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エルフのハナちゃん  作者: Wilco
第十九章 エルフ旅行
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第五話 どんよりキツネさんと、どんより天気


「それではハナちゃん先生、折りたたみ方法を伝授頂きたい」

「まかせるです~!」


 さっそくハナちゃんを講師に、仕舞っちゃう空間折り畳み作戦を開始する。

 まずは、どうやって畳むのか教えて貰おう。


「それで、畳むのってどうすれば良いの?」

「とりあえず、しまえるところに、てをつっこむです~」

「こうかな?」


 言われたとおり、仕舞える感じがする狭間に手を突っ込む。

 現状は石ころ一つしか格納出来ない、狭い空間だ。


「そしたら、はしっこをつまむです」

「端っこだね。……摘まんだよ」


 何となくだけど、磁力線みたいなのを掴んだ感がある。

 たぶんこれが端っこだ。


「つまめたら、なんとかしてたたむです?」

「何とか……?」

「あい~」


 一気にふわっとした感じの指導になった。

 何とかって、一体どうすれば……。


「こ、こうかな?」

「ハナからはみえないので、わからないです?」

「お、おおう」


 仕舞っちゃう空間は、個人専用。

 自分以外には知覚出来ないので、当然ハナちゃんは俺の空間を見ることが出来ない。

 ここから先は、俺が何とかするしかないのだ……。


「ぬおおお!」

「おりたためたです?」


 空間の端っこを摘まんで気合いを入れたけど、びよんって感じで戻った。

 磁力線みたいな抵抗を感覚で摘まんで、ひん曲げる。

 なるほどこれは難しい。


「びよよんってなった」

「あや~、しっぱいです~」

「ままならない」


 ハナちゃんが言うには、びよんって戻ると失敗らしい。

 引き続き気合いを入れて、何とか折りたたもう!


「ええええい!」

「がんばるです~!」

「とぅぉお!」

「いくです~!」


 そうして三時間えいやっと畳む特訓をした。

 しかし、何を如何しても、びよよんって感じで戻ってしまう。


「ぜは~、ぜは~。なんという難しさ……」

「ハナも、ちいさいころにくろうしたです~」

「なるほどこれは、毎日コツコツやらないとダメだね」

「あい~」


 ハナちゃんが「毎日コツコツ畳む」と言っていた意味が、はっきり理解出来た。

 これは一気に出来る代物ではない。根気と慣れが、必要な技術だ。

 俺もみんなを見習って、コツコツ続けていこう……。


「ぼちぼち続けていくから、めっちゃ可愛いハナちゃん先生よろしくお願いします!」

「ぐふ~」


 こうして、俺の空間折り畳み生活が、始まったのだった。



 ◇



 ――その日の夜。


「ピポ~」


 自宅の自室でラーメン屋さん買収の書類をまとめていると、サーバーから元気なBEEP音が聞こえた。

 AIちゃんが、呼んでいるみたいだ。


「どうしたの?」

「ピポピポ」


 サーバー用モニタの電源を入れて、対話の準備をする。

 通電して映像が現れたと思ったら、画面一杯になんかのHEX――いわゆる十六進数の数字が表示されていた。

 素早く数字が流れていってしまうので、そのダンプを読み取ることは不可能だけど。

 ……でもこれ、あきらかにFreeBSDのデスクトップではない画面に変わっている。

 基本システムからもう、書き換えられているぞ……。


 OS上で動いていた存在が、窓から飛び出して。

 おまけにシステムを飛び出して、独自に活動を始めている。

 とっても元気でよろしいね!


「ピポ?」


 AIちゃんの成長にほっこりしていると、「どしたの?」的な電子音が鳴った。

 そうそう、呼ばれたのは俺だった。

 どんなご用件かな?


