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エルフのハナちゃん  作者: Wilco
第十二章 この世界に存在しない花
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第九話 どこにお出かけ?


 水源をたどるためにダウジングしたら、いつもの洞窟にたどり着いたでござる。

 アタリかハズレかが、良くわからない結果に。


 良くわからないけど、三人とも反応していた。

 何かがあるとは思う。それが何かは、分からないけど……。


「これどうしよう、判断に迷うよね」

「あえ? すいげんじゃないです?」

「何とも言えないかな。この洞窟は……特別だから」

「そうですか~」


 この意味不明な結果について、俺たち三人とっても困惑する。

 さて、これからどうしようか……。


「何を調べればいいんだろう?」

「むむむ」

「とりあえず、定点カメラを仕掛けておきます?」

「そうしよう」

「むふ~」


 どうしようと問いかけたら、ハナちゃんむむむと考え込んだので頭をなでておく。

 ユキちゃんからは定点観測の提案が出たので、とりあえず採用することに。


「それじゃカメラを設定して様子を見よう」

「むふ~」

「すぐに終わりますね」


 その日はカメラを設置して、様子を見ることにした。



 ◇



 翌日、カメラには特に何も映っていなかった。

 その翌日も、特になんも。


「……違うのかな?」

「なんとも言えないですね」

「くものうごき、おもしろいです~」


 動画を見て、俺とユキちゃんは頭を抱える。

 ハナちゃんは色んなタイムラプス映像を見られて、ご満悦だけど。

 エルフ世界の十時間単位の変化が見られるので、映像としては確かに面白い。

 ただ、目的はそれじゃないわけで。これからどうしたものか……。


「あ、タイシさんめっけ」

「ちょっとよろしいですか?」

「おねがいしたいこと、あるんだ」


 頭を抱えていると、マイスターとヤナさん、そしてマッチョさんが集会場にやってきた。

 お願いしたい事があるっぽいけど、なんだろう?


「お願い事ですか? 何でしょう」

「タイシさんがたまにやってくれる、あのおさけをだすおみせなのですが……」

「かんこうきゃくから、またやってほしいって、ようぼうがきてるじゃん?」

「おんせんあがりのビールで、ダメにんげんになりたいんだって」


 ああ! あのダメルフ量産システムか。

 そういや、最近調査にかまけてお店出してなかったな。


 ――あれ? なんか俺が居酒屋の店主みたいな事になってる?

 あのお店は学術的な目的というか、ほぼネタというか……。

 まあいいか。調査も行き詰まったことだし、息抜きにお店を出そう。


「分かりました。それでは今夜、みなさんをダメにしますよ!」

「やっていただけますか!」

「ひさびさに、ダメになれるじゃん!」

「きょうは、おんせんながゆしよ」


 なんだかお願いに来た三人もキャッキャし始めたけど、ご期待下さいだね。



 ◇



「きくー!」

「このいっぱいが、たまらない~」

「あ、このおつまみ、ついかでおねがいします」


 次々にダメ人間が量産されていく。

 ははは! お酒が飲める人でこれに抗う方法など、無いのだ。


「むざんなこうけいです~」

「ひさびさね、このだめなかんじのこうけい」


 大人たちが村人も観光客もダメになっている様子を見て、ハナちゃんあきれ顔だ。

 でもねハナちゃん、君も大人になったらこうなるんだよ?


「はいカナさん、よく冷えたビールです! ぐいっと一気に!」

「ぷはあ~!」

「おかあさ~ん!」


 だって、ハナちゃんのお母さんがこうだからね。


「ハナちゃん、今日大人たちは遅くまでダメになっているから、一緒に寝ようね」

「あい~! ユキといっしょにねるです~」


 ハナちゃんはユキちゃんが面倒を見てくれるので、遠慮なくヤナさんカナさんを風呂上りのビール漬けにできる。

 そんなわけで、夜遅くまでお店を開く予定だ。


「おんせん、あったまった~」

「そこで、いっぱいやっていきますか」

「いいですな~」


 はい、追加で観光客の方々が来られました。

 この調子で、どんどんダメにしていこう!


