第十二話 エルフィンの雨上がり
「わきゃ~ん。ぶじもどったさ~」
「おかえりです~」
「おかえり! おかえり!」
「おかえりさ~」
偉い人ちゃんに訪れた人間ドックという試練も、ひとまず終わり。
子猫亭のフルコースご褒美で、前よりつやつやしているけど。
「お、このくさうまそうじゃん?」
「あきらかに、ピリっとくるやつだべ」
「そもそも、くさをくおうとしてるのがおかしくね?」
「それな」
マイスターもいつの間にか毒っ気たっぷりに戻っていて。
……いったい彼は、どんなポイズンを食べたのだろう?
「きゃい~! はねがなおりました! なおりました!」
「おかあさんやったね! やったね!」
「いっしょにとびましょ! とびましょ!」
「いけるとこまで~」
(よかったね~!)
モルフォさんの羽根も、無事完治した。
白いキラキラ粒子をぶわわっと出して、大喜びだ。
今は結構な速度で、お花タワーの周りをサクラちゃんたちや神輿と一緒に飛び回っている。
いずれ、巫女ちゃんのところに経過報告とお礼の意味もかねて、また顔を出そう。
「とぶってたのしいですね! たのしいですね!」
「きゃい~! おかあさんじょうずだね! じょうず!」
というか、モルフォさんコブラ機動してるよ。なかなかアクロバティック!
とまあ直近で対処が必要だった案件は、これで一段落した。
あとはコツコツやっていく系のお仕事を始めないとね。
「大志、サウナ設置のプラン、たたき台が出来たぜ」
「これをもとに、細かい話を詰めていきましょう」
まずはサウナ設置のお話だ。
高橋さんと親父がプランを作ってくれたので、細かい要望を取り入れて本計画へつなげる会議だ。
みんなで集会場にあつまり、あれがいいこれがいいと会議をすることに。
「タイル張りのスチームサウナと、木造ドライサウナ両方を設置します」
「どっちも熱源は薪ストーブになるぞ」
親父と高橋さんが考えたプランは、二種類のサウナ設置だった。
温泉施設のすぐそばに作り、男女一緒に水着で入る想定だ。
男女別に設置するとコストが倍になるので、これはしょうがないね。
でも、みんなで一緒にサウナを楽しめるというのは、娯楽施設としてよいと思う。
この辺は問題ないようで、反対意見は無かった。
「暑さについては、どうしますか?」
「ハナ、あんまりあついの、にがてです~」
「おれはピリッピリのあつさがすきじゃん?」
「おれも」
「わたしはそれなりね~」
「ふがふが」
温度については、体質や性別、趣味もあってバラバラな反応だ。
すべてをかなえる魔法の温度はないので、工夫は必要となる。
「暑さの設定については、時間帯や日にちによって変えて運用を想定しています」
毎日入るものでもないから、この運用で様子見だね。
いずれ、どの時間帯はどんな温度が最適かってのは見えてくるだろう。
これについては、村人たちにお任せだ。
「この日は激熱、この日はみんなで入るからぬるめとかの催しも良いかもしれません」
「なるほど」
「いろいろためそうじゃん?」
「そだな」
この辺はみんなで考えて、色々お試しだね。
暑さの調整ひとつで催しにもなるから、楽しくやっていこう。
「タイシさん、おみずがほしいけど、それはどうしたらいいさ~?」
「たしかに、おみずはひつようさ~」
「あれば、うれしいさ~」
お、ドワーフリーダーのお母さんから、要望が出たな。
暑くて汗をかく施設だけに、水の供給はとっても重要だね。
