プロローグ
目の前に広がる光景・・・
消えゆく光・・・
全てが嘘に思えた・・・
自分は夢を見ていると思いたかった・・・
でも・・・
顔にかかる・・・赤い液体が・・・
それは確かに現実だと伝えていた・・・
「おい、こいつどうする?」
そんな声が聞こえる・・・どこか遠くのような気がする・・・
「ほっとけ。ガキに用はない。それに、その怪我だ何もできまい。とっととすまして逃げるぞ。」
でも、耳元のような気がする・・・
「ああ、警察が来ないうちにな。」
体から何かが出ている・・・
液体?・・・そうか、血・・・なんだ
足音が遠のく・・・
自分がどこにいるのかが分からなくなってきた・・・
何も分からない・・・何が起こっているのかも・・・
ただ・・・目の前に広がる赤い光景だけが目に焼き付いた・・・
そして、僕は何も感じなくなった・・・
・・・・・
気がついたとき最初に見えたのは白い天井・・・
当たりを見渡す
自分には様々な医療器具がつけられていた・・・
何故僕がこんな風になってるんだろう・・・
ガチャ・・・誰かが入ってきた
そっちを見る
見たことが無い人だ
その人は僕を見ると部屋を出ていった
それから少ししてまた戻ってきた
今度は一人じゃなくて二人だった
一人は男、もう一人は女
最初に来たのは女だったらしい二人とも白衣を着ている
「気分はどうだい?」
男の方がそう聞いてきた
気分・・・
「悪くはありません。」
「そうか・・・」
それから簡単な質問がなされて、僕はそれに事務的に答えた
それで、そのまま部屋を出ていこうとしたから僕はこう聞いた
「何故僕はここに居るのですか?」
そう聞くと
「・・・今はまだ知らない方がいい。」
そう返事が返ってきた・・・
僕自身まだ何も考えたくなかったし
起きたばかりなのにとても疲れていたから再び眠りについた・・・
この小説には犯罪を肯定する発言が多分出てくると思います。
それは、作中の都合です。作者自身が犯罪を肯定している訳ではありません。