第十二話 見回りしましょう
「おいしかったさ~」
「まんぞくさ~」
「ごちそう、たくさんたべたさ~」
納豆ごはんやら味噌汁やらで、しっぽちゃんたちはお腹いっぱいになったようだ。
まだまだ料理はあるのだけれど、ちょっと一休みだね。
「ぽかぽか、あったかいさ~」
「のんびりさ~」
「あったまるさ~」
お腹が膨れたしっぽちゃんたち、のびのびとくつろぎ始めた。
ぽかぽかお天道様に照らされて、たれパ○ダのように軟体化だ。
それなりにちいさなしっぽちゃんたちがくつろぐ姿は、可愛らしい。
「大志さん、みんなうとうとし始めちゃいましたね」
「ゆっくりして貰おう」
「のんびりです~」
みんな祭り開始早々、のんびりした雰囲気だ。
ゆる~い方々である。
それじゃあ、しっぽちゃんたちにこの後のイベントを伝えて、俺は他を回ろう。
「みんなゆっくりしていてね。もうしばらく後だけど、お料理して出来立てを食べる催しもするから。
「ハナ、がんばっておりょうりするです~」
「私も美味しいお料理作りますよ」
祭り前半は出来合料理中心で、後半は現地で料理した物が中心だ。
焼きたて出来立ての、熱々の料理を楽しんで貰いたい。
「味噌に漬け込んだお魚も焼いたりするから、楽しみにしていてね」
「わきゃ~! たのしみさ~!」
「きたい、たかまるさ~!」
「わきゃ~! わきゃ~!」
しっぽちゃんたち、期待が爆発しているのか、ぱったぱったとしっぽを振る。
ご期待にそえられるよう、こっちも頑張りましょうかね。
では、他のグループも見て回ろう。
「それじゃ、自分は他の人たちを見てくるね」
「いってらっしゃいさ~」
「いってくるです~」
「ごゆっくり」
しっぽちゃんグループに見送られながら、移動を開始する。
お次は、エルフたちの所かな……ん?
身長三十センチくらいのちいさな子が、俺のズボンの裾を掴んでいるね。
どうしたのかな?
「きみ、どうしたの?」
「……う、うちもいっしょに、いっていいさ~?」
ちょっとおずおずしながらも、こちらを見上げて聞いてきた。
もちろん大歓迎だね! 積極的で大変よろしい。
「ぜひとも、一緒に来て欲しいな。のんびり楽しく、一緒に見て回ろう」
「わきゃ~! ありがとさ~!」
わきゃきゃっと喜ぶ、ちいさなしっぽちゃんだ。
「うちも、きょうみあるさ~? いっしょにいくさ~?」
「かあちゃもいっしょに、いくさ~!」
そんなちいさなしっぽちゃんを見て、どうやらお母さんも付いてくるようだ。
もちろん、一緒に見回りしましょうだね。
「なかま、ふえたです~」
「一緒に行こうね」
「よろしくさ~」
「あいさつ、してくるさ~」
こうして新たな仲間も加え、お祭りの見回り第二弾開始だ。
お次はエルフ軍団のところへと向かいましょう!
◇
「これ、やばいほどうまくね?」
「まじで?」
「うわ、まじでうまいぞこれ」
「このお酒、ほんとにヤバイですね」
エルフ軍団の所へ赴くと、なんだかお酒を飲んでいる一団がいた。
マイスター、メカ好きさん、マッチョさんとヤナさんだ。
彼らの飲んでいるお酒は……マーブル蛍光色の、見た目が極めてアレなやつである。
そんなお酒、俺は知らないぞ?
「みなさん、それって何ですか?」
「自作の果実酒ですね。ほら、焼酎に果物をつけ込むと良いって言っていた、アレです」
「みんなで、つくってみたのだ」
「さむくなるまえから、しこんでたじゃん?」
エルフ特製、果実酒か。どうやらずいぶん前から仕込んでいたようだ。
一体どんな果実をつけ込んだのだろう?