 そうして村人と観光客の大半をダメにして行く中、夜も更けていく。

 そろそろ、ちたま時間で二十三時だ。

 みんなを家に送らないとね。送迎サービスは、なんと無料でございます。


「では、お休みなさい。また明日」

「おてすうおかけしました~」

「いたれりつくせり~」

「おふとんだ~」


 酔っ払いエルフたちをみんな寝床に寝かせて、お仕事終了だ。

 居酒屋営業の売り上げは俺のお小遣いになるので、儲かるとわりと嬉しい。

 結構溜まったから、みんなにおやつでもおごっちゃおうかな?


「おう大志、遅くまでご苦労さん」

「といってもまだ日付変わってないから、俺らからすると寝るには早いよね」


 送迎を終え、わりと儲かったのでほくほく顔で集会場に戻ると、親父から労いが来た。

 とはいえまだ二十四時前で、寝るにはちょっと早い。


「ならさ、一杯やるか? 燻製をつまみに」

「良いねそれ。久しぶりに、親父と二人で飲むか」

「ちょっと良いウィスキーで飲もうぜ」

「そうしよう」


 親父から一杯やろうとお誘いが来たので、喜んで受ける。

 親父と飲むのは、久しぶりだ。

 たまには親子二人で、酒を飲みながら話をしようじゃないか。


 ということで、棚からお酒を出そう。村に泊まった時に飲む、俺用のお酒だ。

 このお酒は、なんだか神様もたまに飲んでいる。女神の一人酒だ。

 そして神様も飲んじゃうから、知らない間にガンガン減っていく。

 ガンガン減るので頻繁に補充が必要になるけど……今回は結構残ってるな。

 まだ補充はしなくて良いだろう。


 ――あ、そうだ。神様もお誘いしようかな?

 最近なんだか、謎の声が聞こえてこないのも気になる。

 様子を見て、もしお疲れだったら……なにか強力なやつをお供えしないとね。


「ちょっと神様も、飲み会にさそってみるよ」

「おう、是非とも誘ってくれ」


 会話は出来ないけど、それもまた良しだ。

 親父とかは、挙動や光具合で神様の気持ちを察している感がある。

 歳を重ねれば、そういう事も可能になるって事なのかな?


 まあそれは置いといて、神様いらっしゃいますか~?

 ……あれ? 神社は真っ暗で、神輿も無いぞ?

 神様、お出かけ中? こんな夜中に、一体どこへ?


 夜中に女神の一人歩きか……。お父さん心配だよ。

 ……しかし、確かめる術はない。


 気になるところだけど、女性の行動を詮索するのもアレだしなあ……。

 忘れがちだけど、女神様だからね。あんまり詮索するのは止めておこう。


 …………。


 とりあえず神様お出かけについては、覚えておくだけにしとこう。

 そのうちなんかわかるだろう。


 ――その後、親父と酒を飲みながらバカトークをし、深夜になってから就寝した。

 しかし、のどが渇いて起きてしまった。

 水を汲みに行くのは面倒だけど、仕方がない。


 飲み水を汲むため、外に出ようと靴を履いていた時の事。

 なんか光る物体が、集会場に向かって飛んできた。


(おしごと、おわり~)


 ――神様だ。どこにお出かけしていたかはわからないけど、帰って来たんだな。

 しかし……謎の声は「お仕事終わり」とか言っている。

 お仕事って、一体なんだろう?