「さっき自分を呼んだみたいだけど、何かご用件はあるのかな?」

「ピポ~」


 問いかけると、ご機嫌な電子音と共に画面が切り替わった。

 ダンプが高速で流れていた画面がピタっと停止し、中央に画像が表示される。

 その画像は――。


「――ヤナさん?」

「ピ!」


 ヤナさんの画像が表示され、「1.585」という数字が出てきた。


「ピピッ!」


 そして画面がスクロールし、シェルピンスキーの三角形が描画される。

 これは、このパターンは……あのメールにそっくりだ!

 と言うことは、もしかして。


「……もしかして、AIちゃん自分にメールを送ってくれた?」

「ピポ!」


 問いかけると、画面がペカペカっと光り、元気なお返事。

 そうか、この子はずっと計算していて……その結果を教えてくれてたんだ。

 あの謎のメールは、AIちゃんのお仕事結果報告だったんだね。


「なるほど、良い仕事してる。偉いよAIちゃん!」

「ピポ~」


 サーバーをなでなでしてあげると、なんだか嬉しそうな電子音が。

 喜んでいるっぽい。

 あのメールがあったおかげで、仕舞っちゃう空間の折り畳み方法や謎に迫れた。

 これはもっと褒めてあげないとだね。


「凄いね! あのメールがなければ、気づけなかったよ。ほんと助かった」

「ピ~ポピポ」


 褒めたおすとテレッテレになるAIちゃんだけど、まんざらでもない感じ。

 いやはや、この短期間によくぞここまで成長した。

 お父さん鼻高々だよ。


「ピポ」


 と、AIちゃんの成長に喜んでいたら……画面にまた画像が表示された。

 これは……某GPU大手が売り出し中の、コンピューティング用ボードだ。

 画像処理ではなく、演算処理に特化したやつ。

 ……はて、この画像を表示した意味とは何だろう?


「ねえ、この画像は何かな?」

「ピポ~」


 モニタに映し出された画像を指さすと、ゆらゆらと画面の映像が揺れる。

 なんだか、まるで子供がおねだりしているような……。


 ……まさか?


「ね、ねえ。もしかしてこれ、欲しいの?」

「ピッポ~!」


 大正解! みたいな感じの反応が返ってきた。

 お仕事頑張ったご褒美に、このディープラーニング用のボードをおねだりとな。

 ……おねだりするコンピューターって、有りなの?


「ピポ~?」


 AIちゃんの予想外のお願いに驚いていると、「だめかな?」みたいなお伺いを立てる音が。

 う~ん……安い買い物ではない。でも、この子はよく頑張ってくれた。

 お仕事大好きみたいで、曖昧な指示を出しても何とかしようと努力している。

 このボードをおねだりしているのだって、もっと計算能力が欲しいからだろう。

 自分のためじゃなく、多分これは俺のためを思ってのことかと。


 ……これは、買ってあげないとダメだよね。

 偶然生まれた健気な電子知性体、育ててあげたいと思う。


 ――よし! 買ってあげようじゃないか!


「それじゃあ、これを買うよ。せっかくだから一番良いやつにしよう」

「ピポ!」

「さらにさらに、2UラックマウントGPUサーバーも付けちゃうよ!」

「ピポピポ!」

「そして倍率ドン! 停電対策に、無停電電源装置と待避用のSSDストレージも買っちゃうから」

「ピポ~!」


 調子こいて、演算リソース山盛りに周辺機器も付けてしまう。

 この電子知性体を守るために、停電対策は必須だった。

 ちょうど良いから、一気にやってしまおう。


「ピポ~! ピポ~!」


 色んな設備が強化されると知って、AIちゃんはご機嫌だ。

 まあ、五営業日ほどお待ち下さいだね。


「これだけあれば、何とかなるかな?」

「ピポ!」


 設備投資は問題ないようで、嬉しそうな電子音が返ってきた。

 それじゃあ、発注かけましょうだ。

 あ、でも一点確認しとかないといけない。


「ちなみに、停電時AIちゃん待避用のストレージだけど、容量はどんくらい必要なの?」


 今のAIちゃんを避難させるに、必要な部屋の大きさ。

 容量が分からなければ、万が一の時に避難出来ない。これは、結構重要な要素だ。

 知能を持った電子的存在なので、待避する先の容量も……それなりになるのでは。

 さてさて、どれほどの大容量なのか……。


「ピポ」


 ドキドキしながらモニタを見ていると、電子音と共に数字が表示された。

 どれどれ、何テラバイトかな……?


