第六話 足りない存在
みんみんとセミが鳴く中、今日は皆で花の蜜を採取することにした。
旅行の準備もあるけれど、こっちも早い方が良いからね。
これでもし良い値段が付いたなら、旅行をもうちょっと豪華にできるかもしれないし。
「それでは皆さん、このビンに花の蜜を集めてください」
「さっそくおはなをとってくるです~」
「いっぱいとるぞ~」
ビンを受け取って、早速森に行こうとする皆さんだ。
ただ、ちょっと作業には手順を設けたい。
「作業についてですけど、一つ手順を踏んでほしいです」
「あえ? てじゅんがあるです?」
駆け出したハナちゃんがキキっと止まって、こてんと首を傾げる。
そんなハナちゃんを抱えて、ヤナさんが戻ってきた。
「どんなてじゅんでしょうか」
「どうするです?」
抱えられたままのハナちゃんも興味深々のご様子で、耳がぴこぴこしている。
それじゃ説明しようか。と言っても、ごくごく簡単だ。
「蜜を採取するさいは、花を摘まないで欲しいんです」
「そうすると、さぎょうにじかんがかかりますけど」
「時間がかかっても問題ありませんよ。花を残しておけば、また蜜が採れたり、それが果実になりますから」
「なるほどです~」
そう、たとえ手間がかかっても、再生産できる方法を選択した。
こっちの方が、最終的に沢山の蜜や果実を得られる。
それに、綺麗な花が残る。
作業は大変になるけど、こっちの方が結局のところ森にも皆にも優しい。
「作業が大変になりますけど、私はそうする価値があると考えています」
「たしかにそうですね」
「きれいなおはな、のこしたいものね~」
「がんばるです~」
皆も納得してくれたようで、ありがたい。
それじゃ、早速森に行って作業を始めよう!
◇
森に入ると、あいかわらず涼しくて、そして静かだ。
みんみんというセミの鳴き声も聞こえない。
お昼寝するには最適だけど、今はその誘惑は振り切って作業をしなければ。
「では各自、作業をお願いします」
「おれはこっちであつめるわ」
「わたしも」
「じゃ、おれはこっちで」
「わたしもてつだうわ~」
作業開始の合図とともに、皆さんそれぞれ散開していく。
「タイシタイシ、ハナといっしょにこっちであつめるです~」
「あ、私もお手伝いします」
俺はどこで作業をしようかなと考えていると、ハナちゃんがぽてぽてやってきて作業のお誘いだ。
ユキちゃんも一緒してくれるようだから、三人で作業しようか。
「じゃあハナちゃんとユキちゃんと作業するよ。一緒に行こうか」
「あい~! いくです~」
ガラスビンを抱えて、元気にぽてぽてと採取ポイントに向かうハナちゃんだ。
俺とユキちゃんは、ハナちゃんの後をのんびりついていく。
「ここ、たくさんさいてるです~」
ハナちゃんが案内してくれたポイントは、確かに白い花がたんまり咲いている。
……というか、挨拶したらぽんぽんと花が咲いた、あの木だねこれ。
自分自身を埋め尽くさんばかりの満開っぷりだ。
「良い場所だね。それじゃ早速作業を始めよう」
「いっぱいあつめるですよ~」
「始めますね」
ハナちゃんは元気いっぱいで、早速白い花に手を突っ込んでいる。
……あ、もうビンの三分の一くらいを満たせている。なんという手際の良さ。
「ハナちゃん上手だね。凄いじゃないか」
「えへへ」
褒められて嬉しいのか、にこにこ笑顔で次の花に取り掛かっている。大変頼もしい。
俺も負けないようにしないと。
「大志さん、これで良いですか?」
「お、ユキちゃんも上手だね。それで問題ないよ」
「分かりました。この調子で進めます」
「頼んだ」
ユキちゃんも順調なようで、さくさくと作業を進めている。
じゃあ俺も始めよう。
二人では手が届かない高い位置にある花を見繕って、花弁の奥にある蜜腺にビンの口を当てる。
すると、するするとビンに蜜がたまっていくのがわかる。
……えらい量を蓄えてるな、この花。
「……この花、凄いな」
「はいをまくと、どんどんみつをだすです~」
ハナちゃん、アンダースローの動きで灰を撒く仕草をしている。
割とダイナミックな撒き方だね。その握りは、スライダーかな?
