第十二話 旅立ち
燻製を食べ卵料理を食べ、お酒もすすみひとしきり騒いだ。
そしてエルフの皆さんの興味は、子猫亭の仕出し料理の方に移る。
ごくありふれたパーティープレートだけど、子猫亭の仕出し料理は美味しい。
うちも年末年始や祝い事などのときは、子猫亭に注文する。
これは知る人ぞ知る、隠れたメニューである。
知る人ぞ知るというのは、仕出し料理は商売としてやると大変らしく、親しい知り合いにだけサービスとしてやってくれるからだったりする。
ありがたい事だ。
「タイシタイシ、これなんです?」
パーティープレートを見たハナちゃんは、好奇心いっぱいの目でエビフライを指さしている。
そういや、天ぷらはやったことがあるけど、フライは今までやったことは無かったな。
どちらも揚げ物だけど、味は全然違うからね。
「これはエビフライといって、天ぷらみたいに食材を油で揚げたものなんだよ」
「えんびふらいです?」
うめもんせ。
……三浦哲郎ネタは良いとして、とりあえず食べてもらおう。
揚げ物だから、元の食材に多少クセがあっても美味しく食べられるはずだ。
「エビフライだよ。まあまあとりあえず食べよう。自分はこれ、好きなんだよね」
「タイシがすきなおりょうりです!? ハナもたべるです~!」
俺がエビフライを食べるのを見て、ハナちゃんもサクっと一口かじった。
そしてもぐもぐする。
「――……」
……あれ? ハナちゃん無言で食べ始めた。
サクサクと食べていくけど、食べる速度は結構早い。
……二本目に行ったな。
お代わりをするってことは、お口には合ったのかな?
「ハナちゃんどうしたの?」
「――はっ! おいしすぎて、むちゅうになったです!」
「美味しかった?」
「あい~! これはおいしいです~!」
ハナちゃんエビフライがお気に入りになったようだ。たんとお食べ。
でも、揚げ物だからそんなにたくさんは胸やけするよ?
「なぞのりょうり」
「ハナちゃんがむごんになるうまさ」
「たべてみよう」
ハナちゃんの様子を見ていた他に方々も、恐る恐るエビフライを口に運んでいく。
そして――。
「……」
「……ハナちゃんがむごんになったいみ、わかった」
「なんだこれ、うめえ」
「このうえにかかってる、しろいやつがばつぐんにうめえ」
――そういや海産物を食べるのは、これが始めてか。
沢山お食べください。
タルタルソースが特にお口に合ったようで、皆言葉少なげにもぐもぐとやっている。
「このみどりのやつもうまいな」
「あ、それは中身を食べるんです。ほら、こうやって手で中身を出すんですよ」
「そうなんだ」
マイスターが枝豆を皮ごと食べているけど、中身を食べてね。
◇
「ああ~めがぐるぐるする~」
「よっぱらっちゃったわ~」
「う~い」
そして宴が進むにつれ、お酒を飲む組はどんどん酔っぱらってきた。
ほろ酔いから千鳥足まで、さまざまな酔っ払いが出現する。
「タイシタイシ、このきいろいのみもの、おいしいです~」
「あまい~」
「おいちー」
お酒を飲まない人達は、持ってきたジュースでのどを潤している。
酔っ払い組の中には、焼酎とジュースを割って独自にカクテルを作っている人もちらほら。
教えなくても、美味しい飲み方を自分たちで編み出しているな。
「大志さん、そろそろアレやりましょうよ。おやつのアレ」
酔っ払いたちを眺めていると、ユキちゃんがホットケーキミックスを持って提案してきた。
そうだな。そろそろ宴も後半に入って、お酒を飲まない人達はおやつが欲しくなる頃だろう。
それじゃいっちょ、焼いて貰いましょう。
「もう準備はしてありますので、あとは生地を作るだけですよ」
「お、手際がいいね。それじゃ生地を作って、分厚いホットケーキを焼こう」
「分厚いホットケーキなら任せてください」
ユキちゃんがいそいそと生地を作り始めたので、俺は特に手を出さずに見守ることにする。
もうガスコンロやらフライパンやらは準備してあるからね。やることが無い。
……しかし、ユキちゃん妙に張り切ってるな。
ホットケーキにこだわりがあるのだろうか。
「あえ? ユキなにしてるです? おりょうりするです?」
「そうよハナちゃん。これから皆のおやつを作るの」
「あや! おやつです! たのしみです~」
ユキちゃんがおやつを作るというと、ハナちゃん大喜びになった。
興味津々な様子で、準備をするユキちゃんの手元を見ている。
「たまごをいれるです?」
「そうだよ。卵はお菓子を作るときにも使えるの」
「たまごがはいったおかしです!? たべたいです~!」
