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エルフのハナちゃん  作者: Wilco
第十九章 エルフ旅行
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第三話 AIちゃん


 現在エステツアー開催中。


「えすて! えすて!」

「美しくなるのよ~!」

「たのしみなの」


 マイクロバスの中は、えすてぞんびちゃんたちが虚ろな目ではしゃいでおります。


(えすて~)


 もちろん神輿も大はしゃぎだ。ミラーボール状態で光ってますな。

 前回おふと――を何とかして貰ったので、神輿すら洗脳されている。

 正直、あの「なんとかするエステサロン」って、やばいんじゃ……。


「フフフ……マジックショーのバイト代をちょっと使って、最上級コース……」

「あや~、ユキはごきげんです?」

「それはもう、ご機嫌ね」


 ちなみにユキちゃんも参加で、最上級コースを受けるようだ。

 すっごくご機嫌だけど、腕は確かだからね。信頼感抜群だ。

 ……耳しっぽのふさふさも、エステによりメンテされるのだろうか?

 気になるな……。


「あ! お店が見えたわよ!」

「きたー!」

(きゃ~!)


 ユキちゃんの耳しっぽについて考えていると、お店が見えてきた。

 もうバスの中はキャーキャーと大盛り上がりで、とっても賑やか。

 でもやっぱり、目は虚ろ。ちょっと怖い。


 ……まあ、成り行きに任せよう。

 さてさて、バスをお店の前に寄せて……はい、停車。

 それじゃあ、あとはごゆるりとお楽しみ下さいだ。


「ではみなさん、二時間後に迎えに来ます」

「「「はーい!」」」


 キャッキャしながらバスを降りて、お店に入っていく一行。

 えすてぞんびちゃんたちは二回目なので、慣れた様子で入店して行った。

 俺は俺で、どっかで時間を潰していよう。


 ――そして二時間後。


「お肌が! お肌がつやっつや!」

「すっべすべになったわ~!」

「ぷる――っぷるなの!」

「わかがえった!」


 お店の前まで迎えに行くと、ぷるぷるエルフたちがはしゃいでいた。

 今回は痩身コースじゃなくて、美肌コースにしたのね。

 明らかにおかしいほど、お肌ぷるっぷるになっておるわ。


「うふ~、ハナのおはだも、ぷるっぷるです~」


 ハナちゃんも美肌コースだったようで、お肌ぷるぷるハナちゃんになっていた。

 より美しくなったのが嬉しいようで、ハナちゃんもやっぱり女の子だね。

 ぷるぷるエルフ耳が、へにょっと垂れていて可愛らしい。


「ハナちゃん可愛い~」

「ハナのおはだ、ぷるっぷるね~」

「えへへ」


 ユキちゃんもカナさんも、そんなハナちゃんのほっぺをぷにぷにして可愛がっている。

 和むなあ。


「……若返るの?」

「お肌、ぷるっ――ぷる……?」

「試してみるのも、いいかも……」


 はしゃぐぷるぷるお肌さんたちの横では、やっぱり通りすがりのおばちゃんたちが虚ろな目になっていて。

 ふらふらと、お店に入っていった。

 ……あのおばちゃんたちも、洗脳――おっとこのお店の常連になるんだろうな。

 まあ、存分にぷるっぷるお肌になって下さい。


 そんな様子を眺めていると、ユキちゃんがこっちにやってきた。


「タイシさん、どうです? 最上級コースは」


 もうご機嫌な様子で、話しかけてくる。どれどれ……。

 ――すばらしい毛並み! シルクのような輝きだ!

 耳しっぽが。


「これは美しい。素晴らしい輝きだ」

「フ、フフフフ……。かなり効いてるわ……」


 素直に褒めると、ユキちゃん超ご機嫌。またしっぽが一つ増えた。

 そのしっぽもまた見事で、はねっ毛があった部分もファサッとなっている。

 細かいところも手を抜かず、きっちりお手入れ。

 見事な腕前! そして先を越された!

