第84話 村の仲間と共に北の街へ向かう
明日夕方から、いよいよコミックノヴァ様にてコミカライズ連載がスタートします!(緊張してます)
※今夜0時と書いていましたが明日夕方頃だそうです。失礼しました!
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「……カストルが、指名手配されるようなことをするはずがない」
僕は声を振り絞る。
――ギフトを授かる、半年ほど前の話だ。
ある雪の日に、屋敷の庭に子猫が迷い込んできた。
子猫は親猫とはぐれて大分経っていたらしく、やせ細って衰弱していた。
カストルは、衰弱した子猫を看病し、必死に食べやすくしたエサを口に運んでやっていた。
自分の食事もとらずに、カストルは必死に看病していた。その処置は、とても適切だったと思う。
ただ、それでも拾った時点で子猫は弱り過ぎていた。
……泣きながら雪の積もった地面を手で掘って、子猫の亡骸を埋めているカストルの背中を、僕は忘れることができない。
父上の修行から逃げ出したり、反抗的な態度をとっていたりとひねくれた部分はあったが、カストルは優しい心の持ち主だ。
決して、指名手配されるようなことをする男ではない。
「私も、カストル君が指名手配されてるのは何かの間違いだと思うなぁ」
と、言ってくれたのはマリエルだ。
「カストル君には何度か会ったことがあるけど、悪ぶってるけどそんなに悪くないというか、指名手配されるほど大それたことは出来なさそうというか……。私どころか自分の屋敷の女性メイドさんの前でも緊張してるくらいだったし」
やや辛辣であるが、マリエルの言う通りである。
カストルはやや小心者で、しかも女性の前で緊張してしまうタイプだった。
(絶対にありえない喩えであるが)父上に『あの老人がやっている小さな商店で万引きして来い、絶対に捕まらないから』と命令されても出来ないだろう。
という訳で、カストルは無実だと僕は信じている。
もしかすると、カストルの指名手配には【勇者】や魔族の存在も関わっているかもしれない。なんとしても真相を突き止めねば。
「主殿、いかがなされますか?」
「もちろん、ミムラスの街ヘ向かいます」
「聞いたか! 野郎ども行くぞぉ!」
「「「応!!」」」
と、タイムロットさん率いる村の冒険者さん達。
シノビの皆さんは無言でうなずく。
「「「ボク達ももちろんお供しますニャ!」」」
と、シノビの技術を身に着けたキャト族さん達。
「「「ワタシたちも行くデス!」」」
とドワーフさん達も張り切っている。
「ありがとうございます。でも、戦闘が苦手なドワーフさん達を連れていくわけには行きません」
「「「そうデスか……」」」
しょんぼりするドワーフさん達。
うーむ、これは良くない。
「ですがその代わり、ドワーフさん達には別の重大任務を任せます!」
「「「重大任務デスか!?」」」
ドワーフさん達の顔がパッと明るくなる。
「村には、冒険者以外の人間とドワーフさん達しかいません。ですから、村にモンスターが攻め込んできたとき、村を守ってほしいのです」
「分かったのデス! 頑張るデス!」
冒険者さん達がモンスターの討伐をしてくれているおかげで、村の周りには最近小型モンスターしか出現しない。
村は立派な壁で囲まれているし、門の隙間から入ってくるモンスター程度なら、【刻印魔法】で身体能力が強化されているドワーフさん達でも楽に倒せるだろう。
「では、準備を整えて北の街へ向かいましょう!」
こうして、村の戦闘・諜報の総戦力で北の街へ向かうことになった。
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