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人を憎むのは、悪いことなのか

作者: 久賀 広一

久しぶりにエッセイ……というか書き流しをやってます。


これは、今ふと家の階段を降りていて、自分が知ってさえいればいいだろうと思っていたのが、「別の誰かの救いにもなるかも……」と思えたので、ここに上げさせてもらいました。


「人を憎むのは、いけないことだよ」

「罪を憎んで人を憎まず」


というようなことを、生きていればどこかしらから聞くことがあると思うのですが、誰かに心を傷つけられた人は、それが正しい意見だとしても、なかなか立ち直ることができません。


それで、僕はこれまで因果応報、人の心を傷つけるような人間は必ず報いがあるからやり返す必要はない、ということを書き続けていたんですが、それでも憎しみの執着から逃れられない場合が、自分にはあります。


まあ、それも時間の長さと別の人との関わりによって、許すことができるようにはなるんですが……


それで、論語に記された文章で、孔子が良いことを言われてるんですね。(名古典であり、良いのは当たり前なんですが……。あと、僕は無知なのでこれも知らなかったんですが、論語は、自著を残さなかった孔子が自身で記したものではなく、ソクラテスさんなんかと同じように(ソクラテスは知ってたのかよ)周りの人が「この人の言葉は残しておかないといけない!」という感動のために、生まれた書物です。後の人間に編纂されたりして、「この部分はおそらく孔子が言ったことではない」という所もあるのですが)



……その孔子いわく、「(聖人)君子だからこそ、人を正しく憎むことができる」ということです。


僕のあやふやな記憶で書いている(お金がなくて図書館で借りたーーしかも10回くらい延長して読んだーー)ものですから、正確な文言ではありません。


でも、この一節に僕はかなり救われました。


「ああ、このいつまでも心に残ってしまうたぐいの恨みは、別に許さなくてもいいんだ」と。


人は無知だと、他人に酷いことをしがちです。


人の事情というものを、斟酌しんしゃくできないですから。自分の都合だけで、より大きな社会のくくりの”めんどくさい””でも大事な”他者の仕事や気持ちを、安易に踏みにじってしまう。


時には、その踏みにじったことが、その人が人生をかけてやっている仕事である場合もある。



……あれこれと書きたいこともあるのですが、ただそれだけです。

だから、人は人を憎んでも、たとえそれを許せなくても、全然かまわない。


それで、僕はけっこう救われました。



ーーちなみに、僕は自分の作品を踏みにじられたからと言って、別に人を憎むことはありませんからね。

創作物は、時に人の心を疲れさせたり、えぐったりすることがありますから。


僕が許せないのは、人として、あまりにも”まっとう”ではないんじゃないか、という言動で人を傷つける(というか自分を傷つけた)人です。


若ければ、許されることもあります。

でも、たとえ育った環境がどうであれ、”この年齢で、同じ場所で仕事をしていて、この人間はおかしい”という人は、憎まれなければーーその社会からはじかれたり、大きな損失をこうむらなければーー人の痛みがいつまでも分からずに、いつまでも誰かを傷つけ続ける。


万人への愛ーーなんてのは、形によってはクズを生みます。

そのまま肯定すれば、信じられないほど人を傷つける人間は、世の中に確かにいる。


その上で、長い目でみれば相応の報いを受けることになるので、やはり「やり返し」は必要ないんですが、憎むことは無理にやめなくてもいいんだな、ということで、少し楽になった話でした。


またどうでもいい内容だった方、すみません。

しかし、エッセイを書いたの久しぶりのような気がする。


ーーそれでは、またまた有り難うございました!!












孔子は自著を残していない、と書かせていただきましたが、詩経をまとめたり、歴史書の春秋、えき教の十翼ーーたん伝 上・下、象伝 上・下、繋辞けいじ伝 上・下、文言伝、説卦伝、序卦伝、雑卦伝ーー等は、孔子の作(編纂)という説があるそうです。


確定的な真偽は、今のところ僕が読んだ中では分かりません。


孔子の言葉には、その時代による決めつけが感じられる部分もありましたが、何より底知れない経験知に、圧倒されました……

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― 新着の感想 ―
[一言]  怒ることも憎むことも人間がもつ大切な感情だと思います。  何故なら、人類の長い歴史の中において、生き残るために獲得していった感情だと思うからです。  とはいえ、そうした感情をどう扱ってい…
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