「これ、なんの果実で作ったのですか?」
「あの、とろけるように美味しいやつと、ほかに何種類かですよ。ほらこれです」
ヤナさんが瓶を持ち上げて見せてくれたけど、正直よく見えない。
それほど、どぎつい蛍光マーブル色をしている……。
かなりサイケデリックな液体だ……。
唐草模様ちゃんと、ほかに何種類かの果物を漬け込むだけで、なぜこんなにサイケになるんだろうか……。
「果物を何種類か組み合わせて、ほかにお花の蜜をしこたま入れました。組み合わせは結構、工夫しましたよ」
「さようで」
ヤナさんがニカっと自慢げな顔をしたのだけど、こっちはドン引きである。
「わきゃ? これっておさけさ~?」
「みため、かなりふしぎさ~?」
しっぽちゃん親子は、興味津々でこの液体を見ている。
こどもしっぽちゃんは、お母さんに肩車されているね。
ちいさいから、こうでもしないとテーブルの上が見えないか。
「タイシ~、このおさけ、よなかにひかってたです?」
「さ、さようで……」
「うわあ……」
そしてハナちゃんから衝撃情報が。……どうやら光るらしい。
ユキちゃんもそれを聞いて、さすがに「うわあ」と引いていた。
ちたま的には、光るやつは色々と危ないやつだからね。
「このいろって、そんなにだめかな?」
「おれらてきには、おいしそうないろじゃん?」
「しょくよく、そそるよな?」
しかし俺たちの反応を見て、メカ好きさんもマイスターも、マッチョさんも首を傾げる。
「まあタイシさん的にはなじみが無いでしょうけど、美味しいですよこれ。お勧めです」
ヤナさんは、ちたまではこの色の食品になじみが無いと、理解があるようだ。
でも、お勧めはしてくる。かなり自信がある顔だ。
……このサイケリキュール、ホントに美味しいの?
「どんな味がするのですか?」
「甘シャキ! そのあとふんわり? って感じですね」
「それそれ」
「まさにそれ」
ヤナさんが味を教えてくれた。
マッチョさんとメカ好きさんも、その表現で良いらしいようで、うんうんと頷いている。
ただ申し訳ないのだけど、正直良くわからない。
どんな味か、全く伝わってこないわけでして。
エルフ文化というのは、わりと意思疎通が難しいところがあるね。
「飲んでみるのが一番ですね。ささ! どうぞどうぞ!」
「ええ……?」
文化交流の難しさを実感していたところで、ヤナさんがトクトクとデンジャーリキッドをグラスに注いでいる。
……それを飲めと言うのですか?
「まずはお試しで、これくらいで」
そして、一口分くらいが注がれたグラスを手渡してくれる。
……これも文化交流だ。
――腹をくくりましょう!
「では! ありがたく頂きます!」
「どうぞどうぞ!」
「ぐいっと! ぐいっといくのがおすすめ!」
「いっちょガツンといくじゃん!」
ヤナさんが煽り、マッチョさんも煽り、マイスターも煽る。
ブレーキ役がいないまま、半ばノリだけでサイケデリックアルコールをぐいっと呷る。
――うわあ! これ美味いぞおおおおおお!
