人族の入植の条件
僕とオレオは、人族の村に来ていた。
此処の村に問題が持ち上がっていた。オレオと、神殿から派遣された神官が対峙している。
「入植する条件は神殿の建設と神官の派遣はしないという事は知ってるはずだ。」
「勿論知っております。ですが我々人族にとってマナ神の信仰は大事なモノなのです。どうかご理解頂けないでしょうか。」
「我々は、この入植者達に、食う物を与え、住むところを準備し、耕す場所を与えた。その我々の出した、小さな条件ものめないというのか。」
「・・ですが、意味がわからないというか・・。」
「なーにが、意味が分からないだ。条件がのめないなら、ここから、出ていってもらおう。」
この言葉を聞いて、周りの農民達が騒然となった。
「俺たちに出て行けというのか!この、獣が!!」
僕はこの一言を聞いて、頭に血が登った。
「約束を守らないのは、それ以下ではないですか。」
この者達は、ボロボロで痩せ細っていたときは、僕達に感謝し、ありがたがっていたが、こうして希望が叶えられなくなると、手のひらを返す。まさしく人間らしい、我が儘で自分勝手だ。
アフロマの政務担当と神殿の関係者が、話し合いの場を設けた。アフロマは頑として譲らない。
困った神殿側は、切り札としてこどもの教育について言及してきた。しかし、アフロマでは学校をもう始動している。この言い分は通らない。渋々神殿側は了承した。
アフロマのこの頑なさは、人族には分からないだろう。自分たちの歴史を一部の知識階級以外しらないのだから。自分たちの都合の良いことだけを記録に残し、後は気に懸けない為政者ばかりだからだ。
アフロマの人達は世界がこのようになってしまったのは宗教のせいだと信じて居るのだ。
アフロマの歴史は子供達にまで,しっかり根を下ろしている。
もし、師匠から譲り受けた本を読まなければ、僕もここまで理解はしなかっただろう。
後日、個人の信仰は関知しないことで事は収まった。
☆
僕とヨウゼフは、以前精霊族なる物達が、現れた場所に来ていた。
「此処は兄貴が吹っ飛ばした、処っすね。」ヨウゼフが僕の心をえぐる。
「そ、そうだ。此処には金鉱石が採れるみたいだぞ」
「誰の物になるんすか?」
そりゃあ、国の物だろう。と言いかけて、そう言えば、ギルド総括長から、此処の権利をどうするか決めろと言われていた。権利は国にどうぞ、と言うと呆れていた。
「国が管理して、儲けはレモートや新地の運営に使うようだよ。」
岩山を吹っ飛ばしたから、精霊の道が開通したのだろうか?
僕のせいなのか?
天眼を開いてみても、矢張り何も見えなかった。




