第六話 消防団、始動!
「と言うわけでみなさん、明日すっごい台風がやってまいります」
「たいへんです~!」
「たんぼ! たんぼがしんぱいだべ!」
「たいさくしなきゃ!」
さっそく集会場で台風襲来を告げると、エルフのみなさん大慌てだ。
去年台風は経験しているから、どんなものかは理解しているからね。
「たいふうのあいだは、いったんひなんするね! ひなん!」
「みずうみで、のんびりすごしましょ~」
「おだんごつくってるね! おだんご!」
妖精さんたちは、湖畔リゾートへ自主避難だね。
三千人くらいいらっさるから、まあそれが一番か。
「おっきなあらし、くるみたいさ~」
「たいへんさ~」
「クワ~」
そして台風を経験したことの無いドワーフィンの方々は、訳も分からずきょろきょろしている。
みなさんには、昨日撮影された台風の様子をご覧頂こう。
「はい注目。今こちらに向かっている台風とはどんなものか、説明するよ」
おなじみのプロジェクターと、おなじみのスクリーン。
今回はこれを使って、台風勉強会だね。
「わきゃ? これはなにさ~?」
「これはね、目に見えている出来事を写し取って、後からまた見られるようにする道具だよ」
「なんだか、すごそうさ~」
まだちたま文明機械のことを、あまり知らないドワーフちゃん。
興味津々でスクリーンを見上げる。まあこの辺は、見てもらった方が早いね。
それじゃあノートPCで動画を再生して、西のほうでえらいことになっている映像を見てもらいましょう!
「はい、今から映すよ……。これは昨日実際に起きた出来事で、今も遠くで猛威を振るっているやつなんだ」
動画を再生すると、大雨と強風でいろんなものが飛ばされる映像がスクリーンに映し出された。
屋根がはがれたり車が水没したり、トラックが横倒しになったり。
駐車場で、沢山の車が風で転がる映像も。
電柱が倒れ電線が切れてしまい、高電圧の火花が散ったりする瞬間は、かなり怖い。
「うわ……。大志さんよくこんな映像集めましたね……」
「ちょっと検索したら、すっごい集まったんだ。しかも、どんどん動画は増えている」
「それだけ、ヤバいって事ですね……」
「そうだね。これはヤバいよ」
ユキちゃんは、やや引き気味で映像を見つめていた。
俺もちょっと引いている。相当ヤバい災害ってのが、良くわかるよ。
……正直、こんなんどうすりゃ良いのってレベルの大災害だ。
さらにプロジェクターで投影されたそれは、大画面でド迫力!
これ以上ないくらい、ヤバさを伝えてくれる衝撃映像でござるね。
さてさて、これで台風がどんな物か、分かってくれたかな?
「……――」
あれ? 反応がないぞ?
「大志さん、ドワーフさんたち……気絶してますよ?」
「目を開けたまま気絶……だと……!」
どうやら、刺激が強すぎたようだ。
しっぽドワーフちゃんやペンギンちゃん、目を開けたまま気絶してしまった。
「……――」
「――」
おや? 他のみんなからの反応もない。
……まさか?
「同じく、エルフさんたちや妖精さんも気絶してますよ」
「去年台風経験してるのに……」
(……――)
おまけに神輿も、ぽとりと落ちる。
村人気絶祭りになっちゃったよ!?
そんなにヤバイ映像なの? これは?
◇
「そんなわけで、家とかを補強するぞ」
「田んぼにも縄を張って、イネがなるべく倒伏しないように対策する予定です」
気絶祭りから程なくして、高橋さんと親父も村にやってきた。
この辺の準備があったから、午後からの来訪となったわけだ。
それじゃあ、急いで準備を始めよう!