◇
「確かに甘シャキ! そのあとふんわり? 味でしたね」
「でしょでしょ?」
エルフ特製マーブルリキュールは、言うとおり美味しかった。
ヤナさんも自慢げに、ちびちびと味を楽しんでいる。
このお酒の味はと言うと……。
最初は蜜のキャラメルっぽい甘さとカスタードっぽい甘さがが口に広がり、「甘」となる。
次に、ブドウ、マンゴー、ビワ等の複雑な果実系の味が「シャキ!」と口の中を爽やかにさせる。
そのあと焼酎のアルコールが、ピーチリキュールのような風味に包み込まれ、ふんわりとした後味を残す。
そんな不思議なお酒であった。
「おれたち、すげえおさけをつくってしまった……」
「たくさんつくろう!」
「いいじゃんいいじゃん!」
マッチョさん、メカ好きさん、マイスターがめっちゃはしゃいでいる。
まあこれ、確かに製法は簡単なのに、効果は絶大だね。
そしてこれ、売れる。見た目はどうあれ、味が分かってしまえば売れる。
「……大志さん、また子猫亭に持ち込む気ですよね?」
「バレバレかな?」
「わるいおとなのかお、してたです~」
「わきゃ?」
どうやら、顔に出ていたようだ。ユキちゃんには俺がどうするかバレバレで、ハナちゃんも不穏な空気を感じ取っていた。
ちいさなしっぽちゃんは、まだこのノリは分かっていないようだけど。
いずれ、この村のノリに付いてこれるようになると良いな。
とまあ、しっぽちゃんたちをエルフのノリに染めるのはまた今度にして。
今はみんなの様子を確認しないとね。
「そうそうみなさん、お料理はどうですか?」
「まだ時間は早いので、ちまちま食べてますね」
ヤナさんの言うとおり、確かにみんな抑えめだ。
ポテチをわいわいと摘まんだり、エビフライをキャッキャとかじったり。
そしてポテチや燻製をおつまみに、お酒をちびちびと飲んだり。
まだまだ、本気を出して食べていないね。
「おひるすぎたら、おりょうりもあるので」
「おつまみを、しょうしょうってかんじだわ~」
「まだまだ、はじまったばかりなの」
「ハナも、たくさんつくるです~」
カナさんが気合いを入れて、腕グキさんはケガしないように気をつけていて。
ナノさんもハナちゃんも、自分たちの出番を待っているようだね。
エルフたちは、今は力を蓄えているわけだ。
後半に大爆発するため、雌伏の時だね。
「わきゃ? これってもしかして、ほくほくしたやつさ~?」
そんな奥様方を見て、こどもしっぽちゃんが何かを指さした。
……カナさんが食べている、ポテチかな?
「これのことだったら、じゃがいもを薄切りにして揚げたやつだよ」
「わきゃ~! やっぱりさ~!」
「こういうの、うちらはおやつでよくたべてたさ~」
ポテチを教えてあげると、しっぽちゃん親子がわきゃわきゃとはしゃぎ始めた。
どうやら、おやつでよく食べていたらしい。
多分、ほくほく根っことやらをスライスして揚げていたんだろうな。
じゃがいも大好きな彼らだから、ポテチもお口に合うだろう。
おやつとして、食べて貰おうかな?
「それなら、遠慮せずにこちらもどうぞ」
お皿にポテチを取り分けて、しっぽちゃんたちに渡してあげる。
「わきゃ~! ありがとさ~!」
「このおやつ、ひさしぶりさ~!」
ポテチを受け取ったしっぽちゃん親子は、もうわっきゃわきゃでポテチを食べ始めた。
……これ、しっぽちゃんたちには、じゃがいも料理が鉄板でウケそうだな。
「……ユキちゃん、午後のお料理大会では、じゃがいも料理を追加してみようか」
