議題とてんまつ
【学級会】
いよいよ、学級会での話し合いが始まった!
「他に有りませんか?」
議題を次々こなすうちに、
山田くんが手を挙げた。
「山田くん、どうぞ!」
「あの〜、学校で不倫は
いけないと思いま〜す( ̄ー ̄)」
皆笑った!
「その件なんだけど……(^_^;)」
剛志は恵子に目配せをすると、
恵子はノートパソコンを開いた。
予め用意していたので、
すぐにスライドを写せた!
★☆★☆
「これは、
某ゲームサイトの掲示板に
書き込みがあった二件です!」
剛志の説明に恵子がパソコンを操作する。
投稿者は名前を加工して、
スライドでは読めないようにしてあるが……(^_^;)
「知ってる!
佐久間……ドロップだろ?」
「俺読んだ!」
「ペナルティー中〜(>д<)」
ゲームサイトの住人数人が、
口々に囃し立てる!
「私じゃない!」
佐久間さんは叫んだ!
「卑怯だよ、佐久間……ドロップ〜!」
からかうように言う輩の言葉に皆、
佐久間さんは注目された!
「はい、静かに!」
ピシャリと剛志が言った!
「この書き込みは、
サイトに通報して、
削除されたけれど、
すでに30件の履歴があったので、
他のサイトに拡散され、
まだ残っている……(^_^;)
削除依頼を各掲示板に募ったが、
管理人が強制削除出来ないサイトも有る。」
「で、同様のチェーンメールが、
皆の中に友達から来ているはずだが、
このメール流れた人、
挙手お願いします!」
当事者以外全員だなぁ〜(^_^;)
剛志と恵子は予想はしていたけれど、
チェーンメールの恐ろしさを感じた(-_-;)
「ほぼ、全員にメールが
回ってしまったという事で、
この件について、
意見を出し合いたいと、思います(^_^)」
口々に皆好き勝手な意見を言って、
ざわざわなった(>д<)
「意見のある方は、
挙手お願いします!」
恵子が言ったら、
「はい!」
浩が手を挙げた!
「宮田くん!」
「クラスメートのプライバシーをバレるように掲載したのはいけないと思います!」
恵子は、黒板に書き出し始めた。
「他に有りませんか?」
坂本さんが、手を挙げた!
「あの〜、チェーンメールが来た時に、
谷口さんが、
もし、流されたのが、
自分達で、自分の事と思って見たら、
嫌だと言ってました……(^_^;)」
すかさず谷口さんが手を挙げた!
「私は流した本人に逆に届くように、
メールくれた人に、
このメール逆に流して、
画像は削除した方がいいと思うと、
言いました!」
高木さんが手を挙げた!
「小学校の頃の仲良しが、
チェーンメールが来たって、
私の所にメールがあって、
谷口さんの返事をもらって、
谷口さんの意見を
チェーンメールの送り主に逆に流してもらいました!」
「あの〜、
不倫は……(^_^;)
どうなったんですか?
はぐらかさないで下さい!」
山田くんが野次を入れた(^_^;)
平山さんが、山田くんを睨み付けて、
手を挙げた!
「書き込み自体、
本当の話とは限らないので、
信じちゃった人達にさっきから、
からかわれたのは、
嫌だったし、
止めて欲しいです!」
「だったら、何で、
言われるんですか?
火の無い場所に煙は立たねぇ〜し(●^o^●)」
皆ニヤニヤしながら、
三人に野次が入った!
「はい!」
俊が手を挙げた!
「宮古くん!」
「あの〜、内向的なヤツが、
掲示板に書き込みしたんだと思います!
嘘でも何でもいいから、
ネット上の晒し者にするのが目的で、
つまらない理由から、
アイツムカつくから、
皆が飛びつくネタに仕立てたと思います!
内向的じゃないなら、
山田みて〜に、平気で皆の前で、
大声で言っていると思います!」
「確かにそうだな……(^_^;)」
とか、皆口々にざわめいた!
「はい!」
「山田くん!」
ムキになった感じで、
山田くんが発言始めた!
「さっきから、委員長達、
ずるいと思います!
司会に徹してて、
皆にばかり言わせて、
何も言わないじゃないですか!」
「確かに……(^_^;)
一理あるな……、
山岡さん……。」
恵子はうなずいた。
「掲示板に書き込みした人は、
本人に見られるとは、
思わないで書いたと思います(^_^;)
転校生の山崎さんに、
こんな風に書いたのは、
かなり意地悪と思います!
いじめとか、自殺とかの原因に、
こういったネットの書き込みが問題になっていますが、
これも自殺とかの危険性をはらんでいると思います!」
「はい!」
山田くんが手を挙げた!
「山崎さんは悪いけど、
前髪で片目隠してて、
不気味だと思います!
