林間学校 三日目
【早朝】
一人目覚めた恵子は携帯を開いた。
タカシのプロフィールは
日記など更新しておらず、
いつもの時事にはコメントが無くて、
全くログインした気配は無い……(^_^;)
恵子もすぐ寝てしまったから同様だ……(=^_^=)
夕べ由理と二人で熟睡していた間、
部屋のクラスメートが、
何を話していたのか、
知るよしも無かった……。
★☆★☆
由理は、崖の桟道(さんどう:山のけわしいがけの中腹に設けられた棚みたいな道)を歩いていた……!
いつもの山伏姿らしい……(^_^;)
これは夢だ……!
由理は思った……!
自分の前をお坊様が歩いていていた……!
崖に渡してある木がきしむ……!
お坊様の踏んだ所より、
手前に足を運んだ。
自分が踏んだ左の木が、
バキッと音をたてて割れ、
バランスを崩した!
落ちる!
ガクンと、落下したように感じたら……(>д<)
あれ?
由理は目覚めた!
「おはよう(^O^)」
あっ、山岡さん(^_^;)
「おはよう……!」
良かった……、
夢だった……!
あまりにリアル過ぎる夢だったから、
夢から覚めたのに、
今、現実にいるのか、
一瞬わからなくなっちゃった……(>д<)
山岡さんの顔を見たら、
ほっとした……(^_^=)
★☆★☆
「山崎さんの都合がいい日って、
今分かる?」
「え〜っと……。」
すぐに頭が働かなかった(^_^;)
「プラネタリウムの(^_-)」
「あっ♪」
プラネタリウムと聞いて、
由理の頭の中のOSがすべて起動完了したみたいだ(^_^;)
リュックから、
手帳を取り出して、
予定を確認する!
恵子の都合の良い日を
恵子が予めリストアップしていたので、
そこに由理も都合良い日だけ丸をつけた♪
★☆★☆
恵子は携帯を開いた。
タカシの書き込みを見つけた!
今入れたばかり……!
恵子は男子の階の階段に向かった!
★☆★☆
廊下に人影が見えた!
携帯に打ち込んでいる……。
剛志だ!
恵子は、ちょっとドキンとした……(=^_^=)
「おはよう……!」
恵子の声に、
剛志は辺りをキョロキョロして、
誰も見て無いのを確認した。
恵子の方を見て、
「おはよう……(=^_^=)」
と、照れたように言いながら、
恵子のいる階段に駆け寄った!
「委員長、
携帯、アドレス交換してくれる?
赤外線で送るから……。」
「あ……、あぁ♪」
恵子が携帯を取り出し、
赤外線通信で、
アドレスを送る。
「きた♪」
剛志は、メアド等を電話帳に登録する!
「じゃあ、俺のを……(=^_^=)」
自分のメアド等を赤外線通信で送る。
「無事終了♪」
恵子が受け取る。
「後で、梅田くんのメアド、
メールもらっても良いかしら?
山崎さん、携帯あまり上手く操作出来ないの……!」
「うんじゃ、今送る!」
剛志は素早く、
メールを打ち込み、
送信した。
恵子の携帯のバイブレータが鳴り出す。
マナーモードになっているからだ。
「ありがとう(o^-^o)
そろそろ、私、
戻るわ……!」
恵子が言った。
恵子が、女子の階に戻って階段を上る後ろ姿を
剛志はずっと眺めていた(*^^*)
見えなくなりそうな所で、
恵子は、ちらっと振り返った。
剛志が見つめている!
恵子は紅く頬を染めた。
剛志は、振り返って欲しいと思ったら、
本当に振り向いてくれた♪
しかも、剛志と目が合うと、
恵子がにっこり微笑んだ(o^-^o)♪
頬がちょっぴり紅く見えた……(=^_^=)
剛志は、恵子が見えなくなっても、
携帯を握りしめ、
ボケ〜っと見ていた。
今更ながら、
心臓の鼓動がドキドキと、
早く脈打っていた……(*^^*)
★☆★☆
「剛志!
剛志!
これ!
見てくれ(●^o^●)」
一誠の声に我に帰った剛志は、
携帯を持って、
大騒ぎしている一誠の方に振り向いた。
「や……やま……ざきさんが、
携帯に!」
由理からのメール画面を
剛志に見せた!