スチームサウナとかはお湯を沸かして蒸気を充満させるので、水の供給が不便だと運用も大変だ。
あと、水風呂も欲しいよね。
「あ~、それは井戸を掘る必要があるね」
村から湧水を引っ張ってくのもできるけど、ちょっと距離がね。
パイプのメンテが必要になるけど、それはちょっとめんどい。
温泉施設の周りに川もないので、便利に水を調達したいなら井戸掘りが一番かな。
「井戸掘りなら、私たちにお任せください」
「まえいたむらでも、たまにほってたじゃん?」
「まかせてまかせて!」
「ほりまくるのだ」
井戸掘りが必要と話したら、ヤナさん始めエルフ男衆が張り切りだした。
エルフィンで暮らしていた時にやっていたらしく、やる気十分だね。
それなら、井戸掘りはエルフ男衆にお願いしよう。
水源はこっちで探せばいいか。ダウジングでうろつけば速攻見つかるからね。
「あと他に、ご意見ありますか?」
「はいはい! たまにはおしおつかってもいいですか!」
「それだいじよ!」
「おはだぷるぷる!」
「わきゃ~ん! すべすべウロコさ~!」
ほかの意見を求めたら、女子エルフさんが気合みなぎる様子で手を挙げた。
美肌目的で、塩サウナをやりたいみたいだね。
「スチームサウナなら大丈夫ですよ。お塩は……最初のうちは、各自で用意するということで」
「やったわ!」
「ぷるぷる~!」
「キャー!」
「わきゃきゃきゃ~ん!」
塩サウナの許可がでると、女子たちキャーキャー大喜びだ。
偉い人ちゃんもわっきゃわきゃんだね。
ひとまず塩は各自用意することにして、運用しながら村の予算で常設するか様子見しよう。
コストかかるからね。
あ、そうそう。運営についても相談しないと。
「今のところ、運営は持ち回りって考えています。サウナ当番ですね」
「おもしろそう」
「うちらもがんばるさ~」
「わきゃ~」
当番制についても、特に問題は無いようだ。
まあ現時点でも、温泉掃除当番とかいろいろやっているからね。
それと、サウナ当番には特典がある。
「当番の方はサウナ入りたい放題ですよ。サウナを楽しみながら、温度管理してください」
「「「わーい!」」」
お掃除とかもあるけれど、担当中は好きな時にサウナに入れる。
ストーブに薪を投入するのはお客が好き勝手にやるようにするし、多少は担当者の好みな温度にしても良い。
ゆるゆる運用なのだ。
「それでは、ほかに要望はございますか?」
「はいはーい!」
「おれもおれも!」
「うちもさ~!」
そうして楽しく会議は進み、方針が固まる。
あとは詳細設計をして、建築やら井戸掘りやらを進めていきましょう!
◇
サウナ設置の詳細も決まり、高橋さんやマッチョさん、おっちゃんエルフたちが設計していく中。
俺は自宅でゲームをやっていた。
「ピッポ~」
「おおお、AIちゃんナイスアシスト!」
「ピポ~」
「あ、私の方も回復してくれましたよ。偉い子ですね!」
「ピポピポ~」
たまにはじっくりゲームをやるのも良いもので、今はユキちゃんやAIちゃんとモンスター的なやつをハント風味するオンラインゲームで、協力プレイ中だ。
とくにこの人工知能ちゃん、なかなか良いアシストしてくれる。
電子知性体だけどチートもせず、きちんとルールに従う姿勢も良いね。
「ピポピポピ~」
おまけにこの子、俺たちとゲームしながら、同時に他のゲームもやってらっしゃる。
マルチタスク便利! さすがはAIって感じ。
というか、ゲーム好きな子に育ってしまったかも?
