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25/29

PTAの講座

この話を発表して数年……。


ガラケーから、

スマホ等に、

爆発的に移行して来ています。


いまだに私はガラケー派ですが、

今回、補足として、

母親目線の講座を追加しました♪


私の子ども達の、

小学校での講座や、

奥さま番組などからの、

最近の情報を

盛り込みました♪


「え〜、本日は、

沢山のご父兄の皆様にお集まり頂きまして……。」


中学の体育館に、

入学式並みに、

沢山の親たちが、

パイプ椅子に座っていて、

足りない席を

追加するほどの、

満席になっていた!!


「講座って、こんなに皆さん聴講されるの?」


剛志の母親は、

隣に話しかけた。


「いつもは、会議室に

10〜15名程度なんですけどね〜。」


一誠の母親が、

答えた。


「あら、やっぱり、

私もいつもはお店があるけど……。」


恵子の母親も加わる。


「ネットのあの事件でしょうか〜(;^_^A」


剛志の母親と、

恵子の母親は、

顔見知りになっていた。


恵子の母親と違って、

剛志の母親は、

まだ息子が付き合っている彼女の母親だとは、

知らない……。


「そうでしょうね〜( ̄▽ ̄;)」


体育館に全校生徒の2/3ほどの親御さんが、

講座を聞きに来たのは、

本校始まって以来の出来事だ!!


「今までは、携帯電話会社の社員さんが、

講座の講師でしたが、

NPO法人の、

企業側に立たなくて、

お子さまが、

利用者である、

他校の同じPTAという立場で活動されていらっしゃる田辺先生にお越し頂きました!!」


役員さんが、

講師を紹介している。


レディスーツ姿の

聴講者と変わらない世代の講師が、

舞台に上がり、

一礼したら、

パイプ椅子に腰掛け、折りたたみ式テーブルに

設置してあるマイクに向かって、

講座を始めた。


テーブルには、

ノートパソコンがあり、

プレゼンテーションソフトの

一番最初の画面が、

開いていて、

そのパソコン画面を

スライドで、

舞台のスクリーンに表示してあった!!


「こんにちは!

田辺と申します。

私は講師と言っても、

中学二年生と、

小学四年生の母親です。

皆様と同じ、

子どもを持つ親です。

さて、こちらは、

私のスマホ※です!」


講師の田辺先生は、

パソコンにスマホをつないだ。


※ここでいうスマホは、

スマートフォン、

ボーダフォン、

フューチャーフォンなど、

各携帯会社のモノを

ひっくるめてとします。



スクリーンに、

中学の正面玄関の画像が、

写し出された!!


「こちらは先ほど、

ここに着いてすぐに撮影いたしました。

そして、こちらのアプリを使いますと……。」


スマホのアプリが起動して、

地図が表示された。


「写真の位置情報から、

どこで撮影されたのかが、

わかるというソフトになり、

かなり正確に

中学の正面玄関付近に、

地図の位置情報が、

表示されていますね!

これは、写真を撮影する時に、

位置情報までが、

デジカメや、スマホ&携帯に搭載されたGPS情報を

読み込んで、

表示するという事です!」


「では、この位置情報が、

悪用された場合です!」


ブログを始めた女子中学生りかが、

自宅でイラストを描いて、

スマホで撮影して、

さっそくブログにアップしている動画が、

スクリーンに流された。

「さて、このブログに、

こんな書き込みが載りました。」


――――――――――――


絵が上手い♪


タイガより


――――――――――――


――――――――――――


可愛い♪


みきより


――――――――――――


――――――――――――


けっこう近くに住みなんだね♪


今度見に行きたいな(*^^*)


