第一話 勇気付けられる猫〜大二郎〜
「暇ね・・・。」
女はこたつでミカンを頬張りながら暇をもてあましてた。
「外でも行って来たら。」
少年はパソコンを弄り回している。
「私に凍死しろと!?バカいわないで。そんな事して、近所の小学生と遊んでいるうちに天に召されちまうわ!暇だからあんたの部屋に遊びに来たのよ。」
立ち上がり少年の座るデスクに近寄る。
「何をしているの?」
「お前のHPを作ってるんだよ。」
女の中ではいろいろな想像をしていた。蝶仮面を装着した金持ち親父が番号札を持ちながら。「1億300円!」と叫んでいる。
「私を売る気か!1億300円て何?安くね?」
「そんなに高くないけど。まぁ・・・・そうなるね。」
「何か、メタボでブランデー片手に葉巻吸ってるバスローブ着た親父のところに売るのか!」
「お前みたいな乳臭いガキが売れる分けないだろ。お前の特技を売り込むんだよ。」
「私にそんなテクニックは無いわ!」
少年には理解出来なかった。
「・・・・?こころが何を言っているのか分からないけど。あれ何、霊能力だか超能力だっけ?とりあえずお前の趣味で商売をしようかなっと。」
「へ?ああ、別にいいけど。なら最初から言ってよ。小学生の私に、何てこと言わすの。」
「見た目はな、中身は艶っぽいけど。」
「色んなの見てたらこうもなるわ。大体、宗太郎が何も分からないだけよ。」
「俺にはわかんねぇや。」
「私には分かるの。宗太郎の事を何でも。ある物に触れると分かるのよ。」
こころはそういうと宗太郎の膝に乗っている小動物ぐらいの靄に触れた。
「あー、昨日から何か居ると思ったら、3ヶ月前に行方不明になった猫の大二郎の霊か。そうか死んじまったのか・・・・。ん、昨日?見るな。見ないでぇぇぇ!」
宗太郎が叫んだときには遅かった。こころが靄に手を触れた瞬間、彼女の全身の力がスッと抜けその場に倒れ。寝言を呟きだした。
「ん、はぁ・・・。いひゃぁ!こんなの始めて見た・・・・。あんなの入るわけな!!って何これ冷たっ!宗太郎ね。こんなプレイしたかったらやらせて・・・。ひゃっ、すいません冗談です!だから氷増やすのやめてください。畜生・・・覚えてろよ。起きたらただじゃすまさねえ!」
そして、こころの寝言は止まった。
「はっ!今のお前には何も出来まい。俺がいつの間にか冷凍庫から持ってきた氷を食らうしかないのだ!・・・おっぱいも揉めるな。いや、俺は変体チックな近所のお兄さんじゃないんだ!」
等と言っているうちにこころはゆらりと起き上がった。
「フニャー!!!」
猫化したこころに強烈な猫パンチを食らった。その風貌はまさに猫娘だった・・・。
「ああ・・・・久しぶりの大二郎パンチだ。たまらねぇぜ!」
そう言って宗太郎の意識はとんだ。
翌日
川原で宗太郎はこころを後ろに乗せて自転車を走らせていた。
「さーむーいーよー。」
こころは歯をガチガチ言わせながらその言葉を連呼していた。
「お前が河川敷に行きたいって言うから来たんじゃないか。あと、胸が当たってる。」
「当ててんのよ。あれ、ここ・・・・。そこの橋の下よ!」
橋の下にはダンボールやブルーシートできた家が並んでいる。
「ホームレスの住処じゃないか。あんな所に行って危なくないか?」
「大丈夫、あそこに悪い人なんて居ないわ。」
こころは自転車から降りると橋の下に向かって歩き出した。
「あ、おい!勝手に行くなよ。突っぱね返されるぞ。」
「追い返されるなんてとんでもない、宗太郎なら歓迎されるわ。誰か居る〜?」
