第三話 あえてC1
とうとうバスは、美女木ジャンクションに突入。
五号池袋線へ向かうべく進路を進め、信号待ちをする。
このジャンクションはちょっと特殊で、信号があるのだ。
そこを右折すれば、池袋線へ入れる。
時間はすでに早朝へと移り変わり、朝焼けが見える。
こんな時間でも交通量は多く、車がどんどん増えてくる。
さあ、いよいよ陸路の大詰め。首都高に入るぞ!
「あえ? なんだかとつぜん、じどうしゃがふえたです?」
「かっこいい!」
「みちもちょっと、せまくなったかんじ」
美女木ジャンクションから五号池袋線に入ると、道路事情はガラっと変わる。
路肩がほぼ無いも同然となり、壁との距離も近くなる。
まだまだ前哨戦だけど、この時点で首都高の特殊さが垣間見える瞬間だった。
「うっわ、めっちゃとおくまで、まちがみえるじゃん!」
「とおくのたてもの、かすんでみえるとか、ふるえる」
埼玉県戸田市を抜け、現在地は東京都板橋区へちょうど入ったあたり。
ここは少しの間直線道路となり、東京の街が遠くに霞んで見える絶景ポイント。
車内がにわかに盛り上がり始める。
「……なあ、かすんでみえるのに、あのでかさってことはさ……」
「やばくね?」
そしてエルフのみなさん、良いところに気づきました。
ここから先、でかいビルの合間をくぐり抜けるのですよ。
そりゃあもう、初めて走ると色々アレなもので。
そこんところ、アナウンスしておこう。
『みなさん、これから道が曲がりくねりますので、少々おきを付け下さい』
「いってるそばから、けっこうなまがりみち」
「なんだか、ガタガタゆれるです~」
「はげしくなってきたさ~」
狭い道幅に、周囲には壁。そして急カーブ。
乗客のみなさま、不穏な空気に身構え始める。
ぴしっと体を硬くしたね。
そうそう、あらかじめ身構えておくと良い感じですよ。
そして速度注意と書かれた、赤い段差舗装のカーブを二つ乗り越え。
少し走った所で、志村料金所が見えてきた。
もの凄い車がゲートをくぐり抜けている中、俺たちのバスもETCゲートを抜ける。
さすが首都圏、交通量がとんでもない。
慎重に運転しないとね。
そうして安全運転を心がけながら、しばらく走行すると――。
“次は板橋JCT.”
という案内板が見えてくる。
ここをくぐり抜けると、下り坂になり――いきなりビルに囲まれた形に。
これぞ首都高という風景が、突如として現れる。
「あやや! あやややや! まわりがしかくいです~!」
「たてものだらけじゃん!」
「でけえええ~」
いきなりのビル群登場に、ハナちゃん目を白黒させる。
他の方々も、わーきゃー騒ぎながら窓に張り付いた。
「あや~! かべがぴかぴか、ひかってるです~!」
「きれいだね! ぴっかぴかだね!」
(ちかちか~)
早朝なので、電飾もキラキラ輝いて。
キラキラハデハデの道に、ビルの明かりもキラッキラ。
首都交通と都市が織りなす、イルミネーションが楽しめちゃう。
「わきゃ~! よくわからないけど、なんだかすてきさ~」
「ハデハデです~!」
「まちがキラッキラとか、すてき」
わりとこの早朝のイルミネーションがウケているらしく、みなさんキャッキャと大はしゃぎ。
ハデな光景に目が行って、首都高自体のヤバさにはまだ気づいていないようだ。
まあ、時速五十キロで走っているからね。ぶっちゃけ下道と同じ速度だ。
……高速道路とは一体。
とまあ、実は高速で走れない道路を突き進み、目的のルートを目指す。
程なくして、板橋ジャンクションを抜けて。
都心環状サークル1――いわゆるC1に入る。
まるでサーキットのような道と言われる、あのC1ちゃんだね。
さあさあ、とうとう首都高バトル――開始だ!