りかタンの守護天使市ヶ谷の薬王寺より


――――――――――――


「自宅の位置情報が、

画像にアップされていて、

スマホのアプリで、

かなり正確にわかってしまって、

りかタンの守護天使市ヶ谷の薬王寺という、

ハンドルネームにして、

市ヶ谷薬王寺町で撮影したのだという事を

知っているのだと、

ほのめかしているケースになります。」


母親たちは、

うめいた……。


ほとんどの母親たちは、

難しい単語が出てきて、

脳みそが、拒否反応示してて、


よくはわからないけど、


ようは、写真を撮った場所が、


ブログというモノに気楽に掲載したら、


わかる人には、

どこで撮影したのかが、


わかってしまうのだという事なんだわ〜(;^_^A


とか、


皆が、写真を共感するだけでなく、


悪用する、

悪い輩がいるのだという事なのね……。


と、理解した。


「お子さまが、

無防備に、

こういった画像を

流してしまったら、

まず回収は不可能です……。」


これが、例の本校生徒による、

誹謗中傷の書き込み&写真流出事件につながる……(^^;)


今は、インターネットで、

気軽に書き込み出来るけれども、


親の預かり知らない所で、

プライバシーを

いとも簡単に、

パソコンや、携帯&スマホを使っている世界中に、

知られている……という事なのね……。


パソコンは、

相当詳しい一部の人しか、

使えないものと、

親たちは思っていた……。


しかし、小学校か、

幼稚園児から、

パソコンを教えるカリキュラムに、

子どもたちは、

変わっているので、

親たちよりも、

メディアに慣れ親しんでいて、

使い方も親より巧み……。


バージョンアップするパソコンのOSに、

携帯&スマホと、

歳を重ねる毎に、

頭がついて行けなくなる……(^^;)


使いこなせている派は、

ごくごく少数になる……。


だから、子どもが、

いったい何をして、

どんな危険にさらされていて、

回避すべき手段すら、

わからないまま、

与えている状態なのだ……(ーー;)


かと言って、

普段から、

PTAの講座があると知っていても、

参加する余裕は無い。


塾や習い事、

受験などのための家計の足しに、

両親共働きを始めるのが、

携帯&スマホを買い与える時期に重なるからだ……。


仕事のために、

メディアだけを与えて、

自分は、

ワーアマ(ワープロという、ウィンドウズのパソコン普及以前のOA機器すらをアマチュアみたいに全く使いこなせなかった)世代には、

子どもがメディアを使いこなせる事を

誇らしく感じて、

自分は触る気にならないでいる。


ポケベルを使いこなしていた世代以降の親からやっと、

少し理解できるのだ。


ようは、苦手だから避ける派と、

わかったつもりでいる派が、

仕事があるから、

講座のために休む気にならない……というのが、

今までだった……。


「それでは、次ですが、

スマホと、

携帯の使用制限についてです。

携帯電話会社の契約時に、

キッズ携帯などの場合は、

キツい使用制限、

中学や高校生になるにつれ、

使用制限はゆるくなりますが、

スマホには、

Wi-Fi(ワイ-ファイ)という、

企業などから、

直接無線LANでつながるから、

携帯会社を介しないルートが有るのをご存知ですか?

手を挙げて頂けますか?」


こんなに沢山人がいて、

四〜五人しかいなかった……。


「ほとんどが、

ご存知ない……。

危険です!

では、こちらを御覧ください。」


再び動画が流される。


蘭ちゃんのボーイフレンドの伸一が、

スマホデビューをした。先にスマホを使いこなしていた蘭ちゃんに勧められ、

伸一は、

Wi-Fiから、

ゲームを取得した。


「伸一、Wi-Fiだと、

アダルトサイトも覗けるけど、

見ちゃいやだよ♪」


「見るわけね〜だろ!!」


「本当に?」


「契約時に見えないようにしたはずだし……。」


「え〜、伸一知らないの?

企業から直接だから、

そんなの無いよ〜!」


自宅に帰った伸一は、

興味本位で、

アダルトサイトを

Wi-Fiでつないでいた……。


「無料会員か……。

登録っと♪」


会員むけの説明を見ていたら、

高額な観閲料に、

びっくりして、

すぐ退会手続きをした!!


それから……。


メール攻撃が始まった!!


架空請求だ!!


ひっきりなしにスマホが鳴り出し、

伸一は慌てる!!


架空請求は、伸一のスマホの住所録から、

家族のアドレスにも広がる!!


