第六話 物体X
テーブルの上にあった増幅石が消え、妖精さんの手元には――イトカワ。
ん? 失敗した奴?
「え? え?」
「あえ?」
妙に可愛いユキちゃんとハナちゃんは、意味が分からず右に左にきょろきょろしている。
そして、俺も意味が分からない。
「こねておっきくすると、いいんだよね? いいんだよね?」
「こねてみたよ! おっきくなったよ!」
「しっぱいしたやつ~……」
……今なんて?
「今、こねておっきくしたとか聞こえたけど……」
「そうだよ! そうだよ!」
「おっきくなったよ! みて! みて!」
「しっぱいしたやつ~……」
きゃいきゃいと手に持ったものを掲げて、見せてくれる。
――え? あれ?
「……ここにあった石を、こねて大きくしたってことかな?」
「そうだよ! そうだよ!」
「がんばったよ! がんばったよ!」
「がんばったけど、しっぱいしたやつ~……」
妖精さんたちの手元にあるブツ。
それは丸かったりバールのようなものだったり……イトカワだったり。
まさか、これ――。
「――増幅石を、こねて、大きくした?」
「え?」
「あえ?」
三人そろって、妖精さんが持つブツを見る。
とくに、真ん中に立っている妖精さんの、丸い奴を。
ピンポン玉くらいの大きさになったそれは――。
「――増幅石だ。それも大きめの」
「え?」
「あえ?」
この妖精さんたち、ダイヤだけではなく――他の石もこねられるのか!
ダイヤだけだと思っていたけど……違ったんだ!
「まさか! ちいさな増幅石を大きくしたんですか!?」
「そのまさかだ。この大きさの増幅石は、さっきまで無かった」
「あえ?」
妙に可愛いユキちゃん大慌てになる。俺もちょっと慌てる。
……ハナちゃんは、まだ事態に追いつけていないようだね。
「だめだった? だめだった?」
「やらかしたかも? かも?」
「ごめんなさい~」
俺たちが慌て始めたのを見て、妖精さんたちは「やっちゃったかも」と思い始めたようだ。
イトカワちゃんは、もうごめんなさいをしている。
……。
――いやいやこれ! すごく良いよ! 最高だよ!
だって、小さくてお安い増幅石を――巨大でお高いものに変えたんだから!
なんという特殊能力!
「いやいやこれは良いよ! この石の大きい奴、使い道がすごくあるんだ!」
「ほんと? ほんと?」
「よかった! よかった!」
「しっぱいしたけど、もんだいなし? もんだいなし?」
妖精さんたちは安心したようで、きゃいきゃいと喜び始めた。
でも、イトカワ形状はちょっと加工し辛いかな?
「あ~、出来れば丸い方が」
「もんだいあった~……」
妖精さんたちはほっとした顔になったけど、イトカワちゃんはヘコんだ。
いやまあ、イトカワ形状だとちょっと使うのが難しいからね。そこはごめんなさいだ。
まあ、後からこね直して丸くしてもらえば……。
「タイシタイシ、もんだいなしです?」
「だいじょうぶ? だいじょうぶ?」
ハナちゃんもようやく追いついたのか、状況に問題なしか聞いて来たね。
ハナちゃんの肩には羽根を補修した妖精ちゃんが乗っていて、同じように聞いてくる。
まあ……問題なしというか、ありがたいというか!
「問題はないよ。むしろ、ありがたいくらいだね!」
「よかったです~。もんだいないっていってるです~」
「よかった! よかった! これとかも、もんだいなしだね!」
あれ? ハナちゃんが妖精ちゃんに向かって、なんか問題ないよって言ってるけど。
そして妖精ちゃんはというと、なんか色の違う丸い奴を持ってきゃいきゃいしている。
……おかしいな。増幅石の色は、琥珀色のはずだけど。
妖精ちゃんが持っている丸い奴は、なんか赤っぽい金属っぽい何か。
なにこれ?