本当の事書いてて、
言論の自由だと思いま〜す( ̄ー ̄)」
「はいはいはい!」
一誠が凄いけんまくで、
立ち上がった!
「いくら言論の自由って言っても、
相手を傷つける意図的なのは、
プライバシーの侵害だと思いますし、
絶対彼氏とかいないっていうのは、間違いです!
山崎さんは、
俺、タイプだもん!」
それ自ら暴露するのかぃ〜(>ε<)
剛志達、事情を知ってるメンバーは、苦笑した(^_^;)
「梅田くん……、
ありがとう……(=^_^=)、」
由理が言った!
えっ……(@_@)
皆、一誠と由理の間のただならぬ空気を読んで、
一瞬固まった!
「俺の意見だったな……(-_-;)」
剛志が口を開いた。
「例えば、山田が、好きなコと、
俺みたいなヤツと怪しいとか、
噂されたら、
山田はどうか?」
「なんだよ!
男なんて、興味ねぇ〜!
気色わり〜(>д<)」
「だよな!
嫌だろ?
俺だって、お前と怪しいなんて言われたくねぇ〜し、
皆だってそうだろ?」
確かに……(^_^;)
皆、他人の話じゃあなくって、
自分自身に立場を置き換えて、
考えはじめていた……。
★☆★☆
「言論の自由とか、言ってるが、
自分自身が嫌だと思う事は、
多少ズレも有るけど、
皆が嫌な事は、大体嫌なんじゃないかな?俺らで、ルール決めて、
クラスメートでこれは守るって、
これから、意見出しあって、
決めたいと思う!」
剛志の意見は、
ほとんどのクラスメートが賛成した。
============
☆インターネットや携帯などの掲示板で、拡散希望を見ても乗らない→通報→削除依頼
☆チェーンメールが来たら、逆に流して、止めさせるか、止める
☆プライバシーに関わる書き込みはしない、画像には、プライバシーに配慮する
☆デマを流さない
☆インターネットや携帯などの掲示板に書き込むくらいなら、
ちゃんと本人と話し合い、
解決の糸口を探る
============
「という訳で、
クラスの皆の意見がまとまりましたので、
これを皆で守る事にします!」
先生が前に出てきた!
「司会、お疲れ様。」
剛志と恵子が先生に会釈して、
席に向かった!
「ただ、先生言わせてもらうと、
この問題は、
このままでは解決出来ないんだ!」
席に戻った剛志と恵子は、
はっとした!
★☆★☆
「学級会で、確かに皆、
ここまで良い意見に出しあって、
決めたのは素晴らしいが、
うちのクラスの問題だけでは、解決出来ないんだ!
学校のクラスに落書き書いた事を
話し合った場合なら、
これで良いが、
不特定多数の人間に、
拡散してしまった事が、
取り返しがつかない!
先生も、生徒の指導に問題を問われるし、
学校名が出たから、
校長先生だって、
責任者としての責任もとらなくてはならない!
教育委員会に、
報告しないといけないし、
掲示板に写真や書き込みした犯人も調べ無くてはいけないし、
犯人と親御さんに、
被害に遭った親御さん含めて、
謝罪させるように再発防止の指導もしないといけないんだ!」
教室は静まりかえった!
★☆★☆
「後で、名乗り出るように!
名乗り出なければ、
警察から、情報開示するように、
ゲームサイトに行くから、
隠しても無駄だぞ!」
警察!?
安易な書き込みが、
警察沙汰で、
親呼び出し(;□;)!!
皆、これは深刻な問題なんだとびびった!
★☆★☆
休み時間、
女子トイレには、
佐久間さんしかいなかった。
鏡の前にいたら、
由理がトイレにやって来た(;□;)!!
佐久間さんは一瞬凍った!
「私、あなたが、平山さんのバンダナ隠したの知ってるわ……。
掲示板に書き込みしたのも!」
「え゛っ(;□;)!!」
「私でも、告げ口しないわ、
あなた自身が蒔いた種だから、
自分自身で刈り取るべきだわ!」
由理の迫力に佐久間さんは思わず、
「呪わないで!」
と、口走っていた!
「呪い?
嫌だわ、
出来なくもないけど、
そんな事では解決出来ないから、
やらないわ(^_^)」
怖い〜……(>д<)
山崎さんっ!
魔女だったりして(;□;)!!
佐久間さんは、
恐怖におののいた(T_T)
★☆★☆
その頃……(^_^;)
剛志と恵子は、
進路相談室に担任の先生に呼ばれていた!
「……という訳だな?
で、ちょっと聞きにくいが……(^_^;)
平山さんは、増戸と、
ちょっと話した程度だから、
不倫とか論外って言っていたが……。」
「俺達付き合ってます♪」
「委員長〜(>д<)」
恵子は、剛志の腕を掴んだ!
