ミクロラプトール!
「うーん、まずはこの羽……全部作り変えた方が早いかな?」
僕は兵装の羽を外すことに決めた。あとは……頭部のパーツも……だな。ああ、これ全体的にオーバーホールが必要かぁ…………面倒だな
僕は全部のパーツを一旦バラし、使わないものを破棄した
「これくらいかな?使えるのは」
殆どのパーツが修理不可、又は劣化が激しいなどの理由で、使えるのは、全体の一割しかなかった。
これ修理するより作り直した方が早いかもしれないなぁ……
僕は顎に手を当てて「うーん」と唸るって、ぽんっと手を叩いた
「とりあえず、武装のコンセプトを考えよう。まずは、羽…はそのまま、軽量重視のオリハルコンで、一対二枚の羽。ドッキングするときは二対四枚に分離…ってな感じで。頭部パーツはデザインはこのまま、通信用のアンテナをプラスするか。ユニコーンみたいな感じで。あとは、ブースターをこれに変更して……コアも新型使うから…………反重力ユニットも……いや、これを作り直した方がいいかも。残りの武装はビームブレード、ビームライフルを二丁。黒曜に使っているシステムを導入してスカイブラスターを強化……これくらいかな?」
ビームブレードは刀身がビームで形成されたの刃物。ビームライフルは、その名の通りビームを打ち出す銃。スカイブラスターはこの兵装の必殺武器になっている超火力兵器。そのままでも地形が変わるほどの兵器だが、黒曜のシステムを導入したため、計算上威力が増している。
次はデザインだな。
「全体像はこのままミクロラプトル型でいいとして、羽は……もう少し小さくするか。頭部形状も小型にして、頭部の額の部分に通信用アンテナを装備。これは内部をミスリル、外装をオリハルコンで作って、ビームライフルは機体下部に、スカイブラスターは機体上部に設置。尻尾の部分はもう少しかくついた感じで。あとは…色かな?色は白を基調に、機体の隙間からは青い色が漏れるように……でこんな感じだな。」
うん、結構いい感じだね。近未来的な感じが……って科学が発展してたのだいぶ昔だったね!はっはっはっは!うん。忘れちゃうね。
「とりあえずデータを送って……」
よし、送り終わった。あとは出てくるのを待つだけ……あ、そうだ。今のうちに黒曜のシステム書き換えよう。
僕は黒曜にコードをつなぎ、システムの書き換えを行った
「黒曜のシステムはどんな感じに書き換えるか……うーん。護衛型のシステムにするか。基本的には僕の護衛。人工知能は…つけなくてもいいかな?よし。こんな感じで。完成」
カタッ!といういい音が鳴り、黒曜のシステムの書き換えが終わった。
黒曜の目がもう一度光り輝き、工房の扉の横に立った。どうやら護衛をしているらしい。
「うん、こんな感じで良さそうだね。あとはミクロラプトルを終わらせて……『加工が完了しました』お。よし、それじゃあ作るか……」
僕は兵装のパーツを取り、加工が終わったものを順番に組み立てていった。
……そして、5時間後。
「よし、完成」
僕の目の前には完成されたミクロラプトル……よし今からはミクロと呼ぼう。ミクロがあった
全体的に白を基調とした色合いと、隙間から漏れ出る青い光は、英勇の持つ聖剣のようで、見ている者に神聖さを感じさせる。頭部に付けられたアンテナも、ユニコーンを連想させ、神聖がさらに増している。
「くふふふ……かっこ『ビービー!』ちょ、うるさい‼︎」
な!僕が気持ちよく余韻に浸ってたのに!一体何‼︎
「マスター。ドラゴンが攻めてきました。」
「わ⁉︎冥土さん、いつに間に…まあ、冥土さんなら。それはそれとして、ドラゴンが攻めてきたってどいうこと?」
「こちらをご覧ください。先程復旧したカメラの映像です」
「いつの間に復旧させてたの……」
僕はいつのまにかカメラの復旧をしていた冥土さんに呆れたような目を向けて冥土さんの持っている端末を見た
冥土さんが手にした端末のモニターには施設の上にいる真っ赤な鱗を持った巨大な空飛ぶ翼の生えたトカゲの姿が映っていた
『稚拙なる生物よ!我の名は龍帝 イフリートであるぞ!そんな場所に隠れてないで出てこい!今ならば痛みを感じずに消し済みにしてやる‼︎』
「とまあこんな風にわめいていますが……どうしますか?」
僕はその映像を見てクスリと笑った
それに冥土さんはなにか納得したような顔をした
「……ちょうどいい、冥土さん。僕が出る……黒曜はここで待機……冥土さんはこれをカタパルトにこれ運んでおいてくれ」
「了解しました」
僕は黒曜に待機命令を出しミクロを親指で刺すと、この施設のメイン出入り口に向かった……とは言ってもここ以外崩落してて使えないんだけどね〜
僕はメイン出入り口のエレベーターを起動させ、乗り込んだ。エレベーターはガチャンという音とモーター音と共に上に向かって登っていくのを重力が教えてくれる。これなくすこともできるけど。僕はこの重力が心地いいんだよね
僕は目を閉じ呟いた
「さーて……少しは骨のあるやつだったらいいんだけどね……」
そうじゃないといいデータが取れないし
『ピコン!』という音が鳴り、プシューとエレベーターの扉が開くと、僕は外に向け一歩踏み出した
「さあ……始めよう…………ショーの時間だ‼︎」
せいぜい争え雑魚
《龍帝 イフリートサイド》
クソ!今の砲撃はなんだ!稚拙なる生物にできるはずがない!我こそが最強のはずなんだ!我がブレスは地面をえぐり、山をも砕く!そのプライドを傷つけた!その罪は重いぞ!
「貴様か!我らに喧嘩を売ったのは!ふんっ!稚拙な生物だと思ったがまさか猿のメスとはな!今ならまだ間に合うぞ?今なら一瞬で死ね「うるさいよトカゲ」……何?」
この猿!我の話を遮るとは!よほど死にたいとはな!楽には殺さん‼︎
「貴様は楽には殺さん!ゴブリンの巣に放り込んで許しを請いながら死ぬがいい!」
そう言って我は稚拙な猿にブレスを放った
しまったな……一瞬で殺してしまった。まあいいだろう…稚拙な猿にふさわしい最後だ……な⁉︎
「うるさいなぁ……っていうかこの程度なの?ドラゴンのブレスって」
「バカな……」
嘘だろう?稚拙な生物が我がブレスに耐えることなどできるはずが…な……い⁉︎
「がは⁉︎な……何が‼︎」
痛い!痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い‼︎
「ガハッ‼︎」
我の口から赤い色の液体が出た
まさかこれは……我の血⁉︎我が傷つけられたというのか⁉︎バカな‼︎
「クックック……結構頑丈だ……これだけ頑丈ならいいデータが取れるだろう……」
そんな声が聞こえ、その声の主に目を向けると、先ほどまで我が飛んでいた場所に浮かぶ紅のオーラと、青い稲妻をまとり、こちらを見下すあの猿がいた
な⁉︎あの猿のメスに殴られただと‼︎我にそんな目を向けるとは‼︎許さんぞ許さんぞ許さんぞ許さんぞおおおおおおおおおお‼︎
「gyaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa!」
猿は我の咆哮を無視すると、右腕を空に掲げ叫んだ
「それじゃあ、やるか‼︎……こい!ミクロラプトーーーーーール!」
と……