良いピッチャーになれそうだ。
……それはそれとして。
どうやらこまめに灰を撒いてくれているようだね。
「こまめに撒いてくれてるのかな?」
「あい~。ひまをみつけては、はいをまいてるです~」
「ハナちゃん偉いね。なでなでしちゃおう」
「うふ~」
無事ハナちゃんをたれ耳にしたところで、作業続行だ。
しかし、沢山蜜があるとはいえ、一つ一つ集めるのは大変だな。
これも環境の為だから、しょうがないと言えばしょうがないけど……。
そうして黙々と作業して一時間程で、なんとか蜜は集まった。
「あや~。つかれたです~」
「一つ一つ、丁寧に集めると結構大変ですね」
ハナちゃんお疲れモードで、ユキちゃんも汗をかいている。
屈んだり中腰になったりと、作業は結構キツいかもしれない。
花を探して、見つけたらそっと作業をする。これは中々の重労働だ。
蜜がたまればビンも重くなるし、結構腕力もいるね。
「……こうするしか無いとは言え、もうちょっと作業効率を考えたほうが良いかな」
「養蜂なら、効率的ですよね」
確かに養蜂という手はあるね。
花を損なわずに、かつ効率的に花の蜜を集めるならそれしかない。
しかし、俺は養蜂の経験はないわけで。
何も考えずにやったら、ほぼ失敗するね。
「養蜂は良い手だと思うけど、経験者が誰もいないから厳しいかも」
「あ~……そうですね。私も何をすれば良いのか、さっぱりです」
何事もチャレンジだ! という精神で挑戦するという事も必要だけど……。
生き物を扱うから、ちょっと出たとこ勝負は避けたいな。
「タイシタイシ、ようほうってなんです?」
ユキちゃんとハチミツについて無理っぽいねと話していると、ハナちゃんがクイクイとズボンのすそを引っ張って聞いてくる。
……そういや、エルフ達はハチミツの利用とかしてたのかな?
そもそも、ハチみたいな昆虫とかいたのだろうか?
「……こっちにはハチっていう、花の蜜を集めてくれる虫さんがいるんだ。その虫さんを自分たちで育てて、蜜をもらうのが養蜂だよ」
「あや! ハチさんをそだててみつをもらうなら、ハナたちもやってたですよ~」
おっ! エルフ達も養蜂をやってたのか!
それなら話は早いな。
というか、こっちでも一万年前から養蜂はやってたわけで。
ハチが居て花があれば、普通に思いついて実行できる産業なんだろう。
「そのハナちゃん達もしていた、ハチさんを育てて蜜をもらう方法をやろうかなと思ったんだけど……」
「私達は養蜂をしたことが無いので、難しいかなって話をしていたの」
「なるほどです~」
ハナちゃんすっきり顔だ。エルフ達も養蜂をしていたそうだから、ほぼ説明いらずだね。
あ、そうだ。
エルフ達が養蜂を知っているなら、だれか経験者が居るんじゃないだろうか。
こっちのハチとあっちのハチがどう違うかわからないけど、それも聞けるよね。
ちょっと聞いてみよう。
◇
「このなかじゃ、だれもやったことないんじゃね?」
「わたしも、ハチさんをそだてたことはないですね」
「それができるひとは、あっちのもりにいっちゃったわ~」
残念なお知らせ。
地球人側にもエルフ側にも、養蜂経験者はいませんでした。
「でもたしかに、みつをあつめるならそれがいちばんですね」
「とは思うのですけど、経験者がいないとなると……」
「むりっぽいです~」
「むりだな」
「なかよくならないと、みつをもらえないわ~」
仲良くならないと、蜜をもらえない?