「あー、
今お前のメアド、
山岡さん経由で知らせたから……。」
剛志は、いつもの口調で言った。
「なぬ?」
一誠は、意味を考えていた……。
山岡さん経由で……?
剛志→山岡さん→山崎さん→メールで♪俺\(^O^)/
て事は、
山岡さんとメアド交換しちゃったって訳!?
「お前、いつ!」
「今さっき、
一誠の携帯にメールがくるちょっと前……(^_^;)」
「で……?
何か進展あったか?」
小声で一誠は聞いた。
「何が?」
「俺だったら、
皆寝てて誰も見ていないから、
抱きしめて、
キスでもしてるような状況だろ!
白状しろ(^.^)」
「はぁ?
まだ、そんなんじゃねぇ〜よ(^_^;)」
「お前ら夫婦だろ!」
「馬鹿、まだ単なるクラスメートだ!」
「メアド交換しちゃったじゃん!」
「お前の基準、わかんね〜(^_^;)」
とか言いながら、
剛志は、確かに惜しかったと思った……。
★☆★☆
「一誠は、どうなんだ(^_^;)」
一誠はぎくっとした……。
「おおかた、
そんなこと言ってて、
自分は大して進展してねぇ〜んだろ?」
剛志は反撃をした。
「まぁ〜、そうだな……(=^_^=)」
剛志のような、
山道のサポート上の密着♪
と、
一誠のような、
倒れてきた由理を抱き止めたり、
おんぶした密着♪
は、似たようなモノだ。
★☆★☆
「あ、山岡さんからメールだ!」
由理と恵子の都合良い日が書いてあった。
剛志と一誠に一斉メールだった。
「俺、ボーイの活動日と、
部活(水泳部)いつだっけ?」
一誠は、夏休みの予定を把握していない……。
今まで彼女いなくて、
必要無かった……。
「知るか(>д<)」
剛志は、
一誠の子守りじゃあねぇ〜
と思った!
「そうだ!
ハッシーに聞いてみる(^O^)」
ハッシーは、
ボーイスカウトと、
部活も一緒だった(^^)
【掃除】
朝の集いは、
昨日同様、
C組が国旗等を掲揚したが、
ハッシーがいたので、
ほとんどハッシーが手伝いながら、
掲揚していた。
まあまあ、
ハッシー以外は国歌とのタイミングが前後したけど、
昨日のB組よりは、
良かった……。
また、ラジオ体操をしたら、
食堂で朝ごはんを食べた!
★☆★☆
今日は、
キチンと布団を上げて、
各部屋の押し入れに
利用する前みたいに整頓したり、
リネン室にシーツや枕カバーをとどけなくてはならない。
そして、各部屋と、
部屋ごとに
掃除の分担が決まっていた。
「私達、シーツとか運んで来るから、他、お願い♪」
佐久間さんと、平山さんが、
シーツと枕カバーを持って、
リネン室へ向かった!
★☆★☆
リネン室に、シーツとかを出して、
二人はノロノロ歩いた。
「あまり早く帰りたくないね〜(^_^;)」
佐久間さんが言った。
「掃除って、面倒〜(>д<)」
平山さんは、ダルそうに言った。
「あ!」
佐久間さんが、
階段から降りてきた人影を
見て止まった!
「うそっ〜(*^^*)」
委員長〜(o^-^o)♪
平山さんは、佐久間さんの後ろに下がった!
「あれ〜?
委員長もシーツとか運んでるの?」
にしては身軽……(^_^;)?
「あぁ、忘れ物だよ……(>д<)」
シーツ一枚をつまんで見せた!
「委員長って、人が嫌がる仕事、
こなして、
スッゴいわ!」
平山さんが、勇気を出して、
やっと話した!
「別に、気がついたから、
やってるだけだよ……(^_^)
早く戻らないと、
一誠がサボってそうだ(^_^;)」
剛志は、リネン室に足早に入り、
すぐ出てきた。
「んじゃ、お先に!」
早足で
平山さんと、佐久間さんを追い抜くと、
階段を一段抜かしで、
駆け上がって行った!
「早っ(+_+)」
佐久間さんは、
もらした……(^_^;)
平山さんは、
剛志と会話しちゃった……と、
感激しながら、
「……(=^_^=)……、
か……カッコイイ……(*^^*)♪」
階段を一段抜かしで!
