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第9話: 公共財の私的占有:お茶会における非公開アーカイブ

リラックスにはお茶がいいですよね。

【休憩室:毒入りの安息】


重い扉が閉まる音が響く。行政解体の激務、そしてアレス閣下からの精神的な圧迫。ルーカスの足取りは、既に限界だった。


「......はぁ」


「――お疲れ様、兄様。今日の会議、最高に『高潔』で、最高に『無駄』だったよ。あはっ!」

廊下の影から、音もなく現れた異父弟ランスロットが、ぐったりとしたルーカスの腰を抱き寄せた。新調されたばかりの革手袋の、ぎち、という冷たい感触が、軍服の布越しに腰へと沈む。


「ラン、スロット様……。……閣下は?」

気づくと、つい先程まで威圧感を放っていたアレス閣下の姿がどこにもない。


「父上なら、向こうで最後の手続き。僕がちょっと居残り。……ねえ、兄様。そんなに顔色悪いのに、すぐ馬車に乗ったら酔っちゃうよ。……ちょっと僕と、あそこの『休憩室』でお茶でも飲もうか?」


「.......休憩室、ですか」

ルーカスに拒否する力は残っていなかった。軍用施設の奥。窓のない、静寂だけが支配する休憩室。


差し出されたソファの柔らかさは、まるで獲物を絡めとるクモの巣のようだった。ルーカスがそこに深く沈み込んだのを見届け、ランスロットは温かいハーブティーを差し出した。


「……ありがとう、ございます。ランスロット様」

ランスロットは、ただニコニコと慈しむように笑っている。


「いいんですよ。兄様は頑張りすぎだ。……ほら、一口飲んで? 落ち着くから」


「......はい」

ルーカスは震える手でカップを運び、一口飲み込んだ。

だが、その瞬間。喉を焼くような、それでいて甘美な熱が、ストレートに胃の腑へと落ちていった。


「……っ!? これ、は……」

瞬時に、脊髄を突き抜けるような「知っている」電流が走る。


「あはっ! 兄様、ごめんね。それ、ただのお茶じゃないんだ。……父上が使ってる『調整剤』の濃度を、少しだけ『僕の好み』に調整した特製ドリンクだよ」


「な、……っ、あ、……っ、は、あぁぁ……っ!!」

視界の端で、ルーカスの電脳が赤いエラーログを吐き出した。


【ランスロット侯爵がアーカイブしました。彼のコレクションで公開されます】


ごめん! この話、あまりにやりすぎちゃった!

軍事省電法検閲官から「全文受理できません」だってさ。

ここで兄様の身に起きた「調整」や「多重汚染」の全記録,綺麗で素敵でえっちだったんだけどなぁ。

まぁ、興味ある「大人」のあなたは探してみてね!



物語は、このまま「未完の熱」を抱えた兄様が連行される、

馬車のシーンへとジャンプ(同期)します。

軍事省電法検閲官:「ヴァルキューラJr.卿、あれはハンコじゃどうしようもないっすよ」

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