第十一話 何も問題は起きていない
「タイシタイシ! すごかったです~!」
「あんなんはじめてみた!」
「ふしぎすぎて、ふるえがとまらない~!」
境界を抜けて普通の光景に戻ると、エルフたちはもう目がキラッキラとなった。
興奮がおさえれられない様子で、キャーキャーと騒いでる。
「あの村は、こうやって隠されているんだよ。ほら、外から見るとこんなんなんだ」
バスが舗装路に入り、ぐいっとカーブを曲がる。
すると、今まで後方にあったものが左手に見えてくる。
「……あえ? あのやまです?」
「そう。あれがハナちゃん達が住んでいた山の、入口だよ」
「あえ? ハナたち、もっとひろいところにすんでたですよ?」
「本当はとっても大きな山と広い土地があるんだけど、そうはわからないようにしているんだ」
「あや~。よくわかんないです~」
ハナちゃん頭を抱えてむむむとなってしまった。
俺も良くはわかっていないので、気にしなくてもいいのだけど……。
「それよりハナちゃん、もうすぐ大きな道に出るよ。きっとびっくりするよ」
「あえ~。まだまだあるですか~」
「びっくりしすぎて、もえつきた」
「まだあるとか、ふるえる」
「こっちのせかい、なめてた。ごめんなさい」
出発して間もないのに、みなさんびっくりしすぎて燃え尽きかけている。
まだ十キロも走っていないんだけど……。
あと二百五十キロほど、あるんですよ?
「あや~……」
「ふるえる……」
「かっこいい……」
村から出た時点で、みなさん満足げである。
……無事、佐渡まで行けるのだろうか。行けるよね。いけたらいいな。
『はいみなさん、これより大きな道に入ります。自動車が沢山走っていたり、色んな建物が見えてきます』
「あや! みるです~」
「いろんなおうちだって!」
「じどうしゃがたくさん!?」
親父がアナウンスすると、みなさんもう窓にかぶりつき。
さっきまで燃え尽きてたのに……。
車内がまた賑やかになり、バスは国道十八号に合流する。
この国道を道なりに進めば、そのまま直江津まで行けてしまう。
そして、ここからは交通量も増えて人工物も増える。
「タイシ~! あれも、これもそれも、じどうしゃです!?」
「そうだよ。色々な自動車が、沢山走ってるんだ」
「うおおおおはえええ」
「じどうしゃって、こんなにはやいの!?」
通勤ラッシュ手前の時間だけど、それなりの交通量になっている。
色んな種類の車が走っている様を見て、みなさんお目々まんまるだ。
「あやー! へんなおうちがあるです!?」
「え? なになにどこ?」
「いっしゅんですぎさった……」
ハナちゃんがとある建造物に興味をひかれたようだけど、バスは動いているので通り過ぎてしまったようだ。
まあ、止まるわけにもいかないのでしょうがないね。
ちなみにハナちゃんが見た変なおうちとは、ここいらで有名な廃墟ホテルだ。
アレが出ると有名なので、俺としては苦手な物件だ。
しかし、お袋がどこからか持ってきた、信号待ちが若干減る幸運の石が役立ってるな。
その石のおかげで、停車する機会が少ない。
大型車だと信号待ちが減る恩恵がとても大きくて、まさかの大活躍だ。
ありがとうお袋。
「あや~!」
「でかい~」
「ふるえる~」
そうして快調に走るバスだけど、車窓から見えるものすべてが珍しいのか、窓にべったり張り付いて声を上げるみなさんだ。
目をキラキラさせたり、ときにぷるぷるしたり。
旅は始まったばかりだけど、もう楽しくてしょうがないみたいだね。
『みなさん、これより大きな橋を渡ります。窓の外をご覧ください』
親父もノリノリでアナウンスを入れてくる。そろそろスカイブリッジ信越大橋を渡るところか。
この橋は結構すごいので、みんなきっと驚くはず。
そして、橋を渡ったら次はトンネルだ。エルフキャッキャポイントが連続する。
「あやややや! そらをとんでるみたいです~」
「すげえたかい!」
「こんなんつくれちゃうの!?」
橋に突入したとたん、みんな大騒ぎだね。
かなりの高所を通り抜ける橋だから、こっちの人でも初めて走れば「おおっ」とはなる。
ちなみに高橋さんの目標は、こんな橋をバンバンかけられるようにすること。
ちらっと見てみると、高橋さんもキラキラした目で橋をみている。
そして橋の中ほどから妙高市に入る。ここはもう、新潟だ。