ユキちゃんが卵や牛乳を入れて生地を作る様子を見たハナちゃん、卵でお菓子が作れるとあって大喜びだ。
まあ、皆気づいていないだけで、駄菓子屋のお菓子にも卵が入っている物はあったりする。
今度教えてあげよう。
「なになに?」
「おやつだって」
「いまからつくるの~?」
そして、おやつと聞いて子供たちもテトテトと集まってきた。
可愛い子供に囲まれたユキちゃんは、にこにこして嬉しそうだ。
……なるほど、これが狙いだったのね。
「皆見ててね、美味しいおやつを作るから」
「みるです~」
「どんなおやつかな~」
「はやく! はやく!」
子供たちに急かされる中、ユキちゃんはガスコンロに火を入れて加熱し始める。
じわじわと加熱されるフライパンに、子供達は待ちきれない様子だ。
「これから作るのはホットケーキって言ってね、甘くてふわふわのお菓子だよ」
「まちきれないです~!」
「ふわふわだって」
「まだかな~」
さすがに子供たちも、ユキちゃんには登らないようで、おとなしく周りを囲んでいる。
まあ、料理中だからね。お料理の邪魔をしない良い子達だ。
「これから焼くから、良く見ててね」
「いよいよです~」
「どんなおかしかな! どんなおかしかな!」
「とうとうくる~」
温めたフライパンに布巾をかけているな。何かのコツなんだろうか。
そしていったん冷ましたところで、いよいよ調理開始だ。
「まずはまあるく、輪をつくりまーす」
ドーナツ状に生地を垂らして、蓋をした。
「まだかな~」
「これが大事なの。もうちょっとまっててね」
そうしてしばらく待った後、蓋を開けて様子を確かめ、こんどは輪の中に生地を流し込んでいく。
「もう直ぐだからね」
「いいにおいです~」
「わあ」
「あまいにおいがする~」
ホットケーキに火が通っていくと、甘い香りが漂う。
子供たちは、固唾を飲んで見守り始めた。
「ここで裏返して、もう少し待ちまーす」
ひょいっとホットケーキを裏返し、また蓋をする。
手間かけてるなー。
「はい、出来ました!」
ユキちゃんがお皿に置いたホットケーキは、確かに分厚い。
手間かけただけあるな。
そして、バターを載せてメープルシロップをドバドバかけていく。
「ほら、皆で分けて食べてね。これからどんどん焼くから、慌てなくても良いよ」
「おいしそうです~」
「いいにおい~」
「たべよ、たべよ」
ホットケーキとプラスチック製のケーキナイフを渡された子供達は、仲よく切り分け始めた。
「あまくてふわふわです~」
「おいちー!」
「すごいね、すごいね」
子供たちはとろ~んとした顔で、ユキちゃん特製のホットケーキを食べていく。
ハナちゃんとかはもう、とろんとした顔でエルフ耳がでれ~んと垂れているね。
……そんなに美味しいんだ。
チョコレートを初めて食べたとき並の、でれでれだ。
「どんどん焼くからね」
「もっとたべるです~!」
「おねえちゃん、はやく、はやく」
「もっと~!」
子供たちにせがまれて、ユキちゃんは嬉しそうだ。
いそいそと次のホットケーキに取り掛かっている。
「なにあれ」
「おいしそう」
「たべたいな」
子供たちの騒ぎを聞きつけて、酔っ払い組の皆さんも集まってきた。
甘い匂いが周囲に広がっているので、引き寄せられたようだ。
「どんどん焼きますねー」
「わーい!」
「みたこともないおかしとか、すてき」
「このあまいかおりがたまらん」
甘い物大好きな皆さん、目を輝かせてホットケーキが焼ける様子を見守っている。
催し物としても、おやつとしても良い物になったな。
しかし、やっぱり女手があると違うなあ。
これが、俺とか親父とか高橋さんとかの男だけでやってたら、今頃「肉! 酒! 肉! 泥酔! 酒が飲めない人は水!」という地獄絵図になっていた可能性がある。
……危ない所だった。
「ユキちゃんが居てくれて良かったよ。男だけで企画してたら、今頃泥酔者だらけの地獄絵図になるところだった」
「え? 地獄絵図? ……お役に立てて良かったです」
ユキちゃんはちょっと顔を赤くした。照れたかな?
でもまあ、正直な所女手が無かったら色々まずかったな。
協力してくれるユキちゃんも、彼女をよこしてくれたお婆ちゃんにも感謝だね。
そしてそのユキちゃんはさっきから安定した品質で焼き上げている。
これは、相当慣れているな。よく家でも焼くのだろうか?
まあ、生地もまだまだ沢山あるから、皆の分を焼けるだろう。
……と、皆の分と言えば――。
「――そうだユキちゃん、神様用にも一枚作ってくれるかな」
(いいの!?)