「あ、あの……君の持っているそれは、石をこねたやつだよね?」
「そうだよ! そうだよ! ……でも、まちがってキラキラしてるのもまぜちゃったよ!」
「ん?」
間違ってキラキラしたやつも混ぜた?
え? なんのこと?
「いしとこれをまぜちゃったけど、もんだいないよね! ないよね!」
妖精ちゃんが指さす先には、金粒の山が。
ん? この金粒と……増幅石を、混ぜた?
「――ちょっと見せてもらっていいかな」
「どうぞ! どうぞ!」
妖精ちゃんから丸い奴を受け取ってみて、目を凝らしてみてみる。
触ると冷たくて、緋色の金属っぽい感じ。
そして――なんか揺らめいて見える。炎の揺らめきみたいな?
……なんだこれ、わけわかんない物質になってないか?
揺らめいて見えるとか、ヤバくない?
しかし良くわからない。これは、妙に可愛いユキちゃん大先生に見てもらおう。
「ねえユキちゃん、これなんだかわかったりする?」
「え? 増幅石では……ないですね」
「ですよね」
物体Xを妙に可愛いユキちゃんに渡して、ちょっと調べてもらう。
俺じゃそれがなんなのか、どういう物体なのかわからないからね。
「う~ん、どこかで見たような……」
「なにか、心当たりあったり?」
「ええ。これと似た物質、どこかで……」
妙に可愛いユキちゃんが目を細めて、謎の物体Xを見つめている。
そして……そのまま固まった。
「タイシ、ユキうごかなくなったです?」
「動かなくなったね。集中してるんだと思うよ」
「たいへんなおしごとです~」
妙に可愛いユキちゃんのあまりの集中っぷりに、俺とハナちゃんちょっと驚く。
これほど集中しないと、わからないのか。
「タイシ、ユキのおしごとおわるまで、おちゃのんでまつです?」
「そうしよう」
「おだんごあるよ! いっしょにたべよ! たべよ!」
「じまんのおだんご~」
「どうぞ! どうぞ!」
妙に可愛いユキちゃんが何かわかるまで、俺たちはのんびりお茶会をして待つことに。
さて、何かわかるだろうか。
そして十分後。
「――ああああ! これ! これは!」
妙に可愛いユキちゃんが解凍した。なにか、ものすごい取り乱している。
……うわ、なんかヤバい物体ぽいぞ。
まずいな、防護服とか用意してないぞ。
「た、大志さん! これ! これヤバいやつですよ!」
あ、やっぱりヤバい奴なんだ。どれくらいヤバいんだろう?
「それ、そんなにヤバいの?」
「これ――緋緋色金です!」
あ~、なんかそれ聞いたことある。
うちの古文書にもなんか書いてあった気がするな。
よかった、思ったよりヤバい奴じゃなかった。
「タイシ、ヒヒイロカネってなんです?」
「正直名前しか知らない」
「そうですか~」
ハナちゃんと一緒に、ずずずとお茶を啜る。
やっぱり、緑茶には和菓子が合うね。
で、何だっけ? 緋緋色金ちゃんが出来たんだっけか。
「あの? 温度差激しくないですか?」
「いやまあ、名前しかしらないから反応しづらいというか」
「ハナも、よくわからないです?」
大騒ぎする妙に可愛いユキちゃんとは対照的に、わけ分かってない俺とハナちゃんはリアクションのしようがない。
お茶を飲むことしか、できないのだ。玉露は入ってないやつだね。
「あああ……事の重大さが共有できない!」
「悲しい世の中だよね」
「かなしいすれちがいです~」
頭を抱える妙に可愛いユキちゃんと、もっちもっちと妖精大福をほおばる俺とハナちゃんだ。
緋緋色金があるとなんでヤバいのか、良くわかってないのもある。
天叢雲剣が光っていたのは、実は放射性物質だったからとかそういう類のヤバさかな?