出発して間もなく、新潟に突入しちゃっていたりする。
「こんどはどうくつです~!」
「うわー!」
「どうくつのなか、なんかひかってる~!」
そして信越大橋を渡ってすぐにトンネルだ。
みなさん洞窟だと思っているようで、大パニックに。
「あやー!」
「キャー!」
「すげえええ!」
その後も、かっとんでいくフルカウルのバイクを見ては叫び、対向車線を走ってくる大型観光バスを見てはキャッキャしたりとみなさん大はしゃぎだ。
出発して間もないのにテンション高すぎで、すでにゼーハー言ってる人もいる。
……これ、早めに休憩したほうが良いな。
一時間くらいしたら道の駅があるから、ちょっくら立ち寄ろう。
◇
「あ、あえ~……」
「おなかへった……」
「かっこいい……」
朝食抜きで大騒ぎしたため、みなさん力尽きたでござる。
出発して三十分でこれ。
メカ大好きの約一名は、もうそこらじゅうメカだらけで恍惚とした表情だけど……。
ハナちゃんとかはもう、ぐんにゃりして背もたれにもたれかかっている。
(のりもの、たのし~!)
神輿はぴっかぴか光っているので、神様は元気だね。
謎の声も楽しそうだ。
たまにカタカタゆれながら、特等席で外の風景を楽しんでいるっぽい。
「タイシ~……。むらのそとは、おもってたよりやばいです~」
「あんなにでかいたてもの、はじめてみた……」
「じどうしゃがあんなたくさんとか、ふるえる」
「おれのじまんのそうぞうりょくは、ただのもうそうりょくだったのだ……」
エルフたちの想像を絶する光景が連続したようだ。
まあ、村に持ってきた道具や設備は、必要最小限だからね。
機械や物、そして文字であふれた世界は、想像するのも難しいだろう。
同様に、エルフ世界を俺たちが想像するのもまた難しい。
なにせ彼らの住む惑星の公転周期すらしらないからね。
これから先、お互いそれぞれの世界をちょっとずつ理解し合う必要がある。
コツコツやっていきたい。
――それにしても、予想より早く燃え尽きたなあ。
休憩できそうなところは、もうっちょっと先なんだけどな……。
『燃え尽きたみなさま、もうちょっと先で朝食を食べる予定となっております』
「ちょうしょくです!?」
「ふっかつ!」
「なにをたべようかしら~」
……朝食の話が出たとたん、しゃっきっとするみなさんだ。
おなかいっぱい食べて、エネルギー補給してください。
――そして十数分後。
道の駅に到着。朝九時前なので一部のお店しか営業していないけど、休憩するには十分だ。
「みなさん、ここらで休憩しましょう。ただし、あっちの方にはいかないでください」
「あっちのほうは、ダメです?」
「またなんで」
休憩するにはするけど、行動制限は設ける。
だって、ここ幹線道路沿いだからね。
「あっちは自動車がガンガンはしっています。ほら今も」
「はやいです~」
「ぶおんっていってますね」
「でっかいじてんしゃみたいなのも、すごいはやさでとおっていくなあ」
結構な速さで車が走っていくけど、六十キロはでてるよね。
バイクとかは車体が小さいから、より速く見える。
「あれにぶつかったらどうなると思います?」
「……あや~」
「アレしますね」
「あわわわわわ」
俺の言いたいことは理解してもらえたようだ。交通ルールを叩き込まれていても危ないわけで。
なので、危ない所にはいかせないルールにするわけだ。
「休憩はこのバスの周辺とあの建物くらいの範囲でお願いします。とくにお子さんに気を付けてください」
「わかったです~」
「きをつけます」
「ゆだんたいてき」
みなさんきりりとした様子で、注意事項を受け入れてくれたようだね。
まあ、地球側の人間も見張りはするので、安全に過ごしてもらいたい。
それじゃ、ちょっと行動に制限はあるけど、ゆっくり休憩しましょう。
(おそと~)
そして神輿もほよほよとバスから降りてきて、外の空気を堪能している。
座席にすわってじっとしているのも、まあ疲れるからね。
……ん? 外に出ても乗り物に乗りっぱなし……。
うん、考えないことにしよう。
「ママー! なんか飛んでるー!」
「あらホント、なにかしら」
「なんだか光ってるね」
……あれ? なんだか周囲が騒がしいな。
一般客の親子連れが、なにかを指さして驚いたような顔をしているけど……。
「神輿が飛んでる?」
(およ?)
