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Saga of Dragons Fragments of the Memories  作者: evilplant
chapter2 guardian
30/32

guardian 1-2

オラァン久々の投稿dすみません色々あって遅くなったんです!だからいじわるしないで!()

兎に角またすこしづつ書いて来ますから宜しくお願いしますー!

戦闘が始まってすぐ、レティナは味方に指示を飛ばす。

「黒曜、青藍!こちらを手伝ってくれ!!後は全員カムイを足止めしろ!!」

了解、分かりました、と指示に応じる声が聞こえ、後ろで戦闘音が聞こえ始めた。

「……で、会長。勝率はあるんですよねぇ?」

黒曜がレティナに向けて、“分かりきった”質問をする。

「当然だろう、今回の作戦は運と実力の力押しだ、失敗する筈が無い」

要するに、捕まえられるまで失敗にならないと言う事だ。

「まあ、そうですよね……。

兎に角、本気で行かせて貰うからね、サンダー君」

「……」

青藍の台詞に無言で頷くと、サンダーは手のサバイバルナイフを構えた。



(……さて、どうするかな……)

正直雑魚にしかならない相手をけしかけられて、カムイにとっては暇潰しにもなりそうに無かった。

(ま、遊びようか……ん?)

だが、目の前の相手とどう戦うか考えている矢先、後ろから妙な視線を感じる。

まるで、人形遊びをする子供のような視線_____

「……はっ!!」

ほぼ勘で、カムイは自分の後ろに忍び寄っていた魔法人形を叩き落とした。

「流石『Animadoll』の白霊先輩ですね。

全く気付きませんでしたよ」

「む、でも気付かれた……」

すこし落ち込んでいるように見える_____と言っても無表情なので分かり難いが_____彼女は、人間族の霧宮 白霊(きりみやはくれい。真っ白な容姿と蒼い瞳はまさに人形を連想させる。

「そう言えば、ヘイルさんはお元気ですか?」

「うん、お母様は元気。君の事も気にかけてた」

「そうですか、嬉しいですねぇ。

……じゃあ、こっちは元気ですよって伝えてくれますか?」

「……私に勝ったら」

呆気にとられて今のほのぼのした会話を聞いていた他の生徒達は、白霊のセリフと共に突然危険度が上昇した事に気付き、気を引き締めた。

「…じゃあ、全力で行きます」

「ん、それで良い」

嬉しそうに満面の笑み(と言っても少し微笑んだようにしか見えないが)を浮かべると、両手に小さな魔法陣を発生させた。

(……今回ばかりはサンダーも(・・・・・)勝てない(・・・・)から、こっちはこっちで頑張りますかね……)

心の中でそう呟き、槍を構えた。



サンダーの姿が一瞬消え、次の瞬間大量のナイフに囲まれる。

「クッ……!!」

黒曜が自身の短槍でナイフを叩き落としながら前に出て回避するが、後ろからのナイフを捌き切れず、頬を掠めて傷を増やす。

黒い羽毛に滴る血を掬い取り、その間に片方の腕で槍を突き込むが、寸前でサバイバルナイフに止められてしまう。

「おらぁっ!!」

そのまま引っ掛けてサバイバルナイフを吹き飛ばし、突きを繰り出す。今度は避けきれなかったようで、浅い手応えと共にサンダーの右目の下から鮮血が飛び散る。

(届かない……!)

攻撃を掠らせる事しか出来ない事に歯痒さを覚えつつ、黒曜は何かを引っ張る仕草を見せる。

途端にサンダーの後ろから音も無く短槍が飛び出し、しかし空中に漂うナイフに衝突して金属音を響かせた。

だが黒曜は更に手を動かし、サンダーの周囲32方向(・・・・)から同じ槍を出現させ、彼を追撃する。

槍が貫く寸前、サンダーは上空に飛び上がって回避。_____だが、これは黒曜の想定通りだった。

「……ん、余所見はいけない」

その声と共に一体の人形がサンダーに取り付き、直後に爆発を起こした。


爆発の衝撃で吹き飛ばされ、地面に激突する前に体勢を立て直す。服が破けていないのは、瞬間的に防御魔法を使った故か。

「……」

サンダーは体の埃を落とすと、サバイバルナイフを消して投げナイフに持ち換え、黒曜達を見据えた。

「さて、と……」

そして黒曜は再度短槍を構え、横に並んだレティナをちらと見る。

_____今の所はレティナの作戦通りだが、ここから更にサンダーは強くなるに違いない、と彼は考えていた。

(正直見てみたい気もするが……)

