2回は無理
桜並木の道を少年は本を読みながら歩いていた。周りには何人かの男女が談笑をしながら彼と同様に歩いていた。
「俺も春は好きなんだけどここまで浮かれるものなのかな……。」
少年は一人ぼそぼそとつぶやき、本から顔を上げた。その目線の先には二人の男子と一人の女子が少し不穏な空気を出しながら話していた。
「人付き合いってああいうのがこわいんだよな、これからは別の道通ろうかな。」
そう思いながら信号を渡ろうとすると、軽トラックが明らかな信号無視をしながら飛び込んできた。少年は少しだけ後ろを歩いていたためその状況を把握できたが前方の男女は気づいていない、このままだと轢かれるというタイミングで少年が彼等達を突き飛ばした。無事に彼等は助かり少年も少し掠り倒れただけで済んだ。
ここまではよかったのだ、ここまでは。
「飲酒運転かよ……あの運転手。」
少年は立ち上がろうとしたら、トラックに跳ね飛ばされた。周りのものも唖然としていた、彼自身でさえも驚きを隠せなかった。
こんな終わり方はありなの?と。
そこから先のことを彼は覚えていない。
目が覚めたら不思議な光に包まれていました、さて今はどのような状況でしょう。
1.テレビの特殊演出。
2.友達の悪ふざけ。
3.夢。
まず自分で考えてみたが2はない、なぜなら学校生活で友達は一人もいなかったからね。
ぼっちだからしょうがない、自分で言って悲しくなってきたからやめよう。
次に1もないだろう、こんな自分にドッキリ仕掛けるなんて考えられない。
消去法でこれは3番の夢だという結論に達した、普通だね。
周りを見渡すと石造りの部屋だとわかった、他には杭と変な模様が床に描かれている。
「いったいこれはなんの夢なんだろうか?」
そしてドアを開けようとして近づくと……。
頭に強い衝撃を受けて意識が薄らいでいった、「や、やった!成功ですよ!!王様、私やりました!!ってあれ??なんで倒れてるんですか?」と呑気な声が聞こえながら。
短編で毎日少しずつ入れていきたいと思います。ちなみに今回のタイトルの2回は2種類あります。一君にはこれからもっと不幸にあってもらうのでお待ちください。