表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/24

野良魔導師と弟子達

「塔というのは魔法士にとって魅力的なのか?」

白熊オレオが僕に聞いてきた。そう言われれば、ケビンも、ヨウゼフも塔を自分の住まいに決めていた。

そうなのだろうか?どちらにしてもこの広い空間を独り占め出来るのは魅力的だ。魔法士に限らずこの開放感は贅沢だと思う。僕がそう言うと、

「そうか。実は、エンドア国から、魔導師が来ることになった。其れで残った塔を彼等の為の施設にしようと考えている。どう思う?」

其れは良いと思う。とても気に入ってくれると思う。と答えた。

だが、態々、あの北の国から此処に来る、魔導師とは、どういう経歴なのか。普通、魔導師は国の財産のようなものだ。それに殆どが貴族の出身だ。気になって聞いてみると、

「確かに元は貴族の奥方だったが。亭主が死んでから、貴族籍を返して自分で国を回って歩いているそうだ。市井から魔法士を見付けて教育している、変わった御仁だ。この度打診したら、快く受けてくれた。」

2ヶ月後に、なんと8人の魔法士を連れてくると言う。

女性が3人、男性が5人。そして本人を入れれば総勢9人になる。当分は学校の準備に取りかかって貰う、その後はケビンと同じ教師にする、とのことだった。

オレオは魔法士の有用性にやっと気づいたようだ。

       ☆

その魔導師は、56歳の女性だった。名をマリア・モノゼスと言った。

中ツ国とロミール海を挟んだ,向こう側に位置する、エンドアという国の出身だった。

エンドアは、北側が広大な砂漠に接している小さな国だ。産業は漁業と農業で魔物は余り湧かない国だ。

弟子がこんなにいるのに、魔道士の称号が無いのは弟子の殆どは、彼女の国では認められていないからだそうだ。エンドアでは貴族しか魔法士になれないという。

彼女はそれに憤りを感じ、野良の魔導師になったという。

「称号なんて無くても魔法士は魔法士よ。称号は国で勝手に決めた物でしかないわ。」

確かに。その国の仕事を請け負うなら、必要だが、野良であれば必要は余り感じない。

今連れてきている弟子達は皆、市井の魔法士だ。称号などアフロマでは気にしない。実を取る。

彼女マリアは、弟子の引率で来ている。暫く此方で、様子を見たら、また国に帰り、各地を巡り歩くのだ

とか。

弟子達の年齢は18歳から30歳まで様々だった。一人だけ鑑定眼を持っている魔法士がいた。

後は無属性に適性はなかったが、皆優秀だった。殆どが3つから4つの滴定有りの魔法士だった。

僕は男性の魔法士達に「此方は魔物が多い。魔物を倒せばマナが増えるから。倒して見たら。」

と言うと彼等は、怖がって、今のままで良い,教師になる為に来たと言っていた。

魔物の少ない国から来たから、慣れないのか。仕方が無い。もう少しマナが多い方が良いのに、残念だ。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