……よくわからないけど、なんか難しそうだ。
やっぱり、出たとこ勝負でやるのは無理だな。
「……あきらめて、手で集める作業を続けますか」
「そうですね。ハチさんはこわがりなので、すぐにげちゃいますし」
「やめとくのがいいべな」
他の皆も、乗り気じゃないね。俺も同じだ。
ここは一つ、あきらめましょう。
ということで、この話は終わり。
今は何も出来ないから、考えるのは後にして作業を再開しよう。
「それじゃ養蜂はあきらめて、作業を再開しましょうか」
「そうしましょう」
「あきらめが、かんじん」
「そもそも、ハチがいないじゃん?」
「んだんだ」
皆も結論が出たので、各々作業を再開するため持ち場に戻っていく。
さて、俺も作業に戻ろう……か?
――あれ?
なんか今、凄い引っかかったぞ?
今、ものすごい――違和感があった。
今、彼らは何と言った?
「――ちょっと待ってください! 今言ったことをもう一度!」
「お、おう……?」
「タイシさん、どうしたの?」
「いまいったこと? なんだっけ?」
あわてて皆を呼び止める。
皆困惑した様子だけど、この違和感を放置は出来ない。
「今皆さんが言ったことで、凄く大切な事があったように思うんです」
「そお?」
「そうなんです。なので、思い出してほしいなと」
戻ってきた皆は、今言ったことを思い出そうと、うなったり首の後ろをトントン叩いたりしている。
でも、首の後ろを叩くのは、多分使いどころが間違っていると思う。
「えっと……はちみつおいしい、だっけ?」
「そんなかんじ?」
違う感じ? というかそれ、さっき言ってないと思う。
「あ~。あきらめがかんじん?」
「それはありましたね。あと他には……」
ようやく出てきた。あとは……。
――とその時、マイスターがつぶやいた。
「ハチがいない、だっけ?」
これだ!
これが違和感の正体だ!
そう、そもそもハチが居ない。
この森には、植物とエルフ達それと動物たちしか居ない。
それはそれで賑やかだけど、これがおかしい。
そもそもハチが居ない。
確かにそれはそうだ。
この森では、一度も見たことが無い。「この森」では。
でも、森の外にはハチが居るんだ。
なのに、この森では見たことが――無い。
これだけ花が咲いているのに、ハチが、居ない。
――変だ。
なぜだ。これほど花が咲いていて、蜜も沢山出ている。
なのに森の外に居るハチたちが、やってこない。
そしてその点に気が付くと、さらに違和感を見つけてしまう。
「ねえユキちゃん」
「はい? 何でしょうか」
「この森さ、虫が居なくない?」
「……そういえば」
そう、この森には、虫が――居ない。
あれだけ元気にセミが鳴いているのに、この森の中ではセミの声を聴くことも無い。
外にはちょうちょが飛んでいるのに、ここには居ない。
他にも沢山、沢山――外には、虫が居るのに……。
この森に一番詳しい、マイスターにも聞いてみよう。
「すいません。この森で、虫を見たことって、あります?」
「……そういやないな。いままでいちども」
「あっちにいた頃は、虫は居ました?」
「おう。たくさんいた。おしりをかじるむしもいたぞ」
お尻をかじる虫? 何それ怖い。
それは置いておいて。
しかし、これで確定した。
この森には、地球生まれの虫は入ってこない。
――入ってこれない、のかもしれないけど。
そして、あっちの世界の虫も居ない。
それは多分、運んできていないからだ。
ハナちゃんが運んできた種は、森を作った。でも、植物だけだった。
その後、フクロイヌがキャリアとなって動物達がやって来た。でも、動物だけだった。
必要な要素が勝手に集まってきていたかのように思っていたけど、そうじゃない。
