小銭問題
木村咲と佐藤灯は仲良しだ。
小さい頃からの幼馴染で小学校から現在の高校まで同じ学校である。
二人はやっぱり、くだらない話をしている。
灯「今朝コンビニ行ったの。学校前に」
灯のコンビニでの一幕。
咲「何買いに行ったの?」
灯「今日の昼ごはんとか、あとお菓子とか色々」
灯は続ける。
灯「でレジ。朝だからすごい混んでるの」
咲「あ〜確かに」
灯「そんな混んでる時。私の前の人、スーツ着た男が、多分だけど小銭をたくさん持ってたんだろうね。小銭を減らす払い方をしようとしてたの」
咲「560円の時に610円出すみたいな」
この場合、五十円玉がお釣りにくる。
灯「それがその人は下手だったのかすごい時間掛かってんの。店員さんが『この十円玉要りませんよ』って。男の人『え…あ…』って軽いパニック」
テクニックが必要な小銭を減らす技。
灯「朝の混んでる時にやめてくれと、後ろの方からもそれを感じるの」
咲「朝だし、軽く迷惑だね」
灯「で、その男の人がようやく終わって私がレジに呼ばれたの」
咲「うん」
灯「私の番。ここでお金を払う時にちょっと『あれ?』ってことがあったの」
灯のレジで起きたちょっと不思議な出来事。
灯「まずね、私の財布に小銭が大量にあったの。だから私も小銭を減らす技を使おうと思ったの」
咲「お前もやったのかよ!」
ツッコむ咲。
灯「知ってる。もう迷惑なのは知ってるんだよ。でもどうしても小銭が煩わしかったの」
少し言い訳がましく言う灯。
灯「小銭地獄なんだよ、財布が」
咲「なんだそれ」
灯の財布、小銭地獄。
灯「財布には大量の一円玉と十円玉。だからその2種を減らしたかった」
咲「うんうん」
灯「会計は699円。私は1099円だしたの。(内訳は)千円札1枚、十円玉9枚、一円玉9枚」
咲「めっちゃ迷惑じゃん」
灯「そうなんだよ。小銭取るのとか地味に時間掛かるし」
開き直る灯。
灯「でもお釣りが399円だったの」
咲「え? なんで?」
灯「私は1099円出したつもりだったんだけど、間違えて1098円出してたんだろうね」
咲「一円玉が1枚足りなかったんだ。なるほどね」
納得する咲。
灯「ここで私が思ったのは、店員さんはなんで言ってくれなかったんだろうってこと」
灯の疑問、店員は何故一円玉が足りないことを言わなかったのか。
灯「言ってくれれば一円玉とか大量にあったし、前の人には教えてあげてたじゃん」
咲「佐藤が小銭欲しい人だと思ったんじゃない?」
灯「小銭欲しがる奴なんていねえよ!」
ツッコむ灯。
咲「いや、いるよ!」
それに対してツッコむ咲。
灯「とにかく、お釣り出されちゃったし、朝で混んでるから、何にも言わずにモヤモヤしながら店を出て学校行ったの」
腑に落ちない顔の灯。
灯「おかげで財布がすごく重いの。持ってみ」
咲「うわ。重い」
こんな感じのくだらない話を二人をいつも話している。
灯「小銭減らしたかったのに増えちゃったよ」
咲「ドンマイ」