親父が子供のころに集めたゲームカセットをイメージ化して与えたら、大喜びしてたし。
子ウィンドウに今やっているのが表示されるので、見ているだけでも楽しい。
「……大志さん、え○かとさ○るの夢冒険って、どんなゲームなんでしょう?」
「実は自分も知らない」
まあ、レゲーすぎて何のゲームかよく分からないのだけど。
「まあ、ここいらで小休止しようか」
「そうですね。のどが渇きました」
「ピポ」
ちなみになんでユキちゃんがうちに来ているかというと、彼女のご実家に顔を出しに行く日程についての相談があったからなわけだけど……。
「すみません、うちの家族みんな、用事が入ってしまいまして」
「まあこの時期だから、しょうがないよ」
「ですかね?」
神無月になるからね。会合があるんだろう。
「私もなぜか、参加するように言われてしまいまして」
「そうなんだ」
「はい……」
ユキちゃん心底めんどくさそうだけど、しっぽの数からすると一度は顔出ししたほうが良いよね。
こんな理由があって、ユキちゃんがわざわざ家にまで来て説明してくれたわけだ。
神様の会合があるから、とは言わなかったけど。まだ俺に正体バレてないとおもってらっしゃる。
全部バレてますよお。
まあそのお話はすぐに済んだのだけど、その後なぜかゲームの話題で盛り上がり、今に至る。
同じゲームやってるって聞いたら、そりゃチームプレイ誘うよね。
「さて、装備を揃えて今度はこっちのエリアに行ってみよう」
「はい!」
「ピポ!」
とまあ、ユキちゃんやAIちゃんと楽しく遊んでいた時のこと。
スマホがぷるると振動した。……ハナちゃんから、お電話だね。
「あ、ハナちゃんから電話が来たよ。ちょっと待っててね」
「ハナちゃんからですか」
「ピポ?」
ユキちゃんとAIちゃんに断りを入れてから、ハナちゃんコールに出る。
『もしもしです~。タイシおげんきですか~?』
「とっても元気だよ。ハナちゃんは元気かな?」
『あい~。ハナもげんきです~』
「それならいっしょだね!」
『いっしょです~』
ハナちゃんと元気を確認しあい、二人でキャッキャする。
というか、昨日会ったばかりなんだけどね。地味に栗の皮むき競争したよ。
でもまあ、挨拶のほのぼのさを見るに、緊急連絡ではないようだ。
何か連絡事項があるのかな?
「それでハナちゃん、どうしたの?」
『タイシにほうこくです~。ハナたちのところ、おおあめおわったですよ~』
「あ、一周回ったんだ」
『あい~』
どうもエルフィンを確認していたようだね。いち早く、大雨の終了を教えてくれたんだ。
「ハナちゃんありがとね~。明日村に行ったら、なでなでしちゃうよ!」
『うきゃ~、たのしみです~』
ハナちゃんにお礼を言うと、うきゃ~と喜んだ。
お菓子も持って行ってあげよう。
それと、このことはユキちゃんにもお知らせだね。
「ユキちゃん、エルフィンの雨が上がったんだって」
「わあ! それなら、もうすぐ忙しくなりますね!」
「だね。色々準備しないと」
ユキちゃんもエルフィン活動期は待ち遠しかったようで、にこやか笑顔だね。
そして向こうからエルフたちが遊びに来るということは、一つの仕事に区切りをつけられると言うことでもある。
まあ、みんなで稲刈りが出来るってことだね。
これは村でも重要イベントなので、おろそかに出来ない。
「それじゃ、もうすぐ稲刈りできそうだね」
『ですです~。おとうさん、ネコちゃんをれんらくにとばしたです~』
「あ、もう動いてるんだ。さすがヤナさんだね」
『おとうさん、はりきってたです~』
聞くところによると、ヤナさんはもうネコちゃん便を飛ばしたらしい。
こっちも、稲刈り準備をしておこう。
平原の人たちだって、一週間もすれば来るはずだ。
これは、忙しくなるぞ。
「それじゃあこっちも稲刈りの準備をしておくから、ヤナさんによろしく伝えてね」
『わかったです~』
一通りの連絡事項を終えた後は、少々ハナちゃんと楽しくお話をする。
村はいつも通り平和で、のんびりしているとか、なんてことない会話。
でも、そういうのが楽しい。
「あ、そろそろ良い時間だから、今日はこれくらいにしよう」
『あい~。ハナもこれから、おゆうしょくのおてつだいするです~』
「ハナちゃんいい子だね~。さすがお料理上手」
『ぐふふ~』
……あ、これからお手伝いなのにぐにゃらせちゃった感。
ま、まあなんとかなると思う。
「と言うことで、賑やかになるね」
「ええ。私も、稲刈りの時までには用事が終わると思います」
「がんばってね」
「はい」
――ということで、エルフィンの大雨が終わった。
すなわち、もうすぐ稲刈りイベントが始められるわけだね。
冬は目前だけど、いまは秋のひと時を楽しもう!