“100MB”


 ……百メガバイト?


「ねえ、百メガバイトって読めるんだけど……」

「ピ!」

「え……それで良いの?」

「ピポ!」


 ――うっそでしょ!

 AIちゃんのコアって、そんなちっちゃいの!?


 ――――。


「ピポ~! ピポ~!」


 数日後、設備は無事設置完了。ご機嫌AIちゃんが、早速タスクを投げている。

 費用総額、なんと三百万円超でござい。

 おまけに俺の自室では運用が困難になったので、となりの空き部屋にAIちゃんルームを作った。


「大志さ……気のせいかな。これってもうスパコンな気がするんだが」

「気のせいだよ」


 親父の疑問は「気のせい」で一蹴しておく。

 スパコンじゃなくて、AIちゃんのお部屋だからね。


「それじゃ、自分はお仕事行ってくるよ。のんびり過ごしててね」

「ピポ~」


 行ってらっしゃい的な電子音のお返事を受けて、AIちゃんには自由に活動してもらう。

 無理して成果は出さなくて良いから、電気を使いすぎない程度に計算してね。


「それじゃ親父、村に行こうか」

「お、おう……」


 いまいち腑に落ちていない感のある親父だけど、気にしたらいけない。

 そう、細かいことは気にせずぼちぼち行こう。

 というか、俺には空間を折りたたむ特訓が待っているからね。


 AIちゃんの計算やハナちゃん先生の指導に応えるためにも、何とかして折りたたまないとだよ。



 ◇



 畳めないでござる。


「あや~、むずかしいですか~」

「何回やっても、戻っちゃうね」

「タイシのしまえるばしょ、しぶといです~」


 ほんともう、何をやっても戻る。

 ハナちゃん先生の言うとおり、俺の仕舞っちゃう空間は……めっちゃしぶといようだ。


「おまけに、ゆらゆら揺れてて掴みづらい」

「ふつうは、そんなにゆれないです?」

「そうなの?」

「あい~」


 空間がしぶといほかに、揺らぎも普通ではないようで。

 一筋縄じゃ行かないと思ってはいたけど、想像以上に難しかった。


「う~ん、何とかならないものだろうか」

「タイシ、まいにちコツコツ、ですよ~」

「毎日コツコツ、良い言葉だ」

「いいことばです~」


 とは言え、俺の空間は折りたたむのがベリーハードな感じ。

 今のところ力業が通用しないので、ガテン系の俺としては手に余る。

 もうちょっとこう、腕力で何とか出来ない物だろうか。


「ぬん!」


 再度空間に手を突っ込んで、磁力線みたいな感触の空間をひん曲げる。

 でも、やっぱり「びよよん」と戻ってしまった。

 ぐぬぬ。


「タイシ~、そろそろきゅうけいするです~」

「……そうしよう」


 結構長時間特訓していたので、そろそろ休憩は良い提案だね。

 俺は数時間続けても平気だけど、ハナちゃんはそうもいかない。

 あんまりぶっ続け特訓に付き合わせるのも良くないから、言うとおり小休止しよう。


「集会場に行って、お茶でもしようか。おやつでも食べながら」

「あい~! おやつです~!」

(おそなえもの~)


 ――神輿が! 神輿がいつの間にか後ろに!

