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第1話 カフェ

 小説家になろう初投稿のため誤字脱字などあるかもしれませんがよろしくお願いします。

俺は去年、長年の夢だった自分のカフェを手に入れた。調理師免許の取得、店の開店資金、その他諸々、正直赤字だ。


 調理師免許に関しては別に取らなくてもいいらしいが気休めにはなるし料理を作るのは嫌いじゃないから必要な出費だったと俺は思ってるけどな。それにいろいろあって縁が切れかかっている実家がほぼ全額負担してくれてるから俺へのダメージは限りなくゼロに近い。


 しかし状況はまさに、火の車といったところだろう。といっても客がいない訳ではなく、少ないのだ。理由は、近年のコンビニの普及などたくさんあるが、一番の原因は、他所の店と大きな変化がないことだろう。


 それにここは片田舎、食事に金をかける人間が都会に比べて少ないのも事実だ。


 しかし俺はならばそれをチャンスにと、極力地元の野菜やらを使って料理を作ってみたが、あまり効果もなく今も店内には客がたった一人しか居ない。しかも決まって訪れる常連さん。新規の顧客獲得は大きな課題になるだろう。


 しかし、お客さんが少なければそれだけ一人にかけられる時間が増えるから接客なんかは凝ってたり、チェーンではできないような対応なんかもできるから一概に客が多いほうがいいとも言えないのだが……


「お客さん、ご注文はお決まりでしょうか?」

「じゃあナポリタン下さい、それとコーヒー」

「はい、いつものですね。かしこまりました」



 ナポリタン。メニューには「当店自慢のナポリタン」と書いてある。当店自慢といってもなんかひとつそういうのが欲しかったから調子に乗って作っただけで、特別な何かというわけではない。


 注文を確認して、奥の厨房へ向かう。これも、厨房とは名ばかりのキッチンだ。でもこういうアットホームな感じは割と好印象なので良しとしよう。


 料理自体はパスタの茹で加減が難しいというぐらいで後はどうにかいつも同じ味に近づけている。それからナポリタンには少し唐辛子を入れている。そうするとアクセントになるのでおすすめだ。


 そういえば、何かで聞いたけどナポリタンってイタリアには無い料理なんだよな。命名由来は何だっただろうか……


 そんなことを考えながら時計を見るとあとちょっとだった。何か作ってるといろいろ考え始めてどうでもいい結果にたどり着く。


 それから湯で加減はアルデンテ、パスタの外側はモチモチとして、内側には芯が残っている茹で方だ。

最初の頃は、柔らかくなったり固くなったりして、友人には「日替わりパスタ」とよくからかわれたものだが、もう普通に作れるから日替わりは外して正真正銘のパスタ。


 ちなみに、コーヒー豆は知り合いの店から安値で仕入れているものの、かなり満足のいく香りと味に近づけたから、良かった。まあ変な友人が沢山いると得なこともあるって訳だ。


 あ、あとそうだ、ナポリタンは銀の皿というイメージがあったのだが購入が面倒だったので、陶器の皿を使っている。イメージやら理想を追求するとろくなことがないからな。


 まあ、今までの説明でイメージできるくらい、どこにでもあるカフェだ。

 なんやかんや、考えたがいつも通りの普通の料理が出来上がった。店員を雇う金も無いし、雇うほど人も来ないので、俺が運ぶ。店主兼厨房兼ウェイターだ。


「お待たせ致しました。ナポリタンです。それとコーヒーはいつお出ししますか?」

「食後でお願いします」

「はい、かしこまりました」


 いま、いるお客さんは確かここら辺で働いている、女の人でよく来てくれる人だ。


 気に入ってくれてるのか、近場にあるちょっと洒落ている場所だからかは知らないが、常連さんだ。こういう人が増えてくれればいいんだけどなかなかそうもいかない。いつかは満員になって外に行列ができるぐらいの光景を見てみたいものだ。


 さて、そろそろコーヒーを淹れないとな。


 ミルを使ってコーヒー豆を挽く音が店内に響く。それと、同時にコーヒーの良い香りも広がっていく。


 この、ミルは結構値が張ったの覚えている、最初の頃はちょっと高すぎると思っていたが、使っているうちに愛着がわいてきて今となってはコーヒー豆を挽くのが楽しくてしょうがない。いい買い物だったと自信をもって言える品だ。


 このとき、コーヒー豆を細かく挽くとその分苦くなってしまうことは忘れてはいけない。

それからお湯を沸かすことともうひとつコーヒーカップを温めておく。カップが冷めてるとよくないからな。


 ふと、店を見渡すとここからも庭が見えることに気が付いた。


 この店で出してる紅茶はコーヒーより仕入れ値が高いからどうしても高くなってしまう。そこで、理想としては庭にハーブを植えて仕入れ値ほとんどゼロの「自家製ハーブティー」でも出せれば良いのだが。まあめんどくさいうえに、ほとんど植物を育てたことがない俺が育てたところで壊滅するだろうからやめておくが。

 

 その時、お湯が沸いたらしくやかんから高い音がした。沸いたお湯は少し、温度が落ちるまで置いておいてと……



 ミルから、粉を取り出してふるいにかける。


 ここからはドリップに入ろう。

 フィルターを折ったら、お湯を注いでいく。このとき、フィルターには絶対にお湯をかけないようにしないといけない。何かと注意が必要だ。


 粉全体にお湯が行き渡ったら数十秒おいて、今度はよく言われる「の」の字を書くようにお湯をいれていく。


 後はドリッパーを通ってコーヒーが出てくるのを待てば良いだけだ。


 この方法を使うことでコーヒーを美味しく淹れることが可能になる。ずっとやってると自然に体が覚えるものだ。


 最初はお湯がなくなるまで、淹れていたが何ヵ月か前にテレビで最後まで淹れてはいけないと知った。まあ、最初の頃は友達しか来なかったからセーフだけど。


 コーヒーをお盆にのせて客のテーブルまで運ぶ。多分今日のコーヒーはいつものより美味しい気がする。なんとなくそう感じた。


「お待たせ致しました、コーヒーです」


 そう言いながら、カップを持って、テーブルに置く。そして、お盆から、砂糖の入った入れ物とミルクを置いて、おしまいだ。


 実は、コーヒーを一杯真剣に淹れると結構大変なのだ。ミルも電動だったら、もっと楽になるし、ドリップもコーヒーサイフォンを買えば楽になるのだが、これは自分でやりたい。少ない人数のお客さんだからこそ出来るこだわりだろうか。


 次はお会計。ナポリタンが750円でコーヒーが450円だから合計1200円か。価格設定とかも開店以来変えてないから一度全部見直してみたほうがいいかもしれない。


 料理の値段を税を入れてもくっきりするように、計算していたから、わりと便利。昔の自分に感謝。


「ごちそうさまでした」

「はい、いつもありがとうございます。お会計合計1200円です」


 そんなやり取りをしたのち、お客さんは帰っていく。俺の仕事はこの後は皿とかを洗うとかしかない。


 喜んでもらえているのなら嬉しい。

 また、お越しください。

 次の話からヒロイン達が登場します。

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