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第3話:【汚辱の刻印 ― 規格外在庫の洗浄 ―】

3話まできた行政エロス好きな物好きな同志の皆さんへ

用語解説です


行政用語 (官報より、アレス閣下による実効定義)


公務の最適化

組織の生産性を最大化するための調整。

ルーカスの不要な情動(絆・愛)を物理的・精神的に排除し、[検閲済]として再定義すること。


リソースの浪費

予算や資材の不適切な配分。

ルーカスが、前執行官やマザーの寵愛に甘んじている現状すべて。


行政処分(直接執行)

法令違反に対する強制的・物理的制裁。

洗浄室において、アレスの[検閲済]や魔導具がルーカスの[検閲済]を徹底的に検分・蹂躙・管理**すること。


一元管理権の委譲

情報や権限を上位組織に統合すること。

ルーカスの脳内(思想体)からA01のアクセス権を剥奪し、[検閲済]ですべてを塗りつぶすこと。


定時退社(事後処理)

規定の時間に業務を終了し、離席すること。

3時間の[検閲済]後、アレスが公務に戻る際、ボロボロになった在庫ルーカスを「廃棄物」のように強制的に戦線離脱させること。

▪︎ 執行の余白:あるいは「在庫処分」のリスケジュール


ルーカスの掠れた呼吸が混じる空間に、ガウェイン・オニキス・ヴァランタンの冷静で低い声が響く。

ガウェインは、帝国の武力を支える「ヴァランタン家」の嫡男であり、アレスの右腕。彼にとってこの任務は、単なる「不良在庫の処分」に過ぎない。


「閣下。次の公務まで、残り三十八分です」

ガウェインは、アレスの腕の中で無残に蕩けきったルーカスを一瞥した。


(閣下の趣味は理解しかねるが……。電法省の利権をすべて軍事省が接収できれば、我が省の来期の予算案は盤石。このガラクタ(ルーカス)一人の尊厳でそれが叶うなら、安いものだ)

彼は心の中で冷淡に独白し、淡々と報告を続ける


「南方予算会議は明日に再設定しました。……また、例の『活力剤』の販売中止手配、滞りなく進んでおります。明日には各紙で告知予定。……閣下、当初の予定を大幅に超過しておりますが」

アレスはルーカスの乱れた髪を乱暴に掻き上げ、その耳元で低く笑った。


「……予定を変えた。あと三時間は確保しろ」


「……三時間、ですか。承知いたしました。……銃剣規制団体との会談はリスケジュール不可能です。主任を代わりに向かわせます」


「ああ、そうしろ。どうせギャンギャン騒いでるだけだ。私が行くまでもない。……あと、あの文官に私から『恩賞』を贈るように手配しておけ。彼が余計な小細工(活力剤の仕込み)をしてくれたおかげで、この在庫ルーカスの『適合率』が跳ね上がった」


「あ……、あ、う……っ……まさ、か……」


ルーカスの脳裏に、ある情報の断片が浮かび上がる。

――活力剤。若者の間で「合法ドラッグ」として流行している、市販薬の成分を悪用した未規制の快楽。


自分が執行官として、社会の秩序を守るために必死で流通を止めようとしていた「毒」。それが解決するどころか、自分を陥れるための「前処理」として利用され、あろうことか実行犯の文官には「恩賞」まで出るという。


すべてが、アレスの掌の上。

ルーカスが守ろうとした正義も、部下たちの忠義も、すべてが閣下の「愉しみ」のために再定義されていく。


▪︎ 資産の接収:伯父の「愛」という名の予算不正


帝都の議事堂において、アルビオン公爵家が差配する「情動省」からのリソース配分は、常に火種となっていた。


情動省大臣、アルフレッド・ルーメン・アルビオン。彼は妹ライラの忘れ形見であるルーカスを、「第六新公爵」という政治基盤の弱い立場には不釣り合いな「情動に関わる新規システムへの開発予算」と、「情動抑制による次世代高精度生体端末への特別予算」で守り続けてきた。