スッゴいカッコイイわ〜(^O^)♪
「そう?」
単なる負けず嫌いな感じじゃん……(^_^;)
佐久間さんは、冷ややかだった。
★☆★☆
平山さんは、いそいそと、
剛志に追いつきたそうに階段を上がる。
佐久間さんは、
マイペースにゆっくり上がる。
「恋は盲目……(-_-)」
佐久間さんはつぶやいた(^_^;)
★☆★☆
佐久間さんが、部屋に戻ると、
部屋の掃除は終わっていた(o^-^o)♪
皆すぐそばの水飲み場周りを掃除していた!
「遅くなって、ごめんね♪」
「佐久間さん♪
ちりとりやって〜(*^^*)」
平山さんが、異様にハイになって言った(^_^;)
「はいはい……(^_^;)」
平山さんの裏切りもの……(-_-)
先上がっちゃった……(>_<)
私だけ遅くなったじゃない(-_-;)
佐久間さんに恨みを買った事に、
平山さんは全然気がつかなかった……(^_^;)
【閉所式】
屋根付き集会場で、
閉所式がとりおこなわれる……(^_^;)
「荷物まとめたら、閉所式だ!」
剛志は言った!
「閉所式の後は、帰るのか……(^^;」
尚が感慨深く言った。
「なんだか、カブの時に戻ったみたいだったな……(*^^*)」
俊の言葉に亮が続けた。
「本当、夏キャン(夏季キャンプ)みたいだったな♪」
「あぁ……(o^-^o)」
皆うなずいた♪
★☆★☆
「ボーイ隊じゃあ、
基本、テントに自炊だろ?」
浩が訊ねた。
「あぁ、
でも、家の団は、
女子の入団ねぇ〜から、
本当、男の世界!
ジャンボリーとかで、
女子のスカウトのいる団と、
交流するぐらい。
この林間学校って、
ある意味新鮮だったゾ♪」
と、一誠が言った。
「もうすぐ、集会場に行かなきゃな……。」
剛志の声に、
「なかよしの輪!」
俊が言った!
カブ隊の活動が終わる時にやったように、
組ごとに左手をげんこつみたいに出して丸く囲んだ……。
「なんて言ったっけ?」
げんこつを出して、
丸く囲んだものの、
何を言ったんだか、
思い出せなくなっていた(^_^;)
「♪今日の集まりもうおしまい……(=^_^=)」
一誠が歌い出した(^O^)
「そりゃ、ビーバー隊のだろっ!」
剛志が突っ込む(>д<)
皆大ウケ!
笑いころげた!
「一誠、わざとだな〜(*^^*)」
俊が言った!
「俺ら、思い出せないほど、
時間経っちまったんだな!」
★☆★☆
「そろそろ、皆荷物を持って、
行きましょ!」
恵子が言った!
「あっという間だったね(^O^)」
谷口さんが言った!
「楽しかったね(o^-^o)」
坂本さんが答えた。
佐久間さんが、
「行くよ!」
「あっ、待って〜(^O^)」
平山さんが追う。
恵子と由理が、
部屋の中を確認する。
「あら、これ……。」
由理が平山さんの名前入りバンダナを見つけた!
押し入れの布団の上に置いてあった……。
★☆★☆
集会場で、
恵子と剛志は、
先頭で、皆を並ばせていた。
クラスで一番背が低い二人が学級委員だからだけど、
先生に言われてからのクラスとは違って、
A組だけは、
いつも列が先に出来ている……。
由理がそっと平山さんにバンダナを渡す。
「忘れ物……。」
「あら?
ありがとう♪」
佐久間さんが、
その様子を見て、
視線を反らした……。
★☆★☆
閉所式は、宿舎の方や、
校長先生のお話しがあり、
国旗とかは、再びC組のハッシー達が、
降ろしたりした。
そして、来た時みたいに、
バスに乗り込み、
ロマンスカーで、
帰途についた。
昼食は、
ロマンスカーの中で、
配られた……。
東京新宿区の中学は、
林間学校に、
貸し切りロマンスカーで、
出かけていました!!
貸し切り観光バスではないんですよ♪
小学校の昔に、
特別に市ヶ谷の駅に、
貸し切りロマンスカーが、
来てくれた事も有りましたが、
滅多にない事だったそうです♪
中坊と違い、
乗り換える手間を考えてくれたようです♪
それにしても……、
小・中学校の思い出の地が、
テレビドラマで、
お化けスポットの撮影に、
使われていたとは……(T-T)
知らないで見ていたけど、
残念ですね〜(/_;)