「あんまり時間が無いので、急ぎでやりましょう」
「わかったです~!」
「いそぐわよ~!」
「がんばんべ!」
何をするかは決まっているので、あとは手分けするだけ。
結束が高い村なので、みなさんいそいそと動き始める。
「動物たちは、大丈夫かな?」
「みんな、みずうみへいったです~」
「避難早いな!」
こういうのに敏感そうな動物たちは、すでに避難を終えていた。
行動が早いのは、助かる。
「ギニャ~」
「あれ? 君は残るの?」
「ギニャ」
しかしフクロイヌは、集会場で待機するようだ。
しっぽをふりふりして、こちらを見上げている。
「……まあ、心強い仲間が増えたって感じかな?」
「ギニャ」
「フクロイヌなら、なんとかなるです~」
フクロイヌ一匹くらいなら、一緒に過ごしても問題は無い。
残りたいようなので、この子の意思を尊重しよう。
「それじゃ、よろしく頼むね」
「ギニャ!」
せっかくなので、フクロイヌをなでなでしてもふもふを堪能しておく。
まあ、ピリピリしがちな待機任務の、緊張をほぐしてくれるのは間違いない。
「何かあったら、消防団まで連絡を。必ず一人は、集会場で待機しますので」
俺がフクロイヌをもふもふしている間に、消防団長のヤナさんが緊急連絡先の告知を行った。
それじゃあ、俺も仕事をしよう。まずは無線の貸出だね。
「各ご家庭にも無線を配りますので、何かあったらコールサイン『アルファ』を呼び出して下さい」
「むせんき! つかっていいの?」
「ええ。遠慮なさらず、使って下さい」
今回は世帯ごとに無線を配布する。
とはいえ、腕グキさんちはハナちゃんのお家で過ごす。
あと、ナノさんとその娘さんは他のお家で過ごすことになる。
なので、全世帯に無線配布ではない。
「緊急事態の時は、『メーデー』の手順で通信をしてください」
続けてヤナさんが、消防団員たちに緊急時の通信手順を再確認する。
この辺はみんな練習してもらったけど、さすがにメーデーは使う機会はなかったからね。
念を押す意味で確認するのは、良いことだ。
「応答があるまで、この緊急手順を続けて下さい。そしてメーデーを受信したら、その周波数はメーデーが解除されるまで専用となります」
「わかったじゃん!」
「まかせるのだ!」
俺が説明するまでもなく、エルフ消防団員たちが手順を確認し、気合いを入れた。
村を守ろうという意志が、伝わってくるね。
「わたしたちも、おてつだいしますぞ」
「こちらのしょうぼうだんかつどう、さんこうにしたいです」
さらにあっちの森メンバーも参加だ。元族長さんと、団長さんだね。
この二人は屈強なので、臨時とは言え隊員として申し分ない。
大変に、ありがたい申し出だった。
「いやはや、人手が欲しいところでしたので、助かります」
「こういうときは、たすけあいですからな」
「こちらもおせわになっていますので、これくらいはおてつだいさせてください」
二人とも、胸をドン! と叩いて頼もしさアピールだ。
ここは遠慮せず、お言葉に甘える方針で行く。
とまあエルフたちはこれで体制が整ったので、お次は妖精さんたちだ。
「嵐がやんだら呼びに行くので、それまで湖畔リゾートで待機しててね」
「わかったよ! わかったよ!」
「おとなしく、してます~」
「きゃ~い」
妖精さんたちも、これで大丈夫。エルフィン湖畔リゾートは、普通にお天気だからね。
さて、これでエルフたちと妖精さんたちは大丈夫だ。
(わたしは~?)
「タイシ、かみさまはどうするです?」
謎の声から、自分はどうするか問い合わせがあった。
……集会場で待機かな?
「ひとまず、集会場で待機をお願いしたいです」
(いいとも~)
「それで、いいみたいです~」
ほよほよと神輿が神棚へ飛んでいき、駐車。
神輿から出た光の玉は、ゆるゆると神社へ入っていった。これで神様も大丈夫だ。
あとは……ドワーフちゃんたちだね。
「みんなは、どうしたい? こちらとしては、妖精さんたちと一緒に湖畔で待機していて欲しいかな?」
「だいたいは、そうするさ~」
ん? 「大体は」そうする?
