第82話 湖で水遊び②
新作も頑張ってますがこっちも更新ちゃんとします!
マリエルが異次元につながる穴を頭上に開けて水を降らせる。カエデがそれを素早く回避して、手から水弾を打ち返す。
先読みしていたマリエルがそれをかわす。
打ち返す。かわす。
白熱した水の打ち合いが繰り広げられる。
「マリエル様、こっちに逃げてこないでくださいニャー!!」
マリエルが近づいたせいで、キャト族さんにも水の流れ弾がかかる。
今度は、マリエルが異次元の穴から大量に水を降らせる。
カエデがそれをひらりとかわす。
代わりに、近くにいた人物に直撃する。
「……これだけの狼藉を働かれたのは何百年振りか」
「やっば……」
水を被ったのはエンピナ様だった。
エンピナ様も今日は水着姿。乗り物にしているドラゴンの頭蓋骨は今日は持ってきていない。
いつものエルフの伝統衣装であるゆったりとしたワンピースから一転して、ビキニタイプの水着を着ている。
そして、髪からたっぷりと水が滴っている。
「小娘。我に喧嘩を売ったこと、後悔させてくれよう。水属性下位魔法“アクアジェット”」
エンピナ様の手元から水の奔流が放出される。
こうして、三つ巴の戦いが始まった。
「やべぇ、こっちに来た!」
タイムロットさん達村の冒険者さん達も巻き込まれて乱戦になっていく。
「クソ、火力が高過ぎて俺たちじゃ太刀打ち出来ないぜ」
タイムロットさん達も参戦するが、一方的に水をかけられている。
それでも楽しそうにバケツに水を入れて突撃していく。そして――
「「「ぐはぁー!!」」」
3方向から一斉に水を浴びせられて撃沈していた。
「くぅ、初級水魔法だけでは我が不利か……」
3人の中で、エンピナ様が1番押されている。
遊びなので、下級水属性魔法以外は使わないことにしているようだ。だが、普段あまり自分の足で歩かない分運動不足で足が遅く、2人から的にされている。
「つ、疲れてもう歩けぬ。こうなれば、……我が弟子シールド! ふふ、これで攻撃できまい!」
エンピナ様が僕を盾にする。勘弁してほしい……。
「あ、エンピナ様ずるーい!」
マリエルが文句を述べる。そして
“ザバ”
容赦なく、マリエルが水を降らせてくる。当然、僕もずぶぬれにされた。
「遊びであれば我が主とはいえ容赦しません。お覚悟!」
カエデも水を飛ばしてくる。エンピナ様と2人でびしょびしょになっていく。
「このままでは負ける……! こうなれば我が弟子、おんぶだ。我が弟子が移動と回避、我が攻撃を担当する」
「あの、エンピナ様。水着でおんぶは……!」
有無を言わさず、エンピナ様が僕の背中に乗りかかってくる。
肌が、肌が密着する……!
僕はエンピナ様をおんぶした状態で、マリエルとカエデからの攻撃を回避する。
動きまわると柔らかい感触が余計に……!!
僕は心を鎮めながら回避する。
「主殿、これはどうでしょう?」
カエデが水の塊を発射してくる。
「残念だったなシノビの小娘。狙いがずれておるぞ、それでは我に当たらぬ。」
「いやエンピナ様、この水弾は――!」
突然、水弾が軌道を変えて僕の顔めがけて飛んでくる。
僕は何とか横に跳んで回避した。
「流石主殿。私の曲がる水弾を初見で回避するとは」
シノビ凄いな。
どうやって打ち出してるんだろう、あとで教えてもらおう。
「ちょっと、エンピナ様ばっかりメルキスとくっついてずるーい! 私だってそんなにピッタリくっつくこと中々出来ないのにー!」
「おや、それはおかしなことを仰いますねマリエル殿。主殿の寝室の天井で毎日見張りをしているので知っていますが、マリエル殿は主殿が寝静まったあと毎日のように――」
「ああああああああああああああああああああああああああああ!! それ言うの禁止ー!!」
マリエルが顔を真っ赤にして、カエデの頭上に滝を降らせる。
一体僕は何をされているんだ……?