あれ、江戸時代に熱田神宮の神職さんがその光るやつを盗み見て……一年後にアレしたとかいう曰く付きの品だ。
……そりゃ、一般公開出来ないわけで。
それと同じで防護服がいるようなヤバさなのか、確認しとかないと。
「それで、具体的に何がヤバいの?」
「これは伝説上の金属で、実物はほんのごくわずかしか残されていないんです」
「え? 実物って残ってるの?」
「数ピコグラムですけど、うちにありますね」
伝説上の金属を持っていて、それが何なのか認識しているとな。
それ、世界的に見てもそうそういないのでは。
さすがドラ○えもんだけあるな。
「そうなんだ。ドラえ――ユキちゃんち凄いね」
「どら? ……いえ、それは元々、大志さんちのご先祖様から頂いたものでして……」
「はい?」
え? うちの持ち物だったの?
「もともと、大志さんのご先祖様が持っていた物だと、うちでは伝わってます」
「それほんと?」
「ええ、ほんとです。室町時代くらいですよ、頂いたのは」
ドラ○もんはうちのご先祖様でした。歴史って面白いなあ。
しかし、室町時代なら記録があるな。今度親父と調べてみよう。漢文苦手だけど。
……お袋がいれば、漢文とか余裕で解読してくれるんだけどなあ。
正月には帰ってきてくれるかな?
そしてそのお袋でさえ、漢文以前の謎文字は解読できないときた。
うちの記録の断絶、ほとんどこの謎文字のせい。まあそれはそれとして。
「ちなみに、緋緋色金ってどんな特性があるとかわかる?」
「標本が少なすぎて検証はしていませんが、半導体のような性質があるのに、条件によっては常温で超伝導になると言われています」
「――うっそ! それ凄い!」
「あや! タイシめがキラッキラです~!」
超伝導と聞けば、現代ちたまっ子としては黙っていられない。
高温超電導というBCS理論で説明できないやつ、好奇心をくすぐられる。
「ほら、緋緋色金の伝承で『磁気を通さない』ってのがあるんですよ」
「マイスナー効果っぽいね」
「恐らくそれかと」
「むつかしいおはなしです?」
こんどは三人でもっちもっちと妖精大福を食べる。
ハナちゃんは話題についてこれないけど、賑やかな雰囲気になって楽しそうではある。
「ちなみに、これってなんのやくにたつです?」
ハナちゃんが緋緋色金をこねくりしながら聞いてきたけど、なんだろね。
超伝導物質ということなら、大電流を流せる極細電線が作れるけど。
「これに神通――おっと謎の力を込めると、とってもいい感じに力が伝わるの」
「なぞのちからです?」
「そう、謎の力なの」
……妙に可愛いユキちゃん、今神通力って言おうとしてごまかさなかったかな?
謎の力で押し通しているけど……。わりとうかつな女子である。
加茂井家が隠し通してきた秘密、ボロボロこぼしてます。
いやまあ、聞かなかったことにして話を進めよう。
「ただまあ、今の所村では使い道は無いかな?」
「そうですね。法具にちょっと混ぜ込めば、かなりの性能になりますけど」
「おっ! それ良いね。ちょうど、密教系で発注来てるんだ」
巫女ちゃんの護衛さんから、護身用の法具の依頼があったばかりだ。
納期は来春なので急ぎじゃないけど。性能向上させといても、損はないな。
「まあ使い道は色々ですので、いざとなったら量産しましょう」
「そうしよう。妖精さんたち、その時はよろしくね」
「がんばるよ! がんばるよ!」
「しっぱいしたやつでもいい? いい?」
「ま、まあ原料としてなら」
「よかったよ! よかったよ!」
妖精さんたちは新しい仕事が見つかったのが嬉しいのか、きゃいきゃいしているね。
緋緋色金、必要になったらよろしくお願いしますだ。
いやほんと、妖精さんはちっこいのに凄いね。
「なあ、ようせいさんたちすごくね」
「ちっちゃいのに、なんかいろんなことできるんだな~」
「おれらもなんか、がんばんないとな~」
「ぶっちゃけ、おれら……じみだよな」
ん? あっちでもんじゃを食べているエルフたち、なんだかひそひそ話してるけど。
いやまあ、妖精さんたちはほんと凄いからね。
あとかわいいから、ついついちやほやしちゃうわけで。
「ハナたちも、まけないようにがんばるです~」
あ、ハナちゃんも乗せられた。
いやまあ、エルフたちだって頑張っていると思うけど。
競う必要はないよね。適材適所だ。そこんところ、伝えておこう。
「ハナちゃんもみんなも、それぞれ大事なお仕事をしているから、そんなに無理しなくても大丈夫だよ?」
「あえ? だいじなおしごとです?」
あんまり自覚はないのか、ハナちゃん首をこてっと傾げた。
俺が大事に思っている点を伝えれば、わかってくれるかな?