◇
「いらっしゃいです~」
「ようこそおいで下さいました」
ハナちゃん速報から三日、あっちの森から最初の人がやってきた。
身長は百七十二センチくらいで、気の良さそうな初老の男性。
フクロオオカミに乗ってやってきたようだ。
結構豪奢な衣装をまとっていて、なんかの石をちりばめた首飾りをお召しになられている。
そしてこの人――。
「ども。あっちのもりで、ぞくちょうやってます」
「ばうばう」
――と、言うことらしい。
なんかあっちの森トップが、うちの村に来ちゃった。
「おおー! おひさしぶりです! わたしですよ、ヤナです」
「ヤナか! ひさしぶりだな! むこにいっていらいだな!」
「ええ! このとおり、げんきでやっていますよ!」
ヤナさんはあっちの森族長さんと面識があるのか、挨拶をした後二人でキャッキャしている。
あっちの森族長さんの反応からすると、久しぶりの再会のようだ。
ヤナさんが婿に行ってから、会っていなかったみたいだね。
「わたしらも、おともできましたよ」
「しょうぼうだん、いいかんじでおっきくなってきました」
もちろん元族長さんと消防団長さんも、一緒に訪れた。お供で来たらしい。
なんだか、あっちの森の要人がぞろぞろ来ているね。
「ちなみに、かみさまもいっしょですよ」
(はじめまして!)
……あと、あっちの森族長さんの服についているポッケから、オレンジ色の光ちゃんがこんにちは!
あっちの森神様も来ちゃったの!?
謎の声とか、はじめましてって元気に挨拶しているね。
「あや! あっちのかみさまです!?」
(らしいね!)
……らしいって。ご本人は、神様だという自覚はそんなになかったようだ。
まあ、あっちの森でも神様だってことが判明したのは、ごく最近なわけだよね。
単に呼び名が変わっただけって話なのかも。
しかし、このオレンジちゃんは、うちの神様とお友達だって話だよね。
とすると――。
(きゃ~! おともだち~!)
案の定、神輿がばびゅんと飛んできた。
七色に光って大はしゃぎだね。
(ひさしぶり!)
(ようこそおいでまし~!)
神輿状態でも相手のことはわかるのか、あっちの森神様もうちの子を認識できたようで。
今は七色神輿とオレンジちゃんが、空中でキャッキャと戯れる。
神様、お友達と会えてよかったね。
ともあれ、あっちの森の族長さんや神様が訪れ、村の観光業も本格始動となった。
今はひとまず、集会場であっちの森族長さんのお話を聞くことにしよう。
トップがわざわざやってくると言うことは、何か相談事があると思うし。
ネコちゃん便で連絡をせず、直接来たのだ。きっと何かある。
「それでは、集会場で色々お話をしましょう」
「そうですね。ごそうだんごとが、ちょっとありまして」
「わかりました。私どもで可能なことであれば、お力をお貸し致しますので」
「それは、ありがたいです」
やっぱり何か相談事があるっぽいね。
ではでは、集会場へ行きましょう!
ということで、集会場でお茶と妖精さんお菓子を食べながらお話を始める。
「ごそうだんというのは、かみさまのことでして」
(そうそう!)
お茶をすすった後、あっちの森族長さんがそう言った。
神様のこと?
謎の声も同意しているけど、なんだろう?
「神様のことですか」
「はい。その……じんじゃっておうちを、つくってあげたくて」
(おうち!)
あっちの森族長さんがそう言うと、オレンジちゃんが周りをくるくる飛び回る。
おうちを作ってもらえるのが、とっても嬉しいようだ。
(よかったね~!)
(うん!)