顔にラクガキでもされているのか……?
「お待たせしましたデス!」
「村の冒険者さん達も戦えるように、いいものを作ってきたデス!」
ドワーフさん達が、何かを持ってきた。
あれは――水鉄砲!?
しかも村人さん全員分ありそうだ。
「マリエル様、カエデちゃん、エンピナ様。さっきはよくもやってくれやしたね」
「カエデ師匠、さっきのお返しをするニャ!」
村の冒険者さん達とシノビさん達。そしてキャト族さん達が水鉄砲を構える。
カエデとマリエルと僕は、完全に包囲されていた。
僕たちが村の皆さんに攻撃される理由なんて……。
「そういえばさっき、思いっきりマリエルとカエデとエンピナ様が水ぶっかけてたなぁ」
そりゃ包囲されるよなぁ。
「ねぇカエデちゃんにエンピナ様。ここは協力するしかないんじゃない?」
「私はシノビ。過去の遺恨は水に流しましょう」
いつの間にかしれっとマリエルとカエデが僕の隣に来ていた。
「よかろう。偶には協力して戦う、というのも悪くない。そう思わぬか、我が弟子よ?」
「え?」
「メルキス、抱っこして!」
「私は肩をお借りします」
「ええ!?」
マリエルをお姫様抱っこして、カエデが肩に乗って、エンピナ様が背中に引っ付いている。
背中からはエンピナ様の胸が、肩からはカエデの尻が、左手からはマリエルの太ももの感触が伝わってくる。
しかも、少し下を見るとマリエルの豊かな胸がドアップで視界に飛び込んでくる。
精神の、精神の平穏を保つのが難しい……!
「領主サマと戦うのは、領主サマが村に来てすぐのあの模擬戦以来ですねぇ。あの時より俺たちもちょっとは強くなったってところを、お見せしやすぜ! 行くぞ、野郎ども!」
「今日はカエデ頭領にどれだけ水を掛けても怒られない日だ! 思いっきりやるぞ!」
「カエデ師匠に、ボク達キャト族がどれだけ忍術を学んだか見せる機会だニャ! 全力で行くニャ!」
どうしよう、村のみなさん凄くやる気出しちゃってる……。
僕は巻き込まれただけだ。今ならまだ僕だけ逃げられるんじゃ……。
「さぁメルキス、誰から狙う? バシャーっとやっちゃうよ」
「主殿、どうかご指示を」
「我が弟子よ、指示を出すが良い。我の水属性魔法で撃ち抜いてくれよう」
え、僕が指示出す感じ?
僕がリーダーなの?
「行きやすぜ領主様、お覚悟!」
タイムロットさんが水鉄砲の引き金を引く。
“ズガガガガ!!”
水鉄砲からしてはいけないような音がして、水が凄い勢いで飛んでくる。
「……え?」
今音速に近い速度が出てなかったか?
僕はギリギリ回避する。
振り返ると、数百メートル先まで水が飛んでいっている。
「流石ドワーフ製の水鉄砲だぜ。威力がすげぇ」
「でもこれくらい威力がないと、領主様にはかすりもしないのニャ!」
あの水鉄砲を持つ村人数十人から逃げないといけないのか?
しかも3人も運びながら!?
「ドワーフさん、僕たちにも武器か盾か何かをください!」
「分かったデス!」
「任せてほしいデス!」
「領主様に相応しい、最高の水鉄砲を用意するデス!」
「2日ほどお待ちくださいデス!」
「いやそれじゃ遅――」
“ズガガガガ!!”
容赦なく、村人さん達からの射撃が始まった。
「ええい、こうなったらやってやる!」
これも試練だと思おう。
引っ付いている3人から伝わってくる柔らかな触感から気をそらし。
亜音速で飛んでくる水をかわす。
この数十分戦いは続いた。
「疲れた……」
湖のほとりでは、全員疲れ切ってぐったりしている。しかももれなく水浸しだ。
だが、全員楽しそうに笑っていた。
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作者からのメッセージ
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