◇
『こちら大志、予定通りこのままC1で行く。どうぞ』
『こちら志郎、了解。どうぞ』
『こちら高橋、問題ないぜ。どうぞ』
二号車三号車と無線でやりとりをしながら、首都高を走っていく。
次々に分岐が訪れるので、常に確認を取り合う必要があるわけだ。
「あれ? 大志さん……道が違うのでは?」
そしてその通信を聞いていたのか、ユキちゃんがルート選定に疑問を持ったようだ。
スマホをぽちぽち見ているから、カーナビアプリで道を確認しているのかな?
……確かに、普通はC2に入って山手トンネルルートが最短だ。
ただ、今回は「あえて遠回り」をする。
その理由とは――。
「せっかく東京に来ているのだから、街の風景を見せてあげたいかなって」
「あ、そうですね……山手トンネルに入ると、ずっとトンネルですから」
「そうそう。ずっとトンネルじゃ、息が詰まっちゃうよ」
とまあ、こんな理由でC1を選択した。他にも理由はあるけど、大きな理由の一つだね。
せっかくの観光旅行なのだから、移動中も楽しんでもらいたいって事で。
ほかにも、山手トンネルは日本一の長さを誇る。
ということは、そこで何かが起きたら、もしくは起きていたら――とても危ない。
便利な道ではあるのだけど、この乗客をたくさん乗せた状態で選択したい道では……無いかなって思う。
一人の時なら、別に良いのだけど。今回はちょっとね。
「というわけで、今回は朝焼けの東京をお楽しみ下さいプランってことで」
「私もそれが良いと思います」
ユキちゃんも納得してくれたようで、座席に戻っていった。
「あやややや! ぶつかるです~!」
「キャー!」
「トラックが、トラックがちかいいいい~」
「わきゃ~――……」
そんなやりとりの間にも、右から左から合流してくる車との距離に驚き、かくんかくんと気絶するみなさん。
大丈夫ですよ。ちょっと車間距離が縮まってしまっただけなので。
とまあ合流気絶祭りが起きている中、バスは竹橋ジャンクションへ。
もうちょっと進むと、霞ヶ関だな。
見所があるので、アナウンスして気絶から回復してもらおう。
『はいみなさん起きましょう。もうちょっと進むと、面白い物が見られますよ』
「――おもしろいものです?」
「なんだろ?」
「たのしみ~!」
面白い物と聞いて、一瞬で覚醒するみなさん。
だんだんと、たくましくなって来てらっしゃる。
というわけで、竹橋ジャンクションへ突入。
ここで一瞬――東京タワーが見えるのだ!
『みなさん注目! 正面に光り輝く塔がありますよ!』
ジャンクションの右カーブを終えた瞬間、遠くに東京タワーが見える。
たった五秒だけど、はっきりとその姿を確認できた。
「あや~! すっごいひかってるでかいやつ、ほんとにあったです~!」
「なにあれ!」
「あかくてきれい」
朝焼けを背景に黒く佇むビル群の中に、ひときわ輝く東京タワー。
ルートによってはそのすぐそばを通り抜けるけど、まあ今回はこれ位で。
そしてジャンクションを抜けて、霞ヶ関へ。
ちたまにっぽんの、行政中心地だね。
アップダウンの激しい道を乗り越え、トンネルを乗り越えて。
左手に、大きな川が見える。
「わきゃ! かわがあったさ~!」
「おみずさ~!」
「あんしんするさ~」
一瞬だけど水辺が見えて、ドワーフちゃんたちわっきゃわきゃ。
というか、首都高の下はだいたい川なわけで。
実はお水の上を走っているんですよお。
見えないだけなんです。
「あえ? こんどはどうくつばっかりです?」
「あっぱくかんある」
「なぜかきんちょう」