「ハナちゃんやみんなは、この村を人が快適に住めるよう、維持してくれている。これは自分ひとりじゃ、とっても無理だったんだ」
「あえ? タイシひとりじゃむりです?」
「そうだよ。大勢人がいて毎日コツコツ頑張ってくれているから、この村は成り立っているんだ」
エルフたちが来なければ、この村は寂しい無人の廃村のままだった。
人が居なければ、そこは村ではなくただの「場所」でしかない。
わりと今のこの村の状態は、奇跡ともいえる。
こんなに人が来て賑やかになるなんて、今まででは有り得なかった。
「みんながしてくれているお仕事は、自分にとってはかけがえのない大事な物なんだ」
「ハナたち、やくだってるです?」
「それはもちろん。でも、役に立つ立たないという点で気にする必要はないよ」
「あえ? やくだたなくてもいいです?」
この点は重要だ。エルフたちは、どうも俺の役に立っているか気にしている節がある。
ちゃんと言っておかないと、役に立ちたい一心で無理をする可能性もある。
俺は役に立つ立たないで、要不要を判断なんてしない。
「役に立つから必要、立たないから不要という考え方は、自分はしないかな」
「あえ? なんでです?」
「だって、そんなの自分の都合だけだからね。もっと大きな目で見れば、要らないものなんてないから」
必要な物不要な物。それはほんとに、個人の話でしかない。
自分には無くても困らないものでも、誰かにとっては必須の物であることだってよくある。
「いらないもの、ないです?」
「そうだよ。そのへんの石ころだって、ある人には石ころだけど、ほかの人にとっては道具になるかもしれない。要不要なんて、結局個人の都合でしかないんだ」
「なるほどです~」
何となくわかってもらえたかな? 存在の価値に優劣なんてない。
自分にとって必須なものの存在を担保していたのが、自分にとっては不要な物だった、という事なんかも良くある。
そして不要と思っていたものを排除した結果、必須な物も失われる。これも良くある話。
無駄、不要に見えるものでも、実は世の中の変化に対する「余地」や「余白」として機能していた、とかは枚挙にいとまがない。
こんな感じで、要不要を短絡的に判断することがどれほど危険かは歴史が教えてくれている。
「だから役立つとか立たないとかは、あんまり気にする必要はないよ。でも、何をしたいかっていう目標はあると、毎日楽しいかもだけど」
「もくひょうですか~」
「例えば平原の人たちは『焼き物をしたい』って佐渡に行ったよね。ああいうの」
「したいことです?」
「まあそうだね」
あの人たちは目標が明確だったからね。方向性は持つのは大事だ。
まあ慌てず騒がず、じっくり考えればいいと思う。
「ハナちゃんも、ゆっくりでいいから何か考えてみるといいかも」
「あい~!」
特に今は農閑期で、さらに冬になる。
家に引きこもりがちになるので、何か家で出来る事を目標にするのも良いかもだ。
「もくひょうか~」
「おれらも、なんかかんがえとこ」
「なるほどね~」
あっちでもんじゃを食べていた村人エルフも、思う所はあったようだ。
じっくり考えてみてくださいだね。
◇
冬もだんだん本格的になって、水たまりが凍るのが当たり前になって。
そんな寒い中でも、村は平和に毎日を過ごしていく。
防寒対策を徹底したのが、奏功したようだ。
特にフクロイヌとフクロオオカミは、雪が降るたび楽しそうに村を走り回る。
彼らはどうやら、寒さに強いようだ。移動する動物だからかな?