「嫌だった?」
「あの〜、
ちょっと……(-_-;)」
「山岡さんが話したいみたいだな、
5分くらい、先生、はずすから……(*^_^*)」
先生が部屋を出た!
★☆★☆
「私達、付き合っているの?」
「あれ?
違った(^_^;)?」
「委員長に、付き合ってって言われて無いんだけど……(>д<)」
剛志は左手を顎にやって考えた!
「あれ?
そういえば……(;□;)!!
じゃあ、俺と、付き合って下さい(*^^*)」
「……いいわ(=^_^=)」
二人は今にも抱きしめあいそうな所で……!
コンコン!
「……もういいか〜(^_^;)
5分たったぞ……(-_-;)」
「あ゛、先生〜!
良いですョ!」
すっかり二人は先生の事を忘れてた!
★☆★☆
「間違いの無いように……(^_^;)
これ以上、余計な仕事増やさんでくれな?」
「はい!
大丈夫です(^^ゞ」
進路相談室を出たら、
佐久間さんにすれ違った!
佐久間さんは二人から目を反らして、
進路相談室に入って行った!
【掲示板騒動てんまつ】
結局、佐久間さんが名乗り出た。
親呼び出しになり、
佐久間さんの親御さんは、
謝罪するどころか、
逆ギレしたんだとかで、
関係者には、まだ正式な謝罪が無い……(^_^;)
ただ、佐久間さん本人は、
謝罪してくれた……!
★☆★☆
「娘に限って、そんな事無い!
もし、書き込みしたんだというなら、
書き込みされたコにも、問題がある!
言われる理由があるはず!
こっちが謝罪なんてするもんか!
裁判で訴える!」
「……とまぁ〜(^_^;)
モンスターペアレントってやつでして……(>д<)
面目ない……m(__)m」
先生がやつれ果てて、
呼び出された関係者の親たちの前で、
頭を下げた。
「先生のせいじゃあありませんよ、
あの方は、以前からPTAでもモメてたので……(^_^;)」
恵子の母親が言った!
「モンスターペアレントか……、
けしからん!」
由理の父親は、
ふんぞり返って言った!
「本当ですよ!」
剛志の母親は、
憤慨していた!
「インターネットで流れたのが原因で、
就職出来ない人だっているっていうじゃあないですか!
娘の将来、メチャクチャじゃあないの!」
平山さんの母親も、
怒っていた!
あまりにスゴい修羅場になりそうだったので、
親だけ残り、
本人達は先に帰された……(^_^;)
「はぁ〜、先生可哀想だったね……(>д<)」
平山さんの言葉に皆うなずいた。
「こっちは解決したと思ったんだけどな……(-_-;)」
剛志は言った。
「しばらくは荒れそうね(T_T)」
恵子が言った。
校門で、一誠が待っていた(^-^)/
「皆、とーちゃん、かーちゃん達は?」
「まだ中でモメてる……(^_^;)」
★☆★☆
「平山ちゃん〜!」
「谷口ちゃんと、
坂本ちゃん、
高木ちゃん!
待っててくれたの?」
皆うなずいた!
「じゃあ、また明日!」
平山さんは、
剛志達に手を振った!
「明日ね!」
剛志達は、平山さん達に手を振った!
「やっぱ、委員長には、
山岡さんだ……(T_T)」
平山さんはつぶやいた。
「私、高浜先輩に、
話しかけてみよっ♪」
わざと明るい声で、
平山さんは言った!
「頑張って!
応援しちゃう♪」
坂本さん達は、
ニコニコ笑いながら言った!
わざと明るい声で平山さんが言ってるのを知りながら……。
校内のイタズラ書きと違って、
インターネットでは、
パソコンが覗ける世界中の不特定多数を対象としているので、
気軽なちょっとしたイタズラ心からのつぶやきを、
皆がしていったら、
トンでもない拡散を引き起こします!!
学級会で決めた事は、
拡散してしまってからは、
もう取り返しがつかないのですが、
拡散をこれ以上、
広げないための対策ではあります。
インターネットの普及で、
地域の小さな事件が、
世界中から注目されてしまうという、
恐るべき事態なんだって、
気がついて欲しいですね(;^_^A
さて、親御さんも巻き込んで、
大変な事になりましたね〜( ̄▽ ̄;)
ネットに画像流出で、
実際に自殺しちゃったという事件も現実には起きています(^_^;)
位置情報を入れたまま、
ブログなどに画像をアップすると、
どこで撮影したのか、
判ってしまうというのを
ご存知でしょうか?
フォロアーが、
ストーカーにならないように、
危険回避情報にもアンテナを拡げて、
つぶやいてくださいねd(^-^)