そしてこの辺りは、トンネルが多い。
しかもトンネル内でアップダウンや分岐があったり。
慎重に運転して、それらトンネル群を突破する。
「うっわ! たてものちかいな~!」
「しかくいまちです~」
「でもキラッキラとか、すてき」
やがてトンネルを抜けると、よりいっそうビル群が近くなる。
車から見ると、スレスレをすり抜けているんじゃ無いかって錯覚に陥ったり。
側壁も低いので、よりビル群との距離が近く感じる。
なかなかの絶景だね。
「わわわきゃ~……こんなもの、ひとがつくれるのさ~?」
この辺は高層ビルが林立していて、近くも遠くもビルだらけ。
偉い人ドワーフちゃんは、もうぷるっぷるで景色を眺めている。
どうやら、この人工物しかない都市を見て、衝撃を受けているようだ。
大自然に寄り添って生きてきた方々からすると、信じられない光景みたいだね。
これほどの高層建築や構造体群を、見るのは初めてだろうから。
「なにをどうしたら、こんなんつくれるんだろ」
「なぞのぶんめいです~」
「でかすぎさ~」
他のみなさんも、首都圏の構造体に興味が沸いたようで。
どうやって作るのかとか、わいわいと盛り上がっている。
この町がどんなところか、ちょっと教えておこう。
『この都市は石と鉄を使って、一生懸命作ったらこうなりました』
超ざっくり説明。でも、そんなに間違っていないと思う。
ほぼ、鉄筋コンクリートとアスファルトで出来ているからね!
とまあ、適当に東京の街を説明したところ……。
「やばすぎ」
「がんばりすぎたけっか」
「どんだけがんばれば、こうなっちゃうのか」
おおう、エルフたちに頑張りすぎを指摘されたぞ。
日本は平地が少ないから、しょうが無いんですよこれが。
徳川さんがとにかく埋立しまくってくれたおかげ、でもあるのだけど。
「わきゃ……いしとてつで、つくれちゃうさ~?」
「そんなにかんたんには、いかないさ~?」
「つくりかた、けんとうもつかないさ~」
「てつをつかうとか、ぜいたくさ~」
偉い人ちゃんはその建造方法に興味があるようで、黄色しっぽをぱたぱた振って外を見つめ始めた。
でもまあ、石と鉄だけでは作れません。
いろいろああしてこうして、それがそうなってあれがこうで、とかあるんですな。
つまり、あれなんです。大変なんです。
「わきゃ~、いいものみられたさ~」
しかしお目々キラッキラで、ビルや道路やらを眺める偉い人ちゃんだ。
まあ、興味があるなら鉄筋コンクリートとはどんなものか、教えるのも良いかもだな。
旅行が終わったら、ちょいと機会を設けてみよう。
そして、ただひたすら東京の街を楽しんだあとは。
首都高を抜け、湾岸線へと突入だ。
湾岸線はまた首都高とは違った風景が広がるので、これまた面白い。
『これより道が変わります。風景も変わるので、みなさまお楽しみ下さい』
あらかじめ風景が変わるとアナウンスし、準備は完了。
やがて……一ノ橋ジャンクション、浜崎橋ジャンクションを抜け――湾岸線。
連続するジャンクションを突破して、左手に見えるは――レインボーブリッジ。
湾岸を走るなら、渡ってみたい橋だ。
もちろん今回のルートでは、レインボーブリッジも渡るよ!
『みなさん、遠くに見えるあのでっかい橋。あそこを渡りますよ』
「うっきゃ~! すっごいはしが、あるです~!」
「あんなん、どうやってつくってんの!?」
「でかすぎ」
一瞬だけ見えたレインボーブリッジだけど、みなさん大はしゃぎだ。
もうちょっと進めば芝浦ジャンクションだから、そこを抜けたらいよいよだよ!
