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一誠と由理の七富士参り

【一誠と由理】


軽快なアニソンが、

由理の携帯から流れている(^_^;)


一誠からの着メロだ!


うとうとしていた由理は目を覚ました!



「……もしもし!

梅田くん……(=^_^=)」


「調子どぉ?

医者行った?」


「うん……、

私……。」


「どうしたの?

元気ないぜ!」


「難病に……なっちゃった(ToT)」


「はぁ?

何?

大変な病気?」


「うん……。

赤いボツボツが、

身体のあっちこっちに出来ちゃった……(>_<)感染じゃあ無くて、

膠原病みたいな、

免疫異常なんだって……(ToT)」


「そっかぁ……、

大変だな!

何か出来る事ある?」


「大丈夫、山岡さんが、

さっき買い物してくれたの……。」



「病院、通院するときとか、呼んでくれよ!」


「えっ!?

ちょっと……、

あまり見られたくないわ(=^_^=)」


「何で?」


「ボツボツが……。

いっぱい出てるの、

気持ち悪いし……(ToT)」


    ★☆★☆


「実は俺、

近くにいる♪

ベランダから、

下見てみ(^O^)」


「えっ、

うそっ(^_^;)」


由理はベランダから下を見下ろすと、

部活帰りの一誠が、

携帯で通話しながら、

由理に気づくと、

手を振ったヽ(´∇`)ノ


    ★☆★☆


慌てて、由理は部屋に引っ込んだ(=^_^=)

「梅田くん!

本当、近くね!」


「この距離だと、

全然目立たなかったぜ!

でも……、たとえさー、

山崎さんが、どんな姿になっても、

俺は、関係ねぇ〜!」


「えっ!」


「顔、見れてさー、

嬉しいんだぜ(o^-^o)♪」


由理は耳を疑った(o・・o)


「じゃあ、もっと話したいけど、そろそろ行かなきゃ!

また明日な♪」


「……うん……(=^_^=)」


    ★☆★☆


由理は、

図書館でなんとなく借りた本を

取り出して開いた。


猪鼻嶽山の麓に、

浅間神社があったけど……、


江戸八百八講の富士講と富士塚について、


書いてある本だ!


あの白装束の人達の、

鈴の音が、図書館で聞こえたような気がした時に、

見つけた本だった……。

昔は、山の中には、女人禁制という、

女性は登れない信仰の山があった!


富士山もそうだが、


江戸時代に、富士塚という、小山を築いて、


子どもや女性、お年寄りでも登って、


富士登山巡礼と同じご利益があるという、


信仰が、


富士山の見える関東地方で流行ったという……♪

    ★☆★☆


この本、

多分、

読めば何かヒントつかめそうだわ……!


それから、

梅田くんに会いたい……!


こんな姿になっちゃったけど、


会いたい(>д<)


由理は、

一誠が

ますます


特別な男の子になっていた(*^^*)




【七富士参り】


浅間神社や各神社の中に築かれているという、

ミニ富士塚のある神社を七ヶ所巡る事を、

七富士参りという……。


本来は、7/1の富士山の山開きにあわせて、

江戸の町周辺の富士講の信者が、

富士塚の有る各神社を巡る神事だ!


富士講が盛んになる前は、

富士山に見立てた丘や古墳の上に浅間神社を建てて、


「浅間山(富士塚と区別して)」を詣でる富士信仰もあった!


ここでは、江戸時代後期から盛んになった富士講の富士塚を取りあげる(^^ゞ


    ★☆★☆


由理は、夢の中で、

また山伏になっていた!

あの夢の続き!

桟道から落ちて、

お坊様に助けてもらったけど、

二人共落ちそうだから、

手を離して、

落っこちて……(^_^;)


あっちこっち

木の枝にぶっつけて……!


何故か木の真ん中の高さで、引っかかっていた!



背中には、(おい)という、


山伏が背負う木の箱のようなモノがあって、


大枝から枝分かれした中くらいの枝が、


笈と背中の間に入り込んでいて、


宙ぶらりんになっていた!


ここで引っかかっていなかったら、


地面に叩きつけられて、

即死していただろう……(>_<)



だが、このままだと、


下りることは難しい!


生きたまま、

鳥にでもつつかれそうな状態だ!



長時間ぶら下がって

あちこちが痛くなってきたと思ったら……(ToT)


「おーい!」


かすかに人が呼んでいる声がした!