「よかったです~」
神輿も加わってキャッキャだね。
ハナちゃんも加わって、一緒にはしゃいでいる。
なごむなあ。
「いままでは、はっぱのおうちをよういしておりました。でも、かみさまようのおうちがあるとききまして」
「なるほど、そういうことですか」
どうも葉っぱのおうちはあるみたいだ。
しかしこの村にある神様用のおうち、いわゆる神社のことを耳にして、そっちが良いのではとなったぽいね。
オレンジちゃん、愛されているじゃないか。
「そんなわけで、いろいろごいけんをいただきたくて」
「わかりました。それならお力を貸せそうです」
「ありがとうございます」
(やたー!)
「よろこんでるです~」
話はまとまり、あっちの森神様のおうち計画が本決まりとなる。
オレンジちゃん、うれしかったのか俺の周りをくるくる回っているね。
(おうちがあると、こっちにいるのもらくちん~)
(だよね!)
「あや~、らくですか~」
謎の声同士の会話が聞こえてきたけど、おうちがあると楽らしい。
……存在を固定できるからかな?
神殿とかがあると「ここに神様がいるよ」と明確に概念を定義できる。濃縮だね。
そういうものがない場合は「どこかに神様がいらっしゃる」と概念が拡散してしまう。
どっちが良いとは明言できないけど、この場合「おうちがある」方が望ましいかな。
本人が楽って言っているのだから。
まあ、神様だから濃縮と拡散は自由自在だろう。
普段はおうちで濃縮してもらい、必要なら拡散すればいいよね。
封印して縛るようなものでもないから、フリーダムに活動できることに変わりは無い。
「では、おうち候補をいくつか考えておきます。完成品にするのか、自前で作るかは選べるようにしますので」
「わかりました」
(たのしみ!)
うちの神様も、神社が良いって選んだからね。
オレンジちゃんにも、選択できる楽しみというものを提供しよう。
さて、どんなおうちが良いかを、専門家に聞かないとね。
そしてこれ系の専門家といえばユキちゃんだな。なにせ本物のおいな――おっとキツネさんだもん。
これ以上の人材はいない。
ただ今はユキちゃん用事があってこれないから、すぐにってわけにはいかない。
この辺は確認しておこう。
「ただ、神様のおうち専門家が用事でおりませんので、少し時間がかかってしまいますが」
「それはもんだいありません。しばらくのあいだ、こっちでほねやすめしますので」
「わかりました。村を楽しんでいってください」
「はい」
期間がかかることを伝えたけど、あっちの森族長さんも特に問題ないようだ。
ゆっくり骨休めしてくらしい。族長のおしごと、大変だものね。
ちょっとした休暇ってところなのかも。
(あそんでくね!)
(あそびましょ~)
「あい~」
オレンジちゃんも遊んでいく気満々で、うちの神輿とはしゃいでいる。
ハナちゃんも加わって、三人でキャッキャだね。
まあひとまずは、うちの村自慢の温泉に入って疲れをいやしてもらおう。
「長旅でお疲れかと思いますので、まずは温泉に入ってみると良いと思います」
「そうですね! おんせん、たのしみにしてたのです」
(それそれ!)
あっちの森族長さんとオレンジちゃん、温泉が楽しみらしい。
それじゃあ早速、あったまって頂きましょう!
「あんないは、わたしがします」
「つかいかたとかもわかりますので、いっしょにいきましょう」
「そうだな」
温泉への案内や説明は、元族長さんと団長さんがしてくれるようだ。
というか、二人とも温泉大好きだから一緒に入るのだろう。
ゆっくりしていってね!
「じゃあじゃあ、あっちのかみさまは、ハナがおふろにあんないするです~」
(いっしょにはいろ!)
(おふろ~)
「あい~。いっしょにはいるです~」
なぬ? あっちの神様も、女神様らしいぞ。
うちの神様もそうだけど、エネルギー体というか概念体なのに、性別があるんだな。
というかハナちゃん、神様の性別わかるの!?
すごくない?