「神様用ですね。わかりました。せっかくだから二枚重ねにしちゃいましょう! なんたって神様用ですから!」
(やたー!)
嬉しそうな謎の声と共に、カラコロとどこからかお皿が現れた。
……盛り付けはこのお皿にすればいよね。
「……大志さん、そのお皿……突然目の前に出てきませんでした?」
「出てきたね。神様用の食器なんだけど」
「そういうのって神器とか言いません?」
「そうかも。なんかピカピカしてるし」
よく見ると光っている。言われてみれば、神器っぽいね。
「……神器をこんなに手軽に扱っても良いのでしょうか……」
「良いんじゃない? そのための食器だから、気にすることないよ」
(きにしない~)
謎の声もそういっているから、問題ないよね。
「なんだか緊張します……」
「気楽に行こう、気楽に」
ユキちゃんはまだこの気さくな神様に慣れていないけど、そのうち慣れるかな。
なにせ、結構思うがままに行動してるぽいからね。
「気さくで優しい神様だから、緊張することはないよ」
(それほどでも~)
「そう言うものでしょうか……」
謎の声もそういっているから、大丈夫だろう。
「あれ? ここに置いといた酒どこ行った? 大志知らない?」
(おこめのおさけ、おいしー)
あ! 日本酒も持ってってる!
高橋さんが置いておいたお酒を探しているけど、もう神様が飲んじゃったね。
……日本酒そのものや日本酒造りは神事と密接に関連してきた歴史があるから、相性が良いのかも。御神酒とかあるからね。
コメだって、神道では神聖な植物なわけだから、もしかしたら神様とコメ自体が相性良いのかもな。
じゃあこれとかどうだろう。純米大吟醸だ。
徳利に純米大吟醸を注いで、お猪口と並べて……と。
「あえ? タイシそれなんです?」
「神様にお勧めのお酒を用意してるんだよ」
(おすすめ? なになに?)
ピカっと光って徳利とお猪口が消えた。
さて、気に入ってくれるかな?
(お、おお! ちからみなぎる~!)
「みなぎってるです?」
……あれ? 効果出過ぎた?
◇
「そろそろ夜中です。皆さんお酒やおつまみ、おやつ等を持ってワサビちゃんを見に行きましょう」
良い時間になったので、そろそろワサビちゃんの開花と種まきを見に行くことにする。
月に一度しか見られない貴重な光景を、お花見イベントにしちゃおうと思ったわけだ。
宴会をしながら見るワサビちゃんの花と、ほのかな光に包まれながら流れる愛の歌。
素敵なイベントになるだろう。
「おお! いきましょういきましょう!」
「すごいってきいてるから、たのしみかな~」
「どんなめずらしいものが、みられるかしら」
「きいたはなしでは、すごいそうですね」
まだワサビちゃんの開花を見ていない平原の人達と元族長さん、いそいそと準備をし出す。
「それでは、わたしたちもいきますか」
「ワサビちゃん、みにいくです~」
「ひさびさだな~」
他の皆さん達も、思い思いの食べ物や飲み物を携えてワサビちゃん農園に向かった。
ワサビちゃん農園では、ソーラー式LED街灯に照らされて、ワサビちゃんが思い思いにくつろいでいた。
「ほんとにあるきまわるんですね……」
「くつろいでるかな~」
「……なんだかいろっぽいかたちですね」
「わたしのしってるざっそうより、なんだかおっきいきがしますが……」
ワサビちゃんが動き回る様子を見て、皆さん唖然としている。
でも、まだまだこれからですよ。
「大志さん、カメラはここで回せば良いですか?」
「うん、そこで良いと思う」
「ではここで固定しますね」
ユキちゃんが三脚にカメラを設置して、定点撮影の準備を始めた。
動画を撮影して、おばあちゃんに見せたいそうだ。
しかしまあ、ゴツいカメラだ。どこの機種かな……って。
……あれ? それってまさか――REDの8Kカメラ!
プロ用機材じゃないか!
「ユキちゃん、そのカメラ……」
「あ、気づきました? おばあちゃんの私物を借りて来たんですよ。趣味らしくて」
「……それ、趣味のレベル超えてるから。車買える値段だよそれ?」
「ちなみに二十四回払いで買ったそうです」
「ローン組んでまで……」
加茂井さんちのおばあちゃん、デジモノ好きなのかな?