無料ゲームに、

ウィルスが仕込まれていて、

スマホの住所録を転送していた……(-"-;)


「ここまで、

お子さまが、

やりかねない状況になりましたが、

Wi-Fiの方にも、

アダルトサイトにつながらなく出来る方法がありましたが、

ご存知の方、

挙手……(^^;)

二人……。

はい、では、

お子さまは、

スマホなどをお使いの方、

けっこういらっしゃいます……。

はい、ありがとうございます。

Wi-Fiの場合、

携帯会社の専用アプリから、

有害サイトのブロックアプリを

本体にダウンロードしないといけません!!

こうした機能は、

スマホ契約時に、

やっていないケースがほとんどです(;^_^A

携帯会社に義務づけられていないから、

利用者が、選択しないといけないからです。」


動画の続きを

再びスクリーンに流された。


「伸一、これはどういうことかね!!」


「お父さん、違約金って何なの?」


妹も、母親も、

鳴り止まない自分の携帯やスマホを持って、

リビングに集まった!!


「これは、架空請求だ!!

消費者生活センターに相談してみよう!」


家族の全員のアドレスを変更したり、

不明なアドレスからは、

メールを受けないドメイン登録、

Wi-Fi用の有害サイトブロックアプリ登録、

ウィルス添付ゲームアプリ削除と、

ウィルス駆除……(ーー;)

警察のホームページにある、

サイバー対策窓口に、

架空請求メールを転送……。


「このように、

スマホは、

携帯というよりも、

電話ができるパソコン機能を持つものですから、

大変気を付けなければいけませんが、

携帯会社のような企業側の講座では、

セールスを兼ねていまして、

デメリットを我々のように、

使う人の立場では、講座を進めてはくれません!!

さて、

通信型のゲーム機にも、

アダルトサイトを観閲出来るってご存知ですか?小学生の頃から、

お子さまが遊んでいるゲーム機ですね!!

こちらも、

アダルトサイトをブロック出来る設定を親御さんがしてから、

与えて下さい!」


流石にゲーム機で、

そういったサイトにつながるという事すら、

知らないから、

皆、ざわついた!!


「さて……。

トラブルが有るのは、

アダルトサイトだけでは有りません。

コミュニティーサイトと言われる、

グレーゾーンの、

ゲームサイトなどです……。ここから、

出会い系サイトなどに、

フィッシング――魚釣り――行為と呼ばれる、

言葉巧みに、

まさに釣り上げて、

他所のサイトに登録させる事です!

こちらは、

某ゲームサイトのプロフィール、

私のプロフです!

アバターという、

若い女性の姿の

漫画ちっくなキャラクターが、

顔写真代わりになりますので、

年齢を伏せる事も、

嘘の内容で登録も出来ます!

こうしたサイトでは、

利用者同士が、交流出来ますので、

現実を知らずに親近感を持ったり、

悪意を持って近付いて来ても、

わからない事が有りますので、

判断がつかない子どもには危険ではあります!

私たちは、

このようなゲームサイトに、

個人で登録していまして、

フィッシング行為をしている人物を

サイト運営側にいちはやく通報するようにします!

フィッシング行為する輩は、

すぐ退会してしまいますが、

こうした輩が、

被害者を一人でも釣り上げてしまわないように、

私たちは監視しています!