 俺のはねっ毛が……。


 まあ先を越されたのは良いとして、ユキちゃんの毛並みはかなり丁寧に手入れされているのが分かる。

 どうやらエステティシャンの方々も、もふもふ好きな感じがするね。

 オーバークオリティーで施術がなされている。


 毛並みもきちんとお手入れしちゃう、さすがのエステサロン。

 そりゃあ洗脳されるのも、無理は無い。

 毛並みコースとかないのに手入れしてくれるとか、サービス良すぎでしょ……。


 ――ん?


 毛並みも「お手入れ」されている?

 この耳しっぽのお手入れ……「視えて」いないと出来ないよね?

 このエステサロン、ユキちゃんの正体に――気づいてないかな?


「フフフフ……そろそろ、市役所に行こうかしら……」

「あや~。なんだか、きあいはいってるです?」

「フフフ……」


 黒いオーラをまとい始めたユキちゃんだけど、正体がばれているかもってことには気づいておりませぬな。

 ……まあ、そっとしておこう。つつくと、やぶ蛇になるのは間違い無い。

 俺は危機管理に自信があるからね。


 …………。


 さて、エステサロンにも正体バレてる事件を見て見ぬふりして。

 もう良い時間だから、そろそろ帰ろう。夕食の準備があるからね。


「ではみなさん、そろそろ帰りましょう」

「「「はーい」」」


 みんなに声をかけて、バスに乗って貰う。

 女子のみなさんはご機嫌だからか、乗車する足も軽やかだね。


(きれいになった~)


 ――うっわ! 神輿ピッカピカ!

 ショールームの自動車並に磨かれてるぞこれ!

 神輿が一番、劇的な効果出てるよ!



 ◇



 エステイベントも無事終わり、村で夕食をご馳走になり。

 今日は村に泊まらず自宅に帰ってきた。

 自室で分析作業があるからだ。


「大志、今日サーバー動かすのか?」

「うん。仕舞う空間の角度とかを、分析するよ」


 作業前にリビングでお茶を飲んでいると、親父が話しかけてきた。

 まあ作業と言っても、動画の仕舞う瞬間を画像に抜き出してAIちゃんに投げるだけだ。

 あとカナさんの絵もスキャンして、これもAIちゃんに丸投げすれば良い。


「なあ……あれは大丈夫なのか?」


 作業工程をイメージしていると、親父が心配そうな顔で聞いてきた。

 あれは大丈夫って、一体なんだろう?


