howling3-4
時間かかったのに今回短いという。
…………すみませんつぎは早く上げます。
白虎達が樹の上の祭壇に辿り着くと、早速捕縛の呪符が飛んで来た。
しかし、それらは2人の横から飛び出した2匹の獣によって撃ち落とされた。
『貴様!我らが神に何をしている!』
ローグの横で飛びかかる構えを見せた大狼_____『アクアフェンリル』の蒼が彼等に向かって吠える。
『白虎、警戒しろよ。こいつ等、強い』
そう言いつつ、白虎の使い魔である『白虎』(種族名だ)のシロツキが舌なめずりをする。
「おやおや、此処に清めも無しに来るとは、随分と躾のなっておらぬ子童じゃのう」
中心に立っていた人族の神主らしき男が、黒塗りの鉄扇を弄びながら此方を向いた。
「それに狼と精霊の混血か。穢らわしいにも程がある」
「ローグをそんな風に言うんじゃねぇ!」
彼の言葉に、白虎が憤る。
「……ふん、まあ良かろう。どうせお主等の命も此処で尽きるのじゃから」
そう言った途端、ローグ達の足元から組紐が出現し、いち早く反応して跳躍したローグ以外の全員を縛る。
「白虎!大丈夫!?」
「ああ、大丈夫……ぐうっ!」
それに答えようとした瞬間、紐の当たった場所に激痛が走り、白虎は苦悶の叫びを漏らした。
見ると、白虎の体毛と服の一部が紐に触れた所だけ焼け焦げている。
それを見たローグが此方に近付こうとするが、白虎はそれを止めた。
「駄目だ、こっちへ来るな!」
「で、でも……!」
「良いから目の前の敵に集中しろ!こっちはまだまだ大丈夫だ!」
現在進行形で皮膚に重い火傷を負っている筈なのに、白虎はローグにニヤリと笑った。
それに頷くと、ローグは前を向いた。
「なんとまあ、仲間を見捨てて自分の保身を取るとは」
「……僕はお前を許さない」
「ほう?この儂に刃向かうか。儂の娘もそうじゃったのう」
「……まさか、桜宮さん……」
「死んではおらぬ。今ここで供物になってもらうがな」
その言葉に、ローグは顔を青ざめさせた。
「正気の沙汰じゃありません……」
「儂は至って正気じゃよ」
「嘘です!こんな事に自分の子供を使うなんて、そんなの間違ってます!」
「黙れ、子童!お主のような若輩者に、儂のする事を咎められる筋合いなど無い!」
ローグの叫びに、神主が反応する。
「この儀式さえ成功させれば永遠の命が手に入るのじゃ、邪魔はさせんぞ!」
そう言って神主は開いた鉄扇を振り上げ、
しかしそれが振り下ろされる事は無かった。
突然神主の後ろの空間から大きな狼が飛び出し、その神主に体当たりした。
その衝撃でバランスを崩し、発動直前だった術が霧散する。
体勢を立て直してもう一度放とうとするが、更に現れた一匹に頭を蹴られて気絶した。
その後も何匹もの狼や犬系の魔物が周りから登って来て白虎達の束縛を引き千切り、ローグ達の前に集まって互いに話し始めた。
『この小僧が我らの次の王か』『良い目してるじゃん』『結構可愛い子ね』
口々にローグを評価しているが、否定的な事は全く聞こえない。
「えーっと……」
_____それ以前に、ローグをそっちのけで騒いでいたために、ローグ自身が非常に困惑していたが。
「大丈夫か、2人共」
サンダーが祭壇端の水晶の移動床を使わずに飛んで来ると、ローグの周りの獣達は一斉にざわついた。
『あいつは確か、死んだ雷竜の王の息子では?』
『ああ、魔物を手当たり次第に屠って神の怒りを買ったという奴か』
『そんなものが我らの王に馴れ馴れしい態度をとるなど……』
先程とは打って変わって、口々に否定的な態度を取る獣達。
「僕の友達にそんな事言わないで下さい!」
それが、ローグには我慢出来なかった。
『し、しかし……』
「言い訳なんていりません!幾らサンダーさんが酷い事をやったとしても、サンダーさんは僕の友達なんです!無礼かどうかはあなた達が決める事じゃありません!」
ローグのその言葉と覇気に、獣達は口を縫い付けられ、反論する事が出来なかった。ローグのその言葉と覇気に、獣達は口を縫い付けられ、反論する事が出来なかった。
「そこまでにしておけ、ローグ」
「サンダーさん、でも!」
「良いんだ、あんな事を言われるのは慣れてるからな。……それより」
ローグが反論しかけたのを止めさせ、サンダーは起き上がろうとしている神主に目を向けた。
「ローグ、俺があの神主に話し掛けたら、出来るだけあの封印に近付くんだ。良いな」
ローグがグッと頷くのを見ると、サンダーは神主に話し掛けた。
「随分な真似だな、葉桜 渦斗。目先の餌に釣られたか」
サンダーが高圧的な口調で神主に話し掛けると、彼は目を見開いた。
「……ッ!!?貴様、あの竜人か!?」
「ああ。ついさっき咲耶に思い出して貰えたばかりだが……覚えているのか」
急に咲耶が若干顔を赤くしたが、サンダーは話を続けた。
「11年前に出会った時はとても優しい人だったのだが……、な。
一体何があったのやら」
「黙れ!お前のような穢れの塊のような者など、あの方から授かった力で浄化してくれるわ!」
御札と鉄扇を構えた渦斗をみて、サンダーは溜め息をついた。
そして言い放つ。
「もう遅い」
その瞬間、渦斗の後ろにあった封印が強大な闇と共に爆散した。
※追加説明※
◎神霊族について
(よく考えたら前回これ説明すればよかったですね)
創世神話に出て来る2人の女神のように、下位の種族から崇められる種族……というよりは集団のこと。
何かを司っていたり、世界を監視して最小限の介入を行ったり、死者の霊を裁いて行き先を決めたりと多様さがある。何もしていない者も多い。
時々喧嘩をしたりするが、何せ世界を巻き込んでの事もあるため歴史書に載っている事も少なくない。
但し前述の通り、最小限の介入しか出来ないので世界が滅ぶ事態になる事は無い。




