目的の確認
再び王の部屋、チャルドタンスク四世のもとを訪れる。
しばしの待ち時間。
「それにしてもほんますごい作りやわ。こないだ気づかなかっけど、こないでっかい階段あったかな?」
ファンファーレではなくエレキギターが響きわたる。
「そんなアレンジいらんわ。…ちょい待ってよ、この曲…」
「4代目チャルドタンスクブラザーズの皆様です」
その声と共に大階段を降りてくる。
「いやいやいや!音楽の駅!!やめとけよ、なんやねん、4代目チャルドタンスクブラザーズ!って!一人やし!」
「今日もつっこみ倒しておるな。」
「こないな出オチにいくら使ってんねん」
「大丈夫、全て税金じゃ」
「こないなことに税金使うなって言っとんの!」
「かまわんかまわん、わしは王じゃぞ!」
「滅べや、こないしょーもない国!」
「滅んでしまうんじゃ…このままだとな…。こないだも説明しただろ?滅ばせてはならんのだよ。こんな国ではわしはこの国の民達が大好きなんだよ…。すまぬな、わしが生み出したこの状況をなんにも関係のないお主に丸投げしてしまって」
「王様…。」
「勝手な事言ってるのはわかってる!!この国を救ってくれ!!」
「ほな、しゃーないな。」
「頼むぞ、タモさん」
「まだ引きずっとんたんか!?ちゃうねん!あんなボケ倒してる人間達つっこみ続けてなんか意味あるんかいな?」
「わからない」
「なんかこぉー根本的な部分変えなあかんちゃうの?ゲームとかだったら魔王とかなんか敵対国倒すみたいな目標あるやんか?そないなもんないの?」
「ない!!」
「ないってなんやねん!まじでか!これあれやろ!こち亀的な感じか。毎回目の前のボケ処理し続けて終わらんやつやろ?」
「ネタがつきるまで頑張るのじゃこち亀みたいな長さは無理じゃ。必ずネタがつきる。頑張れ!ガッツだ!今目の前にあることだけに集中しろ!集中!目の前に集中!集中!!信じろ!集中!!」
「応援の熱量が松岡修造!!」
「まことっ!気合いだ!気合いだ気合いだ気合いだ気合いだ気合いだ気合いだ気あ…
「暑苦しので攻めたてんなや、ひくでほんまに」
「そうじゃ、そなたの冒険の役に立つであろう。こいつをさずけよう」
「なんか足りない思ったら、それや!そうゆうの求めとったんや」
「受け取れ」
「なんやこれ?」
「クレジットカード」
「ほんまに助かるやつやんけ!ちゃうやん、ひのきの棒と100Gとかやろ!?ほんで国の命運かけてんのにこんなちゃっちぃ援助かよ!?ってお馴染みの流れあるやん!あれ、やりーよ!」
「あれはちょっともうやり尽くされてる感あるから」
「じゃあ、いきなり最強武器渡しちゃってこんな最強武器あるならおれじゃなくてもええやん!?みたいな件やろうや!!」
「つっこみが使う最強装備ってなんじゃ?」
「それは…あれや、あの……黄金のハリセンに決まっとるやろ」
「用意できなくはないが本当に必要か?」
「いや…いらんよ。なんかすいませんでした。」
「良かった、そんな昭和のアイテムを欲しているものに国を任せることなんかできるわけがない。」
「すんません」
「正気の沙汰とは思えない。最強武器が黄金のハリセンだなんて。センスがこれっぽちも感じられない。冗談でよかったただでさえ今日だけでお金たくさん使ってるのに、黄金のハリセンなんてわけわからないもんに金かけるなんてあってはならないからな」
「だから、すいませんでした!!って言ってるやろが!金ケチるんやったらあんな階段作るなや!アホか!」
「階段は大した事ないんじゃ」
「じゃあ何に金かけたんや?」
「松本だ。」
「さっきの演奏のために本人呼んだん!?アホすぎるやろ!ダメだ、黄金のハリセン持ってこい!お前どつきまわしたるわ!」
「そ、ちょちょいやめぇーい!やめぇーい!」
「まだ何もしとらんわ、うるさいなぁー」
「そんな武器を持たぬともそなたには立派な武器があるじゃないか」
「なんもないよ」
「そのマシンガントークと鋼のメンタル!!
「…」
「あれ?あのーそれとあの、あれ!そう!勇気!勇気と愛!!あとは絆とかなんかそんなふわっとしたこぉ目には見えないものがたぶんこうゆうのって最終的になんか力の源になるから、そうゆう類のものを持っているではないかー!!勇者まことよー!!」
「じゃかしぃわアホが」
「まぁ福利厚生はしっかりしてるし、必要なものあったらこちらから送らせてもらうし、あとあのなんかボケがあったらメールで住所送ったりするから直接現地行ってください。交通費もさっきのカードで支払うか領収書持ってきたら経費でおちるから、ね。がんばって!」
「めちゃくちゃホワイトな派遣会社やんけ!」
「なにか不満でも?」
「ないわ!帰らせてもらうわ!」