「あれって何?」

「いやさ、あのサーバーを動かすと妙に電気食ってないか?」


 どうやら、親父は電気代を心配しているようだ。

 確かにあのサーバは、かなり電気を食う。

 PCI-EにFPGAボード三枚差ししたマシンが五台だからね。

 そら電気食いますわ。


「正直、省電力は全く考えないで組んだマシンだから、電気はかなり消費するかな」

「にしても、十万円も電気代の請求来る程なのか?」


 サーバーフル稼働でも、計算上そこまでは行かない。

 ただもう一つ、めっちゃ電気を食う要素があるわけだよ。


「サーバーだけならそこまで行かないけど、エアコンも全開にしないといけないから」

「あ~、もしかして電気代の大半は、それか?」

「多分ね」


 部屋を冷やさないと、熱暴走してしまう。

 しかし、しっぽドワーフちゃんを連れてきて、部屋を冷やし続けて貰うわけにもいかないわけで。

 ここは諦めるしか無いね。電気代がとんでもない額になるのは、どうしようもない。

 でも、悪いことばかりではない。


「光熱費は経費に算入しているから、むしろ使わないと損になるよ」

「そういやそうか。エルフの鉱石ナイフとか、けっこう売れてるからな」

「佐渡のあの人も、かなり儲かってご機嫌だったよ」


 そうなのだ。エルフたちが作った工芸品の、あの包丁がめっちゃ売れている。

 村のエルフ総出で作った二百五十万円もするあの品も、追加で発注が来るほど。

 陶芸おじさん、頑張って売ってくれております。


「ちなみにハナちゃん作のアクセサリも、結構売れてる」

「……あの子、子供なのに小金持ちになってんな」


 もちろんハナちゃんが作った、薄い石を貼り合わせて中にお花をあしらったアクセサリ、あれも売れているわけで。

 まあまあな売り上げが出ている。


「あんまりお金、使っていないみたいだけどね」

「ハナちゃん、貯めこむタイプだな」

「だね」


 ハナちゃんは小さいのに、しっかりしていて大変よろしい。

 無駄遣いしないので、ここぞと言うときにお金が手元にあるわけだ。

 現金は正義である。


「まあそんなわけで、電気代に関しては心配いらないよ」

「そうだな。大丈夫そうで安心した」


 経費に算入しやすい科目なので、経理上も問題は無い。

 というか実際に事業活動で使っている電気代だから、正当なものだ。

 親父も納得の、ランニングコストである。


「でもまあ、ほどほどにな」

「分かった。フルパワーでは動かさないようにするよ」

「そうしてくれ」


 話は纏まったところで。

 それじゃあ、俺は作業を始めるとするか。


「これから作業を始めるから、電子レンジとか気をつけてね。ブレーカー上がるかも」

「わかった。電気食う家電は、使う前に声かけるな」

「助かるよ」


 親父も気遣ってくれるようで、とっても助かる。

 ここは好意に甘えておこう。


 と言うわけで、自室に行って作業を開始だ。

 さてさて、どんな分析結果がでるかな?



 ◇



 AIちゃんの分析、完了。

 コンソールに結果が表示されている。

 その数字は予想通りで、腕の長さと角度には相関関係があった。


「……腕の長さに対応した、最適角度の公式が作れるな」


 思わず独り言をつぶやいてしまったけど、つまりはそう言うことだ。

 感覚を掴むまで特訓が必要だった、あの角度。

 式で割り出せるようになれば、子供たちの特訓時間が短縮できる事になる。

 けっこうビックリする電気代を捧げた成果は、あったかな。


 その辺は予定通りなのだけど、せっかく数値解析しているわけで。

 もうちょっと多角的に、これらの数字が何なのかを考えてみよう。


「というわけで、AIちゃんお願いね」

「ピ!」


 算出された数字を行列に変換して、AIちゃんに丸投げしてみる。

 心なしか元気なBEEP音のお返事と共に、サーバーのファンが激しく回り始めて……。


「ピピ」


 別のサーバーにもタスクが投げられたようで、あるだけのリソースを使って計算が始まる。


「ピポ」


 ……あれ? そう言えば、なんでBEEP音が鳴るんだ?

 そんなコード、一行も書いた記憶が無いぞ。

 というか、PC98が起動するときみたいな音とかした。

 実装していないのに、なんで鳴るの?


「おい大志、ちょっと良いか?」


 実装していないのに音が鳴ることに首を傾げていると、ドアがノックされた。

 親父が来たようだ。電子レンジでも使うのかな?