ちなみに、このC1から湾岸線、そしてレインボーブリッジルートは高橋さん提案でもある。
あこがれの橋を渡るルートがあるのだから、通らない選択肢は無いよね。
きっと三号車の高橋さんは、目をキラキラさせて運転していることだろう。
……脇見運転はしないと思いたい。
とまあ、そんな事情もあってレインボーブリッジに向けてひた走る。
芝浦ジャンクションを抜けたら、もうすぐそこだ。
ほら、見えてきた。
「はしが、ちかづいてきてるです~!」
「いよいよだわ~」
「たのしみ~」
どんどん迫る巨大な橋に、みなさんうっきうき。
もうちょっとですよ。
「でっかいみずうみがあるさ~!」
「おみず、たくさんさ~!」
「ひろくて、きもちよさそうさ~」
それとドワーフちゃんたちは、湾岸を見てわっきゃわきゃ。
でもそこ、湖じゃ無くて海なんだなこれが。
ドワーフちゃんたちが初めて見た海は、東京湾というわけだ。
泳ぐ機会は無いけど、景観をお楽しみ下さいだね。
そうして期待高まるなか、とうとうバスは――レインボーブリッジへ!
一気に視界が開け、橋の構造体と朝焼けのコントラストが美しい。
「あや~! きれいです~!」
「まるいやつがある! なんだあれ!」
「すてき~!」
橋の中央部を過ぎると、下りになる。
そこから見える風景は――絶景、そのもの。
朝焼けがもたらす、オレンジ色から青へのグラデーション。
その美しい空を背景にして、ビル群の黒いシルエットが静かに佇む。
太陽の光があるけれど、ビルの夜景も楽しめて。
右手にはフジ的なテレビ局の建物と観覧車もみえて、とても面白い。
この風景は、わずかな時間しか見られない。
早朝の数十分間だけ楽しめる、自然と人工物が織りなす芸術がそこにあった。
「わきゃ~! うつくしいけしきさ~」
「これはすごいさ~!」
「すごいね! きれいだね!」
(きれい~!)
しっぽドワーフちゃんや妖精さん、神輿もこの光景には思わずうっとり。
石と鉄で出来た大都市でも、こんな風景はあるのです。
自然の色と人工の色が調和した、不思議な光景だね。
決して、人工物だらけでも冷たくは無い。
そこに人がいて活動しているのだから、何かしらの暖かみはあるのだ。
「すごいもの、みられたです~」
「しゃしん、すごいとっちゃった!」
「いっしょうの、おもいでさ~」
素晴らしい景観を見たみなさま、大変満足して頂けたようで。
レインボーブリッジ突破プラン、大成功だね!
わざわざ山手トンネルを使わなかった成果、ちゃんとでました。
そうしてレインボーブリッジの絶景でひとしきり盛り上がった後は、有明へ。
ちょっと走れば、さっき遠くに見えていたフジ的なテレビの建物や、観覧車のそばを通り抜ける。
『はい、先ほど遠くに見えていたまるいやつ、もうすぐ側を通りますよ』
「みえてきたです~!」
「おもれえええええ~」
「まるくてホネホネとか、すてき」
テレビ局と観覧車を通り過ぎるときは、みなさんまたまた大はしゃぎ。
道も広くなって、開放感もある。
首都高を抜けて湾岸に入ると、ほっとするよね。
いっきに圧迫感が消え開放感が出るので、そりゃあ飛ばしちゃう気持ちもわかる。
でもまあ、安全運転で行こうね。
そして東京港トンネルを抜け、大井ジャンクションへと。
ここにも見所が一つある。
「あえ? なんだかほそながいやつ、たくさんならんでるです?」
「なんだろ、あれ?」
「でっかいへび?」
左手にあるのは、新幹線の車両基地。ずらりと列車が並び、かなり壮観だ。
……もしかしたら、いつか新幹線にも乗るかもね。
そのときになったら、また説明会で気絶祭りかもだけど。
まあ新幹線に関しては、またのお楽しみに取っておくとして。
もうすぐ、羽田空港だ。
東海ジャンクションを通過し、空港北トンネル。
ここを抜けたら、まもなく空港中央インターチェンジ。
とうとう――羽田空港へ到着だ!
――無事、たどり着けたぞ!