錫杖のシャランシャランという音を聞いた。


お坊様だ!


山伏の金剛杖も近くで拾ったらしい。


お坊様は、錫杖と金剛杖を持っていた!


山伏の姿を見つけたとたん、


「これでは降りられぬな!

今ゆく!

今度は最後まで諦めるな!」


お坊様の声に山伏は、

合掌してうなずいた。


    ★☆★☆


目覚めた由理の耳に、

お坊様の言葉が響いていた!


「最後まで、諦めるな!」


読みかけの本が、

枕元にあった!


七富士参りで、病気が治るかは、

分からないけど、

やってみよう!


    ★☆★☆


由理は、

今でも登拝できる富士塚のある神社を調べた!


東京都内の69の寺や神社のうち、


24の富士塚が登拝できる事が分かった!


由理は、紙を24枚に切り分けて、


富士塚登拝可能な神社の名前を

一枚ずつ書き出した!


紙を裏にしてかき混ぜて、

由理は眼を閉じた。


そして七枚選んだ(o^-^o)


    ★☆★☆


由理は膝が痛いが、

朝から出かけた!


タクシーを拾おうと、

商店街に出ようとしたら……!


「山崎さん(^O^)♪」


一誠の声がすぐ後ろに!


気がつかないフリをして、

タクシーに乗り込むと、


一誠もタクシーに乗り込んで来た(゜_゜=)


「梅田くんっ!」


「やっぱ山崎さんだ(^O^)♪

うわぁ〜本当だ!

可愛い顔にも……(^_^;)」


由理は思わず目を反らした!



「これから、お医者さん?」


「違うわ、

ちょっと遠出するの、

梅田くん、制服じゃない!

これから部活でしょ?」


「でも止めた!

今日は、

一緒に付き合う(^^)♪」


「……どちらまで?」


運転手さんが、聞いた。


「あの、七ヶ所の神社やお寺に

お参りしたいので、

全部まわったら、

ここに帰って下さい!」


「はい、では、

その神社は……?」


由理が紙を渡した!


「はい、では近い所から……(^^)」


タクシーは

やっと走り出した!





【西大久保富士と新宿富士】


始めは、新宿の東口界隈に向かった!


歌舞伎町の西大久保富士と、

新宿五丁目の新宿富士だ!


歌舞伎町は、路地に入ったら、


怪しげな店とかが多い中、


ビルの谷間に、

ぽっかり空間があった!


石造りの鳥居があったので、


ここが神社だとわかる!


タクシーは30分ほどしたら、


また戻って来るそうなので、


さっそく、参拝した!



「富士塚……って、無いんだけど……(^_^;)」


一誠が、キョロキョロしていると、


由理は一誠が行き止まりかと、

思っていた本殿の左側を進んだ!


本殿の奥隣に、

ひっそりと、


小さな岩山が見えた!


「小さい〜(^^)♪」


通路の反対側にも石碑が立っている!


登るというよりも、


一段上に上がるという感じた!


    ★☆★☆


水分補給して、

鳥居の方に戻ると、


さっきのタクシーが、


ベストタイミングで、

来てくれた♪


    ★☆★☆


次は新宿五丁目の新宿富士だ!


けっこう有名な神社なので、

タクシーは隣接する専用駐車場に入った!


鳥居をくぐって、

朱色の本殿を拝した!


    ★☆★☆


「境内の何処に富士塚があるのだろう?」


一誠は紅い鳥居の沢山ある祠を見つけて、


「あの岩山かな?」


由理に指差したが、


「これは違うわ、

お狐様が控えているから、

お稲荷様の祠だわ!」



チリ〜ン♪


鈴の音が、

元来た鳥居の左側からした!


「あっ!こっちだわ(^^)♪」


由理と鳥居まで戻ると、

なにやら石碑みたいなものが乱立する小山が見えた!


段差を一誠は飛び降りて、


膝が痛む由理をさっと下から、


腰の辺りを支えて、

下ろした(*^^*)


「ありがとう♪」


鳥居をくぐると、


紅い賽銭箱の向こうに階段が伸びていた(^^)


「こっちは、小山らしい富士塚だね♪」


由理の手を取り、


一誠は階段まで由理をサポートした!


膝が痛む由理は、

ゆっくり登った!