どう言うことかな?
「大体はそうするって、何かな?」
「うちらも、みまわりをてつだうさ~」
「おうちもしんぱいだから、ようすはかくにんしたいさ~」
「おとなのうち、なんにんかは、しょうぼうだんにさんかするさ~」
どうやら大人を選抜して、消防団活動に参加したいようだ。
正直ちょっと心配だけど、大丈夫かな?
「風も雨も凄いけど、大丈夫?」
「うちらのところも、わりとあらしはあったさ~」
「おんなじこと、してたさ~」
「およぎはとくいだから、だいじょうぶさ~」
リーダー格のお母さんドワーフちゃんを始め、何人かの大人たちがそう言った。
おそらく、この方々が選抜メンバーになるかな?
……念のためライフジャケットを身につけて貰えば、大丈夫か。
それに身代わり地蔵にも登録してあるから、何かがあっても体は大丈夫だ。
彼女たちの意志を尊重して、参加して貰おう。
「わかった。ご協力感謝します」
「まかせるさ~」
「むらを、みんなのちからでまもるさ~」
「わきゃ~!」
提案を受け入れて貰えて気合いが入ったのか、しっぽをピン! と立てるみなさんだ。
村を守る活動に参加したい。そんな意志が、伝わってくる。
まあみんなちっちゃいので、可愛らしいのだけども。
ひとまず、三人でチームを組んで貰って、無線を配布しよう。
あと、無線の使い方も教えておかないといけないね。
「それじゃ、無線を配布するよ。使い方はこれから教えるね」
「わきゃ? むせんって、なにさ~?」
「その、くろいはこさ~?」
「なんのどうぐさ~?」
無線と聞いて、何名かが首を傾げた。
ドワーフィンにあるおとなりの湖へ挨拶に行った人以外は、初めて見たからね。
この辺の説明も踏まえて、付け焼き刃だけど消防団訓練をしておこう。
「無線とかの説明も含めて、みんなにはちょっと消防団訓練をしてもらうよ」
「わかったさ~」
「がんばるさ~」
――こうして、台風対策本部が動き出した。
その日はみんなで手分けして、雨戸に板を打ち付けたり、屋根を補強したり。
倉庫のドアを封鎖したり、田んぼに縄を張ったりも。
さらに妖精さんの暮らすミニチュアハウスを待避させたり、ドワーフちゃんのお家を補強したり等、色々対策を施した。
思いつく限りの対策を行い、あとは備えるだけ。
……今年もまた、長い夜がやってきそうだ。
◇
――翌日、夕方。
「風が強くなってきましたね」
集会場の窓に風が吹き付け、ガタピシ揺れる。
そんな様子を見て取ったユキちゃん、耳をピンと立てて警戒した。
ユキちゃんの言うとおり、そろそろ暴風圏に入る。
「予報通りだね。これから深夜にかけて、暴風圏に入るよ」
「タイシ、ハナたちもそろそろ、おうちかえったほうがいいです?」
集会場で待機する人のために、ハナちゃんたちは夜食を作ってくれた。
ギリギリまで残って、消防団活動を支えてくれている。
でもそろそろ限界だね。
「そうだね。そろそろ避難した方が良いよ」
「わかったです~。おうちかえるです~」
「そうするわ~」
「みまわり、がんばってね」
「うちらも、ひなんするさ~」
避難勧告を出すと、ハナちゃんたちはいそいそと帰宅の準備を始める。
残って手伝いをしてくれたドワーフちゃん数名も、荷物をまとめ始めた。
あとの事は、消防団にお任せ下さいだ。
「それじゃ、みんな気をつけてね」