誰かやなにかが努力して、運んでこないといけないんだ。
そして運んできてもらえないなら、ずっと欠けたまま。
森に必要な要素は、そろわない。
「タイシ、むしさんがいないのは、もんだいです?」
「そうそう、むしがいないと、なにかこまるの?」
ハナちゃんとマイスターが、虫の必要性について聞いてきた。
他の人たちも、首を傾げている。
……どうやらエルフ達はまだ、虫の重要性という点について研究が進んで居ないみたいだな。
まあ、この辺は生態系全体を観察する必要があって、それはこっちの文明ですらちょっとしか出来ていない。
殆ど分からないことだらけ。自然というのは、それほど複雑だ。
でも、分かってきていることもある。
今彼らの目に前にある「それ」は、虫がどうしても必要だったり、とか。
このあたり、軽く説明しておこう。
「……こういう花は、虫が居ないと果実を付けられません」
「あえ? むしさんいないとだめです?」
「まじで?」
この白い花の構造は、まさに虫媒花のそれだ。
虫に花粉を媒介してもらわないと、実を付けられない。
だから、虫に来て貰うために目立つように花を咲かせ、さらに甘い蜜を出すわけだ。
「こういう蜜を出す花は、だいたいは虫さんに花粉を運んでもらう必要があるんだ」
「ひつようあるです?」
「花粉を他の花に持って行かないと、色々不都合がでちゃうんだよ」
「あや~。むずかしいです~」
これ以上は授粉や遺伝子や、雌雄とかの難しい話になってくる。
なんで雌雄に分かれる必要があるのか、いちいち他の遺伝子と半分こする必要があるのか、とか。
そのへんは今話してもしょうがないな。
ここは、可愛らしい感じにふわっと説明しとこう。
「まあ、この花粉を他の花に届けないと果実が作れないんだ。ただ、花は動けないわけで」
「うごけないから、むしさんにとどけてもらうです?」
「そうそう。そのお礼に、蜜を出すんだよ」
「もちつもたれつです~」
ホントは違うけど、なんとなく必要性は理解してもらえたようだ。そう、持ちつもたれつ。
お互い助け合ってるってわけだね。
そして、ふわっとだけど理解できたハナちゃんや他のエルフ達は、興味深そうな目で花を覗き込み始めた。
「みつをだすのって、そういういみがあったんだ」
「きにしたことなかったな」
「ふしぎ~」
この森には風媒花もあるだろうけど、この白い花は虫が必要だ。
というわけで、虫が居ないこの森では、受粉が出来ない。
受粉が出来ないと言うことは、果実が実らない。
……まだまだ森に必要な大事なものは、足りなかったんだ。
これは、養蜂がどうとかそういう話じゃないぞ。
花粉を媒介してくれるような虫を連れてこないと、花が咲いただけで終わってしまう。
この白い花については手作業で蜜を採取したから、ある程度受粉は出来たと思う。
でも、人の手で出来る範囲だ。
そして、白い花以外の虫媒花は、受粉が出来ないまま。
全体を見ると、手作業じゃどうにもならない。
この、森としては大きくない範囲ですら、手作業じゃ無理だ。
これは、何とかしないと。
とりあえず、そういった虫を手に入れられる方法としては……。
あっちの森から持ってきてもらう、だな。
俺たちでは、この森に必要な虫を入手することは出来ないから。
「……あっちの森の人達にお願いして、ハチとかちょうちょを持ってきてもらいますか」
「できますかね?」
「聞いてみないとなんとも……。ですけど、虫が居ないと困りますね」
ついでに養蜂に詳しい人も連れてきてもらうとか。
そうすれば、受粉の問題と蜜採取の問題を一気に解決できるかもしれない。
さらに、受粉が出来れば「とろけるほどおいしい」という果実も得られるかも。
……物流改善に乗り出して良かった。
