シェアハウス
おまわりさんに連行され付いた家はあっちで暮らしていたとこより立派な一軒家だった。
「朝はバタバタして気づかなかったけどいい暮らしやな」
ドアを開ける。
うぃーエブァーエブァーエファーム♪
「なに?今の音楽!シェアハウスでも始まるんか、これ」
リビングに入るとソファーに、ホームレースのようなおっさんが腰掛けている。これと共同生活かぁ、しんどいわ。
「あの、初めまして、神谷真と申します」
「あんた、おいらが見えるのかい?」
「なに?どうゆうこと?」
「今までいろんな勇者が来たけど、おいらが見えるのはあんたが初めてだ。マジテンション爆あげー」
「なにそのチャラ感?あなたは何者ですか?」
「おいらはこの部屋で死んだ練馬たけしです。練の字を取って、レンタンって呼んでね!」
「練炭自殺が頭過るわ!呼べるか!事故物件やんけ」
「間に何人か挟んでるんで不動産屋さんの落ち度はありませんが、いやだなぁ、認識されるって。裸でうろちょろできないじゃん」
「そんなんすな!!殺すぞ!」
「もう死んでるから殺せないと思うけど」
「いやな返しやな、で、なに?なんで死んだん?」
「いや、プライベートな事なんで。どうしても話さなきゃダメですか?」
「そこまで知りたくわないけども」
「実はですね」
「話すんかい、ベタやな!」
「あれは93歳の時だったんですけど」
「寿命や!人生全うしてるわ!なんで居つくん?成仏せや!」
「心残りがありまして」
「あれやな、それ解決したら無事成仏してくれるんやな」
「確証は得られませんが、おそらく」
「なんなん、その未練は?」
「HUNTER×HUNTERの最終話を見届けたくて」
「一生成仏できんわ!」
「やはりそうですか。同時期に始まったワンピースとの巻数ももはやすごい差になっているんでしょうね」
「察しの通りや!もう諦めて成仏しぃや!共同生活とか無理や」
「ゴンはお父さんに会えたんでしょうか?」
「そんなとこで止まっとんの?会えた!会えたでとっくに」
「良かった」
室内なのに謎の光が天から降り注ぎ、じじぃは煌びやかに天使4人に体を持ち上げられて上空に消えていった。
「カミヤッシュ。最後に聞けたんだよ、HUNTER×HUNTERの結末を」
「フランダース感だして、感動させようとすんなよ。誰がカミヤッシュやねん。しょうもな」