第4話 カタナ
今回も戦闘シーンなしです
「ここが街か…」
今までこの国と壁一つまたいだ森で暮らしていたわけだが、街に入るのは初めてだ。石畳の通りに笑い声が溢れ、馬車と音楽が交差する。街は活気に溢れていた。市場もだいぶ賑わっていると思っていたが、ここはもっとすごい。大通り沿いに並んでいる店々を次々に人が出入りし、大通りは石畳が見えないくらい人が溢れている。
(さて、受付嬢に言われた通り一旦街役場に行ってみるか)
とは言っても…広い、混んでる、どこにあるか知らん。そこら辺の人に聞くしかないようだ。
「すいません、道を聞きたいんですが…」
俺は気の弱そうなお婆さんに声をかけた。するとお婆さんはゆっくりと
「どこに行きたいんだい?」
と聞いてきた。
「街役場に行きたいんですが…ここには始めてきたばかりでどこにあるか分からなくて」
「そうかい、そうかい、始めてきたのかい」
「街役場ならこのまま大通りを歩いていって城門の前の曲がり角を曲がるとあるよ」
「ありがとうございます、では」
「頑張ってね~」
俺はお婆さんに聞いた通り大通りを城門の前まで歩いていき、曲がった。するとそこには三階建ての建物が一軒あった。入り口の上に役場と書いてあるのでここで間違いないだろう。俺は扉を開けて中に入る。中は酒場のようになっており当然市場の役場よりも豪華だった。おれはそのまままっすぐと受付に向かい身分証を提示する。
「B級商人のバルクです。この街での商売手続きをしたいんですが…」
「はい、かしこまりました。身分証はお預かりいたしますね?」
「はい」
「そちらのテーブルでお待ちください」
俺は言われた通り酒場のテーブルに座った。すると後ろから肩を叩かれ俺は振り向く。
「よお、あんたも商人かい?」
鼻を真っ赤にした酔っぱらいの男が俺にそう聞いてきた。
「はい、そうです!最近B級商人になれたんです。」
「ほぉ、ちなみに何を売っているんだい?俺は武器を売っているんだぜ、ちなみにA級商人だ。グヘヘヘヘ」
(…こいつ、相当飲んでるな)
「僕は魔道具を売ってるんです」
「……ん!?あんた、名前は?」
男が興奮気味に名前を聞いてくる。
「バルクです。」
「やっぱりあんたか、高価な魔道具を安値で売っている商人ってのは」
(ここでも噂が出回っているのか…)
「そうなんですか…?」
「ああ、」
そこで俺は受付嬢に呼ばれる。
「B級商人のバルク様ー用意ができましたので受付に来てください。」
「はーい、今行きます」
「バルクよぉ、今度商売の話をしようぜ。ゲヘヘヘヘ」
「…あはははは。よろしくお願いします」
俺はテーブルを離れ受付に行き、身分証を返して貰い諸々の説明を受ける。
「これでこれからは街の中でも商売ができますので、1日の売り上げの報告は忘れないでくださいね?ではありがとうございました。」
「はい、ありがとうございました。」
俺は手続きを終え、街役場を出る。
(受付嬢の話だと今は店を出せる場所がないらしいから、路上で売るか店に売るかだな)
ふと武器屋が目に入った。
(…売ってみるか)
武器屋に入ると「いらっしゃい」とやる気の無さそうな声が出迎えてきた。店員と思わしき男は葉巻を吸いながら剣を磨いている。
「あの~、武器を…」
「ああ、好きに見てってくれ」
(買いにきた訳じゃねぇんだけど…まぁ見てみるか)
そこには丁寧に手入れされたと思われる剣や盾、弓矢から杖まで…品揃えも良いな。特に俺が釘付けになったのは「全品5万レル」と書いてある樽の中にいれてある「カタナ」と書かれた値札がついている片刃の剣だった。
「すいません、これは…」
「ああ、それかい?それは異国から流れてきた武器らしいんだが全然売れなくてね」
「これ買います」
何故かは分からないがこの武器に俺は惹かれた。いつも武器は自分の闇で創り出した剣を使っていたが…これを今度から使うのもありだな。
「はい、毎度5万レルだよ」
「はい、」
俺は5万レルを袋から出しながら告ぐ。
「後、買い取って欲しい魔道具がいくつかあるんですけど…」
「ん?あんたもしかして商人だったのかい?こりゃ失礼したな」
男は先程のやる気の無さそうな顔から一変しこちらを見てきた。
「で、何を売ってくれるんだい?」
俺は懐から"創った"武器の数々を取り出し並べた。
「おお、こりゃすげぇ。鑑定に少し時間がかかるからまた明日来てくれ」
「はい、」
俺はその武器屋を「カタナ」を手にして出た。
そろそろ戦闘も出そうかなと思っています!