一つの家からから人が出てきた。
「おいガキども。うるせぇぞ、いま飯食ってサブが寝付いたとこなんだ静かにしろ。」
「ガキとはひどい言われようね。」
「って、こころちゃんじゃねーか。なんだ、引越しに来たか。はははは。」
おやじは豪快に笑う。こころとは親しいみたいだ。
「楽しそうだけどやめとくわ。私、寒いところは嫌いなのよ。」
「こころちゃん遊びに来たの?寒いなら。そこの焚き火で暖まるといいわよ。あれ、そこの男の子はこころちゃんの彼氏?」
今度は隣の家から、女の子が出て来た。
「ち、つつがうわよ!いや、違うわ!」
「照れちゃってまー可愛いー。」
こころに抱きつき頬ずりする。
「あーもー。暖かいからいいやー。」
おやじはじーっと宗太郎の顔を見つめている。
「ああ、おめぇあん時の坊主じゃねえか。」
「そ、宗太郎君よ。あの時こころちゃんを助けてくれた。」
「何、言ってんだ。りょう・・・フガ!何すんだ!」
「父さん口に蚊がいたから・・・。」
「そうか。そうだ、お前も宗太郎に助けてもらったじゃねえか。」
「は?初耳よそんなの!」
女の子はわけが分からない様子だ。
「それどころか。ここにいる皆が宗太郎に助けてもらったんだぞ。あの、鉄パイプ1本で悪ガキ20人のめした姿はかっこよかったなぁ。戦い方は姑息だったけどな。言ってなかったか。わははははは!」
「あーあの時のですね。思い出した。あの時ちょうど大二郎が居なくなった時で探し回っていたんだ。そしたら女の子が拉致られそうになって猫が虐められてたから助けたんだ。」
「そうだ!いま、おめぇ大二郎って言ってなかったか?それだったらこれ・・・。」
おやじが家の中に入り何かを引っ張り出してきた。
「これは!」
親父の手にあるものは大二郎と書かれた首輪。
「わははは、おめぇが飼い主だったか。あのときここに大二郎はいたんだよ。」
「それで、大二郎は!?」
「昨日、野犬に襲われてな。子供を守るため最期まで戦って死んじまった。墓がそこにあるだろ?」
「そうか・・・・・。花を摘んできます。」
悲しかった兄弟のような猫。大二郎が死んだのを昨日知って大泣きした。大切な者が無くなる。これ以上にない苦痛だった。
でも、己の子供のために命を捨ててまで戦った大二郎の勇気がうれしかった。
「さてと、帰りましょうか。」
「そうだな。」
「宗太郎君。この子連れて帰る気ない?」
少女の両手には二匹の子猫が。
「そうしたいんだけど・・・・。おやじさんが。」
「うおおおおお!小三郎、大三郎元気でな!ちゃんとご飯食べさせてもらうんだぞ〜!」
泣きながら見送っている。
「あーいいのよお父さんてばこの子達見るのに寝てないのよ。このままじゃまずいからね。」
晴れ晴れとした青空。日が出て暖かかい。
「ねぇ、宗太郎。大二郎から伝言があるんだけど。」
「なに?どんなの。」
「あの時の人間共から嫁を助けてくれてありがとう。あそこで石を投げられ嫁が死んでいたらあの子達は生まれなかった。あの時逃げていた僕には、大勢の敵に立ち向かう宗太郎の姿が誇らしかった。おかげで僕も宗太郎のようにいかなかったが、最期は子供たちを見捨てずに敵に立ち向かえた。宗太郎と出会い一緒に暮らせて良かった。」
「最期まで人間くさい猫だな。」
俺はこころと大二郎に出会えたことが本当にうれしかった。
勇気をもらう猫〜大二郎〜 完
読んでくれてありがとう!
あー、小説と言いがたいくらいめちゃくちゃです。
勉強していきますんでよろしくお願いします。