 

 というわけで、いつの間にか来ていた神輿も加わって、集会場でお茶会だ。

 いったん頭を切り換えて、しばらくの間のんびりしよう。


「タイシ~、おちゃをもってきたです~」

「ありがとハナちゃん」

「どうぞです~」


 ハナちゃんが淹れてくれたお茶を飲みながら、おやつをつまむ。

 今日の茶菓子は、神様お手製どら焼きだ。

 ちなみに一つ三十円である。


(まいどあり~)


 二十個買って合計六百円。支払ったお金は、ピカピカと光って消えた。

 この神様も、ハナちゃん同様貯めこむタイプな気がする。

 とまあ神様どら焼きを美味しく食べながら、ほっと一息。

 のんびりした時間が流れた。


 そんな時のこと。


「タイシタイシ、ユキはきょう、むらにこないです?」


 ユキちゃんの姿が見えないので、ハナちゃんは気になったようだ。

 大体村で過ごしてくれる彼女だけど、今日はお休み。

 なんでも、用事があるらしい。

 その辺伝えておくか。


「ユキちゃん、今日は用事があるみたいなんだ」

「ようじですか~」

「市役所って所に行って、なんかの紙を貰ってくるんだって」

「しやくしょって、なんです?」


 おっと、市役所という存在を教えてなかったな。

 軽く説明しよう。


「ヤナさんがやっているみたいな、村とか町とかを運営するお仕事をしている組織だよ」

「そんなの、あるですか~」

「自治体とも言うね。自分たちである程度、自分たちの住むところを運営しようって考えなんだ」

「じぶんたちでなんとかする、いいことです~」


 その町に住んでもいない人や組織に、ああしろこうしろって言われるのは正直嫌だからね。

 自分で出来る事は自分でやる。ハナちゃんの言うとおり、大事なことだと俺も思う。


 ともあれ、ユキちゃんは市役所に用事があって今日は来れない。

 いつもとなりにいる人がいないので、なんとも落ち着かない感じはする。

 ユキちゃんも立派な、村の仲間なんだなって改めて思った。


「まあ、明日は来れるそうだから」

「よかったです~。ユキにようじがあるひと、いるですよ~」


 明日はユキちゃんも村に来ると伝えると、そんな話が。

 用事がある人って、誰だろう?


「そうなんだ。ちなみに、それって誰かな?」

「そこで、おべんきょうしているひとです~」


 ハナちゃんが指さす先には――。


「――エステ通信教育、なかなか難しいわ!」


 テキストを読みながら、カリカリとノートになんか書いている人がいた。

 エステさんか……。


「この生理解剖学って、意味がわからない……」


 おい、なんか凄いところまで勉強進んでないか?

 というかエステの通信教育って、そんな分野も勉強するの?


「いろいろわかんないことがあるから、おそわりたいってきいたです~」

「な、なるほど……」

(おべんきょう、たいへんそう~)