サイト運営側にも、

やりとりをパトロールはしていますが、

利用者のやりとりが、

多すぎて、

間に合わないのが現状です!」


これは、ひっきりなしにミニメで、

アドレス添付していた「業者」の事で、

フィッシング目的に、

コミュニティーサイトを悪用していたのだ……。


ミックスの場合も、

知り合いしか交流しないように見えて、

全体につぶやく設定を変えていないとか、

登録している出身校とか、

趣味サークルに入っている場合とかで、

知らない人物との交流も出来る。


ここからフィッシング行為に引っかかった事例も多い……。


「それから、

ラインですが、

ひっきりなしに

inしているお子さまも多いかと思いますが、

既読という、

読んだか分かる機能が有るために、

読んでいたのに、

返信がない事を

既読無視

するという事で、

現実に傷害事件や、

殺人事件にまで、

起きていますが……。

性風俗の斡旋に、

悪用されたり、

掲示板と違って、

知り合いとか、

友達の友達という、

決まったメンバーの間に、

リアルタイムでのやりとりになっていて、

閉鎖的な、

仲間内の暗号用語で、

一見、会話内容が、

犯罪に手を染めているのかどうかわからない巧妙なものもあるので、

外部の人間には、

覗く事の出来ないものになっていますから、

サイトのパトロールだけでは、

追い付かない現状になっています。

具体例は、

配布資料に書いておきました。」


PTAの役員が、マイクを持った。


「そろそろ、

講演時間も少なくなってきましたが、

質問に入らせて頂きます。

何か質問は?」


皆、遠慮がちに、

周りを見回している……。


質問……以前に、

用語が意味不明……(^^;)


と、囁きあっている様子だった……。


「では、無いようなので、

これでPTA講座を終了にいたします。

先生、本日はありがとうございました。」


拍手に送られて、

先生が退場されたら、


皆、役員の指示により、

パイプ椅子を片づけはじめた。


「わかりました?

もう、ちんぷんかんぷんな用語で〜( ̄▽ ̄;)」


剛志の母親は、

話しかけた。


「娘は、まだ携帯ですが……、

用語、難しかったですね。」


恵子の母親が答える。


「うちもガラケーです。

私も使いなれていないから、

習い事にも使うので、

たまに娘に教わります〜(;^_^A」


一誠の母親も加わった。


「みさちゃんに?」


剛志の母親と、

一誠の母親は、

幼稚園以来のママ友である。


「カブちゃんの連絡に、

必要にかられてね……(^^;)」


「息子さんは?」


恵子の母親が、

聞いた。


「ダメダメ!

もう反抗期だから、

あまり口聞いてくれないの〜( ̄▽ ̄;)」


「娘は、おしゃべりもするけど、

息子はダメね〜(;^_^A」


「そうなんですか……。

でも、小学校の時ほどは、

話さなくなりましたね〜f(^^;」


「本当に。」


一誠の母親も頷いた。


三人は、恵子の母親の本屋の前まで、


話しながら帰った。



「山岡さん……の方だったのね〜( ̄▽ ̄;)」


山岡書店の看板を見て、

剛志の母親は、

恵子の母親の名字をやっと認識した。


「ええ、そうよ〜、

山崎由理ちゃん家は、

このマンション♪」


「あら〜、

そうなの?

さすが、一誠くんママは、

顔がひろいわ〜(*''*)」


「こないだ、

山岡恵子ちゃんと、

山崎由理ちゃんがね、

一誠の水泳部の大会に、

応援に来てくれて……。」


「えっ!

そうなの!!

一誠くん、

モテモテ!」


「由理ちゃんと、

恵子ちゃんが仲良しなんで……。」


「そうなの、

二人に好かれているとか?」


「恵子ちゃんは、

つきあいで、

女友達って、

よくつるむじゃない?」


「そうだけど……。

どんな娘?」


「写メ有るわ♪」


「えっ!?

どっち?」


剛志の母親は、

由理は、前髪がちょっと……と、

あまり好印象には感じなくて、

恵子は、真面目そうな感じに見えた。


「どっちでしょ〜(o^−^o)」


「えー、

こっちが、

山岡さんに似てる……。」


「ピンポーン♪

正解(^∇^)」


「一誠は、こっちの由理ちゃんが、

好きみたいよ〜(* ̄∇ ̄*)」


「両想い?」


「みたいね!」


「えー!

うっそ〜!!

もう、恋愛!?」


「そういうお年頃だから、

剛志くんも、

そろそろじゃない?」


一誠の母親は、

知っていながらも、

言わないでおいた……。

さっき話していた山岡さんの娘さんの恵子ちゃんと、

つきあっているなんて、


自分が剛志の母親の立場なら、

ショックが大きいだろうと思ったからだ……。


「えー!

全然そんな素振り見せたことないし〜!!」


山岡さんの娘さんみたいな真面目そうな娘だったら、

まぁ〜いいけど……。


山崎さんみたいな娘だったら、

ちょっと、

嫌だな〜と、

剛志の母親は思っていた……。

母親たちと、

お子さんとのギャップは、

次章に(^^)


お楽しみに(^∇^)

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