「今ある材料ですと、粉ふきいもとかジャーマンポテトとか、肉じゃがとかなら出来ますね」
「それは良い。俺も手伝うから、献立を増やしてみよう」
「はい。そうしましょう」
「ハナも、おてつだいするです~」
ポテチに喜ぶしっぽちゃんたちを見て、急遽献立を追加だ。
せっかくだから、ちたまのじゃがいも料理、堪能して貰おう。
「おいもがすきなら、これもどうかしら~?」
「わきゃ~!」
「こっちもおすすめなの」
「わきゃ~! わきゃ~!」
そうしてユキちゃんと献立追加を決定しているうちに、しっぽちゃん親子がどんどん餌付けされていく……。
腕グキさんはフライドポテトを食べさせてあげていて、ナノさんはそこにケチャップをつけてあげているね。
しっぽちゃん親子、ポテチを食べたりフライドポテトを食べたり、大忙しだ。
「これはたくさんあるから、他のみんなにもお勧めしてあげてね」
「わかったさ~」
「みんな、よろこぶさ~」
ぱったぱったとしっぽを振って、わきゃわきゃと喜ぶしっぽちゃん親子だ。
確かにこれは、餌付けしたくなるね。ちいさくて可愛らしい。
さて、そろそろ次のグループに行くか。
妖精さんグループはどうしているか、見てこよう。
「それじゃ、そろそろ次に行こう。妖精さんたちのところだね」
「そうですね。エルフさんたちは、大丈夫そうですから」
「ようせいさんのところへ、いくです~」
「わきゃ~」
ということで、お次は妖精さんだ。
桜の木に集まっているから、そっちに行ってみよう。
◇
「きゃい~」
「きゃい~、きゃい~」
……妙に数が多い。
たくさん桜が生えている一角には、大勢の妖精さんがきゃいきゃいとはしゃいでいた。
「ユキちゃん、妖精さんの数、なんか多くない?」
「どしどし来ていますから、増えてはいると思います」
「にぎやかです~」
まあ、確かにユキちゃんの言うとおり、どしどし村に来ているからね。
四百人くらい来ていたって、不思議じゃあない。
大勢来たって問題ないので、どしどしお越し下さいだね。
「タイシさんきた! おだんごたべて! おだんご!」
「しっぱいしたやつ~……」
たくさんの妖精さんを眺めていたら、サクラちゃんとイトカワちゃんがお団子をお勧めしてきた。
……イトカワちゃんのお団子は、見事な小惑星形状だった。
しかもよりにもよって、黒ごまをつかったごま団子。
サンプルリターン出来そうなほどの、再現度だ。
というわけで、サンプルリターンしてみよう!
「二人ともありがと。さっそく頂くね」
「どうぞ! どうぞ!」
「いつもしっぱいしてるわけじゃないよ! たま~にするだけ!」
イトカワちゃんのたまに失敗アピールは聞き流して、お団子を受け取る。
サクラちゃんのお団子は……ふわもちお団子だね。
外側は、求肥みたいなふわふわもちもちで、中身は……チョコレートクリームと、キャラメル味の花の蜜だ。
これは美味しい。お店で売れる。
「これ、美味しいね! さすがお団子職人だ」
「ほめられちゃった! ほめられちゃった!」
サクラちゃん大喜びで、きゃいきゃいと白い粒子を出した。
それじゃあ次は、二五一四三番小惑星だ。いざ、サンプルリターン!
――おお! ごま団子風味だけど、中身の餡に果物が混ぜられている!
甘酸っぱくて、イチゴ大福みたい!
ごま団子なのにイチゴ大福、これは意外性があって美味しい!
「これもなかなか良いね! 発想が新しい!」
「よそうがいにうけた! うけちゃった!」
おいいい! 予想外って!
イトカワちゃん、ダメ元でお勧めしたの!?