そうでなければ、あっちの森に頼ることも出来なかっただろう。
ハチの導入が上手くいくかは別としても、試みる事は出来る。
これも、移動がある程度気軽になったからこそ出来ることだ。
今度は、あっちの世界に助けを借りることになる。
持ちつ持たれつというロジスティクスの本領、とうとう発揮することになるぞ。
「あっちの森からの観光客が来られたら、話をしてみましょう」
「わかったです~」
「おてつだいしますね」
「おれも、はなしをきいてみるよ」
「わたしも」
皆さん協力的だね。これは、何とかなるかもしれない。
旅行が終わった後の話になるだろうけど、重要課題が出来たな。
しかし、皆が海に行きたいと言い出さなかったら……。
この隠れた問題に、気づけなかったかも。
予算獲得のためにあらたな試みをしたことで、思わぬ課題が浮かび上がってきた。
やっぱり、なんにしても動いてみるもんだな。新たな発見が出てくる。
森に元気がでて、花が咲いたことによりいろいろな事が動き出した感がある。
灰を撒く、ただそれだけの行為が、ブレークスルーにつながった。
虫を導入するのが成功するかもわからない。
そして、それが成功したとして森が元気になるかもわからない。
でも、一歩一歩進めよう。
いつか森が完成することを目指して、こつこつと。
「もうちょっと待っててね。虫さんをつれてくるから」
とりあえず、やっぱり手ごろな木に声をかけてみる。
さて、前みたいに、また花が咲くかも――。
――と考えていたら、「ぽとり」と何かが落ちてきた。
こぶし大の真ん丸で、白地に緑の唐草模様がついた、なにか。
……なんだろ? これ。
「あやー! おいしいきのみ、おちてきたです~!」
「キャー! ひろうのよ~!」
「とろけるやつ、きたー!」
落ちてきた唐草模様のまん丸を見て、エルフたちはもう――大騒ぎになった!
キャーキャー言いながら、まん丸唐草模様の何かを拾い始める。
どうやら、これが例の「とろけるようにおいしい」果実のようだ。
「きれいなもようがでてるです~!」
「これは、おいしくみのってるぞ~!」
「ひろうべし! ひろうべし!」
大騒ぎしている間にも、「ぽとり、ぽとり」と果実が落ちてくる。
――白い花の咲いている木から、落ちてくる。
花が咲いたままの部分と、果実が出てきた部分ははっきりしているね。
エルフ達の手が届かないところは、白い花が、咲いたまま。
そして、俺の手が届いたところ、一番高いそこにも……果実が出来ている。
これは、あれだね。
俺たちの作業によって――受粉、出来たんだ。
受粉が出来たから、果実が出来たんだ。
やっぱり、花粉を媒介してくれる存在は――必要なんだ。
「また一つ、分かったね」
「私には、何が何だか……」
ユキちゃんはこの事態について来れないようだけど、後で説明しておこう。
次に必要な物、見つけたよって。
「教えてくれて、ありがとね」
声をかけると、また「ぽとり」とおちてくる。
やっぱり、森が返事をしてくれたのかな?
それじゃ、今すぐには無理だけど、待ってて欲しい。
きっとなんとか、するから。
「おいしいです~。タイシもたべるです~」
「これたべるの、ひさびさだわ~」
「シャクっとしてるのに、とろける~」
「うめえ~」
……皆さんもう食べてるけど、ちょっとはロマンに浸らせて下さいよ。
台無しですよ。今、良い場面なんですよこれ……。
しかし、ハナちゃんはもう顔がとろんとしていて、耳でろ~んだ。
……そんなに美味しいの?
「それ、そんなに美味しいんですか?」
「ふわっふわです~!」
「あまいわ~」
「それでいて、しつこくなく。かといってうすあじでもなく」
「とってもまろやか」
……。
――俺にも、一つ下さい!