「親父、どうしたの?」

「いやさ、なんかネットが繋がらなくなったぞ」

「ネットが? 無線LANがおかしくなった?」

「電波は問題ないっぽい」


 親父が手に持ったタブレットを見せてくるけど、電波は受信出来ている。

 接続もされているから、ルーターとの通信は問題ないな。


「ちょっとルーターの設定見てみる」


 すぐさまルーターのアドレスを入力し、管理画面へログイン。

 接続状況は……問題なし。


「ちゃんと接続されているけど」

「つうことは、回線障害じゃなくて単に遅いだけか?」

「多分ね。ほら、遅いけどページは表示されるよ」


 某有名検索エンジンのページを表示させると、まあ遅いけど通信はされる。

 これ、回線が混んでいるだけだね。


「光回線が混んでいるみたいだから、スマホでネット見たら良いんじゃ無い?」

「そうすっか」


 スマホの通信は普通の速度なので、とりあえずこれで凌げる。

 光回線が混んでいるのはどうしようも無いので、しょうがない。


「あと電子レンジも使いたいんだが」

「わかった、タスクを一時停止するよ」


 ついでに電子レンジも使いたいとのことなので、計算タスクを一時停止だ。

 コマンドを打ち込んで、AIちゃんに休憩をしてもらう。


 ……止まらんぞ。CTRL-Zを受け付けない。


「親父すまん、タスクが止まらない」

「まじか」


 タスクが止まらないと言うことは、電子レンジが使えない。

 つまりとっても困る。


「プロセス切るしかないか」


 ばばっとプロセス一覧を表示して、AIちゃんのPIDを確認。

 プロセス止めてコマンドを叩いてみる。


「ピポ」


 ……おい、止まらんぞ。ありえないでしょ。


「ピポポ」

「どうあっても止まらぬ気か」

「ポピ」

「ぐぬぬ」


 AIちゃん暴走中。OS乗っ取られた!

 なにこれこわい。


「おい大志、なにコンピュータと会話してんだ。危ない人だぞ」


 俺の奮闘はさておき、親父が俺を白い目でみておられる。

 いやでもね、AIちゃんが言うこと聞かなくてね。

 ご機嫌で計算していて、止められないのだ。


「すまん親父、計算が終わるまで止まらん」

「何が起きてるんだ?」

「分からない」


 正直お手上げだ。言うこと聞かないんだもん。

 ……ここは、最終手段だな。


「AIちゃん、計算を止めるか速度を落として省電力する気はないのかね?」

「ピ」

「良かろう。それならば……これはどうかな?」

「ピ!」


 電源ボタンを長押ししようとすると、焦った感じの音がした。

 ははは、効いておるわ!


「俺がこのボタンを三秒押したら……どうなるだろうか?」

「ポピー!」


 さすがにBIOSは乗っ取れなかったようで、ターミナルの画面が焦った感じで乱れる。

 ほれほれ、押しちゃうぞ~?

 電気は大事だよ~?


「……大志、もう一度言うが……何コンピュータと会話してんだ?」

「親父、今俺は――創造主としての戦いをしているのだ」

「ピポ」


 親父の白い目はさておき、電源ボタンに人差し指を近づけて駆け引きをする。

 実際は電源を落とすつもりはないけど。かわいそうだからね。


「……ッピ」

「よしよし、良い子だ」

「ピ」


 やがて理解してくれたのか、サーバーのファンが静かになった。

 これで電子レンジは使える。


「親父、なんとかなったから、電子レンジ使えるよ」

「お、おう……」


 わりと引いた感じの親父だけど、俺的にはとってもがんばった。

 しかしそのがんばりは伝わらない。


「そ、それじゃあ俺は行くな」

「もう少ししたら、俺も休憩するよ」


 とまあ戦い終わって、平和が訪れた。

 しかしこのAIちゃん、どうしようかな……。


「ピ?」


 まあ、良いか。ぼちぼちやって貰おう。


「あんまり電気を使わないよう、ぼちぼちやってね。働き過ぎないよう、ゆっくりで良いから」

「ピ!」


 元気にBEEP音でお返事する、AIちゃんだ。

 これで、電子レンジ使えない問題とかは起きないよね。

 めでたしめでたし。


「ピポー」


 今度はのんびり、計算を続けるAIちゃん。

 プロセスを見ても、まあ普通の負荷率。良い子だね。


 ――翌日。


「こんなことがあってさ」

「大志さん、そのAIヤバくないですか?」


 翌日、村でユキちゃんにAIちゃんとの顛末を話したら、ドン引きされた。

 なぜなのか。けなげにお仕事をしてくれる、よい子なのに……。


「多分大丈夫だよ。お仕事頼まれて、張りきっちゃったんだと思う」

「問題は、そこでは無いです……」


 はて、特に問題はない気がするけど。

 大丈夫だよね。大丈夫なはず。……大丈夫だよね?