しかし、この「伯父の愛」は、議会のハイエナたちにとっては絶好の攻撃材料だった。


「独立機関である電法省に、なぜ情動省の手配で予算の四分の一も割かれているのか?」


「これは国家資産の私物化ではないか?」

この反発を、最も冷酷に、かつ「正論」として利用したのが軍事省当主アレス・クロノス・ヴァルキューラである。


「――電法省などという、旧神の威信に縋るだけのガラクタ置き場に、貴重なリソースを浪費させるな。その『資産ルーカス』は、我が軍事省が接収し、国家のために再定義(最適化)してやる」

この一言で、伯父の庇護は「不正」へとすり替えられ、ルーカスへの蹂躙は「国家による資産の有効活用」という名の公務へと昇華したのである。


【1. メンテナンス:剥離される「公爵」の機能】

意識が強制終了シャットダウンされた後の、不快な浮上。

ルーカスが次に目覚めたのは、執務室の裏にある、冷たいタイルの洗浄室だった。


「……っ、あ……」

視界が揺れる。網膜には、アレスの魔力汚染による[SYSTEM_RECOVERY: 12%]のノイズが走っている。

気づけば、彼はアレスの片腕に抱えられたまま、全裸で立たされていた。つい先刻まで彼を守っていた軍服も、公爵としての階級章も、今は床に無造作に捨てられている。

下半身がだるく,痛い。


「……ふむ。目覚めたか、U-001」

アレスの低い声が、湿った部屋に響く。

全裸の自分とは対照的に,アレスは服の乱れなく完璧なままだった

アレスは軍服の袖を捲り上げ、黒革手袋を嵌めたまま、高圧シャワーをルーカスの白皙の肢体に浴びせた。


「ひ、っ、やめ……放せ、アレス……ッ!!」

冷水が熱を持った肌を叩き、ルーカスは震えながらもがく。だが、アレスの大きな手は、ルーカスの細い首筋を犬でもつかむかのように掴んで固定した。


それは愛撫とは程遠い、まるで汚れた精密機器をメンテナンスするかのような、高圧的な手際だった。


「……っ、閣下……耳に、水が……」


「動くな。……少しは綺麗にしてやらねば、アルフレッドが怪しむだろう。私がこうして『清掃』してやっていることに感謝したまえ」


【2. 強制認証クラッキング:旧神の防壁と血のアクセスコード】


アレスは、ルーカスの震える右腕を掴み上げると、その手首に刻まれた銀色の刺青――『U-001』を、検品するかのような冷徹な瞳で見つめた。


アレスの指先は、ルーカスの右腕に刻まれた銀色の紋様――『U-001』なぞる。


「先日の合同会議……。君が資料を拾おうとして袖が捲れた一瞬、私はこれを見逃さなかったぞ.いつもつけてたあの忌まわしい旧神の受信腕輪をなぜ外した?こんなものを堂々と晒しおって」

ルーカスの心臓が跳ねる。あの時か。

伯父アルフレッドは、かつて震える手でこの紋様を隠し「決して誰にも見せてはならないよ」と、遺言のように繰り返していた。

だが、部下たちが「お洒落な刺青ですね」と無知な称賛を送るたび、ルーカスはどこかで彼らを、そして伯父の警告を舐めていたのだ。


 帝国を統べる電脳A01への唯一のマザーアクセス権であり、旧神・前執行官が刻んだ「帝国の鍵」。

ルーカスの血肉と完全に同化し、生きた脈動なしには起動しないマスターコード。


「……不法投棄物の放置だな。君が呼吸を整えるたび、ここからあの男の忌々しい魔術波動がノイズのように漏れ出していた。私の受信感度を侮ってたのか?」


(……部下も誰も気づかない。伯父様は過保護なだけだ、と……あの日、私が油断しなければ……!)