「今はやりの、ドローンってやつかしら?」
「ママー! あれ宇宙人だよー!」
(そうなの?)
――あ! ヤバい!
◇
(きれいないし~)
空飛ぶ神輿がちょっとした騒ぎになったけど、慌てて高橋さんから予備のアレな石を借りて事なきを得た。
神様の存在、ぼかすの忘れてたよ。危ない危ない。
神輿にアレな石を装着すると、もう神輿が飛んでいても気にする人は居なくなった。
こうかはばつぐんだ。
謎の声も綺麗な石をつけてもらって嬉しそうだし、これにて一見落着。
……たまにお子さんが、「あれ?」という顔で神輿を見ているけど……。
ごくまれに術があまり効かない人がいるから、その類かも。
ただまあ少数派なので、どれほど主張しても周りが信じないから問題は無い。
そう、何も問題は起きなかった。起きなかったのだ。
さて、何も問題が起きなかったので、気を取り直して朝食を買いに行こう。
「ママぁー! 宇宙人がこっちきたー!」
(ども~)
「これ、人様に指をさしたらダメよ?」
「空を飛ぶなんて、元気な子供だなあ。よし、パパも高い高いしちゃうぞ~」
「キャー! パパ高すぎるー!」
……何も問題は起きていない。そう、起きていないんだ。
◇
「おいしいです~」
「このぎゅうどん? というやつ、おいしいですね!」
「あじがこくていいわ~」
「あさから、ごうかだな~」
朝食はてっとり早く調達できる、牛丼になった。
というか、営業していて大勢の客に対応できるところがそこしかない。
あとは、大勢で押し掛けて他の客に迷惑にならないよう、持ち帰り出来るのも大きなポイントだ。
「神様のはこの特盛です。どうぞお食べください」
(ありがと~)
持ち帰り容器だから、神様が持っていっても問題がない。
こういう点でもいいね。
(おいしー!)