◇
「あ、ホントですね。これは新しい」
「このおかし、おいしいです~!」
「きゃい~! またまたよそうがい! よそうがいにうけちゃった!」
イトカワちゃんのイチゴごま団子は、イトカワちゃんの予想外にウケた。
前衛芸術家として、これからも頑張って欲しい。
「このあいだは、たすかったさ~」
「ありがとさ~」
「どうしたしまして! どういたしまして!」
「きゃい~」
そんな小惑星団子を食べながら、しっぽちゃんたちは妖精さんたちに、ペコペコとお礼をしている。
真夜中に受け入れ作業をしてくれて、色々良くしてくれたみたいだからね。
こっちも大変助かった。
そのお礼も込めて、今日はウイスキーボンボンを大量投入してある。
妖精さんたち、遠慮無く食べて下さいだね。
「これ、おさけがはいってておいしいね! おいしいね!」
「ともだちにも、おしえてあげよ! おしえてあげよ!」
「なかなかの、おてまえ~」
今ウイスキーボンボンに群がっているのは、お花の服を着た妖精さんだ。
ということは、村の外から来た子っぽいね。
ごきげんでウイスキーボンボンをかじっている。
友達に教えてあげるとか言っているから、こっちからもお願いしておこうか。
「みんな、お友達に教えてあげてね。あと、お土産に持って行っても良いよ」
「ほんと! ほんと!」
「ありがと! ありがと!」
「ひろめちゃうよ! ひろめちゃうよ!」
お土産に持って行って良いというのが効いたのか、みんなきゃいっきゃいだ。
白い粒子が眩しい。
甘い物大好きな妖精さんたち、元気いっぱいだね。
「わきゃ? これもおさけさ~?」
「おさけのにおい、しないさ~?」
そして妖精さんたちがご機嫌で食べているウイスキーボンボンを見て、しっぽちゃん親子が首を傾げた。
まあ、チョコレートにブランデーが封入してあるから、お酒の匂いはしないね。
ただ、一口食べたらわかるはずだ。
ちょっと食べて貰おうかな?
ウイスキーボンボン程度なら、ちいさなしっぽちゃんたちでも問題ないだろうし。
「二人とも、ちょっと食べてみる? 甘くて美味しいお菓子だよ」
「そうするさ~」
「いただきますさ~」
俺にお勧めされるがまま、しっぽちゃん親子がウイスキーボンボンを一口食べる。
すると――。
「わきゃ! これ、これはおいしいさ~!」
「おさけ、ちゃんとはいってるさ~!」
――それはもう、ご機嫌になった。
わきゃわきゃとウイスキーボンボンを口に放り込んで、しっぽをぱたぱた振る。
これもお口に合ったようだけど……なんか、目の色が違う。
納豆やポテチを食べていた時とは、眼力が違うのだ。
「これ、そんなに気に入ったの?」
「これは、すばらしいさ~!」
「おさけがはいったおかし、うまれてはじめてたべたさ~!」
どうやら、お酒が入ったお菓子は新鮮だったようだ。
とんでもなく気に入ってしまったようで、二人ともウイスキーボンボンに夢中になってしまった。
でも、あんまり食べ過ぎると酔っ払っちゃうよね。
ほどほどにしてもらおう。
「これはお酒だから、量はほどほどにね」
「わかったさ~」
「こどもは、これくらいにしとくさ~」
素直に聞き入れてくれたようで、食べる速度は抑えめになった。
まあ、たくさんあるのでぼちぼちとお楽しみ下さいだ。
短時間に一気に食べなければ、問題はないからね。
「わきゃ~」
「おさけのおかし、いいものさ~」
そうしてウイスキーボンボンを楽しむしっぽちゃん親子を、のんびりと眺める。
ずいぶんとリラックスした様子になってきたので、祭りの雰囲気にも慣れてきたかな?
この調子で、村に溶け込んでいって欲しいね。
さて、しっぽちゃん親子にはこのまま楽しんで貰うとして、俺は他の妖精さんたちに声をかけてこようかな?
遊びに来たお客さんもたくさんいるみたいだから、俺の顔は覚えて貰わないとね。
村の責任者として、顔を覚えて貰うのは大事なお仕事だから。
というわけで、お花の服を着た妖精さんたちを中心に、声をかけに行こうと歩き出したところ――。
「これがうわさのおだんご! うわさのおだんご!」
――もう一心不乱に、様々なちたまのお団子を食べている子を発見した。
大福、ごま団子、マシュマロ、チョコレート、等々……。
ありとあらゆるお菓子を、夢中になって食べている。
とんでもない食いしん坊妖精さんが、そこにいた。
「ふしぎなおだんご、たくさんあるね! おいしいね!」
白い粒子をきらめかせながら、お団子を食べる一人の妖精さん。
次々にお団子が、この妖精さんに消費されていく。
なんちゅう食欲だ。
……この子は一体、何者なんだろう?