「……部下の無知に甘え、自身の『識別コード』を晒した罪は重い。……いいか、ルーカス。これは装飾ではない。俺が、お前を『解析』するためのアクセスキーだ」

ルーカスが叫ぶのも構わず、アレスは無慈悲に薄い手首の皮膚にガチリと歯を立てた。


「あ、あああああぁぁッ!!」


噛み締められ、溢れる痛み。同時に、アレスの魔力が歯列を通じて直接神経へと流し込まれ、脳内のA01が「強制認証申請オーバーライド、防御機構展開」の警告を絶叫させる。

魔力が神経を直接焼き、視界が真っ白なログで埋め尽くされる。


完全に心は[検閲済]と羞恥で折った。

ドーパミンで脳を焼き、ルーカスの自己防衛本能ガードを緩めた。

アレスは一気にA01最深部へのアクセスを試みる。


(……堕ちろ。その鍵を、私の前に差し出せ……!)


だが。

ルーカスの脳内で鳴り響いたのは、耳を劈くような機械的な排斥音リジェクト・ノイズだった。


『――ERROR: 生体認証不一致。マスター権限の委譲を拒絶します。』


視界を埋め尽くす真っ赤な警告ログ。


「……くそっ、これほど引き上げても通らんか!」

アレスはルーカスを床に投げ落とすと、指先でルーカスの喉を強く圧迫した。


「あ、ぐ、っ……が、はっ……」


「身の程を知れ、U-001。お前が頑なに拒むその『鍵』も、所詮は肉と魔力で編まれたプログラムに過ぎない。なら直接その回路を掻き回してやるまでだ」

アレスの瞳には、冷徹な官僚の仮面の下に潜む、狂暴な略奪者の色が混じっていた。

期待していた「マスターコード開門」の快感を得られず、アレスの端正な貌が苛立ちに歪む。

旧神・前執行官が施したプロテクトは、単なる快楽による脳のバグ程度では突破できないほど、深く、残酷にルーカスの生存本能に根を張っていた。


「は、あ……っ、は、はぁ……」

脳を揺らす認証失敗の反動フィードバックで、全身を痙攣させるルーカス。

彼は知らない。自分が「耐えきってしまった」ことが、かえってアレスの支配欲に油を注いだことを。

アレスは濡れた革手袋をぎりりと鳴らし、まだ激しく脈打つルーカスの胸元を睨みつけた。

彼は再びルーカスの腰を強引に引き寄せると、高圧シャワーのノズルを、その「排泄」と「受容」を司る最深部の入り口へと、躊躇なく押し当てた。


「ひ、いぃっ!? や、め……っ、そこ、は、あぁぁああ!!」


[アレス閣下にアーカイブされました]


【3. 共有端末の沈黙:あるいは「悲鳴」のデータ転送】


「……カタカタ、カタカタ」

洗浄室の重厚な扉を隔てた隣、秘書官たちの待機室には、非情なほどに正確な魔法端末の打鍵音だけが響いていた。


「……第2フェーズ完了。検体の抵抗値、ほぼ消失。HQ値の急上昇を確認」


「了解。情動省提供の『洗浄プログラム』の効果は絶大だな。アルフレッド閣下も、まさか自分の研究が、甥を壊すための最高の潤滑剤になるとは思わなかっただろう」


秘書官の一人が、鼻で笑う。

伯父アルフレッドが、ルーカスの「高濃度データ受信における精神防壁」を保護するために開発したはずのプログラムは、アレスの手に渡った瞬間、最深部を抉り開けるための冷酷なハッキングツールへと変貌を遂げていた。


ルーカスの脳を守るはずだった「盾」は、今やアレスの魔力を最も効率的に中枢へ流し込むための「回路」として機能し、主人の意志とは無関係に、その「聖域」を蹂躙者の前に開放し続けていたのだ。