ウサギツネも結構寒さに強いようで、キャンキャンと遊び回っている。
トビリスはどこかの家にお邪魔して、すぴすぴおねむしていたり。
それ以外の動物たちは、まあ森からはあまり出てこなくなった。
羽ネコちゃんとかはやっぱり、寒さに弱いようだ。
「タイシさんこんちわ! こんちわ!」
「このおようふく、あったかいよ! あったかいよ!」
「いいものもらった~」
妖精さんたちは、マジカルヒートテッ○製インナーを着込んで元気に活動中。
受粉に和菓子作りにダイヤこねに増幅石こねに、大活躍だ。
正直働き過ぎな感じがするので、温泉に妖精さん専用浴槽を増設した。
タライにぬる湯を掛け流しという簡単な設備だけど、これが妖精さんに大好評。
女湯では、妖精さんがきゃいきゃいとぬる湯タライでくつろぐ姿が見られるらしい。
ゆっくり、体を休めて下さいだね。
なんだかんだで冬が始まり、みんなは寒さに慣れ始めた。
平和な村を維持できたので、良かった良かった。
――しかしだ。
このまま平和に冬を越せるかな? と思っていたところで――。
「ち、ちわ~」
――村に、変なエルフがやって来た。
「ささささ、さぶい~! こ、ここここめっちゃさぶいっ!」
「ばう?」
若い男エルフが、半袖姿で村に訪れた。おまけに裸足。
金髪色白なので、平原の人たちではないようだ。森で暮らす人かな?
彼は寒さでガクブルだけど、お供のフクロオオカミはへっちゃらな様子でリアカーを引いていた。
現在この村は気温マイナス三℃、うっすら雪が積もっていたりもする。
半袖裸足で過ごすのは不可能な環境で、見ているだけでぷるぷるする。
この人、なんちゅう恰好で村まできているのか。
「あややややや、さむそうです~」
「さむそうというか、じっさいに『さむい』っていっちゃってるな」
「なんという、むぼうないでたち」
「おもいっきりうすぎとか、ふるえる」
説明会やら対策やらを勉強している村のエルフたち、そんな彼をみてぷるぷる状態に。
確かに、見ているこっちも寒くなる出で立ちだ。
これは、早い所温泉に浸かって温まってもらおう。
でないと、風邪ひいちゃうかもだからね。
「ようこそいらっしゃいました。とりあえずこれを着てください」
「ど、どどうもすみません」
ダウンジャケットを持ってきて、彼の肩にかけてあげる。
だけど、体が冷えているからあまり効果が無い。
「すぐそこにお湯の出る泉がありますので、そこで体を温めましょう。案内しますので」
「あばばばば、そ、そうしますすすす」
「オオカミさんは、あっちのあったかいところにいくです?」
「ばう」
みんなで手分けして受け入れ作業をして、ぷるぷるエルフは温泉にご案内だ。
しかし、この人一体どこの人だろう?
平原の人たちやあっちの森の人たちは、この村が今めっちゃ寒いことは伝わっている。
そのためいったん湖に行って防寒具を借りてから、こっちに来ているのに。
それを知らないという事は、どこか別の森から来た人なのだろうか?
この人、どこの人なんだろう?
「……」
「あえ? うごかなくなったです?」
「うわー! 早く温泉に!」
「えらいこっちゃ~!」
「なしてこんな、がんばっちゃったの? このひと」
ぷるぷるエルフが、カチカチエルフになってしまった!
早く温泉に入れてあげないと!