第40話 年に一度の大イベント、王国武闘大会へ参加することにする
――王国武闘大会。
年に一度開催される、王国最強の戦士を決める大会だ。
武闘会での優勝は、武人としての最高の名誉だ。王都中に名は知れ渡るし、大きな仕事が舞い込んだり王国騎士団にいきなり隊長待遇でスカウトされたりする。
当然、僕もいつか武闘大会で優勝したいと夢見ていた。父上の試練を乗り越える中で、僕は一体どれくらい強くなれたのだろう、確かめてみたい。剣に生きる者として、強い相手と戦ってみたい。
「領主サマ、それはもしかして……王国武闘会の推薦状ですかい?」
通りがかったタイムロットさんが声をかけてくる。僕の持っている手紙の文字が目に入ったらしい。
「はい。僕は去年の大会のジュニアクラスで優勝したので推薦してもらえたみたいです」
「え、領主サマジュニアクラスで優勝してたんですかい!? 流石領主サマ、ギフトを手に入れる前から強かったんですねぇ」
「それもすべて、父上の修行のおかげですよ」
武闘大会には、ギフトをまだ手に入れていない14歳以下限定のジュニアクラスがある。どうやらそこで優勝したおかげで、推薦状をもらえたらしい。
「というわけで、大会に参加するので村を数日留守にします。タイムロットさん、僕が不在の間の村の守りは任せましたよ」
「任せてくだせぇ! 命に代えても村を守り抜きやすぜ!」
「私も一緒に行くよ! 王女として、年一度の大イベントに顔を出さないわけにはいかないし」
と、マリエル。
「私も当然主殿の護衛に就きましょう」
と、カエデ。
「わ、わたしもいきますぅ。私、防御力だけは高いのでメルキスさんの盾くらいにはなれるかと思いますので……」
と、ナスターシャ。高いのは防御力だけじゃないんだけどな……。
こうして、僕ら4人は王都へ向かうことになった。
「カストルも参加してるはずだ。戦えるのが楽しみだなぁ」
王国騎士団の団員は大会に参加できないので、父上とは戦えない。だが、まだ騎士団に入っていない弟のカストルは間違いなく参加する。【剣聖】のギフトを手に入れて、どこまで強くなったのか。見るのが楽しみだ。
もしお互い勝ち進めば、きっとどこかで直接対決になるはずだ。今からワクワクしている。