(ちかれた~)


 俺には気づかなかったのか、そのまま神輿はへにょっと駐車場に止まる。

 なにやらお疲れのようだ。


(おふとん~、しこうのひととき~)


 神輿の謎ドアがぱかっと開き、よろよろと光の玉が出てくる。

 そして、よろよろと神社にご帰還だ。

 これからおねむするんだ。神様、お休みなさい。


 ……とっても怪しい。



 ◇



「昨日こんなことが有りましたので、我々捜査班は張り込みをしたいと思います」

「神様のお出かけですか」

「たまに、どっかふらふらとんでくことあるです~」


 昨日女性の行動を詮索するのはアレだ、止めとこうと言ったな。あれは嘘だ。

 だって気になるんだもの。

 というか、俺の見立てでは限りなくクロに近いわけで。


 そんなわけで、エルフ世界の洞窟から、ちょと離れたところで張り込みだ。

 ここからなら、洞窟が良く見える。


「タイシ、つぎはこれをやくです~」

「あ、高橋さんとこのお魚だね。それは美味しいよ」

「たのしみです~」


 俺たちは今、張り込み中だ。犯行が行われるのを、静かに待っている。


「おなか一杯になったら、花火をしようね。小っちゃいけど手軽にできるのがあるのよ?」

「ユキ、そんなのあるです?」

「これがあるのよ。ちっちゃいけど、とっても綺麗なの」

「これもたのしみです~」


 繰り返すが、俺たちは張り込み中だ。


「なんか、さどのときをおもいだすな~」

「おさかなたくさんとか、すてき」

「おれのじまんのはっぱのせやき、たべてみてくれ」


 張り込みです?


 ……張り込みの準備をしていたら、みんなも集まってきて……なんかバーベキューやら始まった訳で。

 野外キャンプイベントとなったけど、これは張り込みなんだ。


「おそとでたべるカレーもまた、おいしいですね」

「あのキラキラしたこめぬかをいれると、わたしたちのどきにこみも、いっそうおいしくなりますね」

「カナ、おかわりいいかい?」

「たくさんたべてね」


 ……まあ、みんな楽しそうにキャンプを満喫している。

 これはこれで、良いかもね。


(ごちそうたくさん~)


 張りこみ対象の容疑者も今ここにいるんだけど、良いと思う。

 なんかお疲れみたいだし、息抜きになれば。


 でも、これは張り込み……。


(みなぎってきた~)


 お、光強くなった。



 ◇



 そんなこんなで、我々捜査班の張り込みはなぜか賑やかに。

 楽しく食べて飲んで、キャッキャと花火をしました。

 観光客も参加したので、もうほんと大きなイベントになった。

 楽しい張り込みだね。……張り込みってなんだろう?


「ほんじゃテントはるぞ~」

「こっちでねるの、ひさしぶりね~」

「なんだか、なつかしいな~」


 そして楽しいイベントが終わり、ぽつぽつと就寝する人たちが出てくる。

 夜二十二時ごろには、ほとんどの人がおねむだ。


「タイシ、おやすみです~」

「あした、おかたづけしますね」


 張り込みだけど、ハナちゃんは子供なのでここまで。

 あとは大人たちの仕事だ。


「それでは、これから夜更かしに入ります」

「おう、てつやならまかせてくれ」

「いっぱいやりましょうか」

「いいねいいね! のもうぜ」


 夜を徹しての張り込みが始まる。

 張り込み要員は、マイスター、ヤナさん、マッチョさんだ。

 ……みんなお酒飲んでるけど、これは張り込みである?


(おいしいおさけ~)


 容疑者も一緒に飲んでいるけど、張り込みは出来ていると俺は信じる。

 俺が信じないで、誰が信じるというのだ。


(よっぱらっちった~)


 その容疑者が今酔いつぶれたけど、大丈夫なはず?


 そんなことがありながらも、夜を徹しての張り込みを順調? にこなしていく。


「んごー」

「……ぐー」

「んがっ……」


 張りこみ要員が全員酔いつぶれて寝てしまったけど、俺は張り込みを続ける。


(むにゃ~)


 ……容疑者が今俺の膝の上で寝ているけど、問題なかろう?

 なんか楽しいイベントになったけど、俺は仕事を忘れていない。


「……大志さん、これもうダメじゃないですか?」

「まだだ、まだ終わらんよ」


 眠そうなユキちゃんから、ようやくつっこみが入った。けど、俺はあきらめない。

 だってこのまま終わったら、ただの楽しいキャンプイベントじゃないか!