そしてぴかぴか光る神輿だ。神様の口にもあったようで、よかった。
「外で食べている人達は大丈夫かな?」
「外は高橋さんが見ていてくれてます」
「どれどれ……大丈夫そうだね」
窓から外を見ると、ベンチでも何人かが牛丼をほおばっている。
笑顔で食べているから、大丈夫だね。
「しかし、これはべんりだな~」
「つくえができるなんて、すてき」
「おれのじまんのもっこうざいくで、まねしようかな」
車内組のみなさんは、背もたれにある板を倒してちょっとしたテーブルを使っていたりする。
シートバックテーブルというやつで、これが付いているバスはなかなか無い。
みんなはこの部分がテーブルになるとは思っていなかったようで、使い方を説明して見せたら喜んでいた。
「ここに飲み物も置けますので、活用してください」
「べんり~」
「むぎちゃのもう」
「たくさんつくってきたわよ~」
狭い車内だけど、みなさんキャッキャと朝食を食べる。
おなかも膨れて、元気も出てきたみたいだ。
「これを食べ終わったら、一息入れてまた移動します。みなさん大丈夫でしょうか?」
「だいじょぶです~」
「げんきでてきました」
「ねむくなってきたわ~」
早起きしたうえ大騒ぎしたので、眠くなった人も何名かいるようだね。
腕グキさんも、あくびをしている。
「眠くなった方はお休みして頂いて構いません」
「そうするわ~」
「はい、これは毛布と枕です」
「あら~」
おねむしたい人用に寝具が用意してあるので、さっそく腕グキさんに貸出す。
受け取った腕グキさんは、嬉しそうに寝具にほおずりをしているね。
ゆっくりお休みください。
「すげえいたれりつくせりじゃね?」
「もうふとまくらもあるとか、すてき」
「おれのじまんのよめさんも、ねむたいみたいだ」
おなかが膨れて落ち着いたのか、うとうとし始めた人も何名か。
ゆっくり休んでもらおう。
そうしてしばらく休憩してから、また移動を始める。
やっぱり道中大騒ぎだったけど、それほど信号にもひっかからずに順調に直江津までこれた。
ここまで来たら、もうすぐそこに海がある。折角なので谷浜に寄り道して休憩だ。
長野県民が押し寄せる海といったら、まずはここ。新潟の最重要侵略地点だ。
……というか、たまに長野ナンバーの車で埋め尽くされたりする。
新潟のみなさん、ごめんなさい。
『これより海岸に向かいます。海を見て、少し休憩しましょう』
「きたですー!」
「うみだー!」
「ついにこのめで……」
海と聞いて、みなさんキャーキャー騒ぎ始めた。
さっきまでおねむしていた人達も、いつのまにか起きている。
「タイシタイシ! ほんとにうみ、あるです!?」
(うみ~!)
ハナちゃんが目をキラキラさせて聞いてきた。
待ちきれない様で、窓の外を見たり俺を見たりと、きょろきょろそわそわだ。
海と聞いて神様もテンションが上がったのか、またもやミラーボールに。
けっこう眩しい。
あとちょっと、ほんの少しで海だ。
さて、実際にその眼で海を見たら、どんな反応をするかな?
◇
朝日が照らす砂浜に、波の音が響く。
平日の朝の為か海水浴客の姿は見当たらず、海を堪能するのに絶好のタイミングだ。
「……これが、うみです?」
「とうとう……」
「……すてき」
(うみ~)
車内から海が見えた時点で、もうキャーキャー大騒ぎになっていた。
窓から飛び出さんばかりの興奮度合いだった。
でも、砂浜に降りたエルフ達は、静かに海を見てたたずんでいる。
神輿も、ほよほよ~っと漂っている。
「おもってたより、すげえな」
「ざざーっておとがするのね」
「みずがきたりひいたりしてて、ふしぎ」
ぽつぽつと海をみて思ったことをつぶやくみなさん、さっきの騒ぎがうそのように静かだ。
みんな、朝日にかがやく海岸を、うるうるした目でじっと見つめていた。
「タイシ~、タイシ~」
そうしてしばらく海を見つめていると、ハナちゃんがぽてぽてとやって来る。
「タイシ、これがうみです? ハナたち、ほんとうにうみ、みられたです?」
念願の海を見る事が出来たけど、まだちょっと信じられない様子のハナちゃん。
そんなハナちゃんに、みんなちゃんと見られたと告げよう。
「これが海だよ。みんなの努力のおかげで、ついに海を見られたんだ」
「あや~……」
すると、ハナちゃんの表情がどんどん明るくなってくる。
水平だった耳が立ち上がってきて、ぴこっと上向く。
そうしていっぱいいっぱい溜めたあと――。
「――やったです~! ハナたち、うみにきたです~!」
ハナちゃん、腕をいっぱいに広げてぴょんぴょんした。
ちいさな体いっぱいにあふれる喜びを、全身を使って表現しようとしている。
「タイシ~! ありがとです~!」
そうしてぴょんぴょんしていたと思ったら、ぴょいっと飛びついてキャッキャし始める。
よじよじ上って来たので、肩車をしてあげよう。
「たかいところからみると、またすごいです~!」
「めのまえに、あるんですね!」
「じっさいにみると、こみあげるものがありますね……」
ヤナさんとカナさんも、そんな大はしゃぎのハナちゃんと海を交互に見て、感極まっている。
一生懸命準備してきた苦労も、これで吹っ飛ぶというものだ。
「おれたち、ほんとにきたんだな!」
「ゆめがかなうとか、すてき!」
「うるうるしちゃう」
他のみなさんも実感が出てきたのか、キャッキャとはしゃぎ始める。
ぽかんとしていた顔が、だんだん笑顔になり、耳や目がせわしなく動き始める。
目の前に現れた雄大な水平線を、今度は実感を持って見始めたね。
「みなさん、せっかくだから波打ち際でちょっと遊びましょう」
「ぎゃう」
ただただ海を見つめていたエルフたちに、ユキちゃんが一つの提案をした。
泳ぐ準備はしていないから、海水浴はちょっときびしい。
でも、波打ち際で遊ぶ分には問題ないね。
海竜ちゃんも遊びたいようで、期待を込めたまなざしだ。
それじゃ、ちょっと遊びましょう!