……まあ、とんでもない機材を貸してくれてありがとうだな。
良い映像が録れそうだ。
「あっ! はじまるです!」
そうして準備を整えながら待っていると、ハナちゃんがワサビちゃんを指さした。
それと同時に、ワサビちゃんが集まり始める
「ぴ」
「ぴぴぴ!」
「ぴー!」
……また三角関係で揉めてるよ……。
「ぴ~」
「ぴぴぴ~」
「ぴ~ぴぴ~」
そして、愛の歌が始まり、開花と、幻想的な光景が展開されていく。
「……」
「すごいかな……」
「こんなこうけい、はじめてみました……」
「まさか、あのざっそうがこんな……」
言葉少なげに見守る元族長さんと平原の人達だ。
ユキちゃんも、無言でこの光景を見守っている。
でも、その目はキラキラしているので、この光景に感動しているようだ。
「いいものですね」
「きれいです~」
「いつみても、すげえな」
他の皆さんも、お酒をちびちび飲んだり食べ物を食べながら、ワサビちゃんの花見を楽しむ。
宴の締めくくりとしては、良いイベントになったな。
そうして皆で、ワサビちゃんが種を蒔いて脱皮するまで見守ったのだった。
――ただ、俺には一つ気になることがある。
ワサビちゃんがばらまいた種は、まだ一つも発芽していないのだ。
森の実りが少ない件と合わせて、気になるところではある。
この辺も解明しないといけない謎、なのかもしれない。
◇
――宴の翌日、とうとう別れの日になった。
皆で洞窟の前に集まり、元族長さんと平原の人達を見送るために、皆で洞窟の前に集まる。
「たくさんおせわになりました」
「たのしかった~」
「またきますので、そのときはよろしくおねがいします」
平原のお三方は、沢山のお土産をもってホクホク顔だ。
特にお母さんと娘ちゃんは、ユキちゃんから渡された特製化粧水にニコニコしていた。
そのお土産、向こうで思いっきり活用してください。
ちなみにまだ化粧水は量産出来ていないので、村の女性陣には少し待って貰うことになっている。
「わたしも、たすけにきたはずがおせわになってしまって、もうしわけないというか、すごいたのしかったというか……」
そして元族長さんは複雑そうな感じだけど、結論としては楽しかったで良いみたいだ。
こちらも沢山の食糧を頂けたので、とても助かった。
この食料、有効に活用していこう。
その元族長さんは沢山の塩を積んで、こんどはあっちの森を助けに行く。
部族の長をやっていただけあって、責任感が強いお人だ。
こっちにも助けに来て、あっちにも助けに行く。見習いたい姿勢だ。
「元族長さんも、またちょくちょく塩を取りに来てください」
「ええ。ちょくちょくきます。おんせんにもはいりたいですから」
元族長さんはすっかり温泉が気に入ったようだ。
塩の援助が一通り落ち着いても、ちょくちょく来てくれるだろうな。
この村の住人では無いけれど、仲間が増えたので嬉しく思う。
「それと、こんなにおさけをわけていただいて、ありがたいです」
「めずらしいおさけばかりだから、みんなでだいじにのみます」
これから旅に出る皆さんの餞別にと、お酒を大量に用意させてもらった。
水や果実で薄めて飲め、扱いやすいという考えから焼酎にした。
もっと強いお酒にすれば持ち運ぶ量も減らせるのだけど、そういうお酒は度数が強すぎて危ないので、ちょうどいい具合の焼酎が一番なんじゃないかという点もある。
「それでは、そろそろいきます」
「またくるね~」
「たくさんしゃしん、とってきます」
「ばう~」
平原の皆さん、そろそろ行くようだ。
「それではわたしも、もりにかえります」
「ばうばう」
「ば~う」
「ばう~ん」
元族長さんとフクロオオカミたちも、一緒に行くようだな。
皆が俺の方を見ているので、俺が代表して送る言葉を述べよう。
「皆さんとの出会いはこちらも実りが多く、とても素敵な出会いでした。村はいつでも皆さんを受け入れますので、また遊びに来てください」
「まってるです~」
「またきてね」
「のみかいやろう!」
俺に続いて、村の皆さんもそれぞれ声をかけている。
「それでは! またあいましょう!」
「またね~!」
「さいかいをたのしみにしています!」
平原の人たちが手を振りながら、洞窟の中に入って行った。
「それでは、わたしもいきます。またいずれ」
元族長さんも平原の人に続いて、洞窟に入って行く。
「もとぞくちょうも、またくるです~!」
「きをつけてね」
「まってるべ~!」
彼らが見えなくなるまで、村の皆はずっと手を振っていた。
そして、賑やかだった村が――ちょっとだけ寂しくなったのだった。
◇
「いっちゃいましたね」
「さみしくなるな~」
「またくるっていってたから、そんときをまつべ」
名残惜しそうに洞窟を眺める皆さんだけど、そろそろ村に戻ろうか。
「皆さん、名残惜しいですけど、そろそろ村に戻りましょう」
「そうですね」
「かえるです~」
「そうすべそうすべ」
そろそろ梅雨が本格化するから、その間出来ることをやらないとな。
ロジスティクスや地図作製は、平原の人達や元族長さん達の活動次第だ。
これはしばしの間、結果待ちとなる。それまでは、村の仕事に注力しよう。
さて、次はなにをやろうかな?