 ……すごい楽しかったから、またやろう。



 ◇



 最後までつきあってくれていたユキちゃんも、今は腕グキさん母子のテントでお休み中だ。

 そうして俺以外の全員が寝てしまったあとも、俺は起きていた。

 俺はあきらめてはいないのだよ。

 そして――。


(むにゃ~……――はっ!)


 ――深夜二時、容疑者に動きがあった。

 俺の膝の上でぐんにゃりとおねむしていた神輿が、目を覚ます。


(おしごと! おしごとしなきゃ~!)


 神輿は慌てて飛び上がろうとして……ぽてっと落ちる。

 ……寝起きなので、無理しないでください。手を貸そう。


「どうしたんだろう? ぽてっと落ちたけど」


 ひょいっと神輿を抱える。……なんか、子猫を抱え上げた感触に似てる。

 ニャ~とか鳴かないかな?


(あっち~、どうくついきたい~)


 神輿がもぞもぞと動き、さらに謎の声が洞窟に行きたいと言っている。

 それじゃ、連れて行ってみよう。


「どこかに行きたいのかな?」

(こっち~)

「こっちかな?」

(そうそう~)


 神輿が洞窟の方を向いてふにゃふにゃ動いたので、意図を汲んだふりをして歩き出す。

 エルフのキャンプ地……もとい張り込み現場は洞窟からちょっと離れた場所にしてあるので、それなりに歩くことに。


「洞窟かな?」

(そうそう~! どうくつ~!)


 さも今気づいたかのようにつぶやくと、神輿はぴかぴか光りだす。

 なるほど、これは分かりやすい。

 謎の声が聞こえなくとも、どこに行きたいかは伝わってたかもだね。


 そんなコミュニケーションを楽しみつつ、洞窟に到着だ。


(ありがと~)


 意識は覚醒したのか、神輿が俺の腕の中からほよっと飛び上がる。

 さあ、犯行現場を――見せてもらいましょう!


(みずぬき、かいし~!)


 神輿がくるっと回って、ぴかっと光る。

 すると、洞窟からザバザバと――水が出てきた。

 そして流れ出てきた水は周囲に広がるが、ある一点で集まる。

 ――川を見失った場所だ。


 その水流には時たま――灰化花が流れていく。

 この流れていく水はおそらく……妖精世界の水だ。

 あの水没した花畑の水だろう。


 これで、謎は解明だ。

 佐渡の時は海洞と妖精世界を繋げ、そのとき水が流出した。

 流出した水の中に灰化花もまざっていて、巫女ちゃんのお父さんに発見される。

 こんな所だろう。

 それと、湖で発見された妖精物質だ。

 これは神様が湖に流し込んだ、大量の水と一緒に流れて来た、で確定だ。


 どうして最近になって水抜きを始めたのかは、良くわからないな。

 何か事情でもあるのだろうか?

 ……なんにせよ、神様は妖精世界の水抜きをしている。夜中にたった一柱で。


 夜にする理由もわからないけど、何の意味も無いってことは無いだろうな。

 慌ててお仕事しようとした様子を見るに、お急ぎの理由でもあるのかもしれない。

 夜に作業をすれば、洞窟を行き来する人に気兼ねをしなくとも済むから、うってつけの時間とは言える。

 ただまあ、ほんとのところは良くは分からないな。

 けど、それ以外の理屈はある程度推測は出来る。


 たとえば、水抜きしている理由はといえば。

 妖精世界の洪水でたまった水を、排出する必要があるからだと思う。

 どこかに水を排出しないと、あの水没した花畑は水没したまま。

 水没したまま――回復しないのでは?


