謎の少女
カエルは消滅した。
「勝った…!ゼェハァ…。」
俺はドヤ顔でミラの方を見た。
「ま…及第点…かな…。」
「ドヤ、惚れたやろ?」
クールな彼女の反応だったが、アドレナリンの出まくっている今の俺はそんなことは気にしない。
「別に…全然…。」
一向にクールな反応だったが、そういえば俺には気になることが1つあった。
「そういえば、今の俺ってレベルいくつくらいなの?」
「多分…5…くらい。」
彼女は言った。
5…!?バカな!あれだけ血のにじむようなトレーニングを重ねてまだ5だと…!?
「嘘だぁっ…!」
俺は本音を直球で言ってみた。
まぁいいか、まだ冒険は始まったばかり。ここですんなりレベルが上がってしまっていたら逆につまらない。
俺は気を取り直した。
この短期間でカエルを倒せるようになったんだ、見込みはあるはず。そして彼女が俺に惚れる日も近いわけだしな。
「さ、今日は戻ろう戻ろう。カエルも倒したことだし。」
「ダメ…まだまだ修行が足りない…。今日は日が暮れるまで私と手合わせ…。」
「そ、そんなぁ~…!」
こうして俺と彼女の1日は終わっていったのだった。
次の日。
俺たちはギルドに行って、次のミッションを確認していた。
「さて、俺のレベルは5になった訳だ。ってことはもっと難易度の高いミッションを選べるはず。さて、一体どんなミッションが待っていますかな?と。」
俺は期待値MAXでそう言った。
「そういえばさ、俺が足引っ張ってるから低ランクのミッションしか選べないけど、俺抜きだったら君は一体どこまでのミッションを選べるの?ぶっちゃけレベルいくつなん?」
と、俺は聞いてみた。
「ひみつ…別に…どうでもいい…。」
何でぇ、つまんねぇな。と思いつつまぁいいか。
「またしばらくしたら…教えてあげる…。」
彼女はボソッとつぶやいたが、俺には聞こえなかった。
よし!じゃあ次のミッションはこれだ!
と、ここで時間は昨日にさかのぼる。
「レバル5かぁ…。」
ギルドでミラと別れた後俺はその辺をぶらついていた。
ここ数日のハードトレーニングですっかり見るのを忘れていたが、ステータス画面を見ると確かにレベル5の文字があった。
「スキルどうすっかなぁ…。」
今覚えられるスキルはファイアアローとアイスエッジの魔法と身体能力強化のパッシブスキル。
強打とかいうまぁため攻撃みたいなものなのか。よくわからん名前のスキルと農民関連のスキルがちらほらとあるだけだった。
「さて、どうしたものか。」
俺がなんとはなしに辺りを見回していると女の子が一人、橋の上から水面を見ていた。