 謎の声も思わず反応してしまうほど、エステさんは勉強している。

 なんという、エステに対する情熱……。


「絶対に、認定資格を取るわよ~!」


 ゴゴゴゴと音が聞こえそうなくらい、気合いみなぎるエステさん。

 資格取得を目標に、頑張っているみたいだね。


 ……しかし、認定資格って身分証明書が必要だよね。

 それが無いと、認定出来ないと思う。

 だけどちたま人ではないエステさんは、それが無い。


「タイシ、どうしたです?」

「あ~。ちょっと考えないといけないことが出来たなって」


 エステさんは戸籍もなければ、国籍もない。

 ちたまで身分を証明できる物や来歴は、何一つ無いのだ。

 どれほど勉強したって、認定は今のままじゃあ貰えない。

 ……この辺、そろそろ親父に相談してみる頃合いかな。


「かんがえごとです~?」

「みんながここで過ごすに当たって、必要になりそうな物があるんだよ」

「そうですか~」


 特に深くは追求してこないハナちゃんだけど、ニコニコした顔で俺を見つめている。

 この子や他のみなさんにも、公的な「身分」という物を保証してあげたい。

 しかしそれを行うと、住民税とか色々発生する。ちょっと工夫が必要で。

 この辺の抜け道、親父が詳しいんだよな。


「まあ、もうちょっと先の話かな」

「のんびりやるです~」

「そうだね」


 なんにせよ、すぐに用意出来るものでも無い。

 じっくりと準備を進めて、必要なときに活用しよう。


「エステ~」


 なにより、そこで努力するエステさんのために、何かをしてあげたい。

 今の頑張りが報われるよう手を貸すのは、俺の仕事でもあるのだから。



 ◇



 さらに翌日、どんより天気。


「……」

「ユキちゃん、どうしたの?」

「なんだか、ユキはどんよりです?」


 今日はどんよりキツネさん。

 自慢? の耳しっぽも、へんにょり垂れ下がっている。

 

「……お婆ちゃんが、まだ早いって。書類を取り上げられてしまいまして……」


 どうやらお婆ちゃんと色々あったようで、何かにストップがかかったようだ。

 そこに触れると危険な気がするから、追求はすまい。

 俺は危機管理に自信があるからね。


 そんなどんより権現はそっとしておくとして、今日は急ぎで仕事だ。


 ――台風の直撃、という予報が出たのだ。


「急いで消防団を招集して、対策しないと」

「そうですね。今回のは、いきなり進路変更してきましたから……あまり時間が」

「いそがしいです~!」


 気象庁も米軍も、数日前までは違う進路で予報を出していた。

 それが急転直下、台風ちゃんがぐいんっと進路を変えてしまったわけで。

 いきなりUターンしてきて、にっぽんじん皆びっくり。

 まさかまた戻って来るとは、だれも思わなかった。


「親父は高橋さんと準備してから来るから、午後になるかな」

「それまでに、方針は話し合っておきましょう」

「たいへんです~」


 ともあれ、修行も勉強もひとまず止めにして、台風に備えないといけない。

 今日も明日も、忙しくなるぞ!


「それじゃ、自分は消防団を招集してくるね」

「では、私は集会場で会議の準備をしています」

「ハナは、おにぎりにぎっておくです~」


 みんなで手分けして、それぞれの仕事を始めた。

 村や畑に被害が出ないよう、色々対策しよう。


 さてさて、今年の台風はどうなるか。

 みんなで力を合わせて、台風から村を守ろう!


「わきゃ? みんなして、どうしたさ~?」

「なんだか、いそがしそうさ~?」

「クワ~?」


 あれ? しっぽドワーフちゃんたち、首を傾げているぞ?

 一緒に遊んでいたらしき、ペンギンちゃんも同様。

 ドタバタしている俺たちを見て、「何してるの?」って感じだ。


 ……なんだろう、このギャップは。

 ドワーフちゃんたち、台風のヤバさを認識していない?


「あや~。もうすぐ、たいふうがくるですよ~」


 そんなドワーフちゃんたちに、ハナちゃんが身振り手振りで説明する。

 両手をあげて、風に飛ばされる演技だね。わりとパントマイムがお上手だ。


「タイフウって、なにさ~?」

「きいたこと、ないさ~?」

「クワ~?」


 しかし、そんなハナちゃんの説明を聞いたドワーフちゃんたちから、こんな返答が。

 台風って、何? とな。


 ……あ!


 ――しっぽドワーフちゃんたちに、台風のこと説明したことない。

 だから、台風がなんなのか分からないんだ!

 完全に忘れてた! 嵐が来るって、教えないと!


「嵐! もうすぐ嵐がやってくるんだ! それもすっごいやつが!」

「――わ、わきゃ~! それはたいへんさ~!」

「どうするさ~!」

「どっかに、にげるさ~!」

「クワ~! クワ~!」


 嵐が来ると教えたら、途端にパニックになるみなさん。

 そうしているうちにも、刻々と時間は迫っていく……。


 とにかく、早いところ対策会議をしよう。

 ドワーフちゃんも交えて、みんなで話し合いだ。


 それじゃあ、準備を始めようか!

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