表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

55/112

第55話 父上を誘拐した卑劣な魔族(勘違い)をドラゴンに乗って追いかける

「父上が、誘拐された……!?」


 僕は、ワイバーンが運ぶ檻に囚われた父上を見上げ、拳を握りしめることしかできなかった。


「おのれ、魔族め……!」


 父上は【剣聖】のギフトをもつ、王国騎士団の副団長を務める実力者だ。魔族に力づくで連れ去られたというのは考えにくい。


 きっと何か、さっきの魔王パラナッシュのように人質を取るなどの卑怯な手を使ったに違いない。


 おそらく、こんなやりとりがあったはずだ。


――――――――――――――――――


『ワッハッハッハ! 人質を取られては、流石の王国騎士団副団長といえど、手も足も出ないようだな! さぁザッハーク、この一般人の命が惜しければ大人しくその檻に入れ! 抵抗すればこの一般人の命はないぞ!』


『おのれ魔族、卑怯な! ……いいだろう。どこへでも連れて行くといい』


『何をおっしゃるのですザッハーク様! 私のような一般国民のために、あなたのような立派なかたが犠牲になるなど、あってはなりません』


『それは違う。王国騎士団は、国と国民を守護することこそが責務なのだ。国民1人を助けるためならば、たとえこの命であろうと喜んで投げ出そう』


『ザッハーク様、なんて立派なお方でしょう……! ありがとうございますザッハーク様! この恩は一生忘れません!』


『礼など無用だ。俺はただ、自分の責務を全うしただけなのだから』


『ワッハッハ! 敵ながら見上げた男だな、ザッハークよ。貴様ほどの実力者を捕らえたとあれば、魔王パラナッシュ陛下の犠牲も決して無駄ではなかった』


――――――――――――――――――


 こんなやりとりがあって、父上は誘拐されたに違いない。


 僕の腹の中で、魔族に対する怒りが燃え上がる。そしてそれ以上に、なんとしても父上を助け出したいという気持ちがある。


 父上。自分を犠牲にして一般人を救うその精神、お見事です。あなたは絶対に僕が救い出して見せます!


「ナスターシャ、いるか!?」


「はい、ここにいますぅ……」


 観客席の隅に隠れていたナスターシャが、僕に呼ばれて恐る恐る顔を出す。まだ魔王パラナッシュの恐怖で震えている。


「頼みがある。いま飛んで行ったあのワイバーンを追いかけてほしい」


「ええ!? せっかく戦いが終わったと思ったのに、また危ないところへ行くんですかぁ!?」


「相手の攻撃は、全部僕が防いでみせる」


「……わかりましたぁ、怖いですけどメルキス様の頼みであれば頑張ります!」


 ナスターシャがドラゴン形態になり、宙へ舞い上がる。僕はその背中に飛び乗った。


「では、いきます! 全速力で飛びますから、振り落とされないでくださいね!」


 虹色に輝くナスターシャの翼が空気を捉え、急加速する。


 空を舞台に、父上を誘拐した魔族と、僕が駆るナスターシャの追走劇が幕を開けた。


★読者の皆様へのお願い★


少しでも面白いと思って頂けたら、ブックマークや評価をぜひお願いします!


評価はページ下部の【☆☆☆☆☆】をタップすると付けることができます。


ポイントを頂けるとやる気がモリモリ湧いてくるのです・・・!


これからも面白い物語を提供していきたいと思います、よろしくお願い致します!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
▲の☆☆☆☆☆を押して応援をよろしくお願いします!!
▼こちらもオススメ! 同じ作者の別作品です!

  ・【連載版】【世間知らず令嬢は無自覚に無双しますわ】「卑しいから追放!」と言われた『モンスターを食べるほど強くなる』スキルは、1食で1レベルアップする前代未聞の最強スキルでした。3日で人類最強になりましたわ~


▼コミックノヴァ様・ピッコマ様でコミカライズ連載開始!  画像をクリックまたはタップで読みに行けます!  眠田瞼先生が、すっごく可愛く生き生きと描いてくださりました!
https://img1.mitemin.net/2x/57/7hnym9w6axzdc6w5ciyj9rwk6c93_60y_99_3w_ut1.jpg

▼『パクパクですわ~』書籍1巻 2023年8月2日(水)発売です!
▼のバナーから試し読みも出来ます!
書籍版書き下ろしSS・書店別特典SSと書下ろしイラストもありますので、是非お求めください! https://img1.mitemin.net/zj/s3/a4wgrv28zl51fmcapfc7x16hfq8_1cqy_hs_pa_351r.jpg

▼書籍2巻、書影公開されました! 6月15日発売です!!
https://img1.mitemin.net/5k/wh/duyd4oaeikfjj8y5lu8b8n0qk27y_a0j_bn_h3_3k7r.jpg
▼6月15日、コミカライズも同時発売です!
https://img1.mitemin.net/16/nw/bhnmgjou3cbsiycwaf5wevgbidle_3zj_c1_h3_3u6i.jpg
▼書籍1巻、KindleUnlimited の対象になりました! 今なら挿絵も無料で見れます!
https://img1.mitemin.net/4r/r0/5svn3ds4f9vm657wfxmh2cvpfkjp_1afv_c4_hs_1nnx.jpg
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