これはまた別の機会にしよう、と邪念を振り払い、サンダーに意識を集中させた。


扇状に広げたナイフをおもむろに投げ、それは回転したままその場所に静止する。

幾度かそれを繰り返した後右手を振り払うと、全て黒曜達に切っ先を向け、一直線に飛んでいった。

10本程はレティナの障壁に弾いたが、そこで障壁が壊れ回避を余儀無くされる。

青藍も追尾する矢を乱射するが、全て空中のナイフに弾かれて落ちてしまう。

しかし_____それは彼らの作戦通り。

二人に集中し過ぎた所為か、サンダー自身がその『違和感』に気付いた時には、既に時間切れだった。

サンダーがレティナの反撃をかわした瞬間、首筋に衝撃を感じ一瞬にして彼の意識は闇に包まれた。



「っはぁ……はぁ……」

 無意識の内に止めていた息を吐き出し、荒い呼吸を繰り返す。

まだジットリとした冷や汗が止まらない。

_____久しぶりの脅威だった。何せレベル制限エリアであの動きだから、本来はもっと恐ろしい動きをする筈なのだ。

そして、黒曜は_____彼は、全てのレベルが5分の1となる学園の中ではかなり上の方だと自分でも思っていたし、またそれは事実でもあった。……だが。

「やはり、サンダー君は脅威だな……まさかここまで苦戦するとは」

レティナが感嘆するように呟く。

「まあでも、先輩方の方が作戦の立て方は上手いってこれで証明出来たんで良いんじゃないですかね」

と、上空で戦っていたカムイが白霊と一緒に降りて来る。

「むう、負けた……」

ちょっとボロボロになった白霊が、しょんぼりとしたオーラを漂わせる。

「カムイ君が言うと説得力あるねえ……何せ」

「おっと、それ以上は駄目ですよ」

レティナの台詞を遮るカムイ。彼にとっては生徒会の中でレティナしか知らない事を拡散されるのは、出来れば避けたかった。

「おっと、すまないな。

……それはともかく、先ずは全員の治療だな」

少なくない量の傷を負っている三人を見て、レティナはそう提案した。

皆も、特に異論は無かった。



15分後。

「不覚だった……」

「まあ仕方ねえだろうなぁ。あの『神眼』の娘さんなんだからな、レティナ先輩って」

目を覚ましてすぐにガックリと肩を落としたサンダーに、カムイが慰めの言葉をかける。

「やはり、か……それじゃあ敵わない訳だ」

「おまけにハンデ付きだしな」

そこまで言った時、丁度保健室のドアが開き、レティナ達が入って来た。

「ふむ……特に別状は無いようだな」

「ええ、問題ありません」

「そうか。ならば良しとしよう」

ニッコリと笑みを浮かべ、すぐに真面目な表情に戻すと、彼女は話を続けた。

「さて……ではサンダー君。君を規則通り生徒会へ加入しよう。異論は無いな?」

「有りません。負けたのは事実ですから」

「素直だな。……では、私は先に生徒会室に行っていよう」

軽く手を振り、すぐに保健室を出ていく。

サンダーとカムイも、担当の教師に礼を言ってから後に続いた。



「……無事に入れられたようじゃの」

「水無月老師ですか……」

遠くから彼らを観察していたヴェードに、水無月が声を掛ける。

「そんなに堅苦しい呼びで無く、呼び捨てで構わんと言っておるのにのう。ついでに何時もの口調で構わんぞ?」

「……今も昔も老師は(オレ)の師匠だ、今更変えられん」

「堅気じゃのう」

ふぉふぉふぉ、と水無月が笑う。

「……本当に、これで良かったのだろうか」

「あの“星読み(アストロゲイザー)”の眼は確かじゃ。しかし、全てを見通せる訳では無い。……であれば、見える選択肢のみで判断するのみじゃろう」

「確かに、な。

……では、(オレ)はサンダーの近くで見守る事にしよう」

「無理はするでないぞ?」

「善処する」

それに対して水無月は頷くと、元来た道を戻って行った。

少ししてサンダー達が見えなくなると、ヴェードもまたその場所から立ち去って行った。


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