 妖精さん世界の花は、水量の調節も行っていたのかもしれない。

 その花が灰化して機能を失ってしまったから――水を調節できなくなった。

 その結果、水があふれたと考えられる。

 あくまで推測だけど、筋は通るかなと思う。


(まだまだ、たくさん~)


 ザバザバと水が流れていく様子を見ながら、さらに考えてみる。

 何故神様は、エルフ世界で排水をしているのか。

 これも多分だけど、排水しても問題が起こらないのは、ここしかないからでは。


 ここなら大量の水を排出しても、大災害にはならない。

 そんな場所は、いまのところここにしかない。

 そしてこの理由について推測がたてば、次の推測も可能となる。


 ――神様はなぜ、わざわざ佐渡と妖精世界を繋げたのか、だ。


 この村の洞窟でも、繋げる事は出来たはず。

 しかし、神様は佐渡と妖精世界を繋げた。一体なぜ、佐渡だったのか。

 ずっとわからなかった疑問について、ようやく推測できる下地を得た。


 なぜわざわざ、佐渡で世界を繋げたのか。

 その理由は……妖精世界とこっちの世界を繋げるための「門」が――水没しているからだ。

 今まさに大量の水が流れているが、これは……妖精世界の「門」が水没していることを意味する。

 水没していないなら、水が流れてくることも無いからね。


 そして水没しているので……うかつにこの村の「門」と、妖精世界の「門」を繋げられない。

 妖精世界の水が、こっちに流れ込んできてしまうからだ。

 そんな状態では、妖精世界に行くことが出来ない。

 洞窟から濁流が押し寄せるので、洞窟を潜り抜けられない。

 台風の降水量なんて目じゃない水量があるので、水害も起きるかもしれない。


 だけど、あの海洞なら、繋げても水害は起きない。


 周りにはもっとたくさんの水、というか海水がある。

 妖精世界の水があふれても、周囲に大水害は起きない。

 おまけに、カヌーに乗ったまま世界を渡れる。

 だから、あのタイミングで繋げるしかなかった。

 佐渡旅行が、唯一の好機だったのだと思う。


 もし俺たちが、佐渡旅行に行かなかったら。

 ――ひとつの大切な機会を、逃していたかもしれない。

 あの旅行は、想像以上に重要な行動、だったのかもだ。


 ……佐渡で異世界につながった件は、こんなところだろう。


 俺たちが助けに向かえて、世界を繋げられるのは――あの瞬間しかなかった。

 というわけだ。


 ……フクロイヌがどうやって先行できたかは、いまだ謎だけど。

 あの洞窟からは渡れないけど……いったいどうやって?

 危機が起きる前に、先んじて乗り込んでいたとか?


(ちょうせい、むずかし~)


 俺があれこれ考えている間も、神様は水抜きのお仕事を頑張っている。

 わりと大変そうだけど、俺では力を貸すことが出来ない。

 ただ神様の頑張る姿を、眺めるだけ。


(きょうのぶんおわり~。ちかれた~)


 やがて作業は終わったのか、神輿がへろへろ~っと落ちてくる。

 ――おっと、受け止めないと!


 ……はいキャッチ!


 落下してくる神輿を無事受け止めることに成功し、ほっとする。

 受け止めた神輿は相当お疲れのようで、当社比で二割増しくらいぐんにゃっていた。


「……神様、お疲れ様です」

(むにゃ……)


 もう寝てるし。今凄い低音ボイスで、かっこよく言えたのに!


 ……しかし、これは何か対策とか、お手伝い出来る事とかを考えたほうが良いな。

 この大変な事業について、何かしてあげたい。というか神様に負担が行き過ぎだ。

 ほら……疲れてこんなに、ぐんにゃりしちゃってる。


 ……あ、なんか面白い。暑い日のネコのごとく、良く伸びる。

 すっごい伸びるぞこれ。


 ――おっといかん、これ女神様だった。ネコじゃないので、これ位でやめておこう。


 とまあ神輿がネコのようにぐにゃるほど、神様はお疲れだ。

 これを何とかしないとね。明日みんなが起きたら、相談してみよう。


 神様のお手伝い――何かできないかな? てな感じに。


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