「タイシもきをつけるです~」
「私もハナちゃんちにいますので、何かあったら連絡下さい」
「それじゃ、ひなんするさ~」
やがて準備が整った人から、いそいそと避難を始めた。
さあ、もうすぐ暴風圏だ。安全第一で、過ごそう。
「……今年のは去年と違って、かなり激しそうですね」
ヤナさんも去年来た台風との違いを感じ取ったのか、やや不安げな様子だ。
下手に過小評価しても危ないから、そのままを伝えよう。
「ええ。動画でお見せしたとおり、例年に無い強さで危険な台風です」
「……気をつけて、見回りしましょう」
「そうですね。安全第一です」
警戒を強めるヤナさん、耳がピンとした。
まあ、ずっと気を張っていても疲れるから、適度に休憩を挟んでね。
「しかし、たいきちゅうは、やっぱりヒマじゃん?」
「にほんごのべんきょう、しとくか?」
「だな」
他の方々は適度に力を抜き、適度に緊張を保てているようだ。
若干ピリピリしつつも、それぞれの時間を過ごし始めた。
「……やっぱりこれ、くっつくじゃん?」
……ひらがなマグネットを体にペタペタつけたマイスター、首を傾げる。
相変わらずのビックリ人間だ。
「それがくっつくの、おまえだけなんだよな~」
「なんで、じしゃくがくっつくのか。おまえはおかしい」
「わけわからんのだ」
他のみなさんも、マイスターに磁石がくっつく謎は分からないらしい。
変な草とか食べているからじゃない?
エルフ酒とかを飲んでも、たまに光るし。
でもまあ、マイスターの変な芸のおかげで、緊張はほぐれた。
この調子で、台風を乗り切ろう!
◇
だんだん、だんだん風と雨が強くなってくる。
集会場の縁側にある大きなガラス窓は、板が打ち付けられていて外が見えない。
しかし、打ち付ける雨と風は激しい。
まるでアナログテレビの砂嵐みたいな音が、集会場に響き渡る。
「これ、おれらのところのおおあめくらい、すごくね?」
「こっちでも、こんなあめがふるんだな」
「はげしいのだ」
「ギニャ」
消防団員たちも、いつになく強い雨と風に緊張を高める。
……そろそろ、見回りを始めようか。
「ではみなさん、見回りを始めましょう。必ず三人一組で行動してください」
「おう」
「まかせるのだ」
とはいえ、今回は対策が必要だ。
チームを組む時は必ず、俺、親父、高橋さんがメンバーに含まれるようにしている。
三人とも頑丈でさらに力が強いので、大体の事態に対処可能だからだ。
というか俺たちなら、竜巻に突撃しても無傷で帰ってこられる。
見回り要員兼、護衛って感じだね。
ひとまずこの体制で運営して、嵐が治まったらまた考えよう。
それじゃ、まずは俺が最初に見回りをするかな。
一緒に見回る相手は……ヤナさんとお母さんドワーフちゃんだ。
とりあえずこの三人でいったん様子を見て、後続メンバーの運用に対する叩き台としよう。
「では、見回りに行きましょう。ヤナさん、お母さん、お願いします」
「分かりました!」
「じゅんびは、できてるさ~!」
二人とも準備万端な様子で、立ち上がった。
この気合いみなぎる二人と共に、集会場を出る。
すると――。
「――うっわ! かなりの風と雨ですね!」
「これは、大変そうです!」
「わきゃ~! なかなかすごいさ~!」
集会場の外に出た途端、のけぞるような風と当たると痛い雨が俺たちを襲う。
こりゃあ、予想以上だ!