彼らにとって、扉の向こうで行われていることは、古びたハードウェアのフォーマット作業に過ぎない。


「ひ、っ……あ、あ、……」

その部屋の隅、ルーカスの信頼する秘書官イヴは冷たい床に膝をつき、自分の片目端末を押さえて震えていた。

それはルーカスの頭にあるA01の模倣端末。ルーカスの「魂」と繋がる唯一の絆。

端末には、ルーカスからの「悲鳴」とも呼べるノイズが、デジタルな血飛沫のように飛び込んできている。だが、それはあまりにも断片的で、かつ「[検閲済]」と「絶望」が混ざり合いすぎていて、今のイヴの演算能力では理解することすらできなかった。


「ルーカス、様……っ、なに、を、何をされて……」

そこへ、ガウェイン・オニキス・ヴァランタンが、軍靴の音を響かせて立ち上がった。その手には、軍事省の紋章が刻印された無機質な白いタオルと、予備の衣類がある。


「そろそろ仕上げの時間だ。……私が持っていく」


「わ、私が! それは私の……っ」

イヴが縋るように手を伸ばすが、ガウェインの鋼のような視線が、彼女を床に縫い止めた。


「邪魔だ、座ってろ。お前の仕事は服のサイズ提供で終えた。……指示(A01)すら受信できん、判断もできん、そんなガラクタが、洗浄室の神聖な公務を汚すな」

ガウェインはそれだけ言い捨てると、迷いのない足取りで扉へと向かった。

イヴは、拒絶を無視して慌てて追いかける。

執務室の床には、無残に脱ぎ捨てられた見慣れたルーカスの衣服。

部屋奥のシャワー室で、激しい水音が響いている。


「きたか」

低い、威圧的なアレス閣下の声。

一瞬、扉が開く。

そこから溢れ出したのは、熱い蒸気の匂いと……ルーカスの、魂が削れるような甘い、甘い絶叫の余韻だった。


【4. 自浄の義務:残留ログの物理的排泄】


「きたか」

気配を感じ、アレスは振り返る。

秘書官がタオルと着替えを持って立っていた。

アレスは秘書官を呼び入れた。

一糸纏わぬ姿で、他者の視線に晒される屈辱ルーカスは震える。


「お時間です」


「ちっ」

舌打ちをしてアレスは手を引く。

ルーカスはアレスの手にかろうじてしがみついていた。


「流石に旧神のセキュリティは硬い。一度では通らん。やはり腕を切り落とせば済む話でもなさそうだ。生きていなければ意味を成さぬとは、あいつも粋な保険をかけたものだ」


「計画の修正をします」


「いらん。あとでデータを送る」


「はっ」

ルーカスの腕を掴みあげ、じわりと滲む血を舌で拭いながら、アレスは愉悦で目を細める。

痛みに涙を浮かべるルーカスの顔を覗き込み、噛み跡がついた手首を愛おしげに、そして残酷に撫で上げた。


「今日は時間切れだ。壊さぬよう、また通るまで試してやろう。お前が『鍵』として機能し続ける限り、俺はお前を、死ぬことすら許さない」

アレスはルーカスを床に下ろした。


「汚れを落とせ。お前の内部には、まだ俺の『記録アーカイブ』が残留している。自分で、俺が刻んだ『ロジック』をすべて排泄してみせろ」

アレスはルーカスを見下ろして命じた。


「……っ、そんな、こと……っ!!」

拒絶は許されない。アレスの黄金の瞳が、ルーカスの琥珀色の瞳を――かつて「私は道具ではない」と誓ったその瞳を、愉悦とともに観察している。

震える[検閲済]を自らの[検閲済]へと差し込み、[検閲済]を掻き出すたびに、ルーカスは己の尊厳が「物理的に」削り取られていくのを実感した。

そしてその痛みと「検閲済」が蘇り、現実だと思い知らされた。


「拒絶しながらも、そこはまだ私の[検閲済]を欲して[検閲済]ぞ。……嘆くことはない、ルーカス。お前が『自浄』すればするほど、お前の脳は次の『汚濁』を待ち侘びるようになる。……お前を壊しているのは私ではなく、私の不在を恐れ始めたお前自身だ」


電法省検閲官:「閣下のアーカイブ場所?末端の僕が知ってると思います?」

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