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来訪者

ピンポーン


来訪者を知らせるチャイムが鳴る

「どなたですか?」

「こんばんわ、空巣に参りました盗田取蔵です」

「は?」

「こんばんわ!空巣に参りました!盗田!取蔵です!」

「うるさ!聞こえなくて聞き返したんじゃなくて!意図がわからんねん!」

「ですから、数日間この家を見張ってたら余りにも人の出入りが少なかったんで空巣に参りました」

「今日越してきたからね!ほんで空巣って名乗った時点ってか、在宅してる時点で失敗やろ!返事あった時点で逃げろや!」

「ごもっとも!では、失礼します」

「待て、待て、待て!引き返せや!本人立会いのもとに空巣とかあり得へんやろ」

「まぁ、こっちも生活かかってますんで、失礼します」

「失礼すな!いない時間見計らえや!ってか、見計らわれても困るんやけど」



「おれ、おれおれ!」

「なに取蔵さん、急にどうした」

「そうそうおれ、取蔵!実はちょっと事故っちゃって、お金必要で」

「こんな下手なオレオレ詐欺聞いたことないで!」

「そう、オレオレ詐欺なんだわ」

「だから、言うたらあかんねんて、それ!」

「とりあえず客人来たんだから家あげてお茶くらいだしてよ」

「犯罪者来てそんなんするわけないやろ!ってか今対応してるのが神対応だからね!」

「ふっふっふ!アイドルか!」

「頭叩くな!なんやねん。空巣も詐欺も成立してないんだから、早よ逃げろや」

「実はその、嫁も子供もいましてひくにひけなくてですね、なにかしら金品を持ち帰らないとなに言われるかわからないんで」

「もうどっから突っ込んだらいいかわからんわ!トリッキーすぎるやろ!」

「息子も大好きです。虎次郎。」

「漢字表記すなや!なんか浅草臭するか!それにトラジロウのはトリッピーやからな。あのね、辞めた方がいいよ、そんな職?」

「私が、辞めたらうちは、ただの、万引き家族だから」

「それ!そのエピソード獄中から本書きな!たぶん売れるから!」

「それは二番煎じすぎるから、獄中から脱走するプリズンをブレイクする話を書く予定です」

「そっちのが二番煎じや!ってか、捕まった後の事考えてるのね!?」

「自分こう見えて心配性なもんで」

「じやぁ、早よ逃げーや!実名名乗ったで!」

「大丈夫です、盗田取蔵は偽名です。本当は阿部寛って言います!」

「ますます偽名感」

「これでも本名なんです、病院とかで名前呼ばれると周りがざわつくんで改名したいんですけどね。改名って簡単にできるんでしょうか?」

「知らんし、実名名乗る犯罪者ってアホすぎるで!今なら実害ないから、早よ帰れ!通報しないから!」

「なんでこんな自分にそんな優しくしてくれるんですか?」

「めんどくさいから!」

「もしやあなたは噂通りの勇者様なんですか?」

「そや、早よう帰れ!」

「いや、違うあなたは勇者様じゃない。優者様だ」

「やかましいわ!早よ消えろや!」

「ではその優しさに甘えて今日は帰らせて頂きます。では、また!」

「またちゃうわ!二度と来るな!」



こんなん毎日続くん?しんど。

とりあえず寝るわ

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