……でも、怯んでいてもしょうが無い。行動しないと。
「ではまず、住宅から見て回りましょう!」
「分かりました!」
「いくさ~!」
気合いを入れて、各家庭の見回りを開始する。
対策が功を奏しているのか、特に何かが起きている様子は見受けられなかった。
「こっちは大丈夫そうですね!」
「ええ! 問題ありません!」
「よかったさ~!」
住宅の無事を確認したら、次はすぐさま畑を確認だ。
野菜がたくさん育っているだけに、気になるところではある。
「では次は野菜畑ですね!」
「ええ!」
「たべもの、だいじさ~!」
そして野菜畑へ到着。見た感じは……多少、被害が出ているな。
トマトやナスが、落っこちている。ただ、これ位なら普段でもあることだ。
落ちてしまったお野菜は、持って帰ろう。
もう食べられるやつだから、台風でどこかに飛ばされたらもったいない。
そうして野菜を拾って、野菜畑の見回りは終了だ。
今のところ、被害は軽微ってことろかな。
じゃあ次は、田んぼだ。ここがやられたら、めっちゃ困る。
小まめに確認しておきたいところだ。
――――。
そうして田んぼや温泉施設、宿泊施設なども巡回した。
どこも被害は出ておらず、ほっと胸をなで下ろす。
あとは、エルフの森とドワーフの湖を確認すればひとまず終了だ。
「では、森の方を見ましょう」
「はい!」
いそいそとエルフの森まで移動すると――。
「――ぴっぴ~」
「ぴぴ~!」
「ぴぴぴぴ~」
……ワサビちゃんたちが、台風の中でも元気に水泳大会をしていた。
というか、大雨が降ってとっても喜んでいる。
「ぴち~、ぴちぴち」
「ぴち」
「ぴちぴち」
しかも、毎月蒔いていた種から――芽ワサビちゃんが、発芽しまくっている。
ワサビちゃん水耕栽培場だけ、天の恵みに大盛り上がりって感じだ。
「ぴち」
「ぴぴ~」
「ぴち~」
「ぴっぴぴ~」
芽ワサビちゃんが発芽するたびに、大人ワサビちゃんがぴっぴと喜ぶ。
このすごい状況でもへっちゃらなこの植物? たち。
ほんとたくましいでござる……。
「……ワサビちゃんたちは、大丈夫そうですね」
「むしろ、喜んでますね……」
「わきゃ~……へんないきものさ~」
ヤナさんもお母さんドワーフちゃんも、その様子を見て反応に困っている。
あれだ……この状況でも、めでたいことはあるんだなって思えば良いかな?
ワサビちゃんたちには、台風パワーも天からの恵みなのだ。
台風は天災でもあり、恵みでもある。
ワサビちゃんのように上手く付き合っていければ、理想なんだけどね。
まあ、ちょっとは手加減して下さいって感じだ。
「ここは大丈夫そうなので、次に行きますか」
「そうしましょう」
「そうするさ~」
そしてまた、次の場所へと向かう。
エルフの森は、相変わらず雷を吸収して幾何学模様を描き。
電きのこの収穫が楽しみな感じだった。
「お花畑も、問題なしですね」
「というか、ここから下は水が流れてませんね」
「ふしぎさ~」
続けて妖精さんのお花畑も確認したが、大雨を受けて花が咲き誇っていた。
それにこのお花畑も、水があったらあるだけ吸収するようで。
食いしん坊なのは間違いないね。
しかし……エルフの森と妖精さんのお花畑のおかげで、水害は起きそうにない。
これは本当に、ありがたいことだ。
とまあおおむね問題が無い事を確認して、最後にドワーフの湖へと向かうことに。
ただ、移動手段をどうするかが問題で……。
「船は使えませんよね」
ドワーフの湖から村までは、いつも船で移動していた。
わさわさちゃんが伸ばしてくれた川を使えば、すぐに到着なんだけど……まあ無理だろう。
「この雨と風ですからね……」
ヤナさんも同意見のようで、ちょっとお困り顔だ。
この豪雨と風では、川が氾濫していないはずがな――。
「わきゃ~? かわは、しずかなものさ~?」
――い?
「これなら、ふねがつかえるさ~!」
……どゆこと?




