表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/4

『周辺』にされて

ここまで読んでいただいてありがとうございます。



 三話です。


 前述した通り、【超簡単!『周辺』国家の作り方!】をご紹介しましょう。


 これは18、19世紀に中核となった仏、米、独と覇権国家のイギリスがとった作戦です。

 

 皆様は帝国主義、という政策をご存知でしょうか。

 簡単に言うと、一つの国家が勢力の拡大を目指して対外進出を始めた、国外膨張主義でございます。

 

 簡単に言うと、


 「人が増えすぎて食糧まかなえねぇし土地少ねぇ!どうしよう!そうだ!『周辺』作って食糧輸入すればいいんだ!ついでに植民もしちまおう!本国の人も減って、一石二鳥だぜ!」


 こんな感じ。

 


 では説明を。


 『帝国』


 なにか強そうですね。

 私は軍服を着た幼女を思い浮かべますが、だいたいの方は強そうな軍隊のイメージがあるのではないでしょうか。


 しかしこれは他国への進出にあたり、重要なものではありません。むしろ進出した後に必要となるものです。

 説明していきますね。


 実は18、19世紀、未だに欧州諸国の影響を()()()受けていない大陸があります。アフリカ大陸です。


 ん?スペインの黒人奴隷はアフリカから連れてきたんだよな?

 と思った方。

 一話に戻って私の下手くそな説明を読み直して下さい。


 確かにこのアフリカ大陸、黒人奴隷を輸出していましたが、その黒人奴隷を捕まえていたのはあくまで大陸の黒人達なのです。

 スペイン人に渡された火器で武装して、別部族を襲っていたわけです。


 イメージとしてはノルマン人がアングロ=サクソン人を奴隷にして東ローマに売り払う感じ。

 民族系統は同じでも、いさかいは必ず起きるものですからね。


 あくまでスペイン人は奴隷捕縛の『依頼』と『輸送』だけなので、アフリカの殆どは黒人達がそれぞれの地域でそれぞれ暮らしています。


 さてさて、それではこの『地域』を『周辺』に変えましょう!(『地域』は分かりやすいように私が適当につけました。)


 とりあえず『中核』各国とだれがどこを貰うか取り決め。


 決まったら次の一手、自国の工業製品を『地域』に流し込みましょう!

 安くて高品質の工業製品がザザーー!!現地の人はそれを使います!

 

 「わーい、安いし壊れないし、こっちの方がいいじゃん!『中核』最高!」


 喜びのひと時!

 が!製品の売れなくなった『地域』の工業は破綻します!ぱりーん!

 

 「ああどうしよう!けどいっか!『中核』産の製品あるし!」


 しかし少しずつ困り始めました!入ってくる工業製品に、払うお金がありません!使い果たしてしまったのです!



 あなたならどうしますか?


 お金を作る?

 

 ジンバブエの二の舞です。

 ハイパーインフレーション。


 工業を再展開する?

 百歩先をいくボルト並みの『中核』に病人で足腰グラグラの『地域』が追いつき、追い越せますか?

 多分無理ですね。やってみて失敗したらそれこそ国が潰れます。


 そんな時です。

 『中核』から悪魔の囁き………


 「食糧、特にこれとこれを作ってくれたら輸入しちゃうよ……高値で買っちゃうよ……」


 国政の行き詰まったあなたには、天から垂れた蜘蛛の糸のように思えるでしょう。


 やった!これで財政を立て直して国を再建できる!


 農作物を作ります。

 人口増加で膨れ上がった『中核』は、幾らでもそれを買ってくれます。


 よし、もっと作ろう!もっともっと!早く国政を立て直すんだ!

 空き地を畑に替えました。

 農家が増えて、作付け面積が増えました。


 輸出で少し黒字になりました。

 あなたは喜ぶでしょう。


 「よし!少しは財政もマシになったぞ!これで『中核』とは手を切って……………あれ?」


 そこで気付くのです。

 『中核』とは手を切れないことに。


 いつの間にかあなたの国で回っていた『地域経済』は消えていて、自分の国は農作物しか作れない、『周辺』に成り下がっていたのです。


 『中核』と手を切ったらどうなりますか?


 あなたの国に工業製品は入ってきません。

 そして『中核』のために作っていた農作物の輸出もできなくなります。


 あなたは手を切れますか?

 不可能です。


 「頑張って搾取されなよ、牝牛ちゃん♡」

 「そんな………」


 【『周辺』エンド】


 ドイツの『ローマの牝牛』とかけてみましたが、こんな感じ。


 挿絵(By みてみん)



 傾いたあなたの国は簡単に乗っ取られますよ。疲弊した国に大した反抗はできませんから。


 『中核』はそれを占領してもよし、そのまま搾り取ってもよし。あとはこの『周辺』を他の『中核』に奪われないよう、しっかり守れば完璧ですね。これが軍隊の役割です。


 どうですか?


 工業製品を流す、これだけで新たな『周辺』を作ることができるんです。


 アル◯ラーン戦記のナ◯サスは口先で三国同盟を追い払いましたが、ほぼ同じだけの労力で現実でも支配地域を広げられるんですねぇ。

 なんて魅力的。


 さて、これがアフリカの主な支配方法です。あとは東南アジアとインドもそうですね。

 いわゆるプランテーション農業、モノカルチャー経済と言われる形です。

 中学くらいの社会でやった記憶がありますでしょうか。




 それでは【三分クッキング!『周辺』の作り方】(←名前忘れた)を終わりましょう。


 次で『世界システム』の説明はラスト、現代での『世界システム』的考え方について説明したいと思います。


 知っといて損はないと思いますよー。

 次も読んでね。









次も明日のこの時間くらいかな?

それで終わりですね。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