた頃だろうから、ちょうど良いおやつになるんじゃないかな。
「このもんじゃやきって、おいしいですね」
「たべたことないあじ~」
「おやつにいいわね」
平原の方々も、美味しそうにちまちまと食べている。
村のエルフ達も、何組かもんじゃ焼きを食べているので、割と人気メニューになっているな。
ソースの味がウケているんだろうか。
「それじゃ二人の分はこれね」
「たのしみです~」
「いただきます」
じゅわじゅわともんじゃを焼き始めると、ソースの良い香りが漂う。
「おれもたべるかな」
「いっしょにたべましょ」
「こっちがあいてるわ~」
その香りにつられてか、一組、また一組とエルフ達がやってくる。
コンロと鉄板には限りがあるけど、皆で仲良く共有しあっているようで、それほど順番待ちは出ていないな。
もんじゃ焼きは上手く運用できているようで、一安心だ。
じゃあ次は、ユキちゃんに村の感想を聞こうか。
「ユキちゃん、村はどうかな。足りてない物沢山あると思うけど」
「そうですね。さしあたっては、美容品がちょっと……」
美容品か。そこら辺はあんまり考慮してなかったな。
……温泉でお肌つやっつやに喜んでいた女子エルフさん達だ。
美容を充実させたら、なんかえらいことになりそうな気がするけど……。
「石けん一個で全部済ませるのはどうかと。シャンプーとかリンスとかを置いたらどうでしょうか?」
「ああ、そういえばそうだね。リンスが無いと、髪の毛ゴワゴワするし」
「そうですよ。髪の毛サラサラエルフ、良いじゃ無いですか」
「かみのけ、さらさらするです?」
今までは石けんだけで何とかしてたから、ハナちゃんの髪の毛もちょとゴワゴワしている。
衛生面を何とかするのが先だったから、シャンプーやリンスとかはあんまり考えてなかったなあ。
「そのはなしくわしく」
「よりうつくしくなれるのかしら?」
「かみのけさらさらって、きこえたんだけど」
……いつの間にか女子エルフさん達に取り囲まれている。
ずずいと迫ってきていて、かなりの迫力だ。
「そうですよ。こんな髪の毛になります」
「「「キャー!」」」
ユキちゃんは女子エルフさんたちに迫られても何のその、自分の髪の毛を流し目で、サラァっと流す。
ショートボブだけど、確かにサラッサラで綺麗な髪の毛だ。
でも、流し目は必要ないと思います。
そして女子エルフさん達、髪の毛が綺麗になると聞いてキャーキャー言っている。
実際に使用後の姿がそこにあるので、見た目で分かり易いからね。
「きれいなかみのけです~」
「こんなんなるの!?」
「かみのけサラッサラとか、すてき」
「もっとうつくしくなれるのね!」
女子エルフさん達、大興奮だ。そして、ユキちゃんは髪の毛を褒められて嬉しいのか、しきりに髪の毛サラァをしている。
サラサラさせすぎです。
「……こほん。それと、ブラシや鏡とか、爪切りとかも必要ですよ」
調子に乗ってサラサラしていたのを見ていると、ちょっと恥ずかしそうな顔をするユキちゃんだ。
照れ隠しの為か、若干早口で必要な物を列挙してくれた。
「そう言うのも確かに必要だね。あと他にある?」
「水仕事が多いので、ハンドクリームとかも要りますね」
そうか。男やもめで色々やってきたけど、色々足りてないな。
鏡とかブラシとか全然気にしてなかった。
爪切りはド忘れだね。そうだね必要だよそれ。
あと、ハンドクリームとかは完全に盲点だった。
確かに、水仕事をすると手が荒れる。
手が荒れすぎると手作業の効率も落ちてしまう。
機械任せに出来ないこの村だからこそ、そういう物は必要になるな。
「……やっぱり女性視点から見るのは大事だね」
「お役に立てて、良かったです。他にも色々ありますが、まず必要なのはさっき言った物ですね」
「他にもあるけど、まずはそれ?」
「ええ。お洋服とか靴とかは、すぐに用意出来ないと思いますから。あと、温泉は男湯と女湯を分けたほうがいいかと思います」
そうだな。服とか靴とかも、計画はあるけどまだ実行はしていない。
その辺りはおいおいやっていこう。
温泉の方は……大工事になるからすぐには無理だな。
このあたりは高橋さんと相談しないと、どうにもならない。
計画が必要だったり、工事が必要なのはまた考えよう。
一先ずは、すぐにできることをやろうか。
「じゃあ、明日はそれらを調達しよう」
「はい。……あと、車は出して頂きたいのですが、タイシさんはお買い物には手出し無用です」
「え? 買い物手伝わなくて良いの?」
「……男性に買わせるにはちょっと、というものも有りますので……」
「……ソウデスネ」
……うん、そうだね。その辺りは全面的にお任せしよう。
女手が出来て、良かった……。
「よくわからないけど、すごそうね」
「きれいになるわよ~」
「もっとうつくしく……うふふ、うふふ」
女子エルフさん達は、美容に関する物が充実するとあって目が虚ろだ。
虚空を見つめて、うふふうふふ言っている。
「おんなたち、めがこわい……」
「つうかせっけんでよくね?」
「かみのけサラサラとか、よくわからんなあ」
そして、女性陣の必死さ……おっと、美の探求に理解の無い男性陣が余計な事を言うわけだ。
「なんてこというのよ」
「おめかしをひていするおとこのひとって……」
「これだからおとこは」
今度は違った意味でキャーキャーと騒ぎになったけど、賑やかではある。
男女間の認識違いはまあほっとこう。
というか俺には仲介は不可能だ。皆さんで何とかして下さい。
「それでは、明日よろしくお願いします」
「うん。昼くらいにでようか」
「そうですね」
ダメな大人達が揉めている横で、俺とユキちゃんは明日の予定を話し合うのだった。