『みなさん、間もなく羽田に到着です。忘れ物が無いよう、お気を付け下さい』
「とうとう、きたです~!」
「なんだか、あっというま」
「みどころありすぎて、ふるえた」
アナウンスをすると、みなさんがさごそと降車の準備を始める。
いよいよ羽田空港。ようやく、長距離運転も終わる。
さーて、空港に着いたらちょっとのんびりしよう!
◇
というわけで、ここは羽田空港第一ターミナル南ウィング。
バスを駐車してきたので、空港ロビーでみんなと落ち合う。
「あ、大志さんこっちです」
「タイシ、おかえりです~」
親父や高橋さんと一緒にロビーに足を踏み入れると、ユキちゃんとハナちゃんが手を振っていた。
さっそく合流しよう。
「お待たせしました」
「いやあ、あのでっかい街、すごかったですよ」
「びっくりしたです~」
「いしのまち、すごかった~」
「ふるえとまんなかった」
ロビーで待つ村人たちと合流したら、みなさん大はしゃぎ。
早朝の首都高と湾岸線は、どうやら楽しめて貰えたようだ。
よかったよかった。
「それで、タイシさん。おきなわって、ここのことさ~?」
ほっと一安心していると、偉い人ドワーフちゃんからお問い合わせが。
きょろきょろと周りを見渡して、何かを探している。
「さっきみえた、あのでっかいみずうみで、およぐさ~?」
どうやらここが目的地だと思っているらしい。
速く泳ぎたくて、うずうずしている感満載。
でも残念ながら、ここは目的地ではなくてですね。
むしろ、ここが出発点というか。
「あ~。えっとですね。ここはまだ、目的地ではないのですよ」
「わきゃ? でも……のりものから、おりちゃったさ~?」
飛行機に乗ることを知らない偉い人ちゃん、不思議そうな顔をする。
ここから乗り換えと言うことを知らなければ、その反応も当たり前かな?
「これから、ヒコーキにのるらしいです~」
「チケットってやつをつかって、なんかいろいろするらしいさ~」
「たくさんれんしゅうしたから、らくしょうじゃん?」
首を傾げる偉い人ちゃんに、村のみんながそれぞれ教えてあげている。
彼らは色々事前学習したからね。ゲートをくぐる練習だってした。
わりと自信のある表情をしていて、頼もしい。
「……ヒコーキって、なにさ~?」
しかし飛行機を知らない偉い人ちゃん、ますます訳が分からなくなった模様。
黄色しっぽをゆらゆら揺らして、右に左に首を傾げている。
「でっかいとりさん、みたいなやつです?」
「クワクワ~」
そんな偉い人ちゃんに、ハナちゃんとペンギンちゃんがさらに説明だ。
ハナちゃんは両手を広げて、ペンギンちゃんも羽を広げて。
二人揃って、ぱたぱたと動かす。
「クワックワ~」
「こんなかんじです~」
さらにペンギンちゃんが、ヒコーキのマネをしながらお腹で床をつつーっと滑った。
そうそう、そんな感じで飛ぶわけですな。
良い感じでマネできているよ。
「……とりさん? よくわからないさ~」
しかし飛行機を見たことがない偉い人ちゃん、いまいちピンと来ていないご様子。
これはあれだね、実際に見て貰った方が早いな。
「時間もありますので、実際にその乗り物を見ましょうか」
「え! みられるの!」
この申し出に、メカ好きさんがめっちゃ反応した。
もちろん、離陸の瞬間とか色々見られますよ。
「見物できる場所がありますので、そちらなら思い切り見られます。せっかくなので、行ってみましょう」
「わーい!」
「あ、おれもいくじゃん」
「わたしも」
「ハナもいくです~」
お誘いしたら、結局みんなで見物することになった。
それじゃあ、飛行機がどんな乗り物か、一発で分かる所に行きましょうかね!
第一ターミナルの展望台はまだ開いて居ないので、第二ターミナルの屋内展望室へ行こう。
そこなら、朝五時から見学できる。
屋内で見物するのだから、大迫力の生離陸シーンもまあ……そんなに怖くもないだろう。
怖くないはず。……怖くないと良いな?