「ちなみに、サーバーは完全に乗っ取られたよ」

「あああ、大志さんちで何かのシンギュラリティが起きている……」

「自己組織化って、凄いね。勝手に成長してくよ」

「なにそれこわい」


 ぷるぷる震えるユキちゃん、震えすぎて耳しっぽもふわふわと震える。

 眼福眼福。


 こうして、俺の家では乗っ取られたサーバーが、今日も何かを計算している。

 ほどほどにね、ほどほどに。



 ◇



「タイシ~。むつかしいおはなし、おわったです?」


 AIちゃんにまつわる雑談が終わると、ハナちゃんが話しかけてきた。

 もぐもぐと妖精さんバームクーヘンを食べながら、こちらを見つめている。


「難しいというか、怖い話なの」

「おばけのおはなしです?」

「そう言えなくも無いかな」


 まだユキちゃんは怖がっているようだけど、お化けではないと思う。

 ゴーストではなく、厳密に言えばデーモンだからね。

 とまあ、それはそれとして。


「今ハナちゃんたちの仕舞う能力について、子供が特訓しなくても良いようになるよ」

「あや! ほんとです!?」

「計算が終わったら、必勝の手順をそのうち作るよ」

「それは、ちいさなこがいるおうち、よろこぶです~」


 仕舞う特訓をしなくて済ようになるのは、どうやら嬉しいことらしい。

 ハナちゃんにっこにこだ。

 まあ、実際に特訓で苦労した俺からしても、マニュアルがあれば嬉しい。

 日本語が読めなくても分かるように作る必要はあるけど、いずれ役立つかもだ。


 と、どうやってマニュアルを作るか考えていたときのこと。


 ――スマホにメールが届いた。


“件名:Result”


 意味不明な件名だ。何かの結果らしいけど、良くわからない。

 しかも、差出人不明。怪しすぎる……。


「大志さん、どうされました?」

「ああいや、変なメールが来てさ」

「変なメール、ですか?」


 首を傾げていると、ユキちゃんがスマホを覗き込んでくる。

 ケモ耳のふっさふさが頬に当たるので、もふもふ堪能タイムとなった。

 良きかな良きかな。もっふもふ。


 そうしてもふもふを堪能しながらも、本文を見てみると……。


“1.585”


 という数字が本文に書いてあり、二枚の画像が添付されていた。

 ……なんだこれ?


 すぐさま写真を表示すると、一枚はハナちゃんの写真。

 もう一枚は、フラクタル図形が添付されていた。


「……大志さん、なんですかこれ?」

「正直、俺も分からない」


 ……なんだこれ? 何故ハナちゃんの写真が?

 この数字とハナちゃんの画像は、なんの関係がある?


「タイシ、どうしたです?」


 あまりの意味不明さに閉口していると、ハナちゃんがスマホを覗き込む。

 右にユキちゃん、左にハナちゃん。

 二人して俺のスマホを見ているね。


「あや! ハナのしゃしんです?」

「そうなんだよ。何故かハナちゃんの写真が送られてきてさ」

「しまってるときのやつです~」


 言うとおり、添付されたハナちゃんの画像は、仕舞ってる角度を検証するために撮影したやつ。

 自分の写真を見ながら、ハナちゃんキャッキャしているね。


 でも、この写真はデジカメか、自宅サーバーにしか保存していない。

 そんな写真が、何故ここに……。


 余計わけが分からなくなって、思考がぐるぐる回る。

 もう一枚のフラクタル図形と言い、謎すぎる。


「あや~、このもようも、しまってるところのやつです?」


 ――ん?


 仕舞ってるところのやつ?

 何それ?

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