「それはいいね。じゃあ波打ち際でちょっと遊ぼう!」
「タイシ、あそんでいいです?」
「もちろんだよ。靴を脱いで、はだしで波打ち際を歩いたりしよう」
「わーい! あそぶです~!」
「ぎゃう!」
(わーい!)
ハナちゃんさっそく靴を抜いて、波打ち際にてててっと駆け出した。
海竜ちゃんもぺたぺたとそれに続く。
神輿も波打ち際に沿って飛び始めたけど、空を飛んでるから波打ち際じゃなくても良いですよ?
……まあ、楽しんでいるなら良いか。
それより他のみんなにも、海を体験してもらおう。
「……ほかのみなさんもどうぞ、思う存分波打ち際で海を体験してください」
「たのしそう!」
「おれもやる!」
「わたしも!」
そうしてみなさん靴を脱いで、波打ち際に駆け出して行った。
ワーキャーと押し寄せる波から逃げたり、波を突っ切ったり。
楽しそうに波打ち際で遊び始める。
「タイシ~! ユキ~! いっしょにあそぶです~」
「ぎゃう~」
ハナちゃんが波打ち際でばっしゃばっしゃと走りながら、こちらに手を振っている。
海竜ちゃんは波をかぶりながら、そんなハナちゃんの後を楽しそうに追いかける。
せっかくのお誘いだから、一緒に遊ぼうか。
「それじゃ、ハナちゃんと一緒に遊ぼう」
「ええ、行きましょう」
ということでユキちゃんの手を引いて、ハナちゃんのほうに走る。
「えっ!」
波打ち際を疾走する極意を見せてあげようではないか。
「あや! タイシはやいです~!」
「ぎゃう!」
ハナちゃんと海竜ちゃんをあっというまに追い越し、ちょっと休憩だ。
砂浜はつま先で走るのがコツなんだよねこれ。
接地面積を小さくすると、足を砂に取られにくい。
「ふ、ふふふ……」
おっと、いきなり走らせたせいか、ユキちゃん真っ赤だね。
しかし抑え目に走ったけどついてこれるとは、なかなかの健脚だ。
ユキちゃん、かなり身体能力高いな。
「タイシ~、おいついたです~」
「ぎゃうぎゃう」
そうこうしているうちに、ハナちゃんたちも追い付いてきた。
さて、これからどうしようか。
「あ、あの……もうちょっと走ります?」
どうしようか考えていたら、ユキちゃんが手を差し出してもういっちょ走ろうかとのことだ。
こんどはハナちゃん達と一緒に、ゆったり走るかな。
「それじゃみんな、ゆっくり走るから一緒に行こう」
「あい~!」
「ぎゃう」
「ゆっくりですよ?」
こうして、少しの間みんなで波打ち際を堪能した。
まだまだ旅は始まったばかり。これからほとんどの間、海のそばだ。
思いっきり海を堪能しましょう!