後ろに一誠が控えているから、

安心してお参りできた!



一誠は由理の手を握って、


一歩前を降りた(*^^*)


由理がよろけたら、

しっかり支えた!


由理は頬を染めた(=^_^=)


梅田くん……、

病気で身体中、


気持ち悪い発疹が出ているのに、


優しく、いたわるような眼で、

私を見てくれる……(T_T)




【千駄ヶ谷富士】


タクシーに戻ると、


「次は、千駄ヶ谷に向かいます!」


「お願いします(^^)♪」


千駄ヶ谷富士は、

渋谷区になる!


千駄ヶ谷の駅前には、

国立競技場の大きなドームが、

近代的なデザインでそびえ建っていた!


そこから、離れた車通りの少ない通りに、

八幡神社はあった!




鳥居に提灯が並び、

夏祭りが近い感じた!


そのまま境内にまっすぐ進み、

御水舎で手などを洗い浄めてから、

八幡神社本殿を拝した(^^)



御水舎の向こうに、石造りの鳥居が……!


「あったわ!

まるで緑の庭園ね……(^^)♪」


鳥居のところへ二人は移動した!


千駄ヶ谷富士だ!



鳥居をくぐると、橋がかけてあり、

池は干上がっていたものの、

緑の葉が生い茂り、

池の代わりになっていた!


橋を渡ると、小山の入り口だ!


「ちょっとした小山だな♪」


新宿の二基のミニ富士塚と違って、

小山らしい!


石段を上がると、

白い鳥居と祠があった!


まだ中腹になる……!


「この祠は……小御嶽※かしら?」


特に何も書いていない……(^_^;)


とりあえず手を合わせた!


※浅間社の里宮です(^_^;)

山の裏側5合目に「小御嶽石尊大権現」の碑がある(^^)



山の中腹には、

ぐるっと一回り出来る道がある!


「中道巡りがあるのね……(^^)」


「面白れ〜♪」



由理は、

鎖を伝いながら石段をゆっくり上がった(^^)



「山頂だわ♪」


石段を登ると、

小さな白い祠が岩の中にあった!


浅間社の奥の宮だ!

二人は手を合わせた!



木々に囲まれた、

小山は気持ちよかった!


ちょっとした山登り気分も味わえる(^^)♪


下山は、一誠が一歩先に降り、

由理をサポートした(^^)

境内の片隅で、

一誠はおにぎりを取り出した(*^^*)


「そろそろ……お昼しよ♪」


「ええ……。」


由理はチューブ式の栄養ゼリーを取り出した!


「足りる?」


由理はうなずいた。


「歯茎が腫れてて、

食べ物が噛めないの……(^_^;)」


「そっかぁ〜(T_T)」


八幡神社の木々の木陰で、

暑さをしのぎながら、


一誠はおにぎりをさっさと早食いした!


※作者注:モデルの神社で、食事休憩出来るかは、わかりません……(^_^;)

ここら辺はフィクションですので〜(>д<)


「お帰りなさい!

次……なのですが、

品川にしますか?

それとも、文京区から、足立区に行って、

最後に品川にしますか?」


タクシーの運転手さんが、

たずねた(^_^;)


「文京区で」


由理は言った!


「では、大塚のお寺さんと、

駒込の神社に行きます(^^ゞ」


「へぇ〜、お寺さんか……(^^)」


一誠は神社ばかりに有ると思っていたので、

意外そうに言った!





【音羽富士】


大塚の音羽富士は、

有名なお寺の御水舎の横奥にあった!


よく掃き浄められた境内にお寺の方が、

植木などに水やりをしていた(^^)


第二の山門のある階段の一番下の右奥に、

鳥居が見えた!



「お寺の第一の山門の中に、

鳥居は不思議な感じがするね!」


「そう?

昔は、神社とお寺が、

同じ働きのある神様と、仏様をお祀りしていたのよ!

だから、こんな風に、

お寺さんの境内に、

神社がお祀りされているの、

珍しく無いわ!」


右側に入り口があって、

階段を登ると、

山頂までジグザグの道が続いていた!


「石碑だらけ!」


道の端に石碑が並ぶ!


緑も多く、小山に迷いこんだみたいだ!


「色々な富士塚が有るのね……(=^_^=)」


由理は、富士塚を築いた人達が、

それぞれの富士塚のデザインや個性が出ていて、

面白いと感じていた!



「やっと頂上だ!」


由理と一誠は、

狭く急な自然石の石段を上がると、

白い石造りの祠を見つけた♪


富士浅間神社と書いてある祠に手を合わせた(*^^*)


「じゃあ、そろそろ……、

降りましょう(^^)」


由理が立ち上がって言った!


石段がちょっと急に思えたので、

一誠は先に降りながら、

由理の手を取り、支えた(*^^*)


    ★☆★☆


本堂に続く石段の御水舎は、

ヒシャクがない!


巨大な蓮の葉に水がたまってて、

一ヶ所に水が流れ落ちていた(^^)


「ここで手を浄めるのね……(^^)」


由理は、左手首の傷にも、

滴り落ちる雫をかけた♪


他の神社でも、

由理は左手首の傷に水をかけていた(^^)


「傷にもかけてるんだ!」


「こうすると、

治るかもしれないって思って……(=^_^=)」


一誠は自分の手の平に貯めた雫を

由理の左手首にかけた♪


「俺も早く治るといいなって、

気持ち込めたぜ!」


「……ありがとう(=^_^=)

とっても、嬉しいわ!」


由理は頬を染めた(*^^*)


かっ可愛い〜♪(*^∇^*)


一誠は由理がいとおしく感じた!


「じゃあ♪

お参りしよ(^O^)♪」


二人は、ちょっと急な階段を上がった!


    ★☆★☆


山門をくぐると、

本堂が奥に見えた!


広い境内に、

立派な灯籠!


本堂を拝んだら、

護摩木があった!


病気平喩


を由理は選び、


心願成就


を一誠は選んだ(*^^*)


由理の災難から、

護りたい……と、


一誠は眼を閉じて願いを込めた!


すると、


一誠は、

シャランシャランという音が聞こえたから、


思わず右手を

音のする方に伸ばして掴んだ!


手にしっくりくる棒状の何かだ!


眼を開けたら、


一誠は何も握ってはいなかった……(^_^;)??


    ★☆★☆


二人は、再び、

山門の方に引き返した!


ちょうど、地下鉄の入り口近くまで来たら、


タクシーが目の前に滑り込んで止まった(*^^*)


では、駒込に参ります(^^ゞ♪





【身録行者の墓】


駒込に向かって走ったハズなのだが……、


運転手さんが言った!


「あれ?

ナビが故障かな?

違う……神社じゃあない!

お寺さん……に着いちゃいました(+_+)」


由理がキョロキョロ辺りを見回すと、

白装束の人が、手招きしていた!


「あっ!ちょっと待って!

ここ……、このお寺も、

お参りします!」


由理は言った!


「?」


一誠は、カーナビが、

確かに、今のお寺を指していたのを見た。


「わかりました♪」


タクシーは、参拝者用の駐車場に停まった。


    ★☆★☆


「とりあえず、本堂にご挨拶しましょう!」


由理を支えながら、

一誠は本堂に向かった(*^^*)


本当に歩きにくそうだな……(^_^;)


お参りを済ませたら、

チリ〜ンと、鈴の音が鳴り響いた!


白装束の人が、墓地に向かって腕で示している(^_^;)


「鳥居がある!?」


「木の色で紅く無い、

鳥居だわ……(=^_^=)」


看板があった!


身録行者の墓


「みろくぎょうじゃのお墓?」


なにそれ?


一誠は、大きな?マークを頭に付けていた!



「ここ……、

富士講を江戸八百八講と、

流行らせた中興の祖のお墓だわ……(=^_^=)」


「じゃあ、来るべきお寺さんだったって事!?」


「そうね……(^^)♪

せっかく、富士塚の七富士参りするなら、

お参りしましょ♪」


お寺なのに、

鳥居のある不思議な墓だ!


    ★☆★☆


鳥居をくぐると、

富士山の溶岩石を富士塚みたいに積み上げ、


富士塚にある石碑みたいな墓標のお墓が、


普通の墓地の中にそびえたっていた(^O^)


「ミニ富士塚なお墓……(^^)」


二人で手を合わせた。


七富士参りの真似事を

する事になりました。


お導き下さいませ。


由理は祈った。



一誠は、

山崎由理さんの病を癒すヒントとして、

富士塚を巡ります……!

どうか、山崎さんの病が癒えますように!


    ★☆★☆


祈ったら、二人はタクシーに戻った!


タクシーの運転手さんが、

狐につままれたような顔をしながら、


「お帰りなさい!

カーナビ、急に直りまして、

ちゃんと神社を指し始めましたよ!」


「寄り道して、正確でした!

ちょっと関係ある方のお墓があったのですよ!」


「カーナビに感謝ですね(^^)」


「不思議ですね(^_^;)」


「神社とかを巡っているので、

ご利益かもしれませんわ(o^-^o)」


「若いのに、信心深いのですね!」


「はい(^^)」


「願掛け……です……(=^_^=)、」


「……縁結び……ですか?」


「病気……難病で、

治ればいいな……って……。」


由理はつぶやくように言った。


「……そうでしたか……(^_^;)」


運転手さんは、それっきり、

黙ってしまった。


「あ……(=^_^=)

運転手さん、

私達、さっきお弁当食べましたんで、

お昼、

神社とか私達が参拝中にでも……(=^_^=)」


「あぁ……、

大丈夫ですよ(^^)♪」


運転手さんが、

明るく答えた!





【駒込富士】


カーナビに導かれてお参りしたお寺からすぐの所、


うっそうと樹に覆われた小山みたいな一角にたどり着いた!


駒込富士だ!


「路駐難しそうですので、

30分したら、ここら辺、

グルグル回ってお待ちしています(^^)」


「お手数おかけします!

早めになりそうだったり、

俺らが30分より遅れていたら、連絡入れます!」


    ★☆★☆


石造りの鳥居をくぐると、

目の前に急な階段が見えた!


「この上が、社殿なの!」



由理は、急な石段を上り始めたら、

足取りが少し早くなって来た(^_^;)


また、山登りみたいな速さになってきたな(+_+)



「山崎さん!

膝大丈夫?」


「痛いけど、不思議と大丈夫〜(^_^;)」


斜面には、色々な石碑があった!


江戸の火消しのマトイの図柄とか、

色々だった(^^)


    ★☆★☆


頂上の社殿に参拝して、

ぐるっと社殿の裏手を巡ったりした!


「大きな拝殿が、富士塚に乗っかっているみたい♪」


由理は言った!


「そうだね♪

小さな祠じゃあなくって、

塚も拝殿もデカイ♪」


    ★☆★☆


これは、富士講以前からの「浅間山」信仰だ!


浅間山信仰に後から富士講が加わった!


古墳とも言われる小山に、

この富士塚は移転してきた!


木々が気持ち良いスポットだ!


    ★☆★☆


山頂から正面の階段には戻れない一方通行になっていた!


そのまま社殿の右側に行くか、

社殿左側で、緑のトンネルを抜け、

社殿裏側を通り、

社殿右側との合流点に祠があった!


祠にお参りしたら、

下山路の階段を降りる!


降りたら、

立ち入り禁止区域に、

石段があった!


    ★☆★☆


石段の上には、


「庚申……」


と書かれた石碑で終点だった!



富士塚には、

人穴(ひとあな)らしい洞窟(御胎内かも知れません)


もあった!


富士塚と庚申講は縁が有る!


庚申の年に富士山が出来たという伝説からだそうだ(^^)


入り口階段の向かって右側中腹には、

何か分からない像もあった!


じっくり見学して、


30分くらいたった!



再び鳥居に戻ると、

タクシーが、

ベストタイミングで、

来てくれたヽ(´∇`)ノ


「今度は足立区です!

ちょっとかかりそうですが、

大丈夫ですか?」


由理はうなずいた!


    ★☆★☆


タクシーが走り出すと、

由理は、一誠の肩に頭をのせて、

うとうと休んだ(o^-^o)





【花又富士】


足立区の花又富士までやって来た!


「あれですかね?」川沿いの集合住宅地の中に、


ぽっかり空いた小山……?


「鳥居も有るけど、

浅間神社が無いね(^_^;)」


由理には、白装束の人が手招きしているのが視えた!


「ここです!」


由理は言った!


交通量は、ほとんどガラガラの住宅地の道路だから、


タクシーはそのままハザードランプを付けて、

木陰で待ってくれた!


    ★☆★☆


入り口を進むと、

石造りの鳥居があり、


一対の石灯籠の間を進んだ!


一面に富士山の溶岩岩が貼り付けてあり、


山頂近くには樹木がほどよく生えて、

趣きがある……(=^_^=)


そのまま真っ直ぐ、

由理は天然石を並べた石段を登り、

一誠は後ろに付いた。

由理はけっこう登ったら険しいけれども、


ひょいひょいと登ってしまう(^_^)


山頂の祠の浅間神社の御札に手を合わせた。


    ★☆★☆


けっこう急だな〜(^_^;)

一誠は思った!


手すりみたいなモノは一切無い……(>д<)


それにしても、富士塚は、

それぞれの地域色があって面白い!


石碑だらけだったり、

石碑の模様や書かれた字が、

個性的だ(^O^)


この富士塚は、石碑があまり無くて、


けっこうシンプルな印象だった(^^)♪


    ★☆★☆


富士塚の登山道は、正面から伸び、


一旦左側に移り、


祠に参拝したら、


右側の奥に下山道なのか、

次々信者が登っても、

一方通行で、

進める構造だ♪


由理が参拝している間、

一誠も遠くから拝み、


先に下山道を降りはじめて、


由理の手を取ったりして、


帰り道をサポートした。


    ★☆★☆


「ありがとう(*^^*)」


由理の言葉に一誠ははにかみながら、

頭をかいた(*´∇`*)


「大したことしてねぇ〜よ♪」


由理は、一人で登りに来るつもりだったが、


けっこう急だったから、


一誠のサポートが、

ありがたかった♪


健康な身体での山登りの時とは違い、


膝と腕の関節の痛みが、

思ったよりも、

登りにくく、


特に下山の時には、

身体を支えるのがやっとだと感じたからだ……!Σ(×_×;)!


一誠はただ、

由理と一緒にいる時間が楽しく感じていたo(≧∇≦o)


鳥居の所で、

再び手を合わせながら一礼して、

二人はタクシーに戻った(^O^)





【品川富士】


タクシーに戻ると、

品川に向かった!


やっとここで最後だ!


二人は着くまで、

うとうとお昼寝をした(o^-^o)


タクシーは、

参拝者用の駐車場に入って行った。


また階段がスゴい急だ!


階段の途中の左側に鳥居があった!


石造りの祠があって、

向かい側には登山道とか、

一合目とか書いてある!

品川富士だ!


階段を上り、

二合目と書いてある、

穴の中には、

役行者と前鬼、後鬼みたいな石像があった!


五号目まで登ったら、

六合目からは、

方向が変わり、

山頂に向かって、

道は続く!


手すり代わりの鎖があって、

鎖を握りながら、登山気分を味わえる!


「あら?」


山頂には、旗を掲揚するポールしかない。


「祠が無いわね……(^_^;)」


「あそこ!」


小さな祠が中腹にあった!


「あれは小御嶽社(こみたけしゃ)かしら?」


「こみたけ?

何それ?」


「富士山の中腹(北側五合目)にある昔の(約10万年前の)古富士山※よ!」


※今まで見た神社やお寺の富士塚は小御嶽と書くが、

富士山では小御岳神社と書く


富士山五合目にある神社で、

太郎坊正真(天狗様)または石尊大権現

磐長姫を祀る

富士山小御岳神社

富士山大社とも呼ばれる!


    ★☆★☆


「眺めがいいな〜(^^)♪

電車が見える!」


一誠が、電車を眺めていたら、


白装束だけど、

服装が他の人とは違う姿の行者が現れた!


他の人は、紺の着物の上に、

白いお遍路さんみたいな上っ張りを羽織っているのだが、


上から下まで白い装束の人が、

由理の前に現れ、


由理をお姫様だっこした!


「あ……(=^_^=)、」


先達(せんだつ)とかいう、

山登りの時に、

皆を導く人?


由理がそう考えていたら、

普通に立っていて、


先達の姿は無かった……(^_^;)


廃仏希釈(はいぶつきしゃく)※で、

神仏混合の社殿はうち壊された……(^_^;)」


そんな男の声が

由理に聞こえたような気がした!


    ★☆★☆


由理の膝と腕の関節の痛みが、

消えていた!


※明治政府の政策で、神仏分離令が出され、

全国的に民衆が仏閣や仏像をうち壊すという暴徒化した!


元々、同じ働きのある神仏を神様の時と、

仏様の時の姿という解釈で、


寺社に奉ってきた

「神仏混合」を

「神仏分離」


させた事から起きた。


    ★☆★☆


富士塚のすぐ隣には、

浅間神社がある!


由理と一誠は、

浅間神社に参拝した(o^-^o)


境内には、

神社の本殿と、

浅間神社と、御嶽神社があった……。


「これだけ参拝すれば、

ご利益間違いないね♪」



「そうね、

ありがとう(=^_^=)」


由理が、

普通に歩いているのに、

一誠は気が付いた!


「膝、痛くないの?」


「うん、

何だか痛みが無くなったの……♪」


「マジ(^O^)♪」


二人は水分補給と、

トイレを済ませて、

タクシーに戻った(^^)


あとは家に帰るだけだ(o^-^o)


七富士参り、

ついに全てまわりました♪


西大久保富士

新宿富士

千駄ヶ谷富士

音羽富士

身録行者の墓

駒込富士

花又富士

ラストの品川富士♪


この中で、

富士塚と知らずに、

以前訪れた事があるのが、

新宿富士です(^^)


他は、

プラネタリウムのモデルになった博物館の、

ホームページを見ていたら、

たまたま富士講と富士塚の講座が開催されたので、

申込みました♪


お山開きの御祭りの日に、

講座のフィールドワークで、

出かけた所と、

博物館講座で配布された東京の富士塚の資料を元に、


東京の歴史ガイド系資料と、

登拝可能な富士塚を紹介されている本を調べて、

現地に出かけて、他のサイトでは、実際に撮影してきた画像を載せて、

書きました♪


博物館の講座では、

葛飾区の富士講が、

七富士参りで、

マイクロバスで最初に訪れた富士塚が、

私の現在暮らす地域の富士塚だと聞いて、

びっくりしました!!


たまたまが重なって、

この話は出来ています♪


前回後書きを更新していたら、

室内干しの洗濯物が、

風もないのに、三つ中、

二つだけが、

下を誰かがくぐったみたいに、

揺れましたが、

私には視えません(^^;)


白装束や、カーナビとかは、


想像の翼ですが、


これはリアルホラーですね(^^;)


駒込富士では、

「麦藁蛇」や富士山型の「らくがん」を山開きの祭礼で、

購入出来ます♪


古墳かも……と、言われていたものの違うかも、

という、富士塚はけっこう有りまして、

証拠品が発掘されてやっと断定されるために、

富士塚を壊さないと分からないから、

謎のままですね〜(^^)♪


私の乏しい直感というか、

主観は、古墳カラーに視えるかも♪


山形の高畠八幡神社や、

行田の前玉(さきたま)神社は、

古墳の上に有る神社で、

前玉神社境内には、

浅間神社が有りまして、

富士講の方々が、

浅間山信仰的に、

御詣りしていると聞いたことが有ります♪


それから、

ここでは出てきませんが、

高田富士

も古墳の有るお稲荷さんの境内です(^^)


そういった古墳とわかっている所に似たカンジですね(^o^)


花又富士も、古墳かもと、

言われていますが、

発掘していないので、

断定出来ないそうです!


花又富士は、

なんと、

私は自転車で行けちゃう、

隣町の富士塚ですが、

駅からは不便です( ̄▽ ̄;)


富士塚に魅せられた方が、

花又富士を取材された帰りに、

たまたま、

なんとなく歩いていったら、

ウチの地元の富士塚に着いてしまった……という、

いきさつで、

紹介されている本も有ります♪


富士塚の不思議体験?

みたいなことは、

次の富士塚後書きで♪


という事で、最後の品川富士なので、

不思議体験ですが、

品川富士から帰ってきて、

家でウトウトしていたら、

品川富士の上に私が立っていると、

先達さんに、

お姫様だっこされた……(^^;)夢見ました!!


由理にやってもらいましたが、

ネタを提供してくれましたね♪


な〜んだ(;^_^A

ガッカリ!?


ま、霊感無いんで、

滅多に視えません♪


ただ、こういった、

富士講関連の

偶然が、

この先にも、

有りまして、

視えない導きなのかな?


信者じゃないんだけど( ̄▽ ̄;)


歴史民俗的な趣味なので……(^^;)


富士講に限らず、

山伏研究してます(^^;)


変わった趣味なの自覚してます(;^_^A


他人には、

オススメしないので……ご安心下さい(^^;)

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