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雨宿り、のちカンチガイ。

作者: 辻堂安古市
掲載日:2026/05/02





「ねえ風弥、今日部活の時間、何時終わり?」


「えーと、確か18:00終わりだったかな?昨日試合だったから調整練で早く終わるって」


「ホント!?うちもその位に終わるよ?じゃあ、一緒に帰れるね!」


(よっしゃきたぁ!)

 

 いつもだったら、終わる時間違いすぎて待てないことが多いんだけど、久々に一緒に帰れる!と思って心の中でこぶしを握りしめる私。


 別に話しするならスマホでも良いんだけど、やっぱ顔見ながら、体温感じながらの方が良いじゃん?


 ……あ。


 今日は月曜だから風弥の制服からいつもの柔軟剤のニオイがする。このニオイがすると、風弥と一緒にいる感じがするのよね。


 いや、別にニオイフェチじゃないけど?






 ……なーんて思ってたら、 帰り始めてすぐに雨が降ってきた。


 おーまいがー!

 神様のイジワルっ!


 もう少し位ガマンしてよね!

 せっかく一緒に帰ってたのに、ツイてないなぁ。


 でもどうしよう?

 二人とも傘なんて持ってないよ!

 

 あーあー。

 どっちか持ってたら二人で一つの傘に……って王道シチュもあったのに!んでもって「雨に濡れるから仕方ないよね?」とか言いながら腕組んで密着して………!


 なんて妄想かましてたら雨が本降りに。

 おーまいがー!

 どうしよう!?




 あ。


 ここ、空っぽのテントガレージがある!


「ちょっとココのガレージで雨宿り、させてもらおうよ」


「他人んちのだけど……本降りだし、仕方ないな。ちょっと入らせてもらおう」



 あ~あ……髪の毛も制服もけっこう濡れちゃたなぁ。せっかく前髪セットしてたのに、ホントついてない。


 ……って思ってたら。


「ほら沙希、髪の毛ふいてやるから。これ洗いたての新品で、今日は使ってないやつだから大丈夫だろ?」


 風弥がふわりと頭にスポーツタオルがかけてきて、そのままくしゃくしゃくしゃっと髪の毛をふいてくれた。力加減とタオルの感触がなんだか心地いい。



 あと……例の柔軟剤のニオイが……!

 コレ、風弥に包まれてるって錯覚しちゃう!ヤバい!



 それで、なんだかぽーっとなって、目を瞑っていたら……







 んっ……………


 んんっ?




 待って?


 これ、この唇の感触って………!?



 







「……何、してんの……?」


 私は自分の顔を風弥の胸に押し付けながら声を絞り出した。でも自分の声より胸の音がうるさい。




「あ、や、その、上向いて目をつぶってたから、良いのかなーって、思って……つい」


「……………つい?」


「ごめん!勘違いだった?」


 

 そんな言い訳をする風弥の心臓の音もドコンドコンうるさくて、雨の音がかき消される。



 ……あーもう!バカ!


 顔がほっぺたが熱い!

 まともに顔見れないじゃん!

 ()()()()は別に良いけど!


 でもね、ちょっとだけ納得いかない。





「……もっかい、やり直し」


「え?」


()()()が勘違いとか、ヤダから」






 ✽.。.:*・゜ ✽.。.:*・゜ ✽.。.:*・゜ ✽.。.:*・゜ ✽.。.:*・゜



 雨が小降りになって来た。

 でも、もう少しこのまま雨宿りしてても、良いかな。







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― 新着の感想 ―
帰路についてすぐの降雨ですか。 これぞ正しく「遣らずの雨」ですね。 雨天の日が増えてきた今の時期にピッタリなシチュエーションですね。 そして上向いて目をつぶっていたなら「キスしてもOK」と解釈したり柔…
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