第二話 今
病院・・・僕はここいる・・・
でも、僕の居場所はここじゃない・・・
今日警察が来るらしい・・・
しばらくして・・・
ガチャ・・・
「こんにちは」
ドアが開きそんな声が聞こえてきた・・・
「・・・結崎 伸君だね。」
「知ってて来て居るんでしょ?だったらわざわざ聞く必要ないでしょう。」
僕は警察が嫌いだ・・・
いつも来るのは後からだから・・・
犯人が捕まっても起こった事実は変わらない・・・
「・・・今回の事は気の毒に思う。」
「だったらほっといてください。」
別にこの人が嫌いと言うわけではない・・・
ただ、警察が嫌いなだけだ
「・・・少し話を聞きたいんだが?」
少し口調が荒くなった
いざこざになるのは面倒だから適当に話すことにした
「分かりました。何でしょうか。」
「事件について君が知っていることを教えてくれないか?」
「何も分かりませんよ。物音がしたと思って起きていったらいきなり殴られましたから。」
「それからは気がついたら病院のベッドの上でした。」
「犯人について、何か分からないか?人数や顔とか。」
「分かりません。気がつく前に殴られましたから。」
警察は話す気がないと思ったのか
「分かった。協力ありがとう。」
そう言った
「ご家族の冥福を祈っていますよ。」
そう言って出て行った。
それは、気づいていたけどまだ聞いてはいなかった事実だった。
だけど、特には気にならなかった。
医者は今の一言で警察に何か言っていた。
看護士さんは
「・・・本当はもっと落ち着いてから話したかったんだけど。」
そう言っていただから
「うすうす気づいていたことですから。」
そう言った
「・・・私も祈っていますから。」
「ありがとうございます。」
そう言った
「・・・でも協力的にした方がいいと思います。警察は犯人を捕まえるために来ていただいたんですから。」
そう言っていたが
「・・・犯人が捕まっても僕は何も変わらない。家族が居ない苦なったことも一人になったことも・・・」
そう、犯人が捕まっても何も変わらない・・・あの時と同じで・・・
「それは・・・」
看護士さんは言葉に詰まった
多分、何を言っても意味がないと思ったんだろう・・・
「まだ、犯人とか言われてもピンと来ないんですよ。」
だからそう言った
「・・・そうですか。」
それ以上は何も言ってこなかった
「何かあれば言ってください。」
そう言って出て行った
個室に一人残される
「一人・・・か。」
特に何も感じなかった・・・
事実から逃げているのではない・・・実感が無いのでもない・・・
ただ、全てがどうでも良くなったんだろう・・・
「・・・これで俺は全てを失った。」
家も・・・家族も・・・支えも・・・
それが全てだったから
「・・・・・・・・」
それからは沈黙が部屋を支配した
ただ・・・自分の鼓動がとても遠くに感じて・・・
生きているのかが分からなくなってきた・・・
どのくらい続くかはわかりません。何となく長くなる気はしますが・・・